JP2554911B2 - 異形断面の三次元織物およびその製造法 - Google Patents

異形断面の三次元織物およびその製造法

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JP2554911B2 JP63032561A JP3256188A JP2554911B2 JP 2554911 B2 JP2554911 B2 JP 2554911B2 JP 63032561 A JP63032561 A JP 63032561A JP 3256188 A JP3256188 A JP 3256188A JP 2554911 B2 JP2554911 B2 JP 2554911B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、1枚の平板状織物の少なくとも片側に断
面I字形、T字形、逆L字形、逆U字形等の突条の複数
本を長さ方向と平行に突設した三次元織物およびその製
造法に関し、繊維強化プラスチック等の繊維強化複合材
用として好適な繊維構造体を提供するものである。
(従来の技術) 繊維強化複合材の強化用繊維構造体として異形断面の
三次元織物が使用されている。例えば、実開昭62−7990
0号公報には、互いに直交する多数本の長さ方向糸、幅
方向糸および垂直方向糸からなり、その横断面内で上記
長さ方向糸が部分的に異なる幅と高さに配列され、その
上下に隣接する長さ方向糸の層間に幅方向糸が幅方向に
往復しながら挿入され、長さ方向に隣接する幅方向糸の
層間に垂直方向糸が上下に往復しながら挿入されて上記
の長さ方向糸および幅方向糸を締めつけて一体化したも
のが開示されている。また、特公昭61−53458号公報に
は、部分的に異なる幅と高さに配列された長さ方向糸を
囲んで多数組の編針を配置し、この編針で上記長さ方向
糸を編成することにより異形断面の柱状の繊維構造体を
製造することが開示されている。
(発明が解決しようとする課題) 上記従来の繊維構造体は、いずれも1本の柱状もしく
は梁状のものであるため、1枚の平板状パネルと上記の
柱状もしくは梁状の繊維構造体の複数本とが一体化され
た形状のリブ付きパネル材を必要とする場合は、これら
を個別に製造したのち接着、縫着その他の手段によって
接合しなければならず、接合部分の強度が低下したり、
接合に手間を要したりする等の問題があった。
この発明は、平板状の広幅の織物と、そのリブを構成
する複数本の突条部とが一体化された異形断面の三次元
織物およびその製造法を提供するものである。また、こ
の発明は、上記の三次元織物において、上記突条部の肉
厚が薄い場合に幅方向糸の緊張によって上記突条部の組
織がくずれることを防止することが可能な三次元織物お
よびその製造法を提供する。
(課題を解決するための手段) 第1発明の三次元織物は、互いに直交する多数本の長
さ方向糸、幅方向糸および垂直方向糸からなるものにお
いて、所定の幅と所定の厚さで長さ方向に延びる平板部
と、この平板部の少なくとも片面に突設されて長さ方向
に延びる複数本の突条部とを備えており、上記の平板部
および突条部にそれぞれ長さ方向糸が平行に配置され、
上記平板部の全幅および各突条部にそれぞれ幅方向糸が
上下に隣接する長さ方向糸の層間に位置するように配置
され、長さ方向に隣接する幅方向糸の層間に垂直方向糸
が配置され、この垂直方向糸が上記の長さ方向糸および
幅方向糸を締めつけて平板部および突条部を一体化して
形成される。
第2発明は、突条部の一部の肉厚が薄い場合に適した
ものであり、上記の第1発明において、幅方向糸が幅方
向に往復しながら上向き又は下向きに進むことによって
形成される少なくとも突条部の幅方向片側端縁のループ
に垂直方向のかんぬき糸が挿通されたものである。
第3発明は、第1発明の三次元織物を製造するための
方法に係り、平板部とこの平板部の少なくとも片面に突
設されて長さ方向に延びる複数本の突条部とからなる異
