JP2561102B2

JP2561102B2 - 脱毛防止剤

Info

Publication number: JP2561102B2
Application number: JP62281498A
Authority: JP
Inventors: 昭三郎藤井
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1987-11-06
Filing date: 1987-11-06
Publication date: 1996-12-04
Anticipated expiration: 2011-12-04
Also published as: JPH01121210A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、脱毛防止剤に関し、特に毛髪の脱毛を防止
する外用塗着の脱毛防止剤に関する。

従来の技術従来から育毛剤や養毛剤、脱毛剤に関して多数の出願
がなされ、また商品化されている。しかし、脱毛症で悩
んでいる人にとって、十分満足するものは見当たらな
い。

発明が解決しようとする問題点いろいろと調査、研究の結果、脱毛症の人は内臓が弱
く、また貧血症は養毛しにくく、さらに脱毛部にはふけ
が発生しやすくて、頭部にかゆみが頻発することが分か
った。そのため、脾胃を強化し、経路を暖め、頭部脱毛
部で血液が停滞するのを除去し頭部への血行をよくする
とともに、ふけの防止をはかって、かゆみを止めること
が重要である。

問題を解決するための手段本発明は上記のような点に鑑みたもので、上記の問題
を解決するために、頭部の毛髪部の血行状態を改良する
血流の留滞を除去して血液の流れを阻滞させない活血去
お薬と、気血陰陽の不足を補い血虚を補養して健胃を強
壮する補益薬と、風寒、風熱の邪を発散し、血分に入
り、血熱を散ずる解表去風薬と、清熱燥湿してかゆみを
止め、雲脂の発生を防止する清熱解毒薬とを含有するこ
とを特徴とする脱毛防止剤を提供するにある。

作用本発明によれば、脱毛部等の頭髪部に本脱毛防止剤を
塗着すると、含有している活血去お薬によって頭部に血
流が留滞するのを防いで血液の浄化がはかれ、補益薬に
よって栄養を吸収し血液をつくる脾胃を滋養、強壮して
血虚を補充し、補血をはかることによって頭部の充血状
態を持続して血液循環を良好にできて、養毛、育毛を促
進できる。また、解表去風薬によって、風寒、風熱の邪
を発散し、血分に入って血熱を散じて血流が停滞するの
を防止し、清熱解毒薬によって頭髪部に生じるかゆみを
止めるとともに雲脂の発生を除去して、脱毛を防止でき
て禿頭になるのを防止できる。

実施例脱毛防止剤は、血流の留滞を除去して血流の流れを阻
滞させない活血去お薬と、気血陰陽の不足を補い血虚を
補養して脾胃を強壮にする補益薬と、風寒、風熱の邪を
発散し、血分に入って血熱を散ずる解表去風薬と、清熱
燥湿してかゆみを止め、雲脂の発生を防止する清熱解毒
薬の粉末や、細切れ、顆粒をエチルアルコールの薬用ア
ルコールに浸漬し、１〜４日間にわたって適宜にかくは
んし、濾過して精製している。

上記活血去お薬としては、丹参を使用しているもので、は活血作用とともに行気作用もある血中の気薬であり、
丹参は血中に入って欝熱を除いて活血し、経血を通利す
る作用を有し、頭部の血行の留滞を除去して血流をよく
するようにしている。

補益薬としては、補益薬の当帰、白苟、鶏血藤、補陽
薬の莵絲子、骨砕補を使用している。補益薬の当帰は養
血して経血を調えるとともに活血して止痛する作用を有
するもので、血による疾病の要薬であり、白苟は肝血を
養って止血する常用薬で、これら二薬の配合によって養
血と理血の効能をあらわして、血虚血おの止痛の作用を
発揮するようにしている。また、鶏血藤も活血して経血
を調え、風湿の邪を除き、緊張張ゆるめ絡脈を通じて血
虚を補う効能を有し、活血去お薬の補益薬の当帰との配合によって風寒湿による痺証を治療
できるようにしている。補陽薬の莵絲子は肝腎を補い、
同じく骨砕補は腎陽を温補して血の滞りをめぐらせて痛
みを止めるようにしている。

解表去風薬としては、羌活、荊芥、防風、天麻、を使
用している。羌活は発表散寒作用の他、風寒湿の邪の留
滞を行散し、関節を通利して痺証を治療できるようにし
ている。そして、また活血行気し、風邪を除いて止痛す
るとの配合によって、風邪、気滞、お血を除いて止痛し、
頭痛、偏頭痛を除去できるようにしている。荊芥は皮膚
の血液循環を促進するとともに、風寒、風熱の邪を発散
するのにすぐれ、血分に入って血熱を散じ、風邪が欝滞
して生じる頭痛を治療できる。防風は風寒湿の邪を受け
て生じた頭痛、体痛、風寒湿による痺証の関節痛の治療
の常用薬であり、上記荊芥との配合によって相須の働き
を生じ、風邪を感受して、無汗、身痛、かゆみの症状の
治療ができる。また、との配合によってさらに効果を高めることができるもの
である。天麻は潤補の薬性が優れ、津液を補って熄風の
作用をあらわし、止痛の作用を生じる。上記防風ととの配合によって肝風を散じて止痛し、活血、去風の働
きがあらわれて、頭痛の治療に最もよく効果を発揮でき
るようにしている。

清熱解毒薬としては、白蘚皮、苦参、山椒を使用して
いる。白蘚皮は皮膚に生じる湿熱による疥癬、風疹の常
用薬であり、苦参は清熱燥湿、殺虫の作用があり、湿熱
による疥癬、かゆみ止めに使用している。そして、上記
白蘚皮との配合によって、清熱解毒し殺虫する働きが増
強するもので、雲脂の発生を防止し、頭部の瘡痒、かゆ
みの症状を治療するようにしている。また、山椒は健
胃、散寒、去風の作用を奏し、かゆみを防止する。

