JP2553675B2 - プロセスの制御方法 - Google Patents
プロセスの制御方法Info
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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- C03B5/16—Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
- C03B5/24—Automatically regulating the melting process
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- G—PHYSICS
- G05—CONTROLLING; REGULATING
- G05B—CONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
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- G05B13/02—Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric
- G05B13/0265—Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric the criterion being a learning criterion
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、ガラス溶融炉の温度制御などのように、操
作入力を変化させたときに、その効果がプロセスの状態
量変化として観測できるまでに無応答の待時間(むだ時
間)のあるプロセスの制御方法に関する。
作入力を変化させたときに、その効果がプロセスの状態
量変化として観測できるまでに無応答の待時間(むだ時
間)のあるプロセスの制御方法に関する。
<従来の技術> むだ時間のあるプロセスに、例えば第13図(a)に示
すようなステップ状の操作入力を与えると、プロセス応
答は同図(b)に示すように、むだ時間Lの後に緩慢に
変化していく。また、むだ時間を考慮しないPID制御に
よると、操作入力は同図(c)のように変化し、そのプ
ロセス応答は同図(d)のように振動的なものになる。
このような現象は、ハンチング現象といって、プロセス
制御の好ましくない現象としてよく知られている。
すようなステップ状の操作入力を与えると、プロセス応
答は同図(b)に示すように、むだ時間Lの後に緩慢に
変化していく。また、むだ時間を考慮しないPID制御に
よると、操作入力は同図(c)のように変化し、そのプ
ロセス応答は同図(d)のように振動的なものになる。
このような現象は、ハンチング現象といって、プロセス
制御の好ましくない現象としてよく知られている。
以上のように、むだ時間のあるプロセスの制御は極め
て困難であり、そのため、従来、この種のプロセスの制
御は熟練したオペレータによって行われるのが通常であ
った。近年に至って、このようなむだ時間のあるプロセ
スについて、いくつかの制御方法が提案されている。代
表例として、次の方法がある。
て困難であり、そのため、従来、この種のプロセスの制
御は熟練したオペレータによって行われるのが通常であ
った。近年に至って、このようなむだ時間のあるプロセ
スについて、いくつかの制御方法が提案されている。代
表例として、次の方法がある。
スミス法(O.J.M.Smith:Feedback Control System,Mc
Grow−Hill Book Co.,Inc.,New York(1958)、同著:
ISA Jour.,Vol 1,No.2(1959))や、状態予測法(荒木
光彦:『むだ時間システムと非線型システムの制御』,
制御工学へのガイドライン(日本自動制御協会編),PP1
39−162(1985))がそれである。これらの制御方法
は、制御対象であるプロセスの特性を近似式で記述し、
過去の操作入力と観測できるプロセス状態量とを用いて
将来のプロセス挙動を予測して制御しようとするもので
ある。
Grow−Hill Book Co.,Inc.,New York(1958)、同著:
ISA Jour.,Vol 1,No.2(1959))や、状態予測法(荒木
光彦:『むだ時間システムと非線型システムの制御』,
制御工学へのガイドライン(日本自動制御協会編),PP1
39−162(1985))がそれである。これらの制御方法
は、制御対象であるプロセスの特性を近似式で記述し、
過去の操作入力と観測できるプロセス状態量とを用いて
将来のプロセス挙動を予測して制御しようとするもので
ある。
<発明が解決しようとする課題> 上述したように、スミス法や状態予測法は、プロセス
特性を数式で記述する関係上、制御対象となるプロセス
の性質は予めかなり正確に把握されていなければなら
ず、しかも、そのプロセスが線形プロセスであるか、あ
るいは複数の線形プロセスで近似できる比較的に単純な
非線形プロセスであることが必要である。
特性を数式で記述する関係上、制御対象となるプロセス
の性質は予めかなり正確に把握されていなければなら
ず、しかも、そのプロセスが線形プロセスであるか、あ
るいは複数の線形プロセスで近似できる比較的に単純な
非線形プロセスであることが必要である。
しかしながら、通常のプロセスの性質は、経験的に大
まかに認識されているが、正確には把握されていないこ
とが多く、しかも、多くのプロセスは複雑な非線形的特
性をもつことが多い。
まかに認識されているが、正確には把握されていないこ
とが多く、しかも、多くのプロセスは複雑な非線形的特
性をもつことが多い。
そのため、上述の従来法は線形特性をもつ特殊なプロ
セス制御には有用であるが、非線形特性をもつ一般のプ
ロセスには適用し難いという問題点がある。
セス制御には有用であるが、非線形特性をもつ一般のプ
ロセスには適用し難いという問題点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであ
って、むだ時間のある非線形プロセスを比較的簡単に、
しかも、精度よく制御することができるプロセスの制御
方法を提供することを目的とする。
って、むだ時間のある非線形プロセスを比較的簡単に、
しかも、精度よく制御することができるプロセスの制御
方法を提供することを目的とする。
<課題を解決するための手段及び作用> 本発明は、このような目的を達成するために、次のよ
うな構成をとる。
うな構成をとる。
即ち、本発明は、操作入力を変化させたときに、その
効果がプロセスの状態量変化として観測できるまでにむ
だ時間のあるプロセスの制御方法であって、 プロセスに与えられる既知の入力情報に対して、少な
くとも経験的に認められるプロセスの応答出力の変化
を、遅れ特性のない積分型,比例型,微分型のインパル
ス応答のうちの1または2以上の組み合わせで表し、そ
の遅れ特性のないインパルス応答と、むだ時間だけ過去
の時点から現在までの間に与えた操作入力系列とを掛け
合わせ、その掛け合わせた値の、むだ時間だけ過去の時
点から現在までの総和で表される入力評価尺度を求め、 少なくとも前記入力評価尺度を用いて、前記むだ時間
後のプロセス応答出力の変化、またはこれに関連した操
作量をファジー推論によって推定し、 その推定値を用いて、プロセスをファジー比例・積分
(PI)制御することを特徴としている。
効果がプロセスの状態量変化として観測できるまでにむ
だ時間のあるプロセスの制御方法であって、 プロセスに与えられる既知の入力情報に対して、少な
くとも経験的に認められるプロセスの応答出力の変化
を、遅れ特性のない積分型,比例型,微分型のインパル
ス応答のうちの1または2以上の組み合わせで表し、そ
の遅れ特性のないインパルス応答と、むだ時間だけ過去
の時点から現在までの間に与えた操作入力系列とを掛け
合わせ、その掛け合わせた値の、むだ時間だけ過去の時
点から現在までの総和で表される入力評価尺度を求め、 少なくとも前記入力評価尺度を用いて、前記むだ時間
後のプロセス応答出力の変化、またはこれに関連した操
作量をファジー推論によって推定し、 その推定値を用いて、プロセスをファジー比例・積分
(PI)制御することを特徴としている。
以下、本発明の構成を作用とともに詳細に説明する。
〔A〕むだ時間に対する考え方 ここでは、むだ時間をもつプロセスの挙動を推定する
ための基本的な考え方を説明する。
ための基本的な考え方を説明する。
第1図を参照する。むだ時間Lを持つプロセスにおい
て、我々が知り得るのは、第1図(c)に示すような、
プロセスに与えた操作入力時系列{u(t)}と、第1
図(a)に示すような、現在までに観測し得るプロセス
応答出力時系列{x(t)}である。観測し得るプロセ
ス応答出力時系列{x(t)}は、第1図(b)に示す
ように、プロセスにおいてむだ時間Lだけ過去に生じた
出力(以下、真の出力という)である。
て、我々が知り得るのは、第1図(c)に示すような、
プロセスに与えた操作入力時系列{u(t)}と、第1
図(a)に示すような、現在までに観測し得るプロセス
応答出力時系列{x(t)}である。観測し得るプロセ
ス応答出力時系列{x(t)}は、第1図(b)に示す
ように、プロセスにおいてむだ時間Lだけ過去に生じた
出力(以下、真の出力という)である。
すなわち、t=t(現在)における観測値x(t)
は、むだ時間Lだけ過去の真の出力x*(t−L)に等
しい。これは、むだ時間Lだけ過去までの操作入力系列
{u(ξ);ξ≦t−1}によって支配されたものであ
る。さらに、操作入力系列{u(ξ);t−L<ξ≦t}
は既にプロセスに与えられており、現時点での真の出力
x*(t)も確定している。つまり、観測出力系列{x
(ξ);t<ξ≦t+L}が確定しているのである。
は、むだ時間Lだけ過去の真の出力x*(t−L)に等
しい。これは、むだ時間Lだけ過去までの操作入力系列
{u(ξ);ξ≦t−1}によって支配されたものであ
る。さらに、操作入力系列{u(ξ);t−L<ξ≦t}
は既にプロセスに与えられており、現時点での真の出力
x*(t)も確定している。つまり、観測出力系列{x
(ξ);t<ξ≦t+L}が確定しているのである。
このように考えると、現在からむだ時間L後の間に生
じる将来の観測量x(t)は、過去の観測系列{x
(ξ);ξ≦t}とし、現在からむだ時間L前の間にお
ける操作入力系列{u(ξ);t−L<ξ≦t}を用いて
推定できることになる。
じる将来の観測量x(t)は、過去の観測系列{x
(ξ);ξ≦t}とし、現在からむだ時間L前の間にお
ける操作入力系列{u(ξ);t−L<ξ≦t}を用いて
推定できることになる。
〔B〕プロセス応答の予測 将来の観測量x(t+L)は、現在からむだ時間L前
の間における操作入力系列{u(ξ);t−L<ξ≦t}
によって生じたプロセスの出力変化量を、過去の観測系
列{x(ξ);ξ≦t}に加えたものとして出力される
ものであるから、将来の観測量x(t+L)を推定する
ためには、操作入力に対して、そのプロセスがどのよう
