JP2553944B2 - エンジンオイル消費量測定方法 - Google Patents

エンジンオイル消費量測定方法

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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B1/00Engines characterised by fuel-air mixture compression
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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塩素トレース法によるエンジンオイル(ガ
ソリンエンジンやディーゼルエンジン等の潤滑油)消費
量測定方法に関するものである。
〔従来の技術〕
塩素トレース法によるエンジンオイル消費量測定方法
には、サンプリングした排気ガスを溶液中に溶解させ、
滴定法等によってClを定量する湿式法と、排気ガス中の
塩素系ガスを試薬含浸フィルタで捕集し、当該フィルタ
ー上の塩素を螢光X線分析装置により定量し、この定量
結果と、別途測定した排気ガス流量(エンジンから排出
される排気ガスの総流量)と、既知のエンジンオイル中
の塩素濃度とから、エンジンオイルの消費量を測定する
方法(フィルタ法)とが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
前者の方法(湿式法)は、分析に長時間を要し、作業
性が悪いという欠点がある。また、湿式法はかなり専門
的な技術を必要とする測定方法であるため、実際には、
エンジンの研究開発の段階で利用されているに過ぎず、
例えば、修理工場に持ち込まれた自動車のエンジンにつ
いて異常の有無を直ちに判断できるような、つまり、ピ
ストンリングの摩耗等に起因するエンジンオイルの消費
度合を自動的に修理工場で直ぐに測定できるような簡易
な測定方法ではなかった。
後者の方法(フィルタ法)は、エンジンオイルの消費
量を比較的短時間で容易に測定できる測定方法ではある
が、従来のフィルタ法には、次のような欠点があった。
即ち、エンジンオイルの消費に伴って排気ガス中に排
出される塩素系ガスの殆どは、HCl(塩化水素)かCl
2(塩素ガス)である。このため、試薬含浸フィルタと
しては、HClとCl2を同時に捕集できるように、Na2CO3
NaOH等のアルカリ薬品含浸フィルタが使用されている
が、アルカリ薬品含浸フィルタを用いると、螢光X線分
析装置で塩素(Cl)を定量する際の干渉線分となるS
(硫黄)成分、つまり、SO2ガスをもフィルタ上に捕集
してしまい、測定誤差が生じるのである。
従って、ガソリンエンジンについて、エンジンオイル
の消費量を測定する場合、高精度の測定を行うために
は、エンジンの燃料として、S成分の全く含まれていな
い代用燃料や高品質ガソリンを使用して測定を行う必要
があり、この場合には、自動車に実際に給油される市販
のガソリンを使用したエンジン作動状態でのエンジンオ
イル消費量が測定できないことになり、測定の信頼性に
欠けるのである。また、燃料(軽油)中に多量のS成分
を含むディーゼルエンジンについては、適用が困難であ
った。
上記の従来欠点に鑑み、本発明は、ガソリンエンジン
は勿論、ディーゼルエンジンについても、エンジンオイ
ル消費量を容易かつ高精度に測定できる信頼性の高い測
定方法を提供しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、本発明が講じた技術的
手段は、次の通りである。即ち、本願発明は、塩素トレ
ース法によるエンジンオイル消費量測定方法において、
塩素化合物が添加されて塩素濃度が既知のエンジンオイ
ルを使用したエンジンからの排気ガスを加熱炉に導入
し、その排気ガス中に含まれるCl2をHClに還元した後、
そのHClを酸性金属塩含浸フィルタを捕集し、その酸性
金属塩含浸フィルタで捕集したHCl中のCl成分を螢光X
線分析装置により定量分析する過程と、そのCl成分を測
定対象とした排気ガスの流量を求める過程と、前記エン
ジンから排出される排気ガスの総流量を求める過程と、
前記酸性金属塩含浸フィルタで捕集したCl成分量を、前
記測定対象とした排気ガス流量と、前記エンジンからの
排気ガスの総流量とから、前記エンジンから単位時間当
りに排出されるCl成分量を求める過程と、そのCl成分量
と、前記エンジンオイルの塩素濃度とから、前記エンジ
ンオイルの単位時間当りの消費量を求める過程とよりな
