JP2559678Y2 - トンネル換気機用起動運転装置 - Google Patents

トンネル換気機用起動運転装置

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JP2559678Y2
JP2559678Y2 JP3770493U JP3770493U JP2559678Y2 JP 2559678 Y2 JP2559678 Y2 JP 2559678Y2 JP 3770493 U JP3770493 U JP 3770493U JP 3770493 U JP3770493 U JP 3770493U JP 2559678 Y2 JP2559678 Y2 JP 2559678Y2
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tunnel
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宗 鹿嶌
仁 多田
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Kawasaki Motors Ltd
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、たとえばジェットファ
ンおよびブースタファンなどと呼ばれるトンネル内に設
置された吊下型トンネル換気機のための運転装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】典型的な従来技術は図5に示されてい
る。長区間のトンネルにはその長手方向に間隔をあけて
複数のトンネル換気機JF1〜JF6がトンネル内天井
に設置される。トンネルの一端部の電気室には換気動力
盤1が設けられ、ここで電力線2から受電し、電力ケー
ブルL1〜L6を介して電力を供給する。トンネル換気
機JF1〜JF6の電圧は、換気動力盤1からの供給電
圧よりも、ケーブルL1〜L6の電圧降下分、低下す
る。電圧降下率は、内線規定で6%以下と定められ、ま
た変圧器を介して受電している場合は、7%以下と定め
られている。ジェットファンJF1〜JF6を駆動する
誘導電動機は、一般的には、±10%以内の電圧変動で
あれば、正常な運転が可能である。換気動力盤1が、前
述のように電気室内に設置されており、トンネル換気機
JF1〜JF6が電気室近くに設置される場合は、特に
問題は生じないけれども、特に吊下型トンネル換気機は
トンネル内天井に設置され、一般的に電気室から遠く離
れて取付けられており、電力ケーブルL1〜L6は、た
とえば500〜900mであって長く、そのため換気動
力盤1からトンネル換気機JF1〜JF6までのケーブ
ルL1〜L6の線路抵抗による電圧降下が大きく、また
それによる電力損失が大きい。この問題を解決するため
に、ケーブルL1〜L6が長くなれば、電圧降下を考慮
して、断面積が大きい太いケーブルを使用せざるをえ
ず、したがって工事費が高くなるという問題がある。す
なわちケーブルが長くなるにつれて、その電圧降下を小
さくするために、断面積が大きい太いケーブルを用いる
必要がある。
【0003】さらにこの先行技術の他の問題は、各トン
ネル換気機JF1〜JF6の起動/停止のために、換気
動力盤1には、順方向電磁接触器MCFと逆方向電磁接
触器MCRとが設けられ、したがってそのトンネル換気
機JF1〜JF6の電動機は、直入起動であり、したが
って定格電流の2倍以上、たとえば6〜8倍もの大きな
起動電流がケーブルL1〜L6に流れ、そのため、ケー
ブルL1〜L6は、このような大きな起動電流のため
に、その断面積を大きくしなければならず、またその起
動時に大きなトルクが作用し、電動機の出力軸に大きな
捩れ力が作用する結果になる。
【0004】またこのような先行技術では、電磁接触器
MCF,MCRを用いて起動と停止だけとを行うことが
でき、希望する回転速度で電動機を駆動することができ
ないので、換気風量を最適な値に設定することができ
ず、したがって必要な換気風量よりも大きい換気風量が
達成されるようにトンネル換気機JF1〜JF6を運転
する必要が生じ、不経済な運転になる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】本考案の目的は、ケー
ブルの長さが長くなるにつれてその断面積を大きくする
必要をなくし、また起動時の運転を円滑に行うことがで
きるようにしてソフトスタートを可能にし、起動時のス
トレスを小さくし、さらに換気風量を希望する値に設定
することができるようにした改良されたトンネル換気機
用起動運転装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は、トンネル換気
機の電動機の定格電圧V1と、その電動機に電力を供給
するケーブルの電圧降下ΔVとの和の電圧V2を、ケー
ブルに与える起動運転回路を備えることを特徴とするト
ンネル換気機用起動運転装置である。
【0007】また本考案は、電動機は、誘導電動機であ
り、起動運転回路は、可変電圧可変周波数のインバータ
であることを特徴とする。
【0008】また本考案は、トンネル換気機は、トンネ
ルの長手方向に間隔をあけて、複数個、配置され、起動
運転回路は、各トンネル換気機の電動機毎に対応し、1
カ所にまとめて設けられることを特徴とする。
【0009】
【作用】本考案に従えば、交流または直流の電力を供給
する起動運転回路は、トンネル換気機のファンを駆動す
る電動機の定格電圧V1よりも、そのケーブルの電圧降
下ΔVだけ高くしてケーブルに与えるようにし、これに
よって電動機には、ケーブルの長さに関係なく、定格電
圧を与え、そのケーブルに与える電圧を高くすることに
よって、その分、ケーブルの断面積を小さくして細くす
ることができ、こうして負荷電流以上の許容電流を有す
るケーブルを選定することができる。
【0010】また本考案に従えば、トンネル換気機の電
動機は、誘導電動機であり、周波数可変のインバータ
で、誘導電動機を駆動するようにし、これによって起動
を円滑に行うことができ、起動電流を小さく抑制し、電
動機の出力軸に作用する捩れ力を小さくし、こうして起
動時のストレスを小さくし、ソフトスタートが可能にな
る。
【0011】さらに本考案に従えば、誘導電動機を駆動
する周波数を変化することによって、回転速度を制御
し、希望する換気風量を得ることができ、これによって
前述の先行技術におけるオン/オフ制御を行うトンネル
換気機の台数制御によって希望する風量以上の風量を得
るようにした構成に比べて、経済的な運転が可能にな
る。
【0012】特に本考案に従えば、トンネル換気機がジ
ェットファンまたはブースタファンなどのような軸流フ
ァンであるとき、動力は回転速度の3乗に比例する特性
を有し、したがって回転速度を低下して必要風量を得る
ようにすることによって、必要な動力を激減することが
でき、省エネルギー効果を期待することができる。
【0013】