形断面の三次元織物を製造するに際し、多数本の長さ方
向糸を上記異形断面形状に配列し、上記平板部ではその
全幅にわたり平板部用幅方向糸を幅方向に往復させなが
ら上端から下端まで進め、続いて下端から上端まで進め
て上下に隣接する長さ方向糸の層間に挿入し、上記突条
部では各突条部ごとにその長さ方向糸の配列範囲の全幅
にわたり突条部用幅方向糸を幅方向に往復させながら上
端から下端まで進め、続いて下端から上端まで進めて上
下に隣接する長さ方向糸の層間に挿入し、上記異形断面
形状の垂直方向に長さ方向糸が隣接して並ぶ範囲ごとに
垂直方向糸を上下に往復させながら長さ方向に進めて長
さ方向に隣接する平板部用幅方向糸の層間、突条部用幅
方向糸の層間および平板部用幅方向糸と突条部用幅方向
糸とが隣接する層間に挿入し、この垂直方向糸により上
記の長さ方向糸、平板部用幅方向糸および突条部用幅方
向糸を締めつけて平板部と複数の突条部とを一体化する
ことを特徴とする。
また、第4発明は、上記第3発明において突条部を部
分的に薄肉に形成する場合に適した方法であり、突条部
の幅方向片側にかんぬき糸を長さ方向糸と平行に導き、
このかんぬき糸に開口運動をさせて突条部用幅方向糸を
係合させることにより、上下に隣接する突条部用幅方向
糸の片側端縁を上記かんぬき気で順に連結する方法であ
る。
なお、使用繊維は、繊維強化複合材の強化繊維として
使用されている炭素繊維、ガラス繊維、けい素繊維、ア
ルミナ繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリエス
テル繊維等のいずれかを単独で、又は2種以上を組合せ
て使用することができる。また、突条部の断面形状は、
I字形、T字形、逆L逆形等のいずれでもよく、かつ複
数本の突条を同一の断面形状にしても、また異なる断面
形状にしてもよく、また隣接する2本の突条を組合せて
逆U字形もしくは門形にすることもできる。また、突条
部の幅方向糸の挿入密度または太さを長さ方向に沿って
順に変えることにより、突条部の高さを変化させ、突条
部の頂部が曲線を描くようにすることができる。
(作用) 第1発明および第2発明の三次元織物の繊維間空隙に
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂またはピッチ等の炭素源を
含浸し、熱処理することによって繊維強化複合材が得ら
れ、宇宙飛翔体、航空機、船舶、機械部品その他の低温
用ないし高温用の構造体として使用される。また、あら
かじめ樹脂等を含浸したプリプレグ糸を長さ方向糸、幅
方向糸および垂直方向糸に用いて製織されている場合
は、直ちに熱加工することによって繊維強化複合材とな
る。この発明の場合、複数本の突条部が1枚の平板部に
それぞれ突条部と平板部にまたがる垂直方向糸によって
接結、固定されているため、突条部が平板部から剥離す
ることがない。また、複数本の突条部が1枚の平板部に
固定され、この平板部がその全幅にまたがる幅方向糸で
形成されているため、平板部が突条部単位に分離するこ
とがない。また、長さ方向糸、幅方向糸および垂直方向
糸がそれぞれ長さ方向、幅方向および垂直方向にほぼ直
線状に延びているので、長さ方向糸、幅方向糸および垂
直方向糸の強度が十分に発揮される。そして、突条部に
かんぬき糸を配した第2発明の三次元織物は、突条部の
厚みが小さくて幅方向糸のトラバース幅が狭い場合にも
その組織くずれが防止される。
第3発明によれば、上記第1発明の三次元織物が製造
される。この場合、長さ方向糸を幅方向に並ぶ1層また
は所望層ずつ順に開口し、得られたひ口に平板部用幅方
向および突条部用幅方向糸をシヤットルで左右交互に挿
入し、上下方向に並び1層もしくは2層の幅方向糸が挿
入される都度、あらかじめ長さ方向糸と平行に配されて
いる垂直方向糸を開口させることにより、製織が一層容
易になる。また、突条部用幅方向糸の太さまたは挿入密
度を長さ方向に沿って順に増減した場合は、突条部の高