ることを特徴としている。
〔作用〕
上記の構成によれば、エンジンの排気ガスが加熱炉に
導入されると、排気ガスに含まれるCl2は、次式の通
り、排気ガス中の水分と反応し、 HClに変換される。
加熱炉によりCl2から変換されたHClと排気ガス中に元
々含まれていはHClは、酸性金属塩含浸フィルタで捕集
される。ただし、酸性金属塩含浸フィルタはHClのみを
捕集し、Cl2や干渉成分であるSO2は捕集されない。この
フィルタを排気ガス流路から取り出し、螢光X線分析装
置を用いて塩素の定量分析をおこなうことにより、サン
プリングした排気ガス中のCl成分量を求めることがで
き、そのCl成分量と、その分析のためにサンプリングし
た排気ガスの流量と、エンジンからの排気ガスの総流量
とから、エンジンから単位時間当りに排出されるCl成分
量を求め、次いで、そのCl成分量と、エンジンオイルの
塩素濃度とから、エンジンオイルの単位時間当りの消費
量を求めることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図面は、本発明によるエンジンオイル消費量測定方法
に使用する装置の構成を示す。
図において、1はエンジン、2はエンジンオイルであ
り、予め一定量の塩素化合物が添加され、塩素濃度は既
知である。3はオイルパン、4はオイルポンプ、5はエ
ンジン1への空気供給路、6はエンジン1の排気エギゾ
ースト部である。7a,7bは排気エギゾースト部6から一
部の排気ガスをサンプリングする加熱導入管であり、加
熱導入管7a,7bの途中には加熱炉8が介装されている。
9はサンプリングした排気ガス中の水分を除去するPPD
(パーマピュアドライヤー)等の除湿器である。除湿器
9よりも下流側のサンプリング系には、例えばCu(N
O3等よりなる酸性金属塩を含浸させたフィルタ10、
サンプリング用のポンプ11、流量調節装置12、サンプリ
ング流量を測定するガスメータ13がこの順に介装されて
いる。
14は、サンプリング系から取り外した上記の酸性金属
塩含浸フィルタ10をセットして、当該フィルタ10上に捕
集されている塩素(Cl)を定量する螢光X線分析装置で
ある。15は、前記螢光X線分析装置14による測定信号
と、前記ガスメータ13からの測定信号と、前記エンジン
オイル2の既知の塩素濃度16と、ガスメータ17により測
定された排気ガス流量(エンジン1から排出される排気
ガスの総量)とに基づいて、エンジンオイル消費量を演
算する演算部、18は指示部である。
尚、排気ガス流量は、排気エギゾースト部6にガスメ
ータを接続して測定してもよいが、温度や圧力変動の影
響を受けないように、この実施例では、空気供給路5に
介装したガスメータ17による空気吸入量に基づいて排気
ガス流量を測定している。エンジン1への吸入空気量
は、エンジン1からの排気ガス流量と概ね等しいので、
吸入空気量を排気ガス流量と見做すことができるのであ
る。
上記の装置を使用すれば、ピストンリングの摩耗等に
起因するエンジンオイルの消費量を、次のようにして、
比較的短時間に容易かつ正確に測定することが可能であ
る。
先ず、エンジンオイル2として、一定量の塩素化合物
を添加した塩素濃度が既知のものを使用し、エンジン1
を作動して排気ガスのサンプリングを行う。
サンプリングした排気ガスを加熱炉8を経て酸性金属
塩含浸フィルタ10に通し、当該フィルタ10で排気ガス中
のHClを捕集する。エンジンオイル2の消費に伴って排
気ガス中に排出される塩素系ガスの殆どはHClとCl2であ
り、また、酸性金属塩含浸フィルタ10はHClのみを捕集
し、Cl2は捕集されないが、サンプリングした排気ガス
を前記加熱炉8で約1000℃に加熱することにより、排気
ガス中のCl2は排気ガス中の水分と反応して、HClに変換
される。従って、排気ガス中の塩素系ガスは、全てHCl
となって、酸性金属塩含浸フィルタ10で捕集されること
になる。なお、酸性金属塩によるHClの捕集は、例えば
以下のような化学反応によりおこなわれる。
2HCl+Cu(NO3→CuCl2+2HNO3 しかる後、酸性金属塩含浸フィルタ10をサンプリング
系から取り外して、螢光X線分析装置14にセットし、塩
素の定量を行い、エンジンオイル2消費量の測定を行う
のである。即ち、演算部15に、螢光X線分析装置14によ
る測定信号と、ガスメータ13によるサンプリング流量の
測定信号と、エンジンオイル2の既知の塩素濃度16と、
ガスメータ17により測定されたエンジン1の排気ガス流
量とを入力して、エンジンオイル消費量を演算し、その