に挙動(応答)するのかを予め予測しておく必要があ
る。
の間における操作入力系列{u(ξ);t−L<ξ≦t}
によって生じたプロセスの出力変化量を、過去の観測系
列{x(ξ);ξ≦t}に加えたものとして出力される
ものであるから、将来の観測量x(t+L)を推定する
ためには、操作入力に対して、そのプロセスがどのよう
に挙動(応答)するのかを予め予測しておく必要があ
る。
そこで、種々の操作入力(入力情報)が与えられたと
きに、むだ時間をもつプロセスの応答がどのように変化
するのかを予測するため尺度として、本発明では入力評
価尺度という新規な概念を導入した。以下に、この入力
評価尺度がどのような意義を有するのかを順に説明す
る。
きに、むだ時間をもつプロセスの応答がどのように変化
するのかを予測するため尺度として、本発明では入力評
価尺度という新規な概念を導入した。以下に、この入力
評価尺度がどのような意義を有するのかを順に説明す
る。
まず、プロセスの応答に関する基本的性質を考える。
一般的なプロセスは概ね安定であるから、プロセス応答
の基本的性質は変化しないと言える。また、プロセスを
構成する要素から推定して、あるいは、経験的知見よ
り、プロセスの応答は次の三つの分類のうちの一つか、
または、これらの組合せであると考えられる。
一般的なプロセスは概ね安定であるから、プロセス応答
の基本的性質は変化しないと言える。また、プロセスを
構成する要素から推定して、あるいは、経験的知見よ
り、プロセスの応答は次の三つの分類のうちの一つか、
または、これらの組合せであると考えられる。
(1) 積分型プロセス 操作入力に対して積分的応答を示すプロセスである。
例えば、ロボットアーム、車などの移動プロセスがあ
る。
例えば、ロボットアーム、車などの移動プロセスがあ
る。
(2) 比例型プロセス 操作入力に比例した応答を示すプロセスで、入力エネ
ルギーが拡散するプロセスである。例えば、加熱プロセ
スがある。
ルギーが拡散するプロセスである。例えば、加熱プロセ
スがある。
(3) 微分型プロセス 操作入力に対して、微分的応答を示すプロセスであ
る。
る。
第2図は、上述の各プロセスに、操作入力としてステ
ップ状変化を与えた場合の各プロセスの代表的応答例で
あり、同図(a)は積分型、同図(b)は比例型、同図
(c)は微分型プロセスの応答例をそれぞれ示してい
る。
ップ状変化を与えた場合の各プロセスの代表的応答例で
あり、同図(a)は積分型、同図(b)は比例型、同図
(c)は微分型プロセスの応答例をそれぞれ示してい
る。
制御対象となるプロセスが上述した分類のどれに属し
ているかが明らかであれば、そのプロセスに任意の操作
入力u(t)が与えられたときのプロセス応答は、畳み
込み積分の変形より得られる次式(1)により予測する
ことができる。
ているかが明らかであれば、そのプロセスに任意の操作
入力u(t)が与えられたときのプロセス応答は、畳み
込み積分の変形より得られる次式(1)により予測する
ことができる。
ここで、 である。w(ξ)は、入力としてデルタ関数δ(ξ),
ξ≧0がプロセスに与えられたときの出力(インパルス
応答)であって、前記積分型、比例型、微分型の各基本
的なプロセスについて予め知られたものである。また、
Gは比例定数である。
ξ≧0がプロセスに与えられたときの出力(インパルス
応答)であって、前記積分型、比例型、微分型の各基本
的なプロセスについて予め知られたものである。また、
Gは比例定数である。
(1)式は現在のプロセス応答が、むだ時間Lだけ将
来の時点でどれだけ変化するのかを表した式である。そ
して、(1)式の右辺の第1項はむだ時間Lだけ過去の
時点から現在までの操作入力の変化がプロセス応答変化
に与える影響を表し、右辺の第2項および第3項は、む
だ時間Lだけ過去の時点よりも以前における操作入力が
プロセス応答に与える影響を表している。
来の時点でどれだけ変化するのかを表した式である。そ
して、(1)式の右辺の第1項はむだ時間Lだけ過去の
時点から現在までの操作入力の変化がプロセス応答変化
に与える影響を表し、右辺の第2項および第3項は、む
だ時間Lだけ過去の時点よりも以前における操作入力が
プロセス応答に与える影響を表している。
〔C〕操作入力の評価 基本的には、前記〔B〕で説明した(1)式によっ
て、任意の操作入力に対するプロセス応答を予測するこ
とはできるが、制御対象となるプロセスについて、前記
w(ξ)の形が正確には分からない場合も多いので、
(1)式をそのままプロセス応答を予測するための尺度
として用いることはできない。そこで、操作入力に対し
てプロセス出力がどのように応答するかを予測するため
の尺度(入力評価尺度)を、簡便かつ合理的に作成する
手法が必要となる。以下では、このような入力評価尺度
の具体的な作成手法を説明する。
て、任意の操作入力に対するプロセス応答を予測するこ
とはできるが、制御対象となるプロセスについて、前記
w(ξ)の形が正確には分からない場合も多いので、
(1)式をそのままプロセス応答を予測するための尺度
として用いることはできない。そこで、操作入力に対し
てプロセス出力がどのように応答するかを予測するため
の尺度(入力評価尺度)を、簡便かつ合理的に作成する
手法が必要となる。以下では、このような入力評価尺度
の具体的な作成手法を説明する。
先に説明したように、プロセスへの入力とその出力と
の関係は、積分型、比例型、微分型のどれかに近いか、
あるいは、それらの組合せであると考えられる。その場
合、むだ時間L過去から現在までの操作入力系列{u
(ξ);t−L<ξ≦t}に起因するプロセス挙動、すな
わち、プロセス応答出力の変化Δxは、次式(2)で示
される尺度Pに比例する。なお、次式(2)は、(1)
式の第1項に相当する。
の関係は、積分型、比例型、微分型のどれかに近いか、
あるいは、それらの組合せであると考えられる。その場
合、むだ時間L過去から現在までの操作入力系列{u
(ξ);t−L<ξ≦t}に起因するプロセス挙動、すな
わち、プロセス応答出力の変化Δxは、次式(2)で示
される尺度Pに比例する。なお、次式(2)は、(1)
式の第1項に相当する。
(2)式では、(i)遅れ特性を考慮したインパルス
応答w(t−τ)と、むだ時間Lだけ過去の時点から現
在まの間に与えた操作入力の変化(u(τ)−u(t−
L))とを掛け合わせて、(ii)むだ時間Lだけ過去の
時点から現在までのその総和を計算している(積分は総
和を意味する)。ここで、(i)で示す掛け算では、各
時点での入力変化に対して比例計数wを掛けて、その時
点の入力変化に対するプロセス応答変化を得ている。つ
まり、入力変化の大きさに比例して応答は変化するとい
うことである。次に、(ii)では、各時点での入力変化
に対して得られるプロセス応答変化について、むだ時間
Lだけ過去の時点から現在までの総和をとることで、各
時点での入力変化のプロセス応答への累積効果を求めて
いる。この累積効果(つまりP)は、プロセス応答変化
についてよい推定値を与えることになる。ただし、P
は、それ自体がプロセス応答変化を表してはおらず、プ
ロセス応答変化に比例した変化量を表している。
応答w(t−τ)と、むだ時間Lだけ過去の時点から現
在まの間に与えた操作入力の変化(u(τ)−u(t−
L))とを掛け合わせて、(ii)むだ時間Lだけ過去の
時点から現在までのその総和を計算している(積分は総
和を意味する)。ここで、(i)で示す掛け算では、各
時点での入力変化に対して比例計数wを掛けて、その時
点の入力変化に対するプロセス応答変化を得ている。つ
まり、入力変化の大きさに比例して応答は変化するとい
うことである。次に、(ii)では、各時点での入力変化
に対して得られるプロセス応答変化について、むだ時間
Lだけ過去の時点から現在までの総和をとることで、各
時点での入力変化のプロセス応答への累積効果を求めて
いる。この累積効果(つまりP)は、プロセス応答変化
についてよい推定値を与えることになる。ただし、P
は、それ自体がプロセス応答変化を表してはおらず、プ
ロセス応答変化に比例した変化量を表している。
(2)式の妥当性は、プロセスの応答変化そのものを
表している(1)式からも肯定することができる。つま
り、将来現れるプロセス応答変化に対して、(2)式と
同様の積分表現を含む(1)式の右辺の第1項と、右辺
の第2項および第3項のどちらの影響が大きいかを考え
ると、むだ時間Lだけ過去の時点よりも以前の操作の影
響である第2項および第3項よりも、むだ時間Lだけ過
去の時点から現在までの新しい操作の影響である第1項
の方が大きな影響をもつと考えられる。つまり、より最
近に操作した効果の方が重要であると考えてもよい。そ
こで、将来のプロセス応答変化を推定するのに、(1)
式の第1項に注目すればよいことが分かる。すなわち、
これが(2)式である。
表している(1)式からも肯定することができる。つま
り、将来現れるプロセス応答変化に対して、(2)式と
同様の積分表現を含む(1)式の右辺の第1項と、右辺
の第2項および第3項のどちらの影響が大きいかを考え
ると、むだ時間Lだけ過去の時点よりも以前の操作の影
響である第2項および第3項よりも、むだ時間Lだけ過
去の時点から現在までの新しい操作の影響である第1項
の方が大きな影響をもつと考えられる。つまり、より最
近に操作した効果の方が重要であると考えてもよい。そ
こで、将来のプロセス応答変化を推定するのに、(1)
式の第1項に注目すればよいことが分かる。すなわち、
これが(2)式である。
(2)式は、むだ時間Lだけ過去の時点から現在まで
の操作入力の変化に基づく、将来のプロセス応答の変化
を表すものではあるが、式中のインパルス応答w(ξ)
の形、つまり遅れ特性が正確には分からないので、むだ
時間をもつプロセスの将来の応答変化にインパルス応答
w(ξ)の遅れ特性が影響を及ぼすとすれば、(1)式
と同様に(2)式をそのままプロセス応答を予測するた
めの尺度として用いることはできない。以下では、むだ
時間をもつプロセスの応答変化に、インパルス応答w
(ξ)の遅れ特性が及ぼす影響の有無を考察し、その結
果に基づいて、(2)式をさらに合理的に簡略化して、
本発明の入力評価尺度の概念を説明してゆく。
の操作入力の変化に基づく、将来のプロセス応答の変化
を表すものではあるが、式中のインパルス応答w(ξ)
の形、つまり遅れ特性が正確には分からないので、むだ
時間をもつプロセスの将来の応答変化にインパルス応答
w(ξ)の遅れ特性が影響を及ぼすとすれば、(1)式
と同様に(2)式をそのままプロセス応答を予測するた
めの尺度として用いることはできない。以下では、むだ
時間をもつプロセスの応答変化に、インパルス応答w
(ξ)の遅れ特性が及ぼす影響の有無を考察し、その結
果に基づいて、(2)式をさらに合理的に簡略化して、
本発明の入力評価尺度の概念を説明してゆく。
まず、プロセスの「遅れ特性」とプロセスの「むだ時
間」との違いを明らかにしておく。一般的に、プロセス
に対して操作入力を変化させた場合、プロセスの応答出
力は徐々に変化して、やがて一定値に収束する。このよ
うに、プロセスの応答出力が徐々に変化して一定値に収
束するような挙動が「遅れ特性」である。これに対し