さが変化し、突条部の頂部を曲線状に形成することがで
きる。また、隣接する突条部の一方をL字形、他方を逆
L字形にそれぞれ形成し、I字形突条部の頂部に逆L字
形突条部の自由端を重ねてこれらを垂直方向糸で接結、
一体化することができる。そして、第4発明によれば、
突条部の片側にかんぬき糸を配した第2発明の織物が織
られる。なお、特願昭60−140047号明細書に記載されて
いるように、幅方向糸を挿入するごとにひ口によこ打ち
バーを挿入してよこ打ちし、かつ垂直方向糸の上下位置
を交換したのち垂直方向糸と長さ方向糸との間に締付け
バーを挿入し、この締付けバーを織前線の前方へ前進さ
せると、高密度の三次元織物が得られる。
(実施例) 第1図ないし第5図は、1枚の平板部1と2本の突条
部2とからなる実施例1の三次元織物を示し、突条部2
は垂直方向の脚部2aと頂部の水平なフランジ部2bとによ
り断面T字形に形成されている。平板部1および突条部
2のフランジ部2bには、それぞれ多数本の長さ方向糸X
が3層に配列され、突条部2の脚部2aには多数本の長さ
方向糸Xが4列の幅で上下方向の多層に配列されてい
る。
第1図に示すように、平板部1には平板部用幅方向糸
Yaが最下層の長さ方向糸Xの下側に左方から挿入され、
全幅を往復しながら最上層の長さ方向糸Xの上面に達
し、この上面を通って左端へ達したのち、紙背側を往復
しながら下降して上下に隣接する長さ方向糸Xの層間に
挿入される。ただし、平板部用幅方向糸Yaがトラバース
しながら上下方向に一巡して上下に隣接する長さ方向糸
Xの層間に2本の平板部用幅方向糸Yaが挿入される間に
最上層の長さ方向糸Xの上および最下層の長さ方向糸X
の下にはそれぞれ1本の平板部用幅方向糸Yaが挿入され
る。一方、2本の突条部2、2には、突条部用幅方向糸
Ybが個別に挿入される。すなわち、左側の突条部2に対
しては、その上端に突条部用幅方向糸Ybが左端から挿入
され、フランジ部2bの全幅を往復しながら下降し、脚部
2aに達すると、脚部2aの全幅を往復しながら下降し、脚
部2aの下端から上方へ向かう。ただし、上下に隣接する
長さ方向糸Xの層間に2本ずつ突条部用幅方向糸Ybが挿
入されるのに対し、フランジ部2bの最上層の長さ方向糸
Xの上および脚部2aの最下層の長さ方向糸Xの下には、
それぞれ1本の突条部用幅方向糸Ybが挿入され(第2図
ないし第4図参照)、突条部2の脚部2aの最下層の長さ
方向糸Xと平板部1の最上層の長さ方向糸Xとの間には
この1本の突条部用幅方向糸Ybおよび前記1本の平板部
用幅方向糸Yaの合計2本の幅方向糸が挿入される。そし
て、右側の突条部2に対しても同様に突条部用幅方向糸
Ybが挿入される。
平板部1において平板部用幅方向糸Yaが左右にトラバ
ースしながら上下に一往復したのち、また左右の突条部
2において突条部用幅方向糸Ybが左右にトラバースしな
がら上下に一往復したのち、幅方向に隣接する長さ方向
糸X、Xの間に垂直方向糸Zが垂直方向に挿入される。
この場合、平板部1、突条部2の脚部2aおよびフランジ
部2bが上下に重なる部分では(第4図参照)、これらの
全高さにまたがって垂直方向糸Zが挿入され、上端の突
条部用幅方向糸Ybおよび下端の平板部用幅方向糸Yaをそ
れぞれ囲むように折返されてこれらの幅方向糸Ya、Ybお
よび長さ方向糸Xを締めつける。また、平板部1のみの
部分では(第3図参照)、その全高さにまたがって垂直
方向糸Zが挿入され、上下両端の平板部用幅方向糸Yaを
囲むように折返されて平板部用幅方向糸Yaおよび長さ方
向糸Xを締めつけ、またフランジ部2bのみの部分では
(第2図参照)、その全高さにまたがって垂直方向糸Z
が挿入され、上下両端の突条部用幅方向糸Ybを囲むよう
に折返されてフランジ部2bの突条部用幅方向糸Ybおよび
長さ方向糸Xを締めつける。
第5図ないし第21図は、上記実施例1の三次元織物を
シヤットル織機で製造する順序を示す。ただし、第6
