JP2556753B2 - バーコードの読取り方法 - Google Patents

バーコードの読取り方法

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JP2556753B2 JP1299152A JP29915289A JP2556753B2 JP 2556753 B2 JP2556753 B2 JP 2556753B2 JP 1299152 A JP1299152 A JP 1299152A JP 29915289 A JP29915289 A JP 29915289A JP 2556753 B2 JP2556753 B2 JP 2556753B2
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公法 神崎
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、バーコードの読取り方法に関し、特に金属
物品の表面にレーザ・マーキング等により刻設されたバ
ーコードの読取り方法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、種々の分野でバーコードが利用されており、バ
ーコード部分の構成も実開昭62−81168号公報に示され
る情報担体のように、反射テープを用いてバーコードを
形成し、遠距離からの識別を可能としたり、また実開昭
61−51562号公報に示されるバーコードリーダのよう
に、バーコードを付した用紙を載置する載置台の表面に
反射板を設け、透明な用紙に設けられたバーコードでも
識別できるように形成するなど、バーコードの読取り能
力を向上させる手段が各種開示されている。
一方工場の生産ライン等では、バーコードを印刷した
ラベルを金属物品の表面に貼着して、これを読取ること
により金属物品の識別等を行っている。しかしながら、
このように金属物品にラベルを貼着するものでは、金属
物品の熱処理や洗浄等の工程でラベルが損傷を受けるた
め、これらの工程を行うたびに新しいラベルを貼り直す
必要があった。
そこで生産ラインの省力化の面から上記バーコードを
レーザ・マーキングや刻印等の手段を用いて金属物品の
表面に刻設することが検討されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、金属物品の表面に刻設されたバーコー
ドは、光ビームの反射・吸収の差が小さいため、受光部
に入射する反射光のコントラストが弱く、受光部で十分
に識別することができなかった。即ち紙面等に印刷され
たバーコードの場合は、光ビームが反射する部分と、光
ビームを吸収する部分とに明確に分けることができる
が、金属の表面にバーコードを刻設した場合は、バーコ
ードが刻設されていない金属の表面部分では光ビームが
一方向にのみ反射し、また刻設部では光ビームが乱反射
するため、ラベル上のバーコードのように光ビームを吸
収する部分がなく、反射光に受光部が識別するのに十分
なコントラストが得られず、通常のバーコード読取り器
の受光部では読取ることができなかった。さらに板状の
金属物品の場合には、該物品の反りや捩じれ,板厚誤
差,浮き等により光ビームを確実にバーコードに照射で
きなかったり、反射方向にずれを生じて読取り不可能に
なることがあった。
そこで、本発明は、金属物品の表面に刻設されたバー
コードを確実に読取ることのできるバーコードの読取り
方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記した目的を達成するために、本発明のバーコード
の読取り方法は、金属物品の表面に刻設されたバーコー
ドを読取るにあたり、金属物品の表面に刻設されたバー
コードにバーコード読取り器の投光部から照射される光
ビームをバーコードの幅方向に走査させ該バーコードを
読取るにあたり、光ビームのバーコードの幅方向の走査
方向と交叉する長さ方向に光ビームが走査するよう前記
投光部を往復動させて、前記金属物品表面のバーコード
部に光ビームを所定角度範囲で照射して金属物品の表面
で反射させ、該光ビームが反射する位置に配設した表面
が淡色の反射板にバーコード像を投影し、該反射板の表
面に投影されたバーコード像をバーコード読取り器の受
光部で読取ることを特徴としている。
〔作用〕
上記のごとく、光ビームを金属物品の表面で反射させ
て反射板に投影すると、光ビームが金属物品の表面で反
射板に向かって反射した部分は反射板上で高輝度とな
り、バーコードの刻設部分で乱反射した部分は反射板上
で影となるため、受光部で識別するのに十分な光量差を
有するバーコード像を反射板上に得ることができ、さら
に、投光部を光ビームのバーコードの幅方向の走査方向
に交叉する長さ方向に光ビームが走査するよう往復動さ
せることにより、光ビームを、該光ビームのバーコード
の幅方向の走査方向と交叉する長さ方向に移動させなが
らバーコード部分に照射することができるから、板状金
属物品に捩じれや反り等が生じていても、光ビームをバ
ーコードに確実に照射させることができるとともに受光
部で識別するのに十分な光量差を有するバーコード像を
反射板上に得ることができる。
〔実施例〕
以下、本発明を、図面に示す一実施例に基づいてさら
に詳細に説明する。
バーコード読取り器1は、光ビームLの投光部2と反
射光Rの受光部3とを一体に形成し、投光部2からHe−