て、プロセスに対して操作入力を変化させた後に、当
初、プロセスの応答出力に全く変化が生じない状態が継
続するが、ある時間を経過した後に、プロセスの応答出
力が現れるような特性をもつプロセスがある。このよう
にプロセスの応答出力に無応答状態が継続する時間が
「むだ時間」である。以上のように、プロセスの応答の
有る無しという点で、「遅れ」と「むだ時間」は全く異
なる特性である。
間」との違いを明らかにしておく。一般的に、プロセス
に対して操作入力を変化させた場合、プロセスの応答出
力は徐々に変化して、やがて一定値に収束する。このよ
うに、プロセスの応答出力が徐々に変化して一定値に収
束するような挙動が「遅れ特性」である。これに対し
て、プロセスに対して操作入力を変化させた後に、当
初、プロセスの応答出力に全く変化が生じない状態が継
続するが、ある時間を経過した後に、プロセスの応答出
力が現れるような特性をもつプロセスがある。このよう
にプロセスの応答出力に無応答状態が継続する時間が
「むだ時間」である。以上のように、プロセスの応答の
有る無しという点で、「遅れ」と「むだ時間」は全く異
なる特性である。
ところで、一般的に問題となるようなプロセスのむだ
時間は、インパルス応答w(ξ)の遅れ時間よりも充分
に長い。このようなプロセスに対して操作入力を変化さ
せた場合、そのプロセスのインパルス応答w(ξ)の遅
れ(エネルギーの拡散の程度)特性に応じて、プロセス
応答の立ち上がりに影響が及ぶと考えられるが、その影
響はプロセスにむだ時間(無応答時間)があるがため
に、プロセスの応答変化として直ちに観測されない。
時間は、インパルス応答w(ξ)の遅れ時間よりも充分
に長い。このようなプロセスに対して操作入力を変化さ
せた場合、そのプロセスのインパルス応答w(ξ)の遅
れ(エネルギーの拡散の程度)特性に応じて、プロセス
応答の立ち上がりに影響が及ぶと考えられるが、その影
響はプロセスにむだ時間(無応答時間)があるがため
に、プロセスの応答変化として直ちに観測されない。
しかしながら、このむだ時間の間において、当該入力
操作の影響を受けてプロセスは刻々と変化しており、や
がて、当該入力操作の影響は収束値、即ち、整定値に達
する。つまり、プロセスのむだ時間がインパルス応答の
遅れ時間よりも充分に長いようなプロセスにおいては、
入力操作の影響が観測されるまでにプロセス応答変化が
完了してしまうのである。この場合、プロセスを所望の
状態に保つためには、プロセス応答が最終的にどのよう
な値に収束するのかを知ることが必要となり、プロセス
のインパルス応答w(ξ)の遅れ特性よりもプロセスの
整定値などの静特性が重要な意味を持つのである。した
がって、(2)式によってむだ時間未来のプロセスの応
答変化を考える(プロセスの挙動を予測する)場合に、
インパルス応答w(ξ)の遅れ特性を無視し、インパル
ス応答w(ξ)の整定値のみを考慮すればよく、そうす
ることが合理的であるとも言える。
操作の影響を受けてプロセスは刻々と変化しており、や
がて、当該入力操作の影響は収束値、即ち、整定値に達
する。つまり、プロセスのむだ時間がインパルス応答の
遅れ時間よりも充分に長いようなプロセスにおいては、
入力操作の影響が観測されるまでにプロセス応答変化が
完了してしまうのである。この場合、プロセスを所望の
状態に保つためには、プロセス応答が最終的にどのよう
な値に収束するのかを知ることが必要となり、プロセス
のインパルス応答w(ξ)の遅れ特性よりもプロセスの
整定値などの静特性が重要な意味を持つのである。した
がって、(2)式によってむだ時間未来のプロセスの応
答変化を考える(プロセスの挙動を予測する)場合に、
インパルス応答w(ξ)の遅れ特性を無視し、インパル
ス応答w(ξ)の整定値のみを考慮すればよく、そうす
ることが合理的であるとも言える。
そこで、w(ξ)の形として、遅れ時間のない最も簡
単なものを考えると、上述した各分類型のインパルス応
答w(ξ)の形は、第3図で実線で示すようになる。同
図(a)は積分型、同図(b)は比例型、同図(c)は
微分型のw(ξ)を示す。なお、図中、破線は遅れ時間
をもったw(ξ)を参考的に示している。このように遅
れ特性を無視したインパルス応答w(ξ)を前記(2)
式に適用して得られた値が、本発明にいう入力評価尺度
である。つまり、本発明にいう入力評価尺度とは、プロ
セスに与えられる既知の入力情報に対して、少なくとも
経験的に認められるプロセスの応答出力の変化を、遅れ
特性のない積分型,比例型,微分型のインパルス応答の
うちの1または2以上の組み合わせで表し、その遅れ特
性のないインパルス応答と、むだ時間だけ過去の時点か
ら現在までの間に与えた操作入力系列とを掛け合わせ、
その掛け合わせた値の、むだ時間だけ過去の時点から現
在までの総和で表された値である。図3に示したような
遅れ特性のないインパルス応答w(ξ)を(2)式に適
用すれば、前記各分類型の入力評価尺度Pは次のよう表
すことができる。
単なものを考えると、上述した各分類型のインパルス応
答w(ξ)の形は、第3図で実線で示すようになる。同
図(a)は積分型、同図(b)は比例型、同図(c)は
微分型のw(ξ)を示す。なお、図中、破線は遅れ時間
をもったw(ξ)を参考的に示している。このように遅
れ特性を無視したインパルス応答w(ξ)を前記(2)
式に適用して得られた値が、本発明にいう入力評価尺度
である。つまり、本発明にいう入力評価尺度とは、プロ
セスに与えられる既知の入力情報に対して、少なくとも
経験的に認められるプロセスの応答出力の変化を、遅れ
特性のない積分型,比例型,微分型のインパルス応答の
うちの1または2以上の組み合わせで表し、その遅れ特
性のないインパルス応答と、むだ時間だけ過去の時点か
ら現在までの間に与えた操作入力系列とを掛け合わせ、
その掛け合わせた値の、むだ時間だけ過去の時点から現
在までの総和で表された値である。図3に示したような
遅れ特性のないインパルス応答w(ξ)を(2)式に適
用すれば、前記各分類型の入力評価尺度Pは次のよう表
すことができる。
(2) 比例型:PP=u(t)−u(t−L) …(4) これらの入力評価尺度は、むだ時間L後のプロセス応
答出力の変化を支配する。換言すれば、むだ時間L後の
プロセス応答出力の変化量は、上述したPI,PP,Pdのどれ
か、あるいは、それらの組合せに略比例した形となって
あらわれるのである。したがって、操作入力を始め、測
定可能な外乱(例えば、原料の性状や気温など)など、
プロセスの全ての既知入力について整定値の入力評価尺
度を求めれば、むだ時間L後のプロセスの応答出力を予
測するための情報が得られたことになる。
答出力の変化を支配する。換言すれば、むだ時間L後の
プロセス応答出力の変化量は、上述したPI,PP,Pdのどれ
か、あるいは、それらの組合せに略比例した形となって
あらわれるのである。したがって、操作入力を始め、測
定可能な外乱(例えば、原料の性状や気温など)など、
プロセスの全ての既知入力について整定値の入力評価尺
度を求めれば、むだ時間L後のプロセスの応答出力を予
測するための情報が得られたことになる。
なお、未知外乱に関しては、その大きさを予め知るこ
とは出来ないから、その影響を事前評価することは困難
である。未知外乱によるプロセス応答の出力変化は、制
御誤差となって現れ、これを無くするように操作入力が
適宜に修正されることは言うまでもない。
とは出来ないから、その影響を事前評価することは困難
である。未知外乱によるプロセス応答の出力変化は、制
御誤差となって現れ、これを無くするように操作入力が
適宜に修正されることは言うまでもない。
〔D〕ファジー予測 上述したことから明らかなように、プロセス応答出力
の変化Δxは、入力評価尺度Pに比例する。すなわち、
Δx=G・Pの関係にある。Gは、入力評価尺度Pのプ
ロセス応答への寄与の大きさを示す情報である。したが
って、プロセス応答出力の変化Δxを推定するために
は、入力評価尺度Pの寄与計数Gを定義しなければなら
ない。
の変化Δxは、入力評価尺度Pに比例する。すなわち、
Δx=G・Pの関係にある。Gは、入力評価尺度Pのプ
ロセス応答への寄与の大きさを示す情報である。したが
って、プロセス応答出力の変化Δxを推定するために
は、入力評価尺度Pの寄与計数Gを定義しなければなら
ない。
以下に、入力評価尺度の大きさに応じたプロセスの応
答出力の変化Δxをファジー推論によって予測するため
の手法を説明する。即ち、先に述べた寄与係数Gのよう
に、入力評価尺度Pとプロセスの応答出力の変化Δxを
結び付けるための関数関係をファジー推論に基づいて表
現する。
答出力の変化Δxをファジー推論によって予測するため
の手法を説明する。即ち、先に述べた寄与係数Gのよう
に、入力評価尺度Pとプロセスの応答出力の変化Δxを
結び付けるための関数関係をファジー推論に基づいて表
現する。
ここでは、制御対象として、次のような1入力1出力
のむだ時間を持つプロセスを考える。操作入力u(t)
に、次式に示すような比例型の入力評価尺度Pが適用で
きるものと仮定する。
のむだ時間を持つプロセスを考える。操作入力u(t)
に、次式に示すような比例型の入力評価尺度Pが適用で
きるものと仮定する。
P=Δu(t)=u(t)−u(t−L) …(6) 上記(6)式の入力評価尺度P=Δuは、むだ時間過
去から現在までの時間における操作入力系列{u
(ξ);t−L<ξ≦t}を表している。また、プロセス
出力x(t)の時間微分(t)は、むだ時間Lよりも
過去における操作入力系列{u(ξ);0<ξ<t−L}
の影響を代表している。そこで、Δu、(t)の2情
報を用いて、むだ時間未来の出力変化Δx、すなわち、
現在の真出力の変化Δx*を推定する。もし、入力変化
Δuが真出力の変化Δx*に正に影響を与えるとする
と、次に示すようなファジー推定規則を作ることができ
る。
去から現在までの時間における操作入力系列{u
(ξ);t−L<ξ≦t}を表している。また、プロセス
出力x(t)の時間微分(t)は、むだ時間Lよりも
過去における操作入力系列{u(ξ);0<ξ<t−L}
の影響を代表している。そこで、Δu、(t)の2情
報を用いて、むだ時間未来の出力変化Δx、すなわち、
現在の真出力の変化Δx*を推定する。もし、入力変化
Δuが真出力の変化Δx*に正に影響を与えるとする
と、次に示すようなファジー推定規則を作ることができ
る。
規則1:もしΔuが正に大(PB)で、かつ、(t)が正
に大(PB)ならばΔx*は正に大(PB)である。
に大(PB)ならばΔx*は正に大(PB)である。
規則2:もしΔuが正に大(PB)で、かつ、(t)が正
に小(PS)ならばΔx*は正に中(PM)である。
に小(PS)ならばΔx*は正に中(PM)である。
規則3:もしΔuが正に大(PB)で、かつ、(t)が負
に小(NS)ならばΔx*は正に小(PS)である。
に小(NS)ならばΔx*は正に小(PS)である。
規則4:もしΔuが正に大(PB)で、かつ、(t)が負
に大(NB)ならばΔx*は零(ZO)である。
に大(NB)ならばΔx*は零(ZO)である。
これらの4つの規則な、入力変化Δuが正に大きい場
