JP2557145B2 - 内視鏡の吸引操作装置 - Google Patents

内視鏡の吸引操作装置

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JP2557145B2
JP2557145B2 JP3025551A JP2555191A JP2557145B2 JP 2557145 B2 JP2557145 B2 JP 2557145B2 JP 3025551 A JP3025551 A JP 3025551A JP 2555191 A JP2555191 A JP 2555191A JP 2557145 B2 JP2557145 B2 JP 2557145B2
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羊介 吉本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内視鏡の吸引操作装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に内視鏡の操作部には吸引操作装置
が設けられており、この吸引操作装置を操作して体腔内
の汚物や体液等を吸引チャンネルを通じて体腔外に吸引
できるようになっている。従来、この種の吸引操作装置
としては例えば実開平1−80102号公報に示される
ように、吸引チャンネルに接続されたシリンダ内に弁座
としての小径部を設け、この小径部に押し付けられたピ
ストン弁を小径部から離間させて吸引チャンネルを吸引
するようにしたものがある。
【0003】ところで、このような吸引操作装置ではシ
リンダに弁座としての小径部が設けられているため、シ
リンダの内面が洗浄し難い複雑な形状となる。このた
め、従来では小径部の裏側などに洗浄不良が発生し、感
染源となるおそれがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
点に鑑みてなされたものであり、その目的はシリンダを
洗浄しやすい単純な形状とすることができ、洗浄不良に
よる感染を防止することのできる内視鏡の吸引操作装置
を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、内視鏡の吸引チャンネルに接続されたシリ
ンダと、このシリンダに着脱自在に嵌合し側部に吸引孔
を有する内筒と、この内筒の下端に設けられ前記内筒の
下端開口を閉塞する閉塞部にスリットを有し弾性材から
なる弁体と、前記内筒内に進退自在に設けられ前記弁体
のスリットに押込み操作される操作部材と、前記操作部
材を押込み位置から定位置に弾性復帰させる手段とを具
備したものである。
【0006】
【作用】本発明ではシリンダに着脱自在に嵌合する内筒
の下端に弾性材からなる弁体を設けるとともに、内筒内
に操作部材を進退自在に設け、この操作部材を弁体に押
し込んで弁体のスリットを開口させることにより、シリ
ンダに弁座を設けることなく吸引チャンネルを吸引する
ことができる。したがって、シリンダを洗浄しやすい単
純な形状とすることができ、洗浄不良による感染を防止
することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図12を
参照して説明する。
【0008】図1は内視鏡の概略構成を示す図であり、
この内視鏡は体腔内に挿入される挿入部1の後端に握り
部2を設け、さらに握り部2の後端に操作部3及び接眼
部4を設けて構成されている。そして、操作部3には挿
入部1の先端部を湾曲操作するための湾曲操作レバー5
が設けられているとともに、挿入部1内に形成された処
置具チャンネルを吸引チャンネルを介して吸引するため
の吸引操作装置6が設けられている。
【0009】上記吸引操作装置6の構成を図2に示す。
同図において、7は図示しない処置具チャンネルに連通
する吸引チャンネルであり、この吸引チャンネル7には
本発明の一実施例である吸引操作装置6のシリンダ8が
接続されている。このシリンダ8には内筒9が着脱自在
に嵌合しており、内筒9の下端部にはゴム等の弾性材か
らなる弁体10が設けられている。この弁体10の下部
には内筒9の下端開口を閉塞するドーム状の閉塞膜10
aが設けられており、閉塞膜10aの中央部にはスリッ
ト11が形成されている。
【0010】また、内筒9内には棒状の操作部材12が
進退自在に設けられている。この操作部材12は図3に
示すように断面が十字状をなしており、操作部材12の
上端部には操作部材12の下端部を弁体10のスリット
11に押し込むための操作部13が設けられている。
【0011】また、内筒9の上端部にはカバー14が操
作部材12の周囲を覆うように設けられている。このカ
バー14はゴム等の弾性材からなり、操作部材12はカ