【実施例】図1は、本考案の一実施例の全体の構成を示
す電気回路図である。吊下型トンネル換気機用運転装置
において、ジェットファンまたはブースタファンなどの
トンネル換気機JF11〜JF16に近接して手元開閉
器箱F1〜F6が設けられ、またケーブルL11〜L1
6を介して、電気室に設けられた換気動力盤である起動
運転回路11から受電された電力が供給される。
【0014】図2はトンネル12の断面図である。各ト
ンネル換気機JF11〜JF16は、そのトンネル12
の長手方向に間隔をあけてトンネル内天井に設置され
る。電気室、したがって起動運転回路11は、トンネル
12の一端部に設けられる。ケーブルL11,L12は
たとえば500mであり、ケーブルL16はたとえば9
00mであっていずれも長い。
【0015】たとえば550V、60Hzの3相交流電
源からの電力はケーブル13から起動運転回路11に供
給され、配線用遮断器MB1から、さらに各トンネル換
気機JF11〜JF16に個別的に対応した配線用遮断
器MB11〜MB16にそれぞれ接続される。各遮断器
MB11〜MB16には、順方向電磁接触器MCFと逆
方向電磁接触器MCRとが接続され、さらに過負荷検出
のためのサーマルリレーTHを経て各ケーブルL11〜
L16に電力が供給される。トンネル換気機JF11に
関して、サーマルリレーTHの出力と、零相変流器ZC
Tの出力が与えられる地絡過電流継電器51Gの出力と
によって、配線用遮断器MB11は、このような過負荷
時および事故の発生時に遮断される。また計器用変流器
CTが設けられ、さらに計器用変圧器PTが設けられ、
それらに関連して電流計Aおよび電圧計Vが設けられ
る。
【0016】起動運転回路11には、インバータVF1
〜VF6が、各トンネル換気機JF11〜JF16に個
別的に対応して設けられる。
【0017】図3はインバータVF1の構成を示すブロ
ック図である。交流電力はライン21から供給され、ラ
イン22から、ケーブルL11を介して送出される。こ
のインバータVF1は基本的には、交流を直流に変換す
るコンバータ回路23と、その直流を整流する整流回路
24と、この整流回路24で整流された直流を周波数可
変で交流に変換するインバータ回路25とを含む。イン
バータ回路25は、周波数および電圧が零から、その周
波数および電圧を変化して上昇することができる働きを
示す。
【0018】図4は、トンネル換気機JF11のファン
を駆動する誘導電動機の特性を示す。誘導電動機の回転
速度は、インバータVF1、したがってインバータ回路
25の周波数および電圧に依存してそれらが上昇するに
つれて、上昇する。こうして起動時には周波数および電
圧を低くし、時間経過に伴ってその周波数および電圧を
増大して定格の周波数および定格の電圧が誘導電動機に
与えられるようにする。また定格運転未満で、起動する
風量を得るように、誘導電動機に与えられる周波数を変
化することも、また可能である。このインバータ回路2
5の出力電圧V2は誘導電動機に定格電流が流れたとき
におけるケーブルL11の電圧降下ΔVを、誘導電動機
の定格電圧V1に加えた電圧V2を、最大出力電圧とし
て定める。
【0019】 V2=V1+ΔV …(1) インバータVF1に代えて、変圧器を用いてもよく、こ
のとき、複数タップを有し、そのタップを切換えて出力
電圧を変化するようにした変圧器を用いることが好まし
い。
【0020】ケーブルL11は、トンネル換気機JF1
1を駆動する誘導電動機の定格電流以上の許容電流を有
するケーブルを選定する。
【0021】本考案では、インバータVF1によって、
誘導電動機の定格電圧よりもケーブルL11の電圧降下
ΔVだけ高い電圧を、最大出力電圧としており、これに
よってケーブルL11は長さにかかわらず、断面積が小
さい細いケーブルを使用することができ、工事費を削減
することができる。
【0022】インバータVF1は、ライン13からの電
圧を昇圧して、ケーブルL11に供給するようにしても
よい。
【0023】図1〜図4の実施例による計算結果を表1
に示す。
【0024】
【表1】
【0025】ケーブルL11〜L16の電圧降下eは、
式2に示される。
【0026】
【数1】
【0027】 本考案によれば、トンネル換気機JF11〜JF16の
ジェットファンは、定格電圧440V、容量37kWで
あり、ケーブルL11〜L16は、長さに関係なく、断
面積22mm2 に定める。各インバータVF1〜VF6
は、電圧降下ΔVだけ、誘導電動機の定格電圧よりも高
い最大出力電圧に定める。
【0028】本考案の他の実施例として誘導電動機に代
えて、直流電動機を用い、この場合、インバータVF1
〜VF6に代えて出力電圧可変のコンバータを用いるよ
うにしてもよい。
【0029】上述の説明は、主としてトンネル換気機J
F11およびインバータVF1に関連して行われたけれ
ども、残余のトンネル換気機JF12〜JF16および
インバータVF2〜VF6に関してもまた同様である。
【0030】
【考案の効果】以上のように本考案によれば、起動運転
回路からケーブルに供給する電圧V2を、ケーブルの電
圧降下分だけ電動機の定格電圧V1よりも高く設定する
ことによって、ケーブルの長さに関係なく、電動機の負
荷電流以上の許容電流を有するケーブルを選定し、こう
してケーブル断面積を大きく定める必要がなく、工事費
を削減することができる。
【0031】また本考案によれば、誘導電動機を、周波
数可変のインバータで駆動するようにし、これによって
円滑な起動、すなわちソフトスタートが可能になり、起
動時の電流を小さくし、また電動機の出力軸の捩れ力を
小さくして起動時のストレスを小さくすることができる
ようになる。
【0032】さらに本考案によれば、誘導電動機の回転
速度の制御が可能になるので、希望する換気風量を得る
ことができ、したがって必要な換気風量に比べて大きい
換気風量が達成するようにトンネル換気機の台数制御を
行う必要がなく、経済的な運転が可能になり、しかも特
に、トンネル換気機が軸流ファンであるときには、その
回転速度が低下されることによって、必要な動力を激減
し、省エネルギー効果が期待できるようになる。
【0033】また複数の各トンネル換気機がトンネルの
長手方向に間隔をあけて配置され、各トンネル換気機の
電動機のための起動運転回路を、トンネルの長手方向の
一端部などに1カ所にまとめて設けるとき、本考案の上
述の各効果が上首尾に達成されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の全体の構成を示す電気回路
図である。
【図2】図1に示される実施例のトンネル12の断面図
である。
【図3】インバータVF1の電気的構成を示すブロック
図である。
【図4】誘導電動機の特性を示すグラフである。
【図5】先行技術の全体の構成を示す電気回路図であ
る。
【符号の説明】
11 起動運転回路 12 トンネル 14 本体 JF11〜JF16 吊下型トンネル換気機 F1〜F6 手元開閉器 VF1〜VF6 インバータ