合について、真出力の変化Δx*を推定するものであ
る。前記各規則を、入力u(t)と真出力x*(t)の
挙動に関して図示すると、第4図のようになる。同図
(a)は規則1、同図(b)は規則2、同図(c)は規
則3、同図(d)は規則4の各挙動をそれぞれ示してい
る。
合について、真出力の変化Δx*を推定するものであ
る。前記各規則を、入力u(t)と真出力x*(t)の
挙動に関して図示すると、第4図のようになる。同図
(a)は規則1、同図(b)は規則2、同図(c)は規
則3、同図(d)は規則4の各挙動をそれぞれ示してい
る。
さらに、入力変化Δuが正に中(PM)、正に小(PS)
の場合、負に大(NB)、負に中(NM)、負に小(NS)の
場合について、上述と同様の推定規則を作ることができ
る。
の場合、負に大(NB)、負に中(NM)、負に小(NS)の
場合について、上述と同様の推定規則を作ることができ
る。
これらの全規則をまとめた、真出力の変化Δx*を推
定するための規則テーブルを第5図に示す。この規則テ
ーブルの縦軸は入力変化Δu(つまり、この例における
入力評価尺度P)の大小条件を、横軸はプロセス出力の
時間微分(t)の大小条件を、それぞれ示している。
また、テーブル内の区切られた各領域は、横軸および縦
軸で与えられた各条件に対する結論部、すなわち、真出
力の変化(すなわち、むだ時間L未来の出力変化Δx)
の大小を示している。なお、第5図の横軸および縦軸に
は、Δuおよび(t)の大小関係を定義するメンバー
シップ関数μi()、μj(Δu)を対応させてい
る。
定するための規則テーブルを第5図に示す。この規則テ
ーブルの縦軸は入力変化Δu(つまり、この例における
入力評価尺度P)の大小条件を、横軸はプロセス出力の
時間微分(t)の大小条件を、それぞれ示している。
また、テーブル内の区切られた各領域は、横軸および縦
軸で与えられた各条件に対する結論部、すなわち、真出
力の変化(すなわち、むだ時間L未来の出力変化Δx)
の大小を示している。なお、第5図の横軸および縦軸に
は、Δuおよび(t)の大小関係を定義するメンバー
シップ関数μi()、μj(Δu)を対応させてい
る。
このメンバーシップ関数は、「もし〜ならば、・・・
である。」というような言語表現で表した規則中の条件
部(「もし〜ならば」)や結論部(「・・・であ
る。」)の言語表現が最も適切な場合にはメンバーシッ
プ関数として1という値を有し、その言語表現が当ては
まりにくくなるとメンバーシップ関数として1以下の値
を、更に、その言語表現が全く適切でない場合にはメン
バーシップ関数として0となるものである。例えば、Δ
uが正に大(PB)という表現にあてはまるかをメンバー
シップ関数で表すと、μPB(Δu)なるメンバーシップ
関数となり、この値が「正に大」に当てはまるか否かを
0〜1の数値で示すことになる。更に、NB,ZO等のよう
ないくつかの表現を一般的な形でメンバーシップ関数と
して表すと、μj(Δu)となる。ここで、添え字jは
言語表現を区別するための記号や番号である。このメン
バーシップ関数を用いることで、条件jの妥当性を数値
として得ることができる。
である。」というような言語表現で表した規則中の条件
部(「もし〜ならば」)や結論部(「・・・であ
る。」)の言語表現が最も適切な場合にはメンバーシッ
プ関数として1という値を有し、その言語表現が当ては
まりにくくなるとメンバーシップ関数として1以下の値
を、更に、その言語表現が全く適切でない場合にはメン
バーシップ関数として0となるものである。例えば、Δ
uが正に大(PB)という表現にあてはまるかをメンバー
シップ関数で表すと、μPB(Δu)なるメンバーシップ
関数となり、この値が「正に大」に当てはまるか否かを
0〜1の数値で示すことになる。更に、NB,ZO等のよう
ないくつかの表現を一般的な形でメンバーシップ関数と
して表すと、μj(Δu)となる。ここで、添え字jは
言語表現を区別するための記号や番号である。このメン
バーシップ関数を用いることで、条件jの妥当性を数値
として得ることができる。
以上のような推定規則に基づいて、真出力の変化Δx
*を推論するために、次に示すような一般式で表される
Mandaniの方法を用いることができる。
*を推論するために、次に示すような一般式で表される
Mandaniの方法を用いることができる。
上式において、 Pj:i番目の規則のj番目の条件に使用される入力評価尺
度およびプロセス応答を推定するための補助的情報 μij(Pi):i番目の規則の中に含まれる、ANDで連結さ
れた条件のj番目のメンバーシップ関数 C1(i):i番目の規則に含まれる、ANDで連結される条
件の数 μi(Δx*):i番目の規則の結論部分のメンバーシッ
プ関数 n1:規則の総数 μ(Δx*,P):全規則により合成される真の出力Δx
*の推定結果を示すメンバーシップ関数 である。
度およびプロセス応答を推定するための補助的情報 μij(Pi):i番目の規則の中に含まれる、ANDで連結さ
れた条件のj番目のメンバーシップ関数 C1(i):i番目の規則に含まれる、ANDで連結される条
件の数 μi(Δx*):i番目の規則の結論部分のメンバーシッ
プ関数 n1:規則の総数 μ(Δx*,P):全規則により合成される真の出力Δx
*の推定結果を示すメンバーシップ関数 である。
また、(7)式右辺中、部分は、1つの規則i中に
含まれる各条件(入力評価尺度やプロセス応答を推定す
るための補助的情報Pj)のメンバーシップ関数の論理積
(∧)をとることを意味する。ここで、∧で表される論
理積の概念を説明する。条件部には複数の条件が「か
つ」即ちANDで連結されていることがある。例えば、先
に示した規則4では、μPB(Δu)とμNB()で表さ
れる2つの条件の妥当性をAND結合で結ぶ必要かある。
一般的なAND演算(論理積)においては、1つでも成立
しない事柄があると、結果は不成立となる。このAND結
合をメンバーシップ関数に適用するためには、不成立/
成立の二値、つまり、0/1の二値しか演算できない論理
積を0〜1の連続する値に対して演算できるように拡張
する必要がある。そこで、∧なる論理積を導入する。こ
の論理積は複数のメンバーシップ関数の値の中ですべて
に共通する値を与えるように作用する。例えば、(0.8
∧0.5)なる論理積は0.8と0.5に共通な値として0.5を与
える。また、規則4の条件部を式で表すと、μPB(Δ
u)∧μNB()となる。いま、Δuの値はかなり大き
く、PBに近いと考えて、μPB(Δu)の値が0.8になっ
たとする。そして、の値は負に中程度であり、NBとは
言いにくい場合、μNB()の値が0.5となったとす
る。このとき、条件部の妥当性はあまり良いとは言えな
い。これを論理式で書き表すと、 μPB(Δu)∧μNB()=0.8∧0.5=0.5 となり、条件部の妥当性は0.5となる。
含まれる各条件(入力評価尺度やプロセス応答を推定す
るための補助的情報Pj)のメンバーシップ関数の論理積
(∧)をとることを意味する。ここで、∧で表される論
理積の概念を説明する。条件部には複数の条件が「か
つ」即ちANDで連結されていることがある。例えば、先
に示した規則4では、μPB(Δu)とμNB()で表さ
れる2つの条件の妥当性をAND結合で結ぶ必要かある。
一般的なAND演算(論理積)においては、1つでも成立
しない事柄があると、結果は不成立となる。このAND結
合をメンバーシップ関数に適用するためには、不成立/
成立の二値、つまり、0/1の二値しか演算できない論理
積を0〜1の連続する値に対して演算できるように拡張
する必要がある。そこで、∧なる論理積を導入する。こ
の論理積は複数のメンバーシップ関数の値の中ですべて
に共通する値を与えるように作用する。例えば、(0.8
∧0.5)なる論理積は0.8と0.5に共通な値として0.5を与
える。また、規則4の条件部を式で表すと、μPB(Δ
u)∧μNB()となる。いま、Δuの値はかなり大き
く、PBに近いと考えて、μPB(Δu)の値が0.8になっ
たとする。そして、の値は負に中程度であり、NBとは
言いにくい場合、μNB()の値が0.5となったとす
る。このとき、条件部の妥当性はあまり良いとは言えな
い。これを論理式で書き表すと、 μPB(Δu)∧μNB()=0.8∧0.5=0.5 となり、条件部の妥当性は0.5となる。
更に、1つの規則において条件部にC1個の条件が「か
つ」により連結されている場合に、条件部の与える妥当
性は次式となる。
つ」により連結されている場合に、条件部の与える妥当
性は次式となる。
ここでの論理積∧の用法は、その右側に記されるメン
バーシップ関数μ1〜μC1すべてに対して論理積演算を
行うものである。ここに示す表現は、(7)式のに相
当し、このが1つの規則における条件部の妥当性を表
していることが理解できる。
バーシップ関数μ1〜μC1すべてに対して論理積演算を
行うものである。ここに示す表現は、(7)式のに相
当し、このが1つの規則における条件部の妥当性を表
していることが理解できる。
また、(7)式中の部分は規則iの結論の重要度を
表している。以下、結論の重要度について説明する。条
件部が全く成立しない場合には、その規則が示す結論部
は重要ではなく、また、条件部が完全に成立する場合に
は、その結論部は最も重要であると言える。このことよ
り、条件部の妥当性に比例した重要度をその結論部に与
えればよいことが分かる。例えば、規則4では結論部に
おいてプロセス応答の真出力の変化Δx*はZOとしてい
るので、μZO(Δx*)の重要度として条件部の論理積
結果μPB(Δu)∧μNB()を採用する。これを式で
書くと次のようになる。
表している。以下、結論の重要度について説明する。条
件部が全く成立しない場合には、その規則が示す結論部
は重要ではなく、また、条件部が完全に成立する場合に
は、その結論部は最も重要であると言える。このことよ
り、条件部の妥当性に比例した重要度をその結論部に与
えればよいことが分かる。例えば、規則4では結論部に
おいてプロセス応答の真出力の変化Δx*はZOとしてい
るので、μZO(Δx*)の重要度として条件部の論理積
結果μPB(Δu)∧μNB()を採用する。これを式で
書くと次のようになる。
μ(Δx*,P)={μPB(Δu)∧μNB()}∧μZO
(Δx*) ここで、μZO(Δx*)の初期値として1を与えてお
く。また、この時、重要度μ(Δx*,P)は真出力Δx
*の座標上でZO(零)を表す位置に格納される。
(Δx*) ここで、μZO(Δx*)の初期値として1を与えてお
く。また、この時、重要度μ(Δx*,P)は真出力Δx
*の座標上でZO(零)を表す位置に格納される。
先に示した規則4での数値例を再度用いて、計算例を
示すと、以下に示すような演算結果となる。
示すと、以下に示すような演算結果となる。
μ(Δx*,P)={μPB(Δu)∧μNB()}∧μZO
(Δx*) =(0.8∧0.5)∧1=0.5 この例において、規則4に関しては、この演算結果を
結論部の重要度として採用することになる。
(Δx*) =(0.8∧0.5)∧1=0.5 この例において、規則4に関しては、この演算結果を