バー14の弾性力により定位置に戻るようになってい
る。なお、カバー14には大気を吸引するためのリーク
孔15が形成されている。
【0012】また、内筒9の側部には吸引路を形成する
口金16が設けられている。この口金16には図示しな
い吸引ポンプが吸引チューブを介して接続されており、
吸引ポンプの吸引力で体腔内の汚物や体液等を吸引する
ようになっている。なお、口金16は図4に示すように
シリンダ8に形成された切欠部17に係合している。
【0013】図5は握り部2の内部を示す断面図であ
り、同図に示すように握り部2内には挿入部1の先端部
を湾曲させる操作ワイヤ18,19と、これらの操作ワ
イヤ18,19を押し引き操作する牽引ワイヤ20,2
1とを連結するリング状の連結部材22,23が設けら
れている。
【0014】上記操作ワイヤ18,19は図8に示すよ
うに、7本の素線からなる芯線24の周囲に12本の外
線25を配置し、これらの外線25を芯線24の縒り方
向とは逆方向に縒って形成されている。また、牽引ワイ
ヤ20,21は図9に示すように、3本のワイヤ27を
同一方向に縒って形成されており、各ワイヤ27は7本
の素線28から形成されている。なお、操作ワイヤ1
8,19および索引ワイヤ20,21は押し引き操作に
よる伸びを防止するために、図7に示すように縒方向
を一致させて接続されている。また、握り部2と操作部
3との 部には図5に示すようにリング状の押え部材
29が設けられている。
【0015】上記のような構成において体腔内の汚物や
体液等を吸引する場合は、操作部材12の上端部に設け
られた操作部13を指で押し、図10に示すように操作
部材12の下端部を弁体10のスリット11に押し込
む。そうすると、図11に示すように操作部材12とス
リット11との間に隙間30が生じ、スリット11が開
口するので、体腔内の汚物や体液等を体腔外に吸引する
ことができる。
【0016】このように上記実施例では、シリンダ8に
着脱自在に嵌合する内筒9の下端部に弾性材からなる弁
体10を設けるとともに、内筒9内に棒状の操作部材1
2を進退自在に設け、この操作部材12を弁体10のス
リット11に押し込んでスリット11を開口させるよう
にしたので、シリンダ8に弁座を設ける必要がない。し
たがって、シリンダ8の内面を洗浄しやすい単純な形状
とすることができ、洗浄不良による感染を防止すること
ができる。
【0017】また、上記実施例ではシリンダ8に対して
内筒9が着脱自在に設けられているので、カバー14を
上方に引き上げることにより内筒9、弁体10、操作部
材12をシリンダ8内から一度に引き抜くことができ、
分解洗浄を容易に行なうことができる。
【0018】さらに、上記実施例ではカバー14にリー
ク孔15が形成されているので、弁体10のスリット1
1が閉じているときでも内筒8内の圧力が負圧になるよ
うなことがなく、負圧によりスリット11が開口して内
筒8内に体腔内の汚物や体液等が侵入することもない。
【0019】なお、上記実施例では口金16をシリンダ
8の切欠部17に係合させたが、図12に示すように切
欠部17の側部に係止部31を設け、この係止部31に
口金16を係合させるようにしてもよい。
【0020】次に本発明の第2実施例を図13乃至図1
7を参照して説明する。
【0021】図13は内視鏡の概略構成を示す図であ
り、この内視鏡は体腔内に挿入される挿入部41の後端
に握り部42を設け、さらに握り部42の後端に操作部
43及び接眼部44を設けて構成されている。
【0022】上記挿入部41の後端部には鉗子等の処置
具を挿入部1内に形成された処置具チャンネルに挿入す
るための処置具挿入部45が設けられている。また、操
作部43にはユニバーサルコード46が接続されている
と共に吸引操作装置47が設けられている。この吸引操
作装置47は図14に示すように構成されており、処置
具チャンネルと連通する吸引チャンネル48には吸引操
作装置47のシリンダ49が接続されている。このシリ
ンダ49にはゴム等の弾性材からなる吸引操作弁50が
着脱自在に嵌合しており、吸引操作弁50の下端部には
弁体部51が一体に設けられている。この弁体部51は
吸引操作弁50の開口を閉塞する閉塞部51aを有し、
閉塞部51aの中央にはスリット52が形成されてい
る。
【0023】また、吸引操作弁50の上端部には後述す
る操作部材55を定位置に弾性復帰させるためのバネ部
53が一体に設けられており、バネ部53と弁体部51
との間には内筒部54が形成されている。
【0024】上記操作部材55は内筒部54内に進退自
在に設けられており、操作部材55の上端部には操作部
材55の下端部を弁体部51のスリット52に押し込む
ための操作部56が設けられている。なお、操作部材5