Neレーザ等の細い光ビームLをバーコードCに向けて、
該バーコードCの幅方向に走査しながら照射し、バーコ
ードC部分からの反射光Rを受光部3で受光してバーコ
ードCを識別するもので、該バーコード読取り器1の内
部構造は、従来のバーコード読取り器と略同様に構成さ
れている。
一方金属物品Mの表面には、パルスモードレーザを用
いたレーザ・マーキング、あるいは刻印等の手段により
該金属表面を所定のパターンで刻設し、凹凸により所定
のバーコードCを形成している。この金属物品Mは、例
えばステンレス板,鋼板,アルミニウム板等の板材や形
鋼,アルミニウム押出材等の形材等の一般の金属材料で
あり、表面に凹凸等の無いものならば、ほとんどのもの
を対象とすることができる。
そして、前記バーコード読取り器1で上記金属物品M
上に刻設されたバーコードCを読取る際には、バーコー
ドC部分を挟んでバーコード読取り器1と対向する位置
に反射板4を配置する。この反射板4は、表面が淡色の
材料で形成されるもので、白色紙等の白色の材料が特に
好ましく、適宜な板材に白色紙を貼着することにより容
易に形成することができる。
バーコード読取り器1の位置は、その光ビームLの性
状,金属物品Mの種類及びその表面状態,バーコードC
の状態等により適宜最適な状態とすることができるが、
通常は、光ビームLの照射角度θを金属物品Mの表面に
対して5〜30度とすることが操作性の面から好ましく、
5度以下ではバーコード読取り器1が金属物品Mと接触
する虞があり、また30度以上では反射板4との位置合せ
が面倒となる。特に好ましい角度は5〜10度であり、ま
たバーコード読取り器1とバーコードCとの距離、及び
バーコードCと反射板4との距離は、それぞれ50mm程度
が適当である。
この状態でバーコードC部分に向けて光ビームLを照
射すると、金属物品Mの表面では、照射された光ビーム
Lが反射板4に向かう方向にのみ反射するので大部分が
反射板4上に至り高輝度部を形成する。一方バーコード
Cの刻設部では光ビームLが乱反射して散乱するので反
射板4上に至る光量が減少し、反射板4上に低輝度部を
形成する。
このように、光ビームLの反射の性質を利用してバー
コードC部分を反射板4上に投影することにより、反射
板4上に高輝度部と低輝度部からなる明暗のはっきりし
たバーコード像を形成することができ、受光部3がバー
コードCを識別するために必要なコントラストを得るこ
とができる。この時、前述のごとく反射板4の表面を白
色とすることにより、反射板4での光の吸収を少なくで
き、鮮明なバーコード像を反射板の表面上に得ることが
できる。また前記高輝度部と低輝度部に十分な明暗差を
得ることができるものならば、他の着色材料を用いて反
射板を形成することもできる。
そして上記のごとく反射板4上に投影されたバーコー
ド像を受光部3で読取り識別することにより、金属物品
Mの表面に直接形成されたバーコードCを識別すること
ができる。これにより、バーコードを印刷したラベルを
金属物品Mに貼着する必要がなくなるとともに、バーコ
ードが熱処理や洗浄により損傷することもないので、金
属物品Mの識別を確実に行うことができる。
さらに本発明では、前記投光部2を往復動させること
により、光ビームLを、光ビームLのバーコードCの幅
方向の走行方向Sと直交するバーコードCの長さ方向T
に走査させながら、前記バーコードC部に光ビームLを
所定角度範囲で照射する。この光ビームLをバーコード
Cの長さ方向Tに走査させる手段としては、バーコード
読取り器1の投光部2に、光ビームLの照射方向をバー
コードCの長さ方向Tに往復させて走査させる電気的,
光学的あるいは機械的な手段を設けることも可能である
が、バーコード読取り器1全体を、光ビームのバーコー
ドの幅方向の走査方向と直交する長さ方向に光ビームが
走査するよう往復動可能に、例えば図に示す如く、揺動
可能に装着し、該バーコード読取り器1を揺動させるこ
とにより、光ビームを、その走査方向Sと直交する方向
Tに往復動させて走査させることができる。
図に示す揺動装置10は、略矩形状のベース台11の一側
に、バーコード読取り面(金属物品Mの表面)及び光ビ
ームLの走査方向Sに平行に配設した揺動軸12によりバ
ーコード読取り器1を固定する固定台13を回動可能に設
け、ベース台11の他側の下部(バーコード読取り面側)
に前記反射板4を設けるとともに、その上部に前記固定
台13を揺動させる駆動装置14を配設したものである。該
駆動装置14は、電動機15と、該電動機15により回転する
偏心輪16とを備えており、この偏心輪16の外周には、前
記固定台13に固着された揺動アーム17の先端部が摺接し
ている。
従って、上記固定台13にバーコード読取り器1を固定
して駆動装置14の電動機15を回転させると、偏心輪16の
回転に伴い揺動アーム17が揺動して固定台13と共にバー
コード読取り器1を前記往復動軸12を中心にして揺動さ
せる。これにより、バーコード読取り器1から照射され
る光ビームLの走査位置を、該ビームLの走査方向Sに
直交する方向Tに走査させることができる。即ち、バー
コード読取り中に、この揺動装置10を作動させることに
より、光ビームLを、該光ビームLの走査方向Sに直交
する方向Tに走査させることができる。この走査幅は、
前述の金属物品Mの各種の変形許容幅を基準に決定する
ことができるが、通常は、前記走査幅と共に、バーコー