結論部の重要度として採用することになる。
更に一般的に表現すると、規則iについてその重要度
は次式で表すことができる。
は次式で表すことができる。
この式の右辺は、(7)式のに相当し、このが規
則iについての結論の重要度を表していることが分か
る。
則iについての結論の重要度を表していることが分か
る。
次に、複数の規則からの結論の合成について説明す
る。
る。
一般には、複数の規則から複数の結論が得られ、その
それぞれに重要度が与えられる。例えば、3つの規則か
ら3つの結論が以下のように得られたとする。
それぞれに重要度が与えられる。例えば、3つの規則か
ら3つの結論が以下のように得られたとする。
これらの結論をまとめるためには、それぞれが示す結
論を取り込む必要がある。これを行なうのが論理和であ
り、先の例を論理和をよってまとめると次のようにな
る。
論を取り込む必要がある。これを行なうのが論理和であ
り、先の例を論理和をよってまとめると次のようにな
る。
0.5/PB∨0.9/PS∨0.2/ZO または、 μ(Δx*,P1)∨μ(Δx*,P2)∨μ(Δx*,P3) となり、真出力の座標上でこれら3つの重要度がそれぞ
れの値を保持した状態で配置されたことになる。さて、
n1個の規則がある場合については、次式のように論理和
を表す。
れの値を保持した状態で配置されたことになる。さて、
n1個の規則がある場合については、次式のように論理和
を表す。
この式により、全ての規則から得られる推論結果をま
とめることができる。(7)式はこの式と一致する。
とめることができる。(7)式はこの式と一致する。
なお、上記の説明ではプロセス応答の推定精度を上げ
るために、入力評価尺度の他に、補助的な情報としてプ
ロセス応答の時間微分を用いているが、入力評価尺度だ
けを使ってプロセス応答を推定することも可能である。
るために、入力評価尺度の他に、補助的な情報としてプ
ロセス応答の時間微分を用いているが、入力評価尺度だ
けを使ってプロセス応答を推定することも可能である。
次に、真出力推論結果の確定値について説明する。
上述した推論によって得られた推定結果μ(Δx*,
P)は、真出力Δx*の座標上に広く結果の重要度が分
布したファジー表現となっている。プロセス制御のため
に、真出力の変化量を確定する必要がある場合には、次
式(8)に示す重心法と呼ばれるDefuzzificationによ
って、一義的な真出力の変化の推定値Δx*を求めるこ
とができる。即ち、この値が、現在からむだ時間Lだけ
将来の時点におけるプロセス応答出力の変化の推定値に
なる。
P)は、真出力Δx*の座標上に広く結果の重要度が分
布したファジー表現となっている。プロセス制御のため
に、真出力の変化量を確定する必要がある場合には、次
式(8)に示す重心法と呼ばれるDefuzzificationによ
って、一義的な真出力の変化の推定値Δx*を求めるこ
とができる。即ち、この値が、現在からむだ時間Lだけ
将来の時点におけるプロセス応答出力の変化の推定値に
なる。
〔E〕ファジー制御 ここでは、ファジー推論によって予測された真出力の
変化の推定値を用いて、プロセスをファジー制御するた
めの手法を説明する。
変化の推定値を用いて、プロセスをファジー制御するた
めの手法を説明する。
プロセスの真出力の変化の推定値Δ*は、L時間未
来後のプロセスの応答出力変化の推定値Δに等しい。
したがって、この真出力変化の推定値Δ*を用いるこ
とにより、むだ時間をもたないプロセスの制御に置き換
えて考えることができる。
来後のプロセスの応答出力変化の推定値Δに等しい。
したがって、この真出力変化の推定値Δ*を用いるこ
とにより、むだ時間をもたないプロセスの制御に置き換
えて考えることができる。
ただし、一般の制御の場合、制御対象となるプロセス
の出力変化は確定値であるのに対し、本発明に係るプロ
セスの制御方法の制御対象出力変化は、あいまいな推定
値であるから、ファジー制御、特にプロセス制御に適し
たファジーPI制御を用いている。
の出力変化は確定値であるのに対し、本発明に係るプロ
セスの制御方法の制御対象出力変化は、あいまいな推定
値であるから、ファジー制御、特にプロセス制御に適し
たファジーPI制御を用いている。
通常のPI制御では、操作入力uは次式で表される。
u=KP・e+KI・∫e dt ……(9) ここで、eはプロセスの出力偏差でe=γ−xで表さ
れる。なお、γは目標値、xはプロセス応答出力であ
る。また、KP,KIは評価係数である。
れる。なお、γは目標値、xはプロセス応答出力であ
る。また、KP,KIは評価係数である。
次に示す式は、(9)式の時間微分をとったもので、
速度型表現と呼ばれる。
速度型表現と呼ばれる。
=KP・+KI・e ……(10) 通常のPI制御の場合、評価係数KP,KIは定数として取
り扱われているから、非線形プロセスへの適用は困難で
ある。
り扱われているから、非線形プロセスへの適用は困難で
ある。
一方、ファジーPI制御の場合、前記速度型表現と同様
に、制御対象となるプロセスの出力偏差eと、その変化
速度(時間微分)を用いる。ただし、評価係数は、
,eに応じて自在に変えることができるので、操作量の
変化を非線形的に表すことが容易である。
に、制御対象となるプロセスの出力偏差eと、その変化
速度(時間微分)を用いる。ただし、評価係数は、
,eに応じて自在に変えることができるので、操作量の
変化を非線形的に表すことが容易である。
以下、推定されたむだ時間L未来の応答出力の変化Δ
からむだ時間L未来の出力偏差e(t+L)と、その
変化速度(t+L)とを推定し、これをファジーPI制
御器に直列結合してプロセス制御する場合と、並列結合
してプロセス制御する場合とを、それぞれ説明する。
からむだ時間L未来の出力偏差e(t+L)と、その
変化速度(t+L)とを推定し、これをファジーPI制
御器に直列結合してプロセス制御する場合と、並列結合
してプロセス制御する場合とを、それぞれ説明する。
(1) ファジーPI制御への直列結合 前記(8)式で得られるプロセスの真の出力変化の推
定値Δ*、すなわち、むだ時間L未来の推定値Δ
は、あいまいな推定結果から得られた仮の確定値であ
る。換言すれば、前記(7)式で示される空間的な拡が
り(あいまいさ)をもつ真の出力変化の推定値μ(Δx
*,P)から、Δ*を求める過程で、情報が損失されて
いる。このような情報損失を防ぐために、ここでは、De
fuzzification前の推定結果μ(Δx*,P)を利用す
る。
定値Δ*、すなわち、むだ時間L未来の推定値Δ
は、あいまいな推定結果から得られた仮の確定値であ
る。換言すれば、前記(7)式で示される空間的な拡が
り(あいまいさ)をもつ真の出力変化の推定値μ(Δx
*,P)から、Δ*を求める過程で、情報が損失されて
いる。このような情報損失を防ぐために、ここでは、De
fuzzification前の推定結果μ(Δx*,P)を利用す
る。
出力偏差の推定 まず、出力偏差e(t+L)を推定する。なお、真の
出力変化の推定値Δ*は、むだ時間L未来の出力変化
の推定値Δに等しいから、以下の説明では、Δを使
用して説明する。
出力変化の推定値Δ*は、むだ時間L未来の出力変化
の推定値Δに等しいから、以下の説明では、Δを使
用して説明する。
むだ時間L未来のプロセスの出力変化の推定値Δは
次式で表される。
次式で表される。
Δ=(t+L)−x(t) ……(11) 目標値γが現在からL時間先まで同じであるとする
と、(11)式は次のように変形できる。
と、(11)式は次のように変形できる。
Δ=−(γ−(t+L))+(γ−x(t))……
(12) したがって、むだ時間L未来の出力偏差(t+L)
は、次式で表される。
(12) したがって、むだ時間L未来の出力偏差(t+L)
は、次式で表される。
(t+L)=e(t)−Δ ……(13) 故に、時間t+Lにおける偏差(t+L)のメンバ
ーシップ関数は、次式で表される。
ーシップ関数は、次式で表される。
μ(e(t+L))= ∨ {μ(e(t))∧μ(Δ
x,P)} ……(14) e(t)−Δ=(t+L) 上式(14)において、Δのメンバーシップ関数は座
標Δx上に与えられ、かつ、Δは入力評価尺度Pの影
響を受けるので、Δのメンバーシップ関数はμ(Δx,
P)と表されている。式(14)は、(13)式の右辺の2
つファジー量(e(t)とΔ)を加減算するために新
たな座標(e(t)−Δ)を設定し、この座標上にメ
ンバーシップ関数を形成することによって加減算の結果
を得たものである。(14)式の右辺のμ(e(t))∧
μ(Δx,P)は座標e(t)−Δ上の点Z(=(t
+L))を与えてある1組のe(t)とΔについて、
これらが値Zを与える本当らしさを示している。つま
り、それぞれの本当らしさの小さい方を採用するため
に、2つのメンバーシップ関数μ(e(t))とμ(Δ
x,P)との論理積∧をとっている。値Zを与えるe
(t)とΔの組合せは1組に限らないので、値Zを与
える種々の組合せにより得られる本当らしさの最大値
(論理和∨)を値Z、すなわち(t+L)のメンバー
シップ関数としている。
x,P)} ……(14) e(t)−Δ=(t+L) 上式(14)において、Δのメンバーシップ関数は座
標Δx上に与えられ、かつ、Δは入力評価尺度Pの影
響を受けるので、Δのメンバーシップ関数はμ(Δx,
P)と表されている。式(14)は、(13)式の右辺の2
つファジー量(e(t)とΔ)を加減算するために新
たな座標(e(t)−Δ)を設定し、この座標上にメ
ンバーシップ関数を形成することによって加減算の結果
を得たものである。(14)式の右辺のμ(e(t))∧
μ(Δx,P)は座標e(t)−Δ上の点Z(=(t
+L))を与えてある1組のe(t)とΔについて、
これらが値Zを与える本当らしさを示している。つま
り、それぞれの本当らしさの小さい方を採用するため
に、2つのメンバーシップ関数μ(e(t))とμ(Δ
x,P)との論理積∧をとっている。値Zを与えるe
(t)とΔの組合せは1組に限らないので、値Zを与
える種々の組合せにより得られる本当らしさの最大値
(論理和∨)を値Z、すなわち(t+L)のメンバー
シップ関数としている。
上式(14)において、μ(e(t))は、現在観測さ
れる偏差e(t)、すなわち確定値e(t)のメンバー
シップ関数であるから、 となる。したがって、(t+L)のメンバーシップ関
数は次式のように表される。
れる偏差e(t)、すなわち確定値e(t)のメンバー
シップ関数であるから、 となる。したがって、(t+L)のメンバーシップ関
数は次式のように表される。
μ(e(t+L))=μ(e(t)−Δ,P) ……(1
6) 上式(16)において、μ(e(t)−Δ,P)は、座
標e(t)−Δ上に与えられ、入力評価尺度Pの影響
を受けるメンバーシップ関数を表している。
6) 上式(16)において、μ(e(t)−Δ,P)は、座
標e(t)−Δ上に与えられ、入力評価尺度Pの影響
を受けるメンバーシップ関数を表している。
変化速度の推定 次に、むだ時間L未来の出力偏差の変化速度を推定す
る。
る。
プロセス偏差は、e(t)=γ−x(t)であり、目
標値γがx(t)に比べてゆっくりと変化するならば、