図、第7図および第16図ないし第21図は、長さ方向糸X
を省略して垂直方向糸Zの動きを示し、第5図および第
8図ないし第15図は、突条部2の脚部2aを製織するとき
の長さ方向糸Xおよび幅方向糸Yの動きを、垂直方向糸
Zを省略して示す。第5図に示すように、突条部2の脚
部2aおよびフランジ部2bにつながる長さ方向糸Xの全部
をヘルドワイヤ(図示されていない)で引上げ、かつ第
6図に示すように、平板部1用の垂直方向糸Za、Zb中、
下面から出ている第1垂直方向糸Zaを引上げ、上面から
出ている第2垂直方向糸Zbを引下げ、平板部1および突
条部2にまたがる垂直方向糸Zc、Zd中、下面から出てい
る第3垂直方向糸Zcを引上げ、上面から出ている第4垂
直方向糸Zdを引下げ、突条部2のフランジ部2bの下面か
ら出ている第5垂直方向糸Zeおよび上面から出ている第
6垂直方向糸Zfの双方を引上げ、この状態で平板部1用
の長さ方向糸Xを最上層のものから一層ずつ順に引上げ
て平板部用幅方向糸Yaをシヤットル(図示されていな
い)で挿入し、最下層に達すると、次は1層ずつ順に引
下げて平板部用幅方向糸Yaを挿入する。そして、平板部
1の最上層にもどると、長さ方向糸Xと平板部用幅方向
糸Yaとからなる平板部組織10が形成される。
次いで、平板部1の下面から出て、上方へ引上げられ
ていた第1垂直方向糸Zaを引下げ(第7図参照)、しか
るのち、第8図ないし第15図の順序で左右の突条部2、
2に対する突条部用幅方向糸Ybの挿入(よこ入れ)が行
なわれる。すなわち、第8図に示すように、左側突条部
2の脚部2aの最下層の長さ方向糸Xが引下げられ、しか
るのち第9図に示すように、左側突条部用幅方向糸Ybが
シヤットルで挿入される。次いで、第10図に示すよう
に、右側突条部2の脚部2a用の最下層の長さ方向糸Xが
引下げられ、しかるのち第11図に示すように、右側突条
部用幅方向糸Ybが挿入される。次いで、第12図に示すよ
うに、右側突条部2の脚部2a用の最下層から2番目の長
さ方向糸Xが引下げられ、しかるのち第13図に示すよう
に、右側突条部用幅方向糸Ybが左から右に挿入される。
次いで、第14図に示すように、左側突条部2の脚部2b用
の最下層から2番目の長さ方向糸Xが引げられ、しかる
のち第15図に示すように、左側突条部用幅方向糸Ybが左
から右に挿入される。以下、これを繰返して突条部用幅
方向糸Ybの挿入が脚部2aの最上層に達すると、第16図に
示すように、長さ方向糸Xと1列の突条部用幅方向糸Yb
とからなる第1脚部組織11aが形成される。
次いで、第17図に示すように、フランジ部2bの上面か
ら出ている第6垂直方向糸Zfを引下げ、しかるのち、脚
部2aに対して突条部用幅方向糸Ybを挿入したときと同様
に、フランジ部2bに対して下層から上層へ順に突条部用
幅方向糸Ybを挿入し、最上層に達したのち下層へ順に突
条部用幅方向糸Ybを挿入して長さ方向糸Xと2列の突条
部用幅方向糸Ybとからなるフランジ部組織12が形成され
る(第18図参照)。
次いで、第19図に示すように、フランジ部2bの上面か
ら下方へ引下げられている第6垂直方向糸Zfが引上げら
れて上記フランジ部組織12の下面に係合され、しかるの
ち、第20図に示すように、突条部2の脚部2aに対し上層
から下層へ順に突条部用幅方向糸Ybが挿入され、長さ方
向糸Xと1列の突条部用幅方向糸Ybとからなる第2脚部
組織11bが形成される。しかるのち、第21図に示すよう
に、平板部1の下方に引下げられている第4垂直方向糸
Zdおよびフランジ部2bの上方に引上げられている第3垂
直方向糸Zcが位置を交換し、更に平板部1の下方に引下
げられている第2垂直方向糸Zbが引上げられて最初にも
どり、以下これを繰返して製織が進められる。
上記の実施例1は、突条部2の脚部2aの上端から下端
まで、その幅を等しく形成したものであるが、取付け基
部の幅を接合端に向かって漸増することができる。第22