ドCの幅及び長さ各方向に数cm程度の余裕を持つように
設定することが好ましい。
このようにしてバーコードCを読取ることにより、金
属物品Mの反りや捩じれ,板厚誤差,浮き等により、バ
ーコード読取り器1とバーコードCとの相対的な位置が
ずれても、光ビームLを確実にバーコードCに照射する
ことができ、確実に反射板に投影することができる。従
って、金属物品M上に刻設されたバーコードCの読取り
精度を大幅に向上させることができる。例えば、上記の
ごとく偏心輪16を用いてバーコード読取り器1を揺動さ
せる場合、光ビームLの揺動中心とバーコードCとの距
離αを225mm,照射角度θを6度中心にして±1度変化さ
せたとすると、バーコードC部分における光ビームの走
査幅(β+γ)を、バーコードCの高さ方向に約80mmと
ることができる。例えば板厚が1mm変化して光ビームL
の照射位置が10mm程度ずれるような時でも、バーコード
読取り器1を僅かに揺動させるでけで十分にバーコード
Cを照射することができる。
尚、上記のごとくバーコード読取り器を揺動軸で保持
して回動させる他に、該読取り器をバーコード読取り面
と平行あるいは垂直方向等、光ビームの照射方向を除く
方向に直線的に移動させても、上記同様に光ビームの照
射位置を光ビームのバーコードの幅方向の走査方向と直
交する長さ方向に走査させることができ、各種手段を適
宜に組合せて投光部の最適な往復動装置を形成すること
が可能である。また、光ビームの走査方向は、その走査
位置をバーコードの幅方向に交叉する長さ方向に移動で
きれば良く、必ずしも走査方向に対して直交方向である
必要はなく、斜め方向としたり、あるいは円運動をさせ
てもよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明のバーコードの読取り方
法は、金属物品の表面に刻設されたバーコードにバーコ
ード読取り器の投光部から照射される光ビームをバーコ
ードの幅方向に走査させて該バーコードを読取るにあた
り、光ビームのバーコードの幅方向の走査方向と交叉す
る長さ方向に光ビームが走査するよう前記投光部を往復
動させて、前記金属物品表面のバーコード部に光ビーム
を所定角度範囲で照射して金属物品の表面で反射させ、
該光ビームが反射する位置に配設した表面が淡色の反射
板にバーコード像を投影し、該反射板の表面に投影され
たバーコード像をバーコード読取り器の受光部で読取る
ので、バーコード読取り器の受光部でバーコードを識別
するのに十分なコントラストを有するバーコード像を反
射板の表面上に得ることができるとともに、投光部から
金属物品の表面に至る光路に、光ビームをバーコードの
幅方向の走査方向と交叉する長さ方向に往復動させる反
射部材を用いることなく、金属物品に反りや捩じれ,板
厚誤差,浮き等を生じていても金属物品の表面に刻設し
たバーコードを容易に識別することができる。
従って、金属物品の表面に直接バーコードを刻設する
ことで、印刷したラベルを貼着する作業を省略でき、ラ
ベル自体の管理も不要となるので、省力化とともに管理
費も低減でき、大幅なコストダウンを図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
図は本発明を適用した一実施例を示すもので、第1図は
バーコード読取器を装着した揺動装置を示す断面図、第
2図は同じく斜視図である。 1…バーコード読取り器、2…投光部、3…受光部、4
…反射板、10…揺動装置、12…揺動軸、13…固定台、14
…駆動装置、15…偏心輪、17…揺動アーム、C…バーコ
ード、L…光ビーム、M…金属物品、R…反射光、S…
走査方向、T…走査方向Sに直交する方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神崎 公法 福岡県北九州市戸畑区大字中原46番地の 59 日鐵プラント設計株式会社内 (72)発明者 小川 範文 愛知県名古屋市熱田区三本松町1番1号 日本車輌製造株式会社内 (72)発明者 宇佐美 孝司 愛知県名古屋市熱田区三本松町1番1号 日本車輌製造株式会社内 (72)発明者 坂元 英征 愛知県名古屋市熱田区三本松町1番1号 日本車輌製造株式会社内 (72)発明者 中尾 徹 愛知県名古屋市熱田区三本松町1番1号 日本車輌製造株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−201827(JP,A) 特開 昭63−269263(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属物品の表面に刻設されたバーコードに
    バーコード読取り器の投光部から照射される光ビームを
    バーコードの幅方向に走査させて該バーコードを読取る
    にあたり、光ビームのバーコードの幅方向の走査方向と
    交叉する長さ方向に光ビームが走査するよう前記投光部
    を往復動させて、前記金属物品表面のバーコード部に光
    ビームを所定角度範囲で照射して金属物品の表面で反射
    させ、該光ビームが反射する位置に配設した表面が淡色
    の反射板にバーコード像を投影し、該反射板の表面に投
    影されたバーコード像をバーコード読取り器の受光部で
    読取ることを特徴とするバーコードの読取り方法。
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