JP2553426B2 - 高速鉄道用軌道並びにその構築方法 - Google Patents

高速鉄道用軌道並びにその構築方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新幹線等の高速鉄道用軌
道の構築に使用されるものであり、振動並びに騒音の大
幅な引下げを可能とした高速鉄道用軌道に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】時速200〜230km/H程度で列車
が走行する高速鉄道用軌道に於いては、列車の走行時に
軌道部から発生する騒音が、列車の最高速度を制限する
重要な因子となる。そのため、例えば東海道新幹線や山
陽新幹線に於いては、通常図3に示す如く、高架床A上
に敷設した厚さ20〜30cm程度の砕石層Bの上に、
厚さ20〜30mm、横幅500〜600mm、長さ2
500〜3000mm程度のゴム製パッドCを配設し、
その上に更に厚さ20〜30cm程度の砕石層Dを配設
した構造の軌道とし、前記ゴム製パッドCにより列車走
行時の振動や騒音を吸収し、これらが軌道下部へ伝ぱん
するのを防止するようにしている。尚、図3は従来の新
幹線の高架軌道の代表例を示すものであるが、路盤床上
に形成した軌道構造もほぼ同様であり、図3に於ける高
架床Aが路盤床に代えるだけである。また図3に於いて
Eはコンクリート枕木、Fはレール、Gは排水用側溝で
ある。
【0003】ところで、前記ゴム製パッドCを敷設した
軌道は、列車走行時に発生する振動や騒音を比較的有効
に吸収することが出来、騒音の引下げと云う点では優れ
た実用的効用を奏するものである。しかし、当該ゴム製
パッドCを利用した高速鉄道用軌道にも解決すべき多く
の問題が残されている。先ず第1の問題は、ゴム製パッ
ドCが突き合せ状に敷設されているため、時間の経過と
共にゴム製パッドCの位置づれが起り、切れ目の間隙が
大きくなって防音・防振効果が低下することである。即
ち、従前の軌道では、長さ2500〜3000mm程度
のゴム製パッドCを順次突き合せた状態で敷設している
ため多数のパッド継目が存在し、パッドCが振動等によ
り僅かづつ位置づれを起すことにより、上述の如き問題
が起生する。
【0004】第2の問題は、騒音引下げ効果の限界点の
問題である。即ち、列車の最高速度が230km/H程
度までであれば、十分とは云えないものの比較的有効に
防音効果が奏される。しかし、最高速度が250〜30
0km/H程度にまでなると、従前のゴム製パッドCを
利用した軌道では、列車走行時に軌道部から発生する騒
音を有効に引下げることが不可能である。また、騒音の
引下げ効果を高めるためにゴム製パッドCの厚さを増し
たり、或いはその硬さ(弾力性)を調整した場合には、
走行中の列車にローリングが発生する等、軌道の安定性
に別の新たな問題を生ずることになる。
【0005】第3の問題は、ゴム製パッドCの耐用年数
の問題である。即ち、ゴム製パッドCは列車の走行時に
大荷重を繰り返し受けるため、その劣化が極めて早い。
その結果、取替えを必要とする頻度が高くなり、軌道の
補修費が増加する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本件発明は、従前の高
速列車用軌道に於ける上述の如き問題、即ち、敷設し
たゴム製パッドに継目があるため、防音効果が時間の経
過と共に低下すること、230km/H程度以上の高
速に於いて十分な防音効果を得るためには、相当に厚い
ゴム製パッドが必要になり、走行中の列車の安定性の確
保が困難になること、耐久性に劣るため軌道の補修費
が高騰すること等の問題を解決せんとするものであり、
比較的経済的に、しかも短期間内に施工できると共に長
期に亘って優れた防音性並びに防振性を保持することが
でき、そのうえ軌道補修費の大幅な削減を計り得る高速
鉄道用軌道とその構築方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】出願人は先に、JIS規