図の実施例2は、その一例を示し、脚部2aの下端側で長
さ方向糸Xの配列本数を漸増するととに、突条部用幅方
向糸Ybのトラバース幅を漸増して脚部2aの基部に丸味を
形成し、応力集中を避けるようにしたものである。同様
に脚部2aの上端側の幅をフランジ部2bに向かって漸増す
ることができる。
第23図に示す実施例3は、かんぬき糸Kを用いた例で
あり、上下に隣接する長さ方向糸Xの層の間に挿入した
幅方向糸Ya、Ybにより幅方向の片側に突出するループP
を形成し、この上下に並ぶループPにかんぬき糸Kを挿
通して幅方向糸Ya、Ybの端部を連結する。このかんぬき
糸Kは、平板部1および突条部2の全高さにまたがるこ
ともできるが、突条部2のみに設けてもよく、また突条
部2の脚部2aのみ、または脚部2aの幅が狭い部分のみに
設けてもよく、これによって幅の狭い脚部2a内でトラバ
ースする突条部用幅方向糸Ybが幅方向と平行に保持され
る。
第24図ないし第26図は、かんぬき糸Kの挿入方法を図
解する。第24図は、突条部2の脚部2aの片側端縁部を示
し、長さ方向糸Xおよびかんぬき糸Kは、図の右方のヘ
ルドワイヤ(図示されていない)によって開口運動を行
なうようになっており、かんぬき糸Kが引下げられた状
態で突条部用幅方向糸Ybが左から右に挿入される。次い
で、第25図に示すように、かんぬき糸Kがヘルドワイヤ
で引上げられ、しかるのち第26図に示すように、長さ方
向糸Xのひ口を変えることなく、かんぬき糸Kの下へ突
条部用幅方向糸Ybをシヤットルで挿入する。そして、次
に左から右へ突条部用幅方向糸Ybを挿入するときは、次
の層の長さ方向糸Xのみを引下げる。
第27図の実施例4は、平板部1上に断面T字形の突条
部2を3本形成したものである。なお、T字形突条部2
のフランジ部2bの幅を小さくしてI字形に形成できるこ
とはもちろんである。第28図に示す実施例5は、平板部
1上に断面逆L字形の突条部3を3列に形成したもので
ある。第29図に示す実施例6は、逆L字形の突条部3お
よびI字形突条部4を並設し、双方の上端を重ねて断面
逆U字形の筒形を形成した例である。第30図は、小さい
円弧形断面の小突条部5および大きい円弧形断面の大突
条部6を並設し、双方の上端を重ねて半円形断面の筒形
を形成したものである。第31図は、平板部1の両面にそ
れぞれ2本の断面I字形突条部7を対称形に突設したも
のである。第32図は、平板部1の両面にそれぞれ中央の
T字形突条部8および左右両側のI字形突条部9を並設
し、平板部1の表裏両面にそれぞれ2列の角筒を対称を
形成したものである。更に、第33図は、平板部1にT字
形突条部20を突設するに当り、T字形突条部20の脚部20
aの突条部用幅方向糸Ybの太さを変えて突条部20の高さ
が変るようにしたものである。
(発明の効果) 請求項1に記載の第1発明は、平板部の少なくとも片
面に複数本の突条部を形成した三次元織物であり、上記
の突条部が垂直方向糸によって平板部と接合されている
ので、上記複数本の突条部を接着によって平板部に固定
する必要がなく、そのため突条部が平板部から剥離する
恐れがなく、製織後、直ちに樹脂を含浸し、熱加工を施
して繊維強化複合材とすることができ、平板部パネルに
任意形状の柱もしくは梁が複数本平行に固定された形状
のリブ付きパネル材が容易に得られる。また、請求項2
に記載の第2発明は、上記請求項1記載の第1発明の少
なくとも突条部の片側にかんぬき糸を通したものである
から、突条部における長さ方向糸の配列幅が狭い場合に
も、突条部用幅方向糸が平板部と平行に緊張され、突条
部の組織くずれが防止される。そして、請求項3に記載
の第3発明によれば上記第1発明の三次元織物が、また
請求項4に記載の第4発明によれば上記第2発明の三次
元織物がそれぞれ機械的に容易に製造される。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の三次元織物の横断面図、第2図は第
