JP2558967B2 - 赤外線検出装置 - Google Patents

赤外線検出装置

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JP2558967B2 JP3132743A JP13274391A JP2558967B2 JP 2558967 B2 JP2558967 B2 JP 2558967B2 JP 3132743 A JP3132743 A JP 3132743A JP 13274391 A JP13274391 A JP 13274391A JP 2558967 B2 JP2558967 B2 JP 2558967B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は焦電型の赤外線検出装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】焦電型の赤外線センサとしては、従来か
ら各種のものが知られ、例えば単結晶を利用したもの、
セラミックスや有機材料を用いたものがある。従来の赤
外線センサは、単体として製造されており、赤外線検出
装置として構成するに際しては、センサ部と抵抗、FE
Tなどをパッケージに収容していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、単体として
の赤外線センサと抵抗、FETをワンパッケージに入れ
て赤外線検出装置を構成すると、高インピーダンスのセ
ンサ部の出力信号を配線を介して取り出すことになるた
め、雑音特性が劣化してしまう。また、小型化にも限度
があり、抵抗素子としては1GΩ程度の高抵抗のものが
必要になる。
【0004】そこで、このようなセンサ部、抵抗、イン
ピーダンス変換用のFETなどを、ワンチップ化するこ
とが望まれる。しかし、焦電素子を赤外線検出用に機能
させるためには、ポーリングと呼ばれる作業が必要にな
るので、上記のワンチップ化は容易でなかった。すなわ
ち、ポーリング工程ではセンサ部に高電圧が印加される
ことになるが、ワンチップ化された状態でこれを実行す
ると、FETなどが破壊されてしまうからである。本発
明は、かかる従来技術の有していた問題点を解決するた
めのものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る赤外線検出
装置は、半導体基板と、この半導体基板に形成されたイ
ンピーダンス変換素子と、このインピーダンス変換素子
の制御電極に第1の電極が接続され、この第1の電極と
対向するように設けられた第2の電極との間に焦電材料
を介在させて形成された焦電素子と、半導体基板に形成
されて第1の電極にアノード端子が接続された第1のダ
イオードと、半導体基板に形成されて第1の電極にカソ
ード端子が接続された第2のダイオードと、を備え、焦
電素子の第2の電極と、第1のダイオードのカソード端
子および第2のダイオードのアノード端子との間に、ポ
ーリング時に高電圧が印加されることを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明によれば、逆並列に接続された第1およ
び第2のダイオードを有しているので、ポーリング時の
高電圧に対しては低抵抗として働き、従ってインピーダ
ンス変換素子に過大な負荷を与えることなく焦電素子を
ポーリングでき、また、センサとしての使用時における
微少信号電流に対しては高抵抗として働き、従って焦電
素子の出力のインピーダンス変換を可能にする。
【0007】
【実施例】以下、添付図面により本発明の実施例を説明
する。
【0008】図1は本発明の実施例の構成を示し、同図
(a)は回路図、同図(b)は断面の概略図である。図
示の通り、インピーダンス変換素子としての接合型FE
T(J−FET)のゲート21には、焦電素子10の下
側電極11が接続され、かつ逆並列の関係となったダイ
オードD1、D2のアノード、カソードが接続される。
この逆並列ダイオード回路30は、J−FETが形成さ
れた半導体基板40と同一の基板に形成されている。下
側電極11上には例えば有機材料からなる焦電効果材料
層12が堆積され、その上面に赤外線吸収性の材料から
なる上側電極13が形成されて、上述の焦電素子10が
構成される。
【0009】上記の構成において、焦電効果材料層12
をポーリングする際には、コモン電極C1、C2の間に
高電圧が印加される。すると、逆並列ダイオード回路3
0にはダイオードD1、D2のレベルシフト電圧以上の
電圧が印加されるので、等価的に低抵抗素子として、ポ
ーリング電流を導通させる。このため焦電効果材料層1
2がポーリングされる一方で、J−FETのゲートに過
大な電圧が印加されることはない。赤外線センサとして
の使用時には、焦電素子10の焦電効果によって生じる
電位差は低電圧であり、従って逆並列ダイオード回路3
0にはダイオードD1、D2のレベルシフト電圧以下の
電圧が印加される。このため、逆並列ダイオード回路3
0は十分に高抵抗な素子として等価的に働くことにな
り、J−FETによるインピーダンス変換が好適になさ
れる。
【0010】次に、上記実施例の具体例を、図2により
説明する。
【0011】n型シリコン基板40上にはn型シリコン
層41がエピタキシャル成長法により形成され、J−F
ETの形成領域はP型アイソレーション層42によって
接合分離されている。そして、J−FET領域にはP型