格による粒度調整鉱滓を用いた軌道用路盤の改良方法を
開発し、これを特開昭62−55301号及び特開昭6
3−27601号として夫々公開している。この軌道用
路盤の改良方法は、夜間等の列車の運休時間内に長さ1
0〜20m程度を工事単位として路盤の改修を行うもの
であり、JIS規格に従って粒度調整をした鉱滓バラ
スに予かじめ水を十分に含ませ、含水状態の鉱滓バラ
スを路床上に所定の厚さに敷設したあと、ランマー等に
よって4〜5回転圧し、転圧により鉱滓バラスの内部
より水分を押し出して、鉱滓層を内部より2〜3時間内
に高速凝結させると共に、当該高速凝結せしめた鉱滓層
に走行する列車又は電車の重量をかけることにより長期
に亘って硬化させ、最終的には100〜120kg/
cm2 程度の圧縮強度を有する鉱滓路盤を形成するもの
である。
【0008】前記粒度調整鉱滓を用いた軌道用路盤の改
良方法は、転圧後数時間以内に鉱滓層が凝結して20
〜30kg/cm2 程度の圧縮強度が得られるため、軌
道の仮受けや徐行運転が不要となり、経済的に優れてい
ること、コンクリート路盤の様に亀裂を多発すること
が無く、また万一亀裂が生じても、雨水の侵入により水
和反応が起こって亀裂が自然に修復されること、防音
や防振効果があること、及び所謂軌道の泥吹き現象が
完全に防止できること、等の多くの優れた実用的効用を
奏するものである。
【0009】本件発明者は、前記粒度調整鉱滓を用いた
営業運転中の軌道用路盤の改修工事の施工を通して、
十分に転圧を施した粒度調整鉱滓から成る路盤が優れた
防振性や防音性、クッション性を有すること、この様
な振動や騒音の引下げ及びクッション性の向上は、主と
して(イ)路盤を構成する鉱滓バラスそのものが多孔質
であって、適宜量の空孔が鉱滓バラス層内部に分散され
ていること及び(ロ)鉱滓層が水和反応による凝結体で
あって可撓性を有すること等の鉱滓に特有の性質による
ことを知得した。また、本件発明者は鉱滓バラスの水和
反応による凝結硬化試験、即ちバラスの粒径と転圧量と
凝結硬化時間等との相関関係を試験する過程に於いて、
鉱滓バラスを粉砕してこれを相当細かく、例えば平均
粒径が20〜80μm程度の微粉状にしても、各鉱滓微
粒子にはなお、多数の微空孔が保有されており、鉱滓微
粒子の量が増加して、これが粒径の大きな鉱滓バラスの
空孔内へ充満したとしても、鉱滓バラスそのものは通気
性及び透水性を喪失せず、その結果、鉱滓バラスの凝結
体である路盤も通気・通水性を失わないこと、及び粒
径の大きな鉱滓バラスの空孔内へ予かじめ鉱滓微粒子が
充填されている方が、より少ない転圧量で、しかもより
堅く凝結硬化することを夫々知得した。
【0010】本件発明は、粒度調整鉱滓を用いた営業運
転中の軌道用路盤の改修工事の施工を通して得られた前
述の如き新たな知得に基づいて創作されたものであり、
請求項1に記載の発明は、高架床1と;前記高架床1の
上に敷設した所定の厚さを有する下部砕石層2と;前記
下部砕石層2の上に敷設した所定の厚さの粒度調整鉱滓
より成る防音・防振用鉱滓層3と;前記鉱滓層3の上に
敷設した所定の厚さに上部砕石層5とを発明の基本構成
とするものである。
【0011】また、本件請求項3に記載の発明は、高架
床1の上に所定の厚さに下部砕石層2を敷設した後、当
該下部砕石層2の上に予め十分に攪拌混合と加水処理を
した粒度調整鉱滓を所定の厚さに敷設し、当該鉱滓を転
圧することにより鉱滓内部より水分を押し出して水和反
応により鉱滓を凝結させ、更に、前記鉱滓が所望の圧縮
強度にまで凝結した後、鉱滓層3の上方に所定の厚さに
上部砕石層5を敷設し、短時間で凝結せしめた前記鉱滓
層3を徐々に完全凝結させることを発明の基本構成とす
るものである。
【0012】
【作用】15〜30重量%の微粒子成分を含有する鉱滓
は、予かじめ十分に攪拌混合される。これにより、粒径
の大きな鉱滓の空孔内へ鉱滓微粒子が充満する。また、
攪拌混合された鉱滓には十分な加水が行われ、4〜8時