1図のII−II線断面図、第3図は第1図のIII−III線断
面図、第4図は第1図のIV−IV線断面図、第5図は製織
時における三次元織物の斜視図、第6図ないし第21図は
製織順序の説明図、第22図は実施例2の要部の横断面
図、第23図は実施例3の要部の横断面図、第24図ないし
第26図はかんぬき糸の挿入順序を説明するための斜視
図、第27図は実施例4の横断面図、第28図は実施例5の
横断面図、第29図は実施例6の横断面図、第30図は実施
例7の横断面図、第31図は実施例8の横断面図、第32図
は実施例9の横断面図、第33図は実施例10の横断面図で
ある。 1:平板部、2、3、4、5、6、7、8、9、20:突条
部、2a、20a:脚部、2b:フランジ部、X:長さ方向糸、Ya:
平板部用幅方向糸、Yb:突条部用幅方向糸、Z:垂直方向
糸、K:かんぬき糸。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに直交する多数本の長さ方向糸、幅方
    向糸および垂直方向糸からなる三次元織物において、所
    定の幅と所定の厚さで長さ方向に延びる平板部と、この
    平板部の少なくとも片面に突設されて長さ方向に延びる
    複数本の突条部とを備えており、上記の平板部および突
    条部にそれぞれ長さ方向糸が平行に配置され、上記平板
    部の全幅および各突条部にそれぞれ幅方向糸が上下に隣
    接する長さ方向糸の層間に位置するように配置され、長
    さ方向に隣接する幅方向糸の層間に垂直方向糸が配置さ
    れ、その垂直方向糸が上記の長さ方向糸および幅方向糸
    を締めつけて平板部および突条部を一体化していること
    を特徴とする三次元織物。
  2. 【請求項2】幅方向糸が幅方向に往復しながら上向き又
    は下向きに進むことによって形成される少なくとも突条
    部の幅方向片側端縁のループに垂直方向のかんぬき糸が
    挿通されている請求項1記載の三次元織物。
  3. 【請求項3】平板部とこの平板部の少なくとも片面に突
    設されて長さ方向に延びる複数本の突条部とからなる異
    形断面形状の三次元織物を製造するに際し、多数本の長
    さ方向糸を上記異形断面形状に配列し、上記平板部では
    その全幅にわたり平板部用幅方向糸を幅方向に往復させ
    ながら上端から下端まで、または下端から上端まで進め
    て上下に隣接する長さ方向糸の層間に挿入し、上記突条
    部では各突条部ごとにその長さ方向糸の配列範囲の全幅
    にわたり突条部用幅方向糸を幅方向に往復させながら上
    端から下端まで、又は下端から上端まで進めて上下に隣
    接する長さ方向糸の層間に挿入し、上記異形断面形状の
    垂直方向に長さ方向糸が隣接して並ぶ範囲ごとに垂直方
    向糸を上下に往復させながら長さ方向に進めて長さ方向
    に隣接する平板部用幅方向糸の層間、突条部用幅方向糸
    の層間および平板部用幅方向糸と突条部用幅方向糸とが
    隣接する層間に挿入し、この垂直方向糸により上記の長
    さ方向糸、平板部用幅方向糸および突条部用幅方向糸を
    締めつけて平板部と複数本の突条部とを一体化すること
    を特徴とする三次元織物の製造法。
  4. 【請求項4】突条部の幅方向片側にかんぬき糸を長さ方
    向糸と平行に導き、このかんぬき糸に開口運動をさせて
    突条部用幅方向糸と係合させることにより、上下に隣接
    する突条部用幅方向糸の片側端縁を上記かんぬき糸で順
    に連結する請求項3記載の三次元織物の製造法。
JP63032561A 1988-02-15 1988-02-15 異形断面の三次元織物およびその製造法 Expired - Lifetime JP2554911B2 (ja)

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