結果を指示部18に表示させるのである。その演算部15
は,螢光X線分析装置14で求めたCl成分量と、その分析
のためにサンプリングした排気ガスの流量と、エンジン
1からの排気ガスの総流量とから、エンジン1から単位
時間当りの排出されるCl成分量を求め、次いで、そのCl
成分量と、エンジンオイルの塩素濃度とからエンジンオ
イルの単位時間当りの消費量を求める演算をおこなわれ
る。その演算部15では、螢光X線分析装置14で求めたCl
成分量と、その分析のためにサンプリングした排気ガス
の流量と、エンジン1からの排気ガスの総流量とから、
エンジン1から単位時間当りの排出されるCl成分量を求
め、次いで、そのCl成分量と、エンジンオイルの塩素濃
度とからエンジンオイルの単位時間当りの消費量を求め
る演算をおこなわれる。
この場合、酸性金属塩含浸フィルタ10には、螢光X線
分析装置14で塩素を測定する際の干渉成分であるSO2
捕集されないので、エンジン1の燃料にS成分が含まれ
ていても、干渉影響がなく精度の高い測定が可能であ
り、燃料に多量のS成分を含むディーゼルエンジンにつ
いても、ガソリンエンジンと全く同様にエンジンオイル
消費量を測定できる。
尚、サンプリングした排気ガスを加熱炉8に通すの
で、排気ガス中にすすやオイルミストが存在しても、こ
れらを加熱炉8でガス化することができ、測定精度を高
めることができるのである。即ち、排気ガス中にすすが
あると、サンプリング系の内部に付着して、系内が汚
れ、この汚れた部分に塩素系ガスが付着して測定誤差の
原因となるが、加熱炉8ですすがガス化されるので、こ
のような不都合が回避される。また、未然のエンジンオ
イル2がミストとして排気ガス中に排出されると、エン
ジンオイル2に添加した塩素化合物がHClやCl2以外の物
質として排出され、酸性金属塩含浸フィルタ10で捕集で
きず、測定誤差となる可能性があるが、オイルミストが
加熱炉8でガス化され、オイルミスト中に存在した塩素
化合物がHClやCl2となり、Cl2はさらにHClに変換される
ことになるので、これらも全て酸性金属塩含浸フィルタ
10で捕集されることになる。図示しないが、すすやオイ
ルミストをガス化するのに必要であれば、加熱炉8に助
燃用のO2を添加してもよい。
〔発明の効果〕
本発明は、上述した構成よりなり、サンプリングした
排気ガス中のCl2を加熱炉でHClに変換し、しかる後、HC
lは捕集するが、Cl2や螢光X線分析装置で塩素を測定す
る際の干渉成分となるSO2は捕集しない酸性金属塩含浸
フィルタで排気ガス中のHClを捕集して、フィルタ上の
塩素を定量し、エンジンオイル消費量の測定を行うの
で、エンジンの燃料にS成分が含むれていても、これに
よる干渉影響がなく、ガソリンエンジンは勿論、ディー
ゼルエンジンについても、エンジンオイル消費量を容易
かつ高精度に測定できるのである。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明に係るエンジンオイル消費量測定方法に
使用する装置の構成図である。 1……エンジン、2……エンジンオイル、8……加熱
炉、10……酸性金属塩含浸フィルタ、14……螢光X線分
析装置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩素トレース法によるエンジンオイル消費
    量測定方法において、塩素化合物が添加されて塩素濃度
    が既知のエンジンオイルを使用したエンジンからの排気
    ガスを加熱炉に導入し、その排気ガス中に含まれるCl2
    をHClに還元した後、そのHClを酸性金属塩含浸フィルタ
    で捕集し、その酸性金属塩含浸フィルタで捕集したHCl
    中のCl成分を螢光X線分析装置により定量分析する過程
    と、そのCl成分を測定するためにサンプリングした排気
    ガスの流量を求める過程と、前記エンジンから排出され
    る排気ガスの総流量を求める過程と、前記酸性金属塩含
    浸フィルタで捕集したCl成分量と、前記測定対象とした
    排気ガス流量と、前記エンジンからの排気ガスの総流量
    とから、前記エンジンから単位時間当りに排出されるCl
    成分量を求める過程と、そのCl成分量と、前記エンジン
    オイルの塩素濃度とから、前記エンジンオイルの単位時
    間当りの消費量を求める過程とよりなることを特徴とす
    るエンジンオイル消費量測定方法。
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