その時間変化率は次式となる。
標値γがx(t)に比べてゆっくりと変化するならば、
その時間変化率は次式となる。
(t)=−(t) ……(17) もし、プロセス挙動が滑らかであり、曲率変化が一定
であるならば、このプロセス挙動を次のように2次式に
よって表すことができる。
であるならば、このプロセス挙動を次のように2次式に
よって表すことができる。
x(t)=At2+Bt+C ……(18) ここで、現在のプロセスの応答(t,x(t),
(t)fとし、むだ時間だけ将来のプロセスの応答 とを用いて、(18)の係数A,B,Cを消去すると、未知数 は次式(19)で得られる。
(t)fとし、むだ時間だけ将来のプロセスの応答 とを用いて、(18)の係数A,B,Cを消去すると、未知数 は次式(19)で得られる。
故に、 のメンバーシップ関数は次式により表される。
上式(20)の右辺は、座標−2Δ/L上で与えら
れ、かつ、入力評価尺度Pの影響を受けるメンバーシッ
プ関数を表している。ここで得られた偏差μ(e(t+
L))と、その変化速度μ((t+L))とを用いて
制御出力Δuを求める。一般に用いられるファジーPI制
御のルールや、そのメンバーシップ関数は、そのまま利
用できる。第6図は、偏差eと偏差時間部分とから、
偏差補償用の制御出力Δuを推定するためのファジーPI
制御用規則テーブルを例示している。この規則テーブル
の縦軸は偏差e(t+L)の大小条件を、横軸は偏差時
間部分(t+L)の大小条件を、それぞれのメンバー
シップ関数μi(e)、μj()とともに示してい
る。また、テーブル内の区切られた各領域は、横軸およ
び縦軸で与えられた各条件に対する結論部、すなわち、
制御出力(操作入力)の変化の大小を示している。
れ、かつ、入力評価尺度Pの影響を受けるメンバーシッ
プ関数を表している。ここで得られた偏差μ(e(t+
L))と、その変化速度μ((t+L))とを用いて
制御出力Δuを求める。一般に用いられるファジーPI制
御のルールや、そのメンバーシップ関数は、そのまま利
用できる。第6図は、偏差eと偏差時間部分とから、
偏差補償用の制御出力Δuを推定するためのファジーPI
制御用規則テーブルを例示している。この規則テーブル
の縦軸は偏差e(t+L)の大小条件を、横軸は偏差時
間部分(t+L)の大小条件を、それぞれのメンバー
シップ関数μi(e)、μj()とともに示してい
る。また、テーブル内の区切られた各領域は、横軸およ
び縦軸で与えられた各条件に対する結論部、すなわち、
制御出力(操作入力)の変化の大小を示している。
このような推定規則に基づく制御出力の変化Δuは、
次式によって推論することができる。
次式によって推論することができる。
ここで、 ▲μe ij▼:i番目の制御規則に含まれるj番目の条件に
用いられる偏差推定結果、μ()またはμ(e) ▲μc ij▼:i番目の制御規則に含まれるj番目の条件の
メンバーシップ関数 mc(i):i番目の制御規則に含まれる、ANDで連結され
た条件の数 ▲μu i▼:i番目の制御規則に含まれる結論部のメンバー
シップ関数 nc:制御規則の総数 μ(Δu):全条件より合成される制御出力Δuの推論
結果を表すメンバーシップ関数 を、それぞれ示している。
用いられる偏差推定結果、μ()またはμ(e) ▲μc ij▼:i番目の制御規則に含まれるj番目の条件の
メンバーシップ関数 mc(i):i番目の制御規則に含まれる、ANDで連結され
た条件の数 ▲μu i▼:i番目の制御規則に含まれる結論部のメンバー
シップ関数 nc:制御規則の総数 μ(Δu):全条件より合成される制御出力Δuの推論
結果を表すメンバーシップ関数 を、それぞれ示している。
上式(21)は、先に示した(7)式においてμ
ij(Pi)と表した条件のメンバーシップ関数が、(21)
式では▲μe ij▼∧▲μc ij▼となっている点以外は同じ
である。先の(7)式においてはファジー量でない入力
評価尺度Pに基づいてメンバーシップ関数μijの値が決
まるのに対して、(21)式においては条件部のメンバー
シップ関数▲μc ij▼がファジー量である によって決まる。そのため、(21)式では条件部の満足
度を表すためには、 のメンバーシップ関数▲μe ij▼と、条件式のメンバー
シップ関数▲μc ij▼の論理積をとる必要がある。この
ような表現上の違いはあるが、(21)式で行う演算は例
えば、第6図で与えられるようなファジー制御規則に基
づいた推論の実行である。
ij(Pi)と表した条件のメンバーシップ関数が、(21)
式では▲μe ij▼∧▲μc ij▼となっている点以外は同じ
である。先の(7)式においてはファジー量でない入力
評価尺度Pに基づいてメンバーシップ関数μijの値が決
まるのに対して、(21)式においては条件部のメンバー
シップ関数▲μc ij▼がファジー量である によって決まる。そのため、(21)式では条件部の満足
度を表すためには、 のメンバーシップ関数▲μe ij▼と、条件式のメンバー
シップ関数▲μc ij▼の論理積をとる必要がある。この
ような表現上の違いはあるが、(21)式で行う演算は例
えば、第6図で与えられるようなファジー制御規則に基
づいた推論の実行である。
第7図は、以上に説明したプロセス制御、すなわち、
推論された出力偏差μ(e(t+L))と、出力偏差の
時間微分μ((t+L))とを、ファジーPI制御器に
直列結合したプロセス制御をブロック図で示したもので
ある。
推論された出力偏差μ(e(t+L))と、出力偏差の
時間微分μ((t+L))とを、ファジーPI制御器に
直列結合したプロセス制御をブロック図で示したもので
ある。
以下に、第7図を参照して、上述のプロセス制御をま
とめて説明する。
とめて説明する。
ファジー予測器1は、操作入力u、プロセス応答出力
x、既知の外乱dおよびその他の先験情報に基づいて、
入力評価尺度の大きさに応じたむだ時間L未来のプロセ
ス出力変化Δxをファジー推論によって予測する。推論
のために、第5図に示したような規則テーブルが予め設
定されており、この規則テーブルを基に、例えばMandan
iの方法などによってむだ時間L未来のプロセス出力変
化Δxを予測する。得られた推論結果Δxと、現在の出
力偏差e(e=γ−x)とに基づき、むだ時間L未来の
出力偏差e(t+L)と、その時間微分(t+L)と
を推定する。
x、既知の外乱dおよびその他の先験情報に基づいて、
入力評価尺度の大きさに応じたむだ時間L未来のプロセ
ス出力変化Δxをファジー推論によって予測する。推論
のために、第5図に示したような規則テーブルが予め設
定されており、この規則テーブルを基に、例えばMandan
iの方法などによってむだ時間L未来のプロセス出力変
化Δxを予測する。得られた推論結果Δxと、現在の出
力偏差e(e=γ−x)とに基づき、むだ時間L未来の
出力偏差e(t+L)と、その時間微分(t+L)と
を推定する。
ファジーPI制御器2は、ファジー予測器1で得られた
むだ時間L未来の出力偏差の推論結果μ(e(t+
L))と、その時間微分μ((t+L))とを与えら
れ、これらに基づき、偏差補償用の制御出力変化Δuを
推定する。推論のために、第6図に示したような規則テ
ーブルが予め設定されている。
むだ時間L未来の出力偏差の推論結果μ(e(t+
L))と、その時間微分μ((t+L))とを与えら
れ、これらに基づき、偏差補償用の制御出力変化Δuを
推定する。推論のために、第6図に示したような規則テ
ーブルが予め設定されている。
積分器3は、ファジーPI制御器2から与えられた制御
出力変化Δuを積分し、得られた操作入力uを、むだ時
間をもつプロセス4に出力する。
出力変化Δuを積分し、得られた操作入力uを、むだ時
間をもつプロセス4に出力する。
以上により、むだ時間Lを持つプロセスの応答出力x
が目標値γになるように制御される。
が目標値γになるように制御される。
(2) ファジーPI制御への並列結合 以下、第9図を参照して説明する。
第9図は、プロセス出力xの挙動を示した特性図であ
る。現在のプロセスの出力はx(t)であり、目標値γ
からの偏差がe(t)であるとする。むだ時間L過去か
ら現在までの操作入力{u(ξ);t−L<ξ≦t}によ
って、むだ時間L未来には、現在のプロス出力x(t)
からΔ変化して、プロセス出力は(t+L)になる
とする。したがって、むだ時間L未来のプロセス出力を
目標値γに近づけようとすれば、前記偏差e(t)とΔ
との和に相当する偏差を補償すればよいと考えられ
る。
る。現在のプロセスの出力はx(t)であり、目標値γ
からの偏差がe(t)であるとする。むだ時間L過去か
ら現在までの操作入力{u(ξ);t−L<ξ≦t}によ
って、むだ時間L未来には、現在のプロス出力x(t)
からΔ変化して、プロセス出力は(t+L)になる
とする。したがって、むだ時間L未来のプロセス出力を
目標値γに近づけようとすれば、前記偏差e(t)とΔ
との和に相当する偏差を補償すればよいと考えられ
る。
そこで、ファジーPI制御への並列結合では、第8図に
示すように、現在のプロセス出力偏差e(t)を補償す
るための操作量ΔuPIをファジーPI制御器2で推論し、
操作入力uなどのプロセス入力に基づくプロセスの応答
変化Δを補償するための操作量ΔuLをファジーL補償
器5で推論し、それらの結果を加算することによって、
むだ時間L未来の偏差を補償するための制御出力uを得
て、これをむだ時間プロセス4に与えるように構成して
いる。
示すように、現在のプロセス出力偏差e(t)を補償す
るための操作量ΔuPIをファジーPI制御器2で推論し、
操作入力uなどのプロセス入力に基づくプロセスの応答
変化Δを補償するための操作量ΔuLをファジーL補償
器5で推論し、それらの結果を加算することによって、
むだ時間L未来の偏差を補償するための制御出力uを得
て、これをむだ時間プロセス4に与えるように構成して
いる。
以下、この並列結合方式について具体的に説明する。
操作入力uやプロセス出力xなどの入力情報が与えら
れると、第5図において説明したような規則テーブルを
使用して、入力評価尺度の大きさに応じたむだ時間L未
来のプロセス応答変化の推定値Δ=(t+L)−x
(t)を推定することができる。
れると、第5図において説明したような規則テーブルを
使用して、入力評価尺度の大きさに応じたむだ時間L未
来のプロセス応答変化の推定値Δ=(t+L)−x
(t)を推定することができる。
この応答変化Δが得られた場合、これを補償するた
めにどの程度の大きさの操作入力変化ΔuLを与えるべき
かを、我々に多かれ少なかれ知っている。もし、その関
係が一定であるならば、ΔuLは次式で与えられる。
めにどの程度の大きさの操作入力変化ΔuLを与えるべき
かを、我々に多かれ少なかれ知っている。もし、その関
係が一定であるならば、ΔuLは次式で与えられる。
ΔuL=−K・Δ ……(22) また、ΔuLとΔの関係をより正確に表そうとする
と、次に示すようなΔに関する高次式などの関数を利
用できる。
と、次に示すようなΔに関する高次式などの関数を利
用できる。
ΔuL=f(Δ) ……(23) また、次に示すようなファジー推論によっても適切な