上記した各薬剤は、活血去お薬が15〜20％、補益薬が
30〜40％、解表去風薬が20〜30％、清熱解毒薬が15〜25
％の重量比の配合比率とするのが好ましいものである。
さらに詳しくは、たとえば、活血去のお薬のを７〜10％、丹参を５〜10％、補益薬の当帰を８〜12
％、白苟を３〜５％、莵絲子を５〜７％、鶏血藤を３〜
５％、骨砕補を８〜12％、解表去風薬の羌活を６〜８
％、荊芥を４〜６％、防風を３〜５％、天麻７〜10％、
清熱解毒薬の白蘚皮を７〜10％、苦参を３〜５％、山椒
を７〜10％の重量比の割合で、それぞれ粉末や、細切
れ、顆粒材を適宜に配合し、重量比としてほぼ３〜10倍
（好ましくは５〜６倍）の60〜95％のエチルアルコール
の薬用アルコールに適宜かくはんしながら１〜４日間浸
漬し、濾過して本脱毛防止剤を精製している。必要によ
り、薬用アルコールの濃度を順次高濃度に変えたり、上
記所要の生薬を各濃度の薬用アルコールにそれぞれ浸漬
して毛髪再生チンキ剤を精製することもできるものであ
る。

このように精製した脱毛防止剤を、薄毛、脱毛症の人
に使用した。薄毛部や脱毛部に１日１〜２回刷子等で塗
布した結果、使用後一週間程度で脱毛が著しく低減し、
頭髪の根元部も太く強化され、次第に効果を奏すること
ができ、ほぼ満足できたものである。なお、一部には、
発毛の効果も生じたものである。

他の実施例本発明の脱毛防止剤の他の実施例としては、上記の各
薬剤に、補益薬として補気薬の黄耆を５〜10％と、補陽
薬の補骨脂を５〜10％加えたもので、脱毛防止効果を一
層高められるようにしたものである。

黄耆は、気虚を治療する要薬であり、上記した当帰と
の配合によって、益気生血の効能をあらわして血虚で発
熱したり、気血の不足による症状を治療できる。また、
防風との配合によって、黄耆が防風の疎散作用の助けを
かりて邪をとどこおらせず、防風は黄耆の固表作用の助
けをかりて散泄するのを防ぎ、相畏、相使の効果を奏す
るようにしている。また、補骨脂は腎陽を盛んにして腎
精を補養し、脾を温めて泄瀉を止める常用薬で、上記莵
絲子との配合によって相須の働きをあらわすようにして
いる。

さらに他の実施例本実施例では、上記の配合薬剤に、補益薬として補気
薬の人参や，樟木または樟脳の生薬を３％〜10％位加え
て抽出するものである。

人参は益気し津血を生じさせ、気虚を補う主要薬で、
上記黄耆との配合によって相須の働きが生じ、気虚によ
る神経疲労、飲食不振や身体虚弱で脱毛や白髪化するの
を防止できるようにしている。また、樟木、樟脳は芳香
性強心剤で、神経を刺激し、新陳代謝を促進し、脱毛の
防止、養毛、育毛の促進をはかるようにしているととも
に、人参とともに白髪化の防止をはかるようにしている
ものである。

以上の生薬において、活血去お薬として桃仁、紅花、
牛膝、没薬、補益薬として西洋参、党参、枹杞子、杜
仲、蒼朮、断続、解表去風薬として桂枝、生姜、独活、
五加皮、清熱解毒薬として、黄連、木瓜（特に木瓜は去風、かゆみ止めに有効で５
〜７％配合しておくことが望ましい。）等を医者の診断
その他によって適宜に付加し、病症に応じて代替するこ
とが可能である。

以上の実施例では、いずれも生薬の粉末、細切れ、顆
粒を薬用エチルアルコールの有機溶媒に浸漬して有効成
分を抽出するようにしたが、公知のエタノール、イソプ
ロパノール、エチレングリコール等の有機溶媒やこれら
の混合溶液、またはこれらの含水有機溶媒で抽出するこ
ともできるものである。

以上の実施例は限定的でなく、公知の頭髪の脱毛防止
用に有益な薬効成分やビタミン類、殺菌剤、香料等を添
加配合するのを除外するものではない。

発明の効果以上のように本発明にあっては、頭部の脱毛部、薄毛
部の血流の留滞を解消し、脾胃を温めて活発化し、血行
をよくして頭部の充血状態を持続し、また風寒、風熱の
邪を発散し、さらにかゆみや雲脂の発生を除去して、脱
毛を防止でき、頭髪を養毛、育毛できるものである。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】頭部の毛髪部の血行状態を改良するため
に、血流の留滞を除去して血液の流れを阻滞させない活
血去お薬と、気血陰陽の不足を補い血虚を補養して健胃
を強壮する補益薬と、風寒、風熱の邪を発散し、血分に
入り、血熱を散ずる解表去風薬と、清熱燥湿してかゆみ
を止め、雲脂の発生を防止する清熱解毒薬とを含有する
ことを特徴とする脱毛防止剤。
【請求項２】活血去お薬が丹参であり、補益薬が当帰、白苟、莵絲子、鶏血藤、骨
砕補であり、解表去風薬が羌活、荊芥、防風、天麻であ
り、清熱解毒薬が白蘚皮、苦参、山椒である特許請求の
範囲第１項記載の脱毛防止剤。
【請求項３】活血去お薬、補益薬、解表去風薬、清熱解
毒薬から薬用アルコール等の有機溶媒単独またはこれら
の含水有機溶媒により抽出した有効成分を含有するチン
キ剤である特許請求の範囲第１項または第２項記載の脱
毛防止剤。