間程度水漬けにした如き状態で放置されたあと、敷設の
2〜3時間前に水切りが行われる。これにより、鉱滓内
の微空孔内に水が含有され、約8〜15重量%の含水率
となる。砕石層の上に所定厚さに敷設した鉱滓層に、ロ
ーラ等により衝撃性の圧縮力を加えて搗き固めると、鉱
滓の空孔内に貯留された水により水和反応が起生し、鉱
滓バラスの凝結が始まる。この時、粒径の大きな鉱滓の
空孔内には攪拌混合時に多量の鉱滓微粒子が充填されて
おり、これ等鉱滓微粒子が転圧により水と一緒に押し出
され、粒径の大きな鉱滓相互間の空隙部に充満する。そ
の結果、微粒子含有量の少ない粒度調整鉱滓を使用する
場合に比較して、水和反応がより迅速に進行し、凝結硬
化が速やくなる。
【0013】鉱滓層を形成する各鉱滓微粒子自体が多数
の微空孔を有するため、、凝結硬化した鉱滓層は防音性
を有することになる。また、敷設する鉱滓バラス内の微
粒の含有量が15〜30重量%と高くなっても、路盤内
の各鉱滓微粒子自体が微空孔を有しているため防音性や
クッション性能等の低下を招くことは全く無く、逆に路
盤密度が適当値にまで上昇することにより、防振性等が
より向上する。
【0014】鉱滓層の搗き固め後に上部砕石層やレール
が敷設されると、砕石層を介して直接その重量(車輌の
走行後には車輌重量を含む)が鉱滓層へ伝えられ、長期
に亘って鉱滓層の圧縮が行われる。その結果、鉱滓層の
凝結硬化が引き続き促進され、3〜4ケ月後には100
〜120kg/cm2 の圧縮強度を有する強固なベルト
状の鉱滓層が形成される。
【0015】雨水等は、鉱滓微粒子の有する細かい微空
孔を通して内部へ侵入し、これによって水和反応による
凝結硬化が長期に亘って継続すると共に、万一鉱滓層に
亀裂が生じても、前記水和反応によって亀裂の自然修復
が行われる。また、鉱滓微粒子の有する微空孔は、泥粒
子の流通を阻止し得る程度の大きさであるため、下部砕
石層内に生じた微粉が雨水と混合して泥水が発生して
も、上部砕石層内への所謂泥吹き現象は、完全に防止さ
れる。尚、凝結硬化した後の鉱滓層は完全な剛体ではな
しに適当な硬さを有する可撓性の構造体となり、これに
よって鉱滓層が防振効果を奏すると共に、軌道の安定性
が確保され、列車のローリングやピッチングが防止され
る。
【0016】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は本発明を実施した高速鉄道用軌道の縦断面
図であり、図1に於いて1はコンクリート高架床、2は
下部砕石層、3は鉱滓層、4はネット体、5は上部砕石
層、6はPC枕木、7はレール、8,9は水抜き穴であ
る。軌道の構築に際しては、先ず適宜量(例えば30〜
40ton程度)の粒度調整鉱滓を高さ2〜3m程度の
山形に積み上げ、その上方部に凹部を形成する。その
後、前記凹部へ給水しつつパワーシャベル等により1〜
2日間鉱滓を連続的に攪拌混合し、予かじめ鉱滓に十分
な加水と攪拌混合処理を施す。尚、前記加水・攪拌混合
により、鉱滓は若干温度が上昇すると共に、薄黒色に変
色をする。
【0017】次に、高架床1の上方に敷設した厚さ約2
0〜30cmの下部砕石層2の上に、金属製又は合成樹
脂製のネット体4を敷き、その上に水漬けの程度に加水
しつつ攪拌混合した後、2〜3時間前に水切りをした粒
度調整鉱滓を20〜30cmの厚さに敷設する。尚、敷
設時の散水は殆ど不要であり、加水時に吸収した水分に
より鉱滓バラスの水分含有率は10〜15%程度に保持
されている。又、ネット体4を敷設するのは、下部砕石
層2上を工事用車輌等が円滑に走行できるようにするた
めである。前記粒度調整鉱滓としては、表1に示す如き
JIS A 1102で規定する鉱滓を使用することが
出来る。
【0018】
【表1】
【0019】本実施例では、前記粒度調整鉱滓として3
0mm×30mmのふるい目を100%通過し且つ80
μm×80μmのふるい目を通過可能な微粒子を20〜
30重量%含有する鉱滓を使用しており、具体的にはJ