Δuを得ることができる。
Δuを得ることができる。
ここで、 μi:i番目の規則におけるΔxのメンバーシップ関数 μi(Δu):i番目の規則における結論部のΔuのメン
バーシップ関数 mu:Δuの推定のための規則数 である。
バーシップ関数 mu:Δuの推定のための規則数 である。
上式(24)について説明する。むだ時間未来のプロセ
スの応答変化がΔxであると推定された場合、好ましく
ない変化については経験則に基づいて補償することがで
きる。このような経験則をファジー制御規則として表す
ことができる場合には、それら規則に基づくファジー推
論によって、好ましくないプロセス変化を補償するため
の操作入力変化Δuを得ることができる。この場合の制
御規則では、ファジー量Δxの推定値を手掛かりにして
適切な操作入力変化Δuを見出すことになる。故に、
(24)式おいても、先の(21)式と同様に、条件部分に
プロセス変化の推定値のメンバーシップ関数μ(Δx)
と、条件式のメンバーシップ関数μiの論理積μ(Δ
x)∧μiをとって1つの条件iの満足度を算出してい
る。次に、〔μ(Δx)∧μi〕∧μi(Δu)という
演算により結論部の満足度を求める。さらに、ファジー
規則すべてについて、それらの結論の論理和をとれば、
(24)式となる。
スの応答変化がΔxであると推定された場合、好ましく
ない変化については経験則に基づいて補償することがで
きる。このような経験則をファジー制御規則として表す
ことができる場合には、それら規則に基づくファジー推
論によって、好ましくないプロセス変化を補償するため
の操作入力変化Δuを得ることができる。この場合の制
御規則では、ファジー量Δxの推定値を手掛かりにして
適切な操作入力変化Δuを見出すことになる。故に、
(24)式おいても、先の(21)式と同様に、条件部分に
プロセス変化の推定値のメンバーシップ関数μ(Δx)
と、条件式のメンバーシップ関数μiの論理積μ(Δ
x)∧μiをとって1つの条件iの満足度を算出してい
る。次に、〔μ(Δx)∧μi〕∧μi(Δu)という
演算により結論部の満足度を求める。さらに、ファジー
規則すべてについて、それらの結論の論理和をとれば、
(24)式となる。
また、仮の確定値ΔuLは、次式により求められる。
このようにして得られる操作入力変化ΔuLは、むだ時
間L未来に観測される応答変化の推定値Δを抑制する
ものである。ΔuLはファジー数であるので、メンバーシ
ップ関数で表すと、次のようになる。(26)式は(22)
式に、(27)式は(23)式に、(28)式は(24)式に、
それぞれ対応するメンバーシップ関数である。
間L未来に観測される応答変化の推定値Δを抑制する
ものである。ΔuLはファジー数であるので、メンバーシ
ップ関数で表すと、次のようになる。(26)式は(22)
式に、(27)式は(23)式に、(28)式は(24)式に、
それぞれ対応するメンバーシップ関数である。
μ(ΔuL)=μ(−KΔx,P) …(26) μ(ΔuL)=μ(−f(Δx,P) …(27) 以上のμ(ΔuL)の推論が、第8図のファジーL補償
器5で行われる。
器5で行われる。
一方、プロセスの応答偏差e(t)についての補償用
の操作入力変化ΔuPIは、第8図のファジーPI制御器2
によって推論される。ここで行われる補償は、通常のフ
ァジーPI制御であるから、具体的な説明は省略する。
の操作入力変化ΔuPIは、第8図のファジーPI制御器2
によって推論される。ここで行われる補償は、通常のフ
ァジーPI制御であるから、具体的な説明は省略する。
以上のようにして推論されたμ(ΔuPI)と、μ(Δu
L)との和が、むだ時間L未来のプロセス出力の挙動を
考慮した制御出力(操作入力)のメンバーシップ関数と
なる。次式はこのメンバーシップ関数を示している。
L)との和が、むだ時間L未来のプロセス出力の挙動を
考慮した制御出力(操作入力)のメンバーシップ関数と
なる。次式はこのメンバーシップ関数を示している。
μ(Δu)=∨{μ(ΔuL)∧μ(ΔuPI)} ……(2
9) ΔuL+ΔuPI=Δu なお、上述のファジーL補償器5では、操作入力変化
Δuと出力の時間微分とから、むだ時間L未来の出力
応答変化Δを推論し、これに基づいて補償用の操作入
力変化μ(ΔuL)を推論したが、出力応答変化Δを知
ることなく、直接に操作入力変化ΔuLを予測できる場合
には、第5図に示した規則テーブルに換えて、第10図に
示すように、操作入力変化Δuと出力の時間微分とか
ら、むだ時間補償用ΔuLを直接的に推定するための規則
テーブルを使用することができる。
9) ΔuL+ΔuPI=Δu なお、上述のファジーL補償器5では、操作入力変化
Δuと出力の時間微分とから、むだ時間L未来の出力
応答変化Δを推論し、これに基づいて補償用の操作入
力変化μ(ΔuL)を推論したが、出力応答変化Δを知
ることなく、直接に操作入力変化ΔuLを予測できる場合
には、第5図に示した規則テーブルに換えて、第10図に
示すように、操作入力変化Δuと出力の時間微分とか
ら、むだ時間補償用ΔuLを直接的に推定するための規則
テーブルを使用することができる。
<実施例> 以下、本発明に係るプロセスの制御方法を、ガラス溶
融炉の温度制御に適用した例を説明する。
融炉の温度制御に適用した例を説明する。
ガラス溶融炉の構成 第11図は、実施例に係るガラス溶融炉の構造を示した
一部破断斜視図である。
一部破断斜視図である。
このガラス溶融炉は、ガラス原料混合物を高温加熱す
る溶解室11と、この溶解室11から流入されるガラス融液
の温度調整を行う清澄室12の、耐火レンガ製の2室を備
えている。ケイ砂やアルミナ等のガラス原料混合物は、
溶解室11の一端から供給され、温度調整されたガラス融
液は、清澄室12の他端から成形工程へ送られる。
る溶解室11と、この溶解室11から流入されるガラス融液
の温度調整を行う清澄室12の、耐火レンガ製の2室を備
えている。ケイ砂やアルミナ等のガラス原料混合物は、
溶解室11の一端から供給され、温度調整されたガラス融
液は、清澄室12の他端から成形工程へ送られる。
ガラス溶融炉の両側の側壁には、燃料や燃焼用空気を
供給するための開口部であるポート13がある。ガラス原
料の加熱は、このポート13から供給された重油や天然ガ
スを、溶解室11の上部空間で燃焼させることにより行わ
れる。
供給するための開口部であるポート13がある。ガラス原
料の加熱は、このポート13から供給された重油や天然ガ
スを、溶解室11の上部空間で燃焼させることにより行わ
れる。
溶融炉の一つの側壁にあるポート13が燃焼用ポートと
して働いているときは、これに対向する他方の側壁にあ
るポート13が燃焼ガス排出用ポートとして働き、その役
割が交互に切り換えられる。これにより、ガラス溶融炉
の熱回収装置である蓄熱室14が有効に利用されている。
して働いているときは、これに対向する他方の側壁にあ
るポート13が燃焼ガス排出用ポートとして働き、その役
割が交互に切り換えられる。これにより、ガラス溶融炉
の熱回収装置である蓄熱室14が有効に利用されている。
ガラス溶融炉内の温度を測定するために、炉の天井、
炉底、側壁に熱電対や輻射温度計(図示せず)などが設
定されている。
炉底、側壁に熱電対や輻射温度計(図示せず)などが設
定されている。
ガラス溶融炉は熱的容量という点では極めて大きく、
その温度を変化させるためには十数時間という長い時間
が必要である。また、炉底における温度は、溶融ガラス
の流動によって支配されるので、典型的なむだ時間挙動
を示す。さらに、ガラス溶融炉の温度特性は、溶融炉に
与えられる負荷、原料混合物の状態、溶融ガラスの表面
状態やガラスの色などの多くの要因によって大きく変化
する。
その温度を変化させるためには十数時間という長い時間
が必要である。また、炉底における温度は、溶融ガラス
の流動によって支配されるので、典型的なむだ時間挙動
を示す。さらに、ガラス溶融炉の温度特性は、溶融炉に
与えられる負荷、原料混合物の状態、溶融ガラスの表面
状態やガラスの色などの多くの要因によって大きく変化
する。
このような温度特性の特殊性と、燃焼交換動作による
周期的温度変動のために、従来方法によって、ガラス溶
融炉の温度の管理を自動化することは極めて困難であっ
た。
周期的温度変動のために、従来方法によって、ガラス溶
融炉の温度の管理を自動化することは極めて困難であっ
た。
実施例に係る制御対象 上述したようなガラス溶融炉に本発明を適用するに際
し、制御対象を次のように定めた。
し、制御対象を次のように定めた。
すなわち、制御変数(プロセス出力)として、原料投
入口側天井温度(x℃)を使用し、操作変数(操作入
力)として、燃料用重油流量(u/時間)を使用し
た。
入口側天井温度(x℃)を使用し、操作変数(操作入
力)として、燃料用重油流量(u/時間)を使用し
た。
制御点である原料投入口側天井温度特性は、操炉デー
タ解析によって、約5時間のむだ時間を持つ系として近
似できることがわかっている。そして、この温度特性
は、操業条件、例えばガラス引き上げ量(負荷)、原料
混合物の状態などにより変化することがわかっているの
で、このような既知入力情報を先験情報として利用し
て、それぞれの入力評価尺度を定めた。
タ解析によって、約5時間のむだ時間を持つ系として近
似できることがわかっている。そして、この温度特性
は、操業条件、例えばガラス引き上げ量(負荷)、原料
混合物の状態などにより変化することがわかっているの
で、このような既知入力情報を先験情報として利用し
て、それぞれの入力評価尺度を定めた。
本実施例では、第8図に示したような並列結合のファ
ジーPI制御方式を適用し、ファジーL補償器5における
むだ時間補償用規則としては第10図に示したような規則
テーブルを使用し、また、ファジーPI制御器2における
偏差補償用規則としては、第6図に示すような規則テー
ブルを使用した。
ジーPI制御方式を適用し、ファジーL補償器5における
むだ時間補償用規則としては第10図に示したような規則
テーブルを使用し、また、ファジーPI制御器2における
偏差補償用規則としては、第6図に示すような規則テー
ブルを使用した。
実施例の効果 第12図は、本実施例による制御状態をシミュレーショ
ンした結果を示す。同図(a)は温度偏差のシミュレー
ションの結果、同図(b)は重油量の変化のシミュレー
ションの結果を、それぞれ示す線図である。なお、比較
のために、第14図に従来のPID制御を適用した場合のシ
ミュレーションの結果を示す。
ンした結果を示す。同図(a)は温度偏差のシミュレー
ションの結果、同図(b)は重油量の変化のシミュレー
ションの結果を、それぞれ示す線図である。なお、比較
のために、第14図に従来のPID制御を適用した場合のシ
ミュレーションの結果を示す。
第12図と第14図とを比較すれば明らかなように、実施
例に係る制御方法によれば、温度偏差の振動を極めて少
なく抑えることができる。
例に係る制御方法によれば、温度偏差の振動を極めて少
なく抑えることができる。
その他の適用例 なお、本発明は上述のようなガラス溶融炉の温度制御
のみならず、次に示すようなむだ時間もつ種々のプロセ
