JP2554539B2 - セルロースアセテート繊維束成形用可塑剤組成物 - Google Patents

セルロースアセテート繊維束成形用可塑剤組成物

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JP2554539B2
JP2554539B2 JP1092181A JP9218189A JP2554539B2 JP 2554539 B2 JP2554539 B2 JP 2554539B2 JP 1092181 A JP1092181 A JP 1092181A JP 9218189 A JP9218189 A JP 9218189A JP 2554539 B2 JP2554539 B2 JP 2554539B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、セルロースアセテート繊維束より成形体を
製造する際に使用する可塑剤組成物に関するものであ
る。
〔従来の技術および問題点〕
セルロースアセテート繊維は、可塑剤を利用して各種
繊維成形体を製造することができる。その代表的なもの
に、たばこ煙フィルターやサインペンのインキ吸蔵用中
芯等に利用される繊維ロッドがあり、また他の利用目的
で不繊布シート等がある。セルロースアセテート繊維用
可塑剤は繊維束に対して添加されると、可塑剤と繊維が
接触した部分で繊維表面を溶解し、その溶解した部分で
繊維を相互に接着し、固化させるので、接着点が多数存
在すると、三次元網状構造を形成する。すなわち、可塑
剤の作用は繊維成形体の形状を保持せしめ、且つ適度の
硬度を付与することにある。
セルロースアセテート繊維成形体の可塑剤として要求
される特性は次の如くである。
(1) 室温で硬化可能なこと。
(2) 硬化時間が短いこと。
(3) 繊維の接合が充分であること。
(4) 繊維成形体の硬度が高いこと。
(5) 繊維成形体切断端面に毛羽立ち、陥没がないこ
と。
(6) 非粘着性であること。
(7) 人体に無害であること。
さらに、たばこフィルター用として用いる場合は、た
ばこの香喫味に対し影響を及ぼさないことも必要であ
る。
従来のセルロースアセテート繊維成形用可塑剤として
公知のものは、ポリオールエステル系化合物、アルコキ
シアルキルフタレート系化合物等がある。具体的には、
ポリオールエステル系化合物には、例えばグリセロール
トリアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテー
ト、トリエチレングリコールジアセテート等がある。ま
た、アルコキシアルキルフタレート系化合物には、例え
ば、ジメトキシエチルフタレート、ジエトキシエチルフ
タレート等がある。
しかしながら、前記諸可塑剤は夫々の特性を考慮しつ
つ、利用されてはいるものの、最近のセルロースアセテ
ート繊維成形体製造方法の改良による高速度化、量産化
における厳しい製造条件に対し、問題点がクローズアッ
プされてきている。
例えば、たばこフィルターの製造の場合、従来は200m
/min程度の巻上げ速度であったが、現在は殆んどが400m
/minで巻上げが行なわれており、一部には600m/minで巻
上げられている。このような巻上げ速度の高速化によっ
てフィルタープラグの切断面の陥入、毛羽立ち、真円性
の欠如がおこり、さらに前記諸可塑剤は硬化時間が長い
ため、一時的に待ち時間ができ、次工程移行に対してス
ムーズに対応できない。また、不織布シートを製造する
場合においては、硬化時間が遅いと、シート厚さのコン
トロールがやり難いこと、耳切等の成形巾の切断時の毛
羽立等問題が多い。
さらに個々の化合物について述べると、現在工業的に
最も広く使用されているグリセロールトリアセテートは
硬化時間が長く高速巻上に使用した場合、この欠点が大
きな障害となる。トリエチレングリコールの低級脂肪酸
エステルや、ブチレン化合物はグリセロールトリアセテ
ートより硬化時間は早くなっているが、香喫味を阻害す
る。
〔問題点を解決するための手段〕
発明者等は、前述の問題点を解決する新しい可塑剤と
してポリエチレングリコールメチルエーテル類がセルロ
ースアセテート繊維用可塑剤として、すぐれた特性を有
することすなわち硬化速度が早いことを見い出し特許出
願した。(特開昭61−12961)。しかし、繊維成形体製
品硬度の面で充分満足できるものではなかった。そこ
で、その後も鋭意研究を継続した結果、ポリエチレング
リコールメチルエーテル類にε−カプロラクタムを溶解
した組成物がセルロースアセテート繊維可塑剤として、
極めてすぐれた特性を有するものであることすなわち、
繊維成形体製品硬度が充分高いことに加え、前述のポリ
エチレングリコールメチルエーテル単独の場合より硬化
速度が早いことを見い出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は一般式 CH3OCH2CH2 nOR (RはH又は−CH3、nは1〜6)で示されるメチルエ
ーテル類とε−カプロラクタムから成るセルロースアセ
テート繊維束成形用可塑剤組成物を提供するものであ
る。
本発明の可塑剤組成物は、硬化が室温で、行え、硬化
時間が短く、且つ繊維成形体製品の硬度が高く、並びに
たばこ用フィルターに使用される場合はたばこの香喫味
を損なうことなく十分に満足するものであることの特徴
を有する。
本発明の可塑剤組成物の一成分であるポリエチレング
リコールメチルエーテル類としては、具体的にはエチレ
