JP2560459Y2 - 管状流通路内の水抜装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、例えば地中に埋設さ
れたガス管内に侵入水によって貯留された水を抜き取る
のに好適する管状流通路内の水抜装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、例えば地中に埋設された
ガス管は、その内部に侵入水によって水が貯留すると閉
塞しガスが流通されなくなるため、数十メートルおきに
水抜装置が取り付けられている。さらに、地形の変化等
により水抜装置と水抜装置との間の部分が沈み、そこに
水が貯留して管が閉塞することが考えられるので、定期
的に、検査カメラにて管内を検査し必要があれば水抜パ
イプを使用して貯留した水を抜くという水抜作業を行な
っている。

【０００３】しかしながら、上記のような従来の水抜作
業は、まず、検査カメラを管内に入れて水の貯留してい
る場所を探しその場所までの距離を測定する。その後、
検査カメラを管内から取り出し、測定した距離だけ管内
に水抜パイプを挿入して水の吸い出しを行なう。次に、
水抜パイプを管内から取り出し、検査カメラを管内に挿
入して水が抜けたか否かを調査し、十分に水が抜けてい
ない場合には、検査カメラを管内から取り出し、再度、
水抜パイプを管内に挿入して水の吸い出しを行なうとい
うように、完全に水が抜けるまで検査カメラと水抜パイ
プとを交互に幾度も出し入れしなければならず、作業が
煩雑でしかも作業完了までに長い時間を要するという問
題が生じている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】以上のように、従来の
水抜作業では、作業が煩雑で時間がかかるという問題を
有している。

【０００５】そこで、この考案は上記事情を考慮してな
されたもので、水抜作業を容易化し作業効率を高め作業
時間の短縮化に寄与し得る極めて良好な管状流通路内の
水抜装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この考案に係る管状流通
路内の水抜装置は、照明を有し、撮影した被写体の光学
像を画像信号に変換する検査用カメラと、この検査用カ
メラの近傍に一端部が連結された水抜用パイプと、検査
用カメラと水抜用パイプの一端部とを共に管状流通路内
に押し入れるための芯となる可撓性を有する棒を中心部
に備え、該棒の周囲に水抜用パイプ、カメラ用通信線及
び照明用電力線が配置されたケーブルとを備えるように
構成したものである。

【０００７】

【作用】上記のような構成によれば、検査用カメラと水
抜用パイプとを共に管状流通路内に押し入れ、照明を含
む検査用カメラによる監視と水抜き作業とを行なえる構
成としたので、管状流通路内の水の有無を調べる作業や
水抜作業及び水抜きの確認作業等を、従来のように、検
査カメラと水抜パイプとを管内に交互に幾度も出し入れ
する必要なく容易に行なうことができ、水抜作業の効率
を高め作業時間の短縮化を促進することができる。ま
た、水抜作業がカメラによる画像を見ながら行なえるた
め、効率良く迅速に行なえるという利点がある。そし
て、特に、上記構成では、検査用カメラの近傍に一端部
に水抜用パイプを連結し、検査用カメラと水抜用パイプ
の一端部とを共に管状流通路内に押し入れるための芯と
なる可撓性を有する棒、水抜用パイプ、カメラ用通信線
及び照明用電力線をケーブルとして一体化するように構
成しているので、全体として小型に構成することがで
き、実用に適するという利点を有している。

【０００８】

【実施例】以下、この考案の一実施例について図面を参
照して詳細に説明する。図１において、１１は地中に埋
設されたガス管であり、地形の変化等により一部が沈み
その沈んだ部分に侵入水等で水１２が貯留された状態を
示している。そして、このガス管１１内に、この実施例
で説明する水抜装置１３が挿入されて、水１２の貯留さ
れた箇所を探し水１２の排出が行なわれる。

【０００９】この水抜装置１３は、図２に示すように、
カメラレンズ１４及び照明１５が内蔵されたカメラユニ
ット１６と、このカメラユニット１６で捕らえた被写体
の光学像を画像信号に変換して作業員の手元にある図示
しないモニタ（ＣＲＴ：カソード・レィ・チューブ）に
送出するための回路が内蔵された信号処理ユニット１７
とが、コイル状のスプリング１８によって連結されてい
る。

【００１０】また、上記信号処理ユニット１７には、そ
の近傍に、水抜パイプ１９の一端部を支持する水抜ユニ
ット２０がコイル状のスプリング２１によって連結され
ている。この水抜パイプ１９の他端部は、上記信号処理
ユニット１７から出力される画像信号をモニタＣＲＴに
伝送するためのカメラケーブル２２とともに、作業員の
手元にある図示しない排水装置に接続されている。

【００１１】すなわち、このカメラケーブル２２は、図
３に示すように、水抜装置１３をガス管１１内に押し入
れるための芯となる、可撓性を有するＦＲＰ製の棒２３
を中央部に備え、その周囲にカメラ用通信線２４，照明
用電力線２５及び水抜パイプ１９を配置した構成となっ
ている。そして、ガス管１１内の水１２は、スプリング
２１の隙間を介して水抜パイプ１９にとどき、上記排水
装置で排出されるようになる。

【００１２】したがって、上記実施例のような構成によ
れば、ガス管１１内の検査カメラであるカメラユニット
１６及び信号処理ユニット１７とともに、水抜パイプ１
９がガス管１１内に進入されるようにしたので、水１２
の有無を調べる作業と水抜作業及び水抜きの確認作業が
水抜装置１３をガス管１１内に挿入したままで容易に行
なうことができる。

【００１３】このため、従来のように、完全に水が抜け
るまで検査カメラと水抜パイプとを管内に交互に幾度も
出し入れする必要がなくなり、水抜作業を容易化し作業
効率を高め作業時間の短縮化を促進することができる。
特に、水抜作業がカメラによる画像を見ながら行なえる
ため、効率良く迅速に行なえるという利点がある。ま
た、カメラに関する部分を２つのユニット１６，１７に
分割したので機動性が良くなるとともに、各ユニット１
６，１７，２０をスプリング１８，２１で連結するよう
にしたので、曲り具合にかかわらずガス管１１内に容易
に挿入することができ実用的である。なお、この考案は
上記実施例に限定されるものではなく、この外その要旨
を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができ
る。

【００１４】

【考案の効果】以上詳述したようにこの考案によれば、
水抜作業を容易化し作業効率を高め作業時間の短縮化に
寄与し得る極めて良好な管状流通路内の水抜装置を提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る管状流通路内の水抜装置の一実
施例を示す側面図。

【図２】同実施例の要部を拡大して示す側面図。

【図３】同実施例のカメラケーブルの構造を示す断面
図。

【符号の説明】

１１…ガス管、１２…水、１３…水抜装置、１４…カメ
ラレンズ、１５…照明、１６…カメラユニット、１７…
信号処理ユニット、１８…スプリング、１９…水抜パイ
プ、２０…水抜ユニット、２１…スプリング、２２…カ
メラケーブル、２３…棒、２４…カメラ用通信線、２５
…照明用電力線。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−247229（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−45197（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 照明を有し、撮影した被写体の光学像を
   画像信号に変換する検査用カメラと、この検査用カメラ
   の近傍に一端部が連結された水抜用パイプと、前記検査
   用カメラと前記水抜用パイプの一端部とを共に管状流通
   路内に押し入れるための芯となる可撓性を有する棒を中
   心部に備え、該棒の周囲に沿って前記水抜用パイプ、カ
   メラ用通信線及び照明用電力線が配置されたケーブルと
   を具備してなることを特徴とする管状流通路内の水抜装
   置。