スの制御に適用することもできる。
のみならず、次に示すようなむだ時間もつ種々のプロセ
スの制御に適用することもできる。
例えば、 鉄鋼業において、高炉の主原料である焼結鉱を製造
するような焼結プロセス、 都市ガスなどの流体を一定の送出圧力で供給するよ
うな、気体あるいは液体の供給プロセス、 セメント工業における原料調合プロセス、 ガラス管、鋼管などの成形プロセス、 ガラス板、鋼板などの成形プロセス、 その他、むだ時間プロセスとして近似的に取り扱える
プロセス全般にわたって適用することが可能である。
するような焼結プロセス、 都市ガスなどの流体を一定の送出圧力で供給するよ
うな、気体あるいは液体の供給プロセス、 セメント工業における原料調合プロセス、 ガラス管、鋼管などの成形プロセス、 ガラス板、鋼板などの成形プロセス、 その他、むだ時間プロセスとして近似的に取り扱える
プロセス全般にわたって適用することが可能である。
<発明の効果> 以上の説明から明らかなように、本発明に係るプロセ
スの制御方法によれば、プロセスに与えられる既知の入
力情報に対して、少なくとも経験的に認められるプロセ
スの応答出力の変化を、遅れ特性のない積分型,比例
型,微分型のインパルス応答のうちの1または2以上の
組み合わせで表し、その遅れ特性のないインパルス応答
と、むだ時間だけ過去の時点から現在までの間に与えた
操作入力系列とを掛け合わせ、その掛け合わせた値の、
むだ時間だけ過去の時点から現在までの総和で表される
入力評価尺度を求め、少なくとも前記入力評価尺度を用
いて、前記むだ時間後のプロセス応答出力の変化、また
はこれに関連した操作量をファジー推論によって推定
し、その推定値を用いて、プロセスをファジー比例・積
分(PI)制御しているから、制御対象となるプロセスが
線形特性であるか、複雑な非線形特性であるかを問わ
ず、むだ時間を持つプロセス全般を、安定かつ精度よく
制御することができ、従来、困難であったこの種のプロ
セスの制御の自動化を容易に行なうことができる。
スの制御方法によれば、プロセスに与えられる既知の入
力情報に対して、少なくとも経験的に認められるプロセ
スの応答出力の変化を、遅れ特性のない積分型,比例
型,微分型のインパルス応答のうちの1または2以上の
組み合わせで表し、その遅れ特性のないインパルス応答
と、むだ時間だけ過去の時点から現在までの間に与えた
操作入力系列とを掛け合わせ、その掛け合わせた値の、
むだ時間だけ過去の時点から現在までの総和で表される
入力評価尺度を求め、少なくとも前記入力評価尺度を用
いて、前記むだ時間後のプロセス応答出力の変化、また
はこれに関連した操作量をファジー推論によって推定
し、その推定値を用いて、プロセスをファジー比例・積
分(PI)制御しているから、制御対象となるプロセスが
線形特性であるか、複雑な非線形特性であるかを問わ
ず、むだ時間を持つプロセス全般を、安定かつ精度よく
制御することができ、従来、困難であったこの種のプロ
セスの制御の自動化を容易に行なうことができる。
第1図ないし第12図は本発明に係るプロセスの制御方法
の説明に供する図であり、第1図はむだ時間をもつプロ
セスの挙動を推定するための基本的な考え方を示した説
明図、第2図はプロセスのの基本的な応答特性図、第3
図は入力評価尺度を作成するために簡単化されたインパ
ルス応答の説明図、第4図はファジー予測に使用される
規則の説明に供する操作入力およびプロセス応答の特性
図、第5図は真出力の変化を推定するための規則テーブ
ル、第6図はファジーPI制御において偏差補償用の制御
出力を推定するための規則テーブル、第7図はプロセス
応答の推定結果をファジーPI制御に直列結合する制御手
法のブロック図、第8図はプロセス応答の推定結果をフ
ァジーPI制御に並列結合する制御手法のブロック図、第
9図は第8図に示した並列結合方式のファジーPI制御手
法の説明に供するプロセス応答特性図、第10図は並列結
合方式のファジーPI制御において補償用操作入力を推定
するための規則テーブル、第11図は本発明の実施例が適
用されるガラス溶融炉の構造を示した一部破断斜視図、
第12図は実施例に係る制御方法が適用されたガラス溶融
炉の温度偏差と重油流量の変動をシミュレーションした
線図である。 第13図はむだ時間をもつプロセスにステップ状の操作入
力を与えた場合のプロセス応答と、従来のPID制御によ
る応答を示した特性図、第14図は第12図との比較のため
に示した従来のPID制御によってガラス溶融炉を制御し
た場合の温度偏差と重油流量の変動をシミュレーション
した線図である。 1……ファジー予測器、2……ファジーPI制御器、3…
…積分器、4……むだ時間プロセス、5……ファジーL
補償器
の説明に供する図であり、第1図はむだ時間をもつプロ
セスの挙動を推定するための基本的な考え方を示した説
明図、第2図はプロセスのの基本的な応答特性図、第3
図は入力評価尺度を作成するために簡単化されたインパ
ルス応答の説明図、第4図はファジー予測に使用される
規則の説明に供する操作入力およびプロセス応答の特性
図、第5図は真出力の変化を推定するための規則テーブ
ル、第6図はファジーPI制御において偏差補償用の制御
出力を推定するための規則テーブル、第7図はプロセス
応答の推定結果をファジーPI制御に直列結合する制御手
法のブロック図、第8図はプロセス応答の推定結果をフ
ァジーPI制御に並列結合する制御手法のブロック図、第
9図は第8図に示した並列結合方式のファジーPI制御手
法の説明に供するプロセス応答特性図、第10図は並列結
合方式のファジーPI制御において補償用操作入力を推定
するための規則テーブル、第11図は本発明の実施例が適
用されるガラス溶融炉の構造を示した一部破断斜視図、
第12図は実施例に係る制御方法が適用されたガラス溶融
炉の温度偏差と重油流量の変動をシミュレーションした
線図である。 第13図はむだ時間をもつプロセスにステップ状の操作入
力を与えた場合のプロセス応答と、従来のPID制御によ
る応答を示した特性図、第14図は第12図との比較のため
に示した従来のPID制御によってガラス溶融炉を制御し
た場合の温度偏差と重油流量の変動をシミュレーション
した線図である。 1……ファジー予測器、2……ファジーPI制御器、3…
…積分器、4……むだ時間プロセス、5……ファジーL
補償器
Claims (3)
- 【請求項1】操作入力を変化させたときに、その効果が
プロセスの状態量変化として観測できるまでにむだ時間
のあるプロセスの制御方法であって、 プロセスに与えられる既知の入力情報に対して、少なく
とも経験的に認められるプロセスの応答出力の変化を、
遅れ特性のない積分型,比較型,微分型のインパルス応
答のうちの1または2以上の組み合わせで表し、その遅
れ特性のないインパルス応答と、むだ時間だけ過去の時
点から現在までの間に与えた操作入力系列とを掛け合わ
せ、その掛け合わせた値の、むだ時間だけ過去の時点か
ら現在までの総和で表される入力評価尺度を求め、 少なくとも前記入力評価尺度を用いて、前記むだ時間後
のプロセス応答出力の変化、またはこれに関連した操作
量をファジー推論によって推定し、 その推定値を用いて、プロセスをファジー比例・積分
(PI)制御することを特徴とするプロセスの制御方法。 - 【請求項2】請求項(1)に記載のプロセスの制御方法
において、入力評価尺度の大きさに応じて、むだ時間後
のプロセス応答出力の変化をファジー推論によって推定
した結果に基づき、むだ時間後のプロセス応答出力の偏
差と、その変化速度とを推定し、前記推定された偏差
と、その変化速度とを利用してファジー比例・積分(P
I)制御することにより、むだ時間後のプロセスの出力
偏差を補償するための制御出力を得るプロセスの制御方
法。 - 【請求項3】請求項(1)に記載のプロセスの制御方法
において、ファジーPI制御によってプロセス応答出力の
現在の偏差を補償する第1操作量を推定し、一方、入力
評価尺度の大きさに応じて、むだ時間後のプロセス応答
出力の変化を補償するための第2操作量をファジー推論
によって推定し、前記第1操作量と前記第2操作量とか
ら、むだ時間後のプロセスの出力偏差を補償するための
制御出力を得るプロセスの制御方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63293200A JP2553675B2 (ja) | 1988-11-18 | 1988-11-18 | プロセスの制御方法 |
US07/433,827 US5272621A (en) | 1988-11-18 | 1989-11-09 | Method and apparatus using fuzzy logic for controlling a process having dead time |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63293200A JP2553675B2 (ja) | 1988-11-18 | 1988-11-18 | プロセスの制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02138602A JPH02138602A (ja) | 1990-05-28 |
JP2553675B2 true JP2553675B2 (ja) | 1996-11-13 |
Family
ID=17791718
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63293200A Expired - Lifetime JP2553675B2 (ja) | 1988-11-18 | 1988-11-18 | プロセスの制御方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5272621A (ja) |
JP (1) | JP2553675B2 (ja) |
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CN109656138A (zh) * | 2018-12-19 | 2019-04-19 | 龙口盛福达食品有限公司 | 一种基于模糊推理的白酒酿造过程温度智能控制方法 |
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1988
- 1988-11-18 JP JP63293200A patent/JP2553675B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1989
- 1989-11-09 US US07/433,827 patent/US5272621A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
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US5272621A (en) | 1993-12-21 |
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