ングリコールからヘキサエチレングリコールまでの長鎖
エチレングリコールのモノまたはジメチルエーテルであ
る。ヘプタエチレングリコール以上の長鎖エチレングリ
コール類は、セルロースアセテート繊維への可塑化効果
が悪く、硬化時間が長いため、可塑剤組成物成分として
は不適当である。硬化速度、香喫味という点からジエチ
レングリコール、トリエチレングリコールのメチルエー
テル類が特に望ましい。
本発明の可塑剤組成物の他の成分であるε−カプロラ
クタムは常温で固体であり、前述のポリエチレングリコ
ールメチルエーテル類にある溶解度の範囲で溶解する。
組成物中のε−カプロラクタムの分率が高いほど、硬度
は高く、硬化速度は早いので溶解度の範囲でできるだけ
多くε−カプロラクタムを溶解して使用するのが好まし
く、ε−カプロラクタムの可塑剤組成物中の割合は50〜
10重量%が適当である。
本発明の可塑剤組成物の対象物であるセルロースアセ
テート繊維は酢化度52〜59%(結合酢酸量として)を有
するものである。また、繊維束としては、例えば1〜16
デニールの連続繊維を3,000〜1,000,000本集め、25mmの
長さ当り10〜45個の均一な捲縮を付した帯状のものであ
る。繊維ロッド成形体製造の場合、巻上機で繊維束が開
繊されて成形される。不織布シートの成形体製造の場合
は繊維トウを1〜150mmにカットしたものが用いられ、
カード等により開繊させた後、成形される。
また本発明の可塑剤組成物は繊維重量に対して1〜20
重量%の添加量が好ましい。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明の可塑剤組成物を
用いた場合、セルロースアセテート繊維ロッド成形にお
いては硬化速度が速いため、繊維ロッド切断時、毛羽立
ち、陥没がなく次工程にスムーズにつなぐことができ、
さらにロッドの硬度が高いため、禁煙時の変形が少な
く、また香喫味を損うこともない等すぐれた特徴を有す
る製品が得られる。
不織布シート成形においては、硬化時間が短かいこと
により厚さコントロールがやり易く、耳切時の毛羽立ち
もなく、また硬度が高いことは変形に対し抵抗性高く、
変形しても元への回復力が強いといった利点がある。
〔実施例〕
本発明の可塑剤組成物の硬化を、セルロースアセテー
ト繊維成形体製造への実施例を示して述べる。
なお、実施例中に示した成形体の性状測定方法を以下
に記す。
(1) 繊維ロッド成形体の硬化測定方法 繊維ロッドの硬さを示す尺度として、水平に置いた繊
維ロッド上に直径12mmφの円板を介して300グラムの荷
重を10秒間静置する際に生ずる繊維ロッドの変形量を0.
1mm単位で読みとった数値をもって繊維ロッドの見掛け
の硬度とする。硬化速度として、製造直後、30分後、2
時間後、1日後の硬度を測定した。
このようにロッド状成形体において示される硬度値は
小なるほど硬度が大きく、大なる程硬度は少ない。
(2) ロッド重量(単位:g/本) 繊維ロッド1本の重量 (3) 通気抵抗(単位:mmH2O) 102mm長さの繊維ロッドに空気を17.5ml/秒通気したと
きの抵抗を水柱(mm)で表示したものである。
(4) 香喫味 香喫味の判定は、市販のハイライトのフィルター部を取
り除いて本発明のロッドで同等の通気抵抗を有するたば
こを作り、10名の試喫者が比較した。本発明ロッドを付
したたばこがうまく感じた者が7名以上の場合、○じる
し、4〜6名の場合、△じるし、3名以下の場合、×じ
るしをつけた。
実施例1〜5 セルロースアセテート繊維ロッドを公知の方法、例え
ば特公昭38−15945記載の方法に準じて製造した。
使用したセルロースアセテート繊維は、フィラメント
繊度3デニール、全繊度36,000デニール、捲縮数約35個
(25mm当り)の捲縮繊維束である。該繊維束を拡巾開繊
し、ウイック式可塑剤添加装置により第1表記載の可塑
剤を所定量添加し、ついで集束して紙巻装置に送り20
℃、65%の相対湿度下巻上げてロッド円周長24.7mm、ロ
ッド長102mmの繊維ロッドを製造した。繊維ロッドの測
定結果を同時に第1表に示した。
実施例1〜5のロッドの硬度は繊維ロッド製造直後で
もたばこ煙フィルターとして実用的に問題のない値であ
る硬度10以下に達しており、その後の硬度変化はない。
また、香喫味も良好であり、本発明の可塑剤組成物は
満足できるものであることが判かる。
比較例1〜8 実施例1と同様に、ロッド円周長24.7mm、ロッド長10
2mmの繊維ロッドを製造した。製造に用いた可塑剤と、
その測定結果を第2表に記した。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 CH3OCH2CH2 nOR (RはH又はCH3、n=1〜6)で示されるメチルエー
    テル類とε−カプロラクタムから成るセルロースアセテ
    ート繊維束成形用可塑剤組成物。
  2. 【請求項2】メチルエーテル類とε−カプロラクタムの
    組成比が、メチルエーテル類50〜90重量%、ε−カプロ
    ラクタム50〜10重量%から成る特許請求範囲第1項記載
    の組成物。
JP1092181A 1989-04-12 1989-04-12 セルロースアセテート繊維束成形用可塑剤組成物 Expired - Lifetime JP2554539B2 (ja)

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