IS A 1102で規定する骨材ふるい分け試験に合
格した粒度調整鉱滓85重量%に、別途に形成した80
μm×80μmのふるいを100%通過する粒度の鉱滓
微粒子15重量%を混合した鉱滓を使用している。尚、
前記粒度調整鉱滓の最大粒度をふるい目30mm×30
mmを100%通過する程度の粒度に規制するには、こ
れ以上の最大粒度の鉱滓が混入すると鉱滓の転圧が困難
になってより多くの手数がかかると共に、鉱滓の水和反
応の進行速度に部分的なばらつきが生じて来るからであ
る。また、前記鉱滓内にふるい目80μm×80μmを
100%通過する微粒子を20〜30重量%含有させる
のは、当該20〜30重量%の微粒子の含有量に於いて
転圧時間を最少に出来ると共に、水和反応による必要最
低限度の圧縮強度(20〜30kg/cm2 )が迅速に
得られると共に、防振性能やクッション性の点でも最も
良い成果が得られるからである。更に、微粒子含有量が
20%未満になると、前記必要最低限度の圧縮強度(2
0〜30kg/cm2 )が得られるまでの時間が延び、
逆に30%を越えると、鉱滓の調整に手数がかかって鉱
滓費が高騰して経済性に欠けることになる。
【0020】前記粒度調整鉱滓の敷設が完了すれば、ロ
ーラ若しくはランマー等によりその表層部を搗き固め
る。前記粒度調整鉱滓は多孔質であるため、ローラ又は
ランマーによる転圧によって圧縮され、20tonロー
ラの場合には2〜7回の転圧で敷設厚さ約30cmの鉱
滓バラス層2が約20cmの厚さに搗き固められる。ま
た、搗き固め完了から約2時間経過後には、20〜30
kg/cm2 の圧縮強度を有する位に凝結する。前記粒
度調整鉱滓の転圧が完了して2〜3時間経過すれば、そ
の上に上部砕石を敷設し、厚さ約25〜30cmの上部
砕石層5を形成する。更に、上部砕石層5の敷均しが終
われば、最後に枕木6を所定の位置へ配設し、これにレ
ール7を締付固定したあと、上部砕石の増し敷き及び上
部砕石の搗き固めを行う。
【0021】前記鉱滓層3は、その敷設・転圧直後に於
いては未だ所謂水和反応による凝結硬化を十分に且つ完
全に完了していないが、作業用車輌等が約1ケ月間通る
ことにより、上部砕石層5を介して下方の鉱滓層3が長
期に亘って平均的に圧縮転圧され、該圧縮力を受けつつ
順次凝結硬化されることになる。一方、鉱滓層3内に
は、鉱滓の敷設時に予かじめ水和反応に必要な量の水が
加えられているうえ、雨水等によって適宜に鉱滓層3内
へ加水されるため、時間の経過と共に前記車輌重量によ
る圧縮転圧を受けつつ、鉱滓層3の硬化がその内部から
連続的に進行し、1〜2ケ月後には100〜120kg
/cm2 程度の圧縮強度を有する極めて強固で、しかも
必要とする可撓性を備えた鉱滓層が形成される。
【0022】前記図1の実施例に於いては、高架床1の
上に高速鉄道用軌道を形成するようにしているが、所謂
土盛りにより形成した路盤床の上に軌道を構築する場合
にも、本件発明が適用できることは勿論である。
【0023】
【発明の効果】本件発明に於いては、高架床1の上に下
部砕石層2を形成したあと、その上に一定厚さの鉱滓層
3を形成し、更に鉱滓層3の上に上部砕石層5を設けて
枕木6及びレール7を配設する構成としている。また、
前記鉱滓層3の内部には多数の細空孔が存続すると共
に、凝結硬化した鉱滓層3は適当な可撓性を有してい
る。その結果、前記鉱滓層は高い防音性並びに防振性を
奏することになり、車輌の走行時に発生した騒音や振動
の高架床1等への伝ぱんが有効に防止される。試験の結
果によれば、従前のゴム製パッド(厚さ約30mm)を
使用した場合に比較して、騒音レベルを約10〜20%
程度引下げることが可能となる。更に、前記鉱滓層3は
比較的安価に且つ能率よく形成することが出来ると共
に、機械的強度にも優れ、クラック等は殆ど生じない。
その結果、従前のゴム製パッドを用いた軌道に比較して
軌道の補修頻度が少なくなると共に、補修量の引下げが
可能となる。加えて、前記鉱滓層3は連続したベルト状