5は断面が十字状をなしている。
【0025】また、吸引操作弁50には吸引孔57が内
筒部54の側部に形成されている。この吸引孔57は連
通管58を介して口金59(図13参照)に連通してお
り、口金59に接続された吸引ポンプの吸引力で体腔内
の汚物や体液等を処置具チャンネルを介して吸引するよ
うに構成されている。
【0026】また、吸引操作弁50には図15および図
16に示すようにリブ60a,60bが弁体部51の外
壁部にスリット52を挟んで設けられており、これらの
リブ60a,60bによりスリット52は操作部材55
が待機状態のとき、すなわち非操作時に完全に閉じるよ
うになっている。なお、口金59は図17に示すように
取付環体61およびす持板62を介して操作部43に固
定されており、取付環体61には支持板62を固定する
ためのクリセントリング63が設けられている。
【0027】上記のような構成において体腔内の汚物や
体液等を吸引する場合は、操作部材55の上端部に設け
られた操作部56を指で押し、操作部材55の下端部を
弁体部51のスリット52に押し込む。そうすると、図
14に示すようにスリット52が開口するので、体腔内
の汚物や体液等を処置具チャンネルを通じて体腔外に吸
引することができる。したがって、上記実施例では第1
実施例と同様に、シリンダ49の内面を洗浄しやすい単
純な形状とすることができ、洗浄不良による感染を防止
することができる。
【0028】また、上記実施例では弁体部51の外壁部
にリブ60a,60bがスリット52を挟んで設けられ
ているので、操作部材55が待機状態のとき、すなわち
非操作時にスリット52を完全に閉鎖させることができ
る。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、内視鏡の
吸引チャンネルに接続されたシリンダと、このシリンダ
に着脱自在に嵌合し側部に吸引孔を有する内筒と、この
内筒の下端に設けられ前記内筒の下端開口を閉塞する閉
塞部にスリットを有し弾性材からなる弁体と、前記内筒
内に進退自在に設けられ前記弁体のスリットに押込み操
作される操作部材と、前記操作部材を押込み位置から定
位置に弾性復帰させる手段とを具備したものである。し
たがって、シリンダに弁座を設ける必要がなく、シリン
ダを洗浄しやすい単純な形状とすることができるので、
洗浄不良による感染を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す内視鏡の概略構成
図。
【図2】 同実施例における吸引操作装置の構成を示す
断面図。
【図3】 図2のA−A線に沿った断面図。
【図4】 同実施例における吸引操作装置の正面図。
【図5】 同実施例における握り部の内部を示す断面
図。
【図6】 図5のB−B線に沿った断面図。
【図7】 同実施例における操作ワイヤと牽引ワイヤと
の連結部を示す図。
【図8】 同実施例における操作ワイヤの構成を示す
図。
【図9】 同実施例における牽引ワイヤの構成を示す
図。
【図10】 同実施例の作用を説明するための説明図。
【図11】 図10のC−C線に沿った断面図。
【図12】 同実施例におけるシリンダの変形例を示す
図。
【図13】 本発明の第2実施例を示す内視鏡の概略構
成図。
【図14】 同実施例における吸引操作装置の構成を示
す断面図。
【図15】 同実施例における吸引操作弁の正面図。
【図16】 同じく吸引操作弁の下面を示す図。
【図17】 同実施例における操作部の内部を示す断面
図。
【符号の説明】 1…挿入部、2…握り部、3…操作部、4…接眼部、5
…湾曲操作レバー、6…吸引操作装置、7…吸引チャン
ネル、8…シリンダ、9…内筒、10…弁体、11…ス
リット、12…操作部材、14…カバー、15…リーク
孔、16…口金、41…挿入部、42…握り部、43…
操作部、44…接眼部、46…ユニバーサルコード、4
7…吸引操作装置、48…吸引チャンネル、49…シリ
ンダ、51…弁体部、52…スリット、53…バネ部、
54…内筒部、55…操作部材。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内視鏡の吸引チャンネルに接続されたシ
    リンダと、このシリンダに着脱自在に嵌合し側部に吸引
    孔を有する内筒と、この内筒の下端に設けられ前記内筒
    の下端開口を閉塞する閉塞部にスリットを有し弾性材か
    らなる弁体と、前記内筒内に進退自在に設けられ前記弁
    体のスリットに押込み操作される操作部材と、前記操作
    部材を押込み位置から定位置に弾性復帰させる手段とを
    具備したことを特徴とする内視鏡の吸引操作装置。
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