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル換気機の電動機の定格電圧V1
    と、 その電動機に電力を供給するケーブルの電圧降下ΔVと
    の和の電圧V2を、ケーブルに与える起動運転回路を備
    えることを特徴とするトンネル換気機用起動運転装置。
  2. 【請求項2】 電動機は、誘導電動機であり、 起動運転回路は、可変電圧可変周波数のインバータであ
    ることを特徴とする請求項1記載のトンネル換気機用起
    動運転装置。
  3. 【請求項3】 トンネル換気機は、トンネルの長手方向
    に間隔をあけて、複数個、配置され、 起動運転回路は、各トンネル換気機の電動機毎に対応
    し、1カ所にまとめて設けられることを特徴とする請求
    項1または2記載のトンネル換気機用起動運転装置。
JP3770493U 1993-07-09 1993-07-09 トンネル換気機用起動運転装置 Expired - Lifetime JP2559678Y2 (ja)

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JP4640226B2 (ja) * 2006-03-22 2011-03-02 株式会社Ihi トンネル換気装置
JP5335550B2 (ja) * 2009-05-13 2013-11-06 株式会社創発システム研究所 長距離道路トンネル用換気制御システム
JP2015163005A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 株式会社創発システム研究所 長尺ケーブルを介して駆動する道路トンネルのジェットファン用誘導電動機の可変速駆動装置
JP6516170B2 (ja) * 2017-09-11 2019-05-22 株式会社創発システム研究所 改良型非絶縁変圧器を用いたトンネル内のファン駆動用電源回路システム

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