に形成されているため、従前のゴム製パッドを利用した
軌道のように、時間の経過と共に防音効果が低下するこ
とは無く、しかも適当な硬さを有する構造体であるた
め、道床自体も安定したものとなり、高速走行する列車
にローリング等を生ずることが無い。
【0024】粒度調整鉱滓としてふるい目30mm×3
0mmを100%通過すると共にふるい目80μm×8
0μmを100%通過する微粒子を20〜30%重量%
含有する鉱滓を使用すると共に、これに予かじめ十分に
加水し乍ら混合攪拌をして鉱滓内部の空孔に適当量の水
分を含有せしめた場合には、転圧作業の能率が大幅に向
上すると共に、敷設後の鉱滓層の密度が高まり、より高
い防音性と防振性が得られることになる。また、微粒子
量が多いため、攪拌混合時に大粒径の鉱滓の大きな空孔
内へ微粒子が十分に自然充填されると共に、転圧を受け
ることにより充填された微粒子が大きい鉱滓粒子相互の
間隙内へ押し出される。その結果、転圧後の水和反応が
鉱滓層の内部全体に亘って均等に進行することになり、
必要最低限度の圧縮強度(20〜30kg/cm2 )が
得られるまでの時間が大幅に短縮され、作業用車輌の走
行が早期に可能になる等作業上極めて便利である。更
に、多量の微粒子が大きな鉱滓の空孔内へ十分に充填さ
れると共に、微粒子自体が細空孔を多数有しているた
め、凝結により形成された鉱滓層の密度が均質化される
と共にその値が高くなり、防振性が上昇する。本発明は
上述の通り、優れた実用的効用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高速鉄道用軌道の縦断面概要図で
ある。
【図2】本発明に係る高速鉄道用軌道の一部を示す平面
図である。
【図3】従前の高速鉄道用軌道の一例を示すものであ
る。
【符号の説明】
1はコンクリート高架床、2は下部砕石層、3は防音・
防振用鉱滓層、4はネット体、5は上部砕石層(道床バ
ラス層)、6は枕木、7はレール、8,9は水抜き孔。
フロントページの続き (72)発明者 南野 光男 大阪市天王寺区寺田町2丁目8番30号 日本技術建設株式会社内

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高架床(1)と;前記高架床(1)の上
    に敷設した所定の厚さを有する下部砕石層(2)と;前
    記下部砕石層(2)の上に敷設した所定の厚さの粒度調
    整鉱滓より成る防音・防振用鉱滓層(3)と;前記鉱滓
    層(3)の上に敷設した所定の厚さの上部砕石層(5)
    とより構成した高速鉄道用軌道。
  2. 【請求項2】 防音・防振用鉱滓層(3)を、篩目30
    mm×30mmを100%通過すると共に篩目80μm
    ×80μmを通過する微粒子を15〜30重量%含有す
    る粒度調整鉱滓を水和反応により凝結せしめた鉱滓層と
    した請求項1に記載の高速鉄道用軌道。
  3. 【請求項3】 高架床(1)の上に所定の厚さに下部砕
    石層(2)を敷設した後、当該下部砕石層(2)の上に
    予かじめ十分に攪拌混合と加水処理をした粒度調整鉱滓
    を所定の厚さに敷設し、当該鉱滓を転圧することにより
    鉱滓内部より水分を押し出して水和反応により鉱滓を凝
    結させ、更に、前記鉱滓が所望の圧縮強度にまで凝結し
    た後、鉱滓層(3)の上方に所定の厚さに上部砕石層
    (5)を敷設し、短時間で凝結せしめた前記鉱滓層
    (3)を徐々に完全凝結させることを特徴とする高速鉄
    道用軌道の構築方法。
  4. 【請求項4】 粒度調整鉱滓を、予かじめ十分に攪拌混
    合と加水処理をした篩目30mm×30mmを100%
    通過すると共に篩目80μm×80μmを通過する微粒
    を15〜30重量%含有する鉱滓とした請求項3に記載
    の高速鉄道用軌道の構築方法。
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