ゲート領域21、n型ソース領域22およびn型ドレイ
ン領域23が形成されている。ダイオード領域には、P
型領域31が形成されて、この中にn型カソード領域3
2とp型アノード領域33が形成され、図示しないもう
1個のダイオードと共に、逆並列ダイオード回路30が
構成されている。
【0012】このような基板上には、SiO2 からなる
絶縁膜61が形成され、p型ゲート領域21、n型カソ
ード領域32およびp型アノード領域33の部分で絶縁
膜61に開口が形成される。そして、逆並列ダイオード
回路30の取り出し電極71、72が形成されると共
に、J−FET領域上にはp型ゲート領域21に接続さ
れた下側電極11が、例えばアルミニウムやニッケルク
ロム合金などで形成されている。下側電極11上には焦
電効果材料層12が形成され、その上にはニッケルクロ
ム合金や金黒からなる上側電極13が形成される。そし
て、絶縁膜61上の一部は、SiO2 (SiNなどでも
良い)からなる別の絶縁膜62で被覆されている。
【0013】上記構成の赤外線検出装置では、焦電効果
材料層12は有機材料をスピンコートすることで形成さ
せる。そして、これに焦電効果を呈し得るようにするた
めには、いわゆるポーリングが必要になるが、これは図
2の装置が完成された後に行われる。
【0014】図3は図2に示す赤外線検出装置の変形例
を示している。これが図2と比べて異なる点は、n型シ
リコン基板40およびn型シリコン層41が、裏面から
のエッチングにより除去され、焦電素子10の形成領域
で薄くされていることである。
【0015】このようにすれば、焦電素子10からn型
シリコン基板40およびn型シリコン層41への放熱を
少なくできるので、より高感度な赤外線検出が可能にな
る。
【0016】図4は別の実施例の回路図である。図示の
通り、インピーダンス変換用のJ−FET1のソースに
は、電流源となる別のJ−FET2のドレインが接続さ
れる。
【0017】そして、J−FET2のドレインには電源
端子C3が接続され、ゲートには電流制御用の電圧VB
が印加される。この回路では、出力信号OUTはJ−F
ET1のソース電極から取り出される。この回路によれ
ば、赤外線センサと電流源を一体化できるので、より一
層扱いやすくすることができる。
【0018】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明の赤
外線検出装置によれば、逆並列に接続されたダイオード
を有しているので、ポーリング時の高電圧に対しては低
抵抗として働き、従ってインピーダンス変換素子に過大
な負荷を与えることなく焦電素子をポーリングでき、ま
た、センサとしての使用時における低電圧に対しては高
抵抗として働き、従って焦電素子の出力インピーダンス
変換を可能にする。このため、焦電型のセンサ部とイン
ピーダンス変換用のJ−FETおよび抵抗等を、ワンチ
ップ化することが可能になる。以上説明してきた様に、
同様の効果を得るためにはもちろんMOS FETを用
いても良い事は明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る赤外線検出装置の構成を
示す図である。
【図2】図1に示す実施例の具体例を説明する図であ
る。
【図3】図2に示す赤外線検出装置の変形例を示す図で
ある。
【図4】本発明の別の実施例に係る赤外線検出装置の回
路図である。
【符号の説明】
10…焦電素子 11…下側電極 12…焦電効果材料層 13…上側電極 21…p型ゲート領域 22…n型ソース領域 23…n型ドレイン領域 30…逆並列ダイオード回路 31…ダイオード用のp型領域 J−FET,J−FET1…インピーダンス変換用の接
合型トランジスタ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、 この半導体基板に形成されたインピーダンス変換素子
    と、 このインピーダンス変換素子の制御電極に第1の電極が
    接続され、この第1の電極と対向するように設けられた
    第2の電極との間に焦電材料を介在させて形成された焦
    電素子と、前記半導体基板に形成されて前記第1の電極にアノード
    端子が接続された第1のダイオードと、 前記半導体基板に形成されて前記第1の電極にカソード
    端子が接続された第2のダイオードと、 を備え、 前記焦電素子の第2の電極と、前記第1のダイオードの
    カソード端子および前記第2のダイオードのアノード端
    子との間に、ポーリング時に高電圧が印加される ことを
    特徴とする赤外線検出装置。
  2. 【請求項2】 前記半導体基板は裏面からエッチングさ
    れることにより一部が薄くされ、当該薄くされた部分の
    前記半導体基板上に前記焦電素子が延設されている請求
    項1記載の赤外線検出装置
  3. 【請求項3】 前記半導体基板には電流源回路が形成さ
    れて前記インピーダンス変換素子に接続されている請求
    項1記載の赤外線検出装置。
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JPH0821731B2 (ja) * 1989-03-20 1996-03-04 浜松ホトニクス株式会社 赤外線検出装置

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