JP2552992B2 - 不燃性石膏ボード - Google Patents

不燃性石膏ボード

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JP2552992B2
JP2552992B2 JP4226561A JP22656192A JP2552992B2 JP 2552992 B2 JP2552992 B2 JP 2552992B2 JP 4226561 A JP4226561 A JP 4226561A JP 22656192 A JP22656192 A JP 22656192A JP 2552992 B2 JP2552992 B2 JP 2552992B2
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gypsum
board
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gypsum board
impregnated
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寿 杉山
康二 浜本
寿江 安井
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Nozawa Corp
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Nozawa Corp
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  • Paper (AREA)
  • Finishing Walls (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石膏芯材部をボード用
原紙により被覆せしめてなる石膏ボードに関し、特にボ
ード用原紙の不燃性などを改良することにより、ボード
全体の不燃性等を改善した不燃性石膏ボードに関する。
【0002】
【従来の技術】石膏ボードは建材として広く使用されて
いる。これは、石膏自体が不燃性であり、その材料も天
然に産する外、排煙脱硫のような排ガス処理などで大量
に副生するために非常に安価であり、無水石膏粉末から
硬化させることにより容易に大型で、加工性、施工性が
よい板材などが得られるなどの利点を有することによる
ものである。ただし、この石膏板材である石膏ボード
は、ある程度の硬度はあるが、それ自体では脆くて折れ
やすいという欠点があるので、通常この石膏ボードは、
石膏芯材部と補強のためその芯材部の両面を覆うボード
用原紙とから構成されている。
【0003】一般のボード用原紙は、石膏ボードの価格
を出来るだけ低く抑えることができるように、故紙等か
らのパルプにより製造した紙を用いている。新しいパル
プやクラフトパルプのような強度の大きなパルプを使用
した紙を用いれば、強度の大きな石膏ボードを製造する
ことができるが、コストが嵩んで実用性が低くなる。石
膏ボードが使用される個所は、何かを支持したり、打ち
つけたりすることがない、あまり強度を要しないところ
であるので、補強のために用いる原紙としては、前記の
ような故紙等からのパルプにより製造した紙を使用する
ことができる。
【0004】このようなボード用原紙を用いた石膏ボー
ドは、その原紙がセルロース繊維からなるため、その部
分が可燃性である。石膏ボードで、ボード用原紙では不
燃性が十分でないとか、強度が不足するというときは、
ボード用原紙に代えてガラスクロスやアスベスト紙等を
使用することが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】石膏ボードにおいて、
前記したような一般のボード用原紙を使用したものは、
その両面が可燃性である前記した原紙を有しているた
め、不燃性とは言いがたく、不燃性材料に指定されてお
らず、実際上炎や熱により原紙が焼失したときには、補
強材が無くなるので、石膏ボードの強度が著しく低下す
ることになる。
【0006】このような欠点がない、ガラスクロスやア
スベスト紙等を使用したものについては、反面、ガラス
クロスを使用したものは、高価であり、石膏芯材部との
接着が不十分である等の問題があり、またアスベスト紙
はアスベストが健康に有害であるとされ、使用が抑制さ
れる傾向にある。このため、それ自体不燃性で、石膏芯
材部との接着性がよく、安価であり、かつ実用的強度も
ある支持体で覆った石膏ボードを得ることが望ましい。
【0007】本発明は、セルロース繊維から構成された
ボード用原紙を使用しながら、且つ不燃性である石膏ボ
ードを得ることを目的とするものである。また、本発明
は、石膏芯材部との接着性のよいボード用原紙を用いて
強度が成るべく高い石膏ボードを得ることを目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の課題
を解決するために、種々の材料からなる原紙を作製して
石膏ボードを製造して、その性質を調べ、目的を達成で
きる原紙を研究した結果、反応で繊維の細胞内に石膏を
生成させることにより石膏を含浸したセルロース繊維か
ら作製した原紙を用いると、前記した問題点を解決で
き、不燃性である石膏ボードを得ることができることを
見出して、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、石膏芯材部をボード
用原紙により被覆せしめてなる石膏ボードにおいて、
ルロース繊維に可溶性カルシウム塩水溶液又は可溶性硫
酸塩水溶液を含浸させ後、可溶性硫酸塩水溶液又は可溶
性カルシウム塩水溶液を含浸させることにより、セルロ
ース繊維細胞内に反応で石膏を生成させることにより
膏を含浸させたセルロース繊維から構成したボード用原
紙を用いることを特徴とする不燃性石膏ボードにより、
その目的を達成した。本発明において、セルロース繊維
としてはどのようなものでもよいが、実用性、コスト面
から、故紙を主原料として用いるのが適し、必要により
新しいパルプを混合する。
【0010】本発明で用いる、セルロース繊維細胞内に
反応で石膏を生成させることにより石膏を含浸させた、
石膏含浸ボード原紙の製造方法としては、石膏が難溶性
のため、直接含浸させることが困難であるので、たとえ
ば、セルロース繊維に塩化カルシウムのような可溶性カ
ルシウム塩の水溶液を含浸させ、これに硫酸ナトリウム
のような可溶性硫酸塩の水溶液を含浸させて、反応さ
せ、セルロース繊維の内部および表面に石膏を生成、析
出させる方法が用いられる。この両溶液の含浸順は逆に
してもよい。
【0011】このため、具体的には、例えば、故紙を主
原料とし、パルプ等を添加したものを、塩化カルシウム
水溶液と硫酸ナトリウム水溶液とを交互に浸透させるこ
とにより、繊維細胞内部に石膏を定着させる。これは、
抄紙の前後に行っても可能である。前記の両水溶液の浸
透は、目的とする石膏の含浸量により、1回でもよい
が、通常は1回では所要の含浸量に達しないので、複数
回行うのが普通である。このような両水溶液の浸透を複
数回行って、繊維中の石膏の含浸量が増大すると、その
石膏を含浸させた繊維からの抄紙が困難になるので、終
わりの方の両水溶液の浸透作業は抄紙後に行うこともで
きる。あるいは、抄紙操作中に終わりの方の石膏の生
成、析出を行うこともできる。
【0012】また、他の製造方法として、セルロース繊
維に石膏を含浸した後に抄紙することなく、抄紙したも
のにセルロース繊維細胞内に石膏を含浸させるように処
理をすることにより、ボード用原紙を製造してもよい。
ただ、この場合には、セルロース繊維間に石膏が十分に
含浸したものとなりにくいので、上記の方法を取る方が
好ましい。
【0013】さらに、他の方法として、予め上記の如く
石膏含浸ボード原紙を調製することなく、石膏ボード製
造時にボード用原紙に対して上記の石膏含浸操作を同時
に行うことができる。本発明において、ボード用原紙に
定着させる石膏の量は、パルプ繊維のようなセルロース
繊維分に対して、100%(重量、以下同じ)以上、好
ましくは300%程度である。その石膏量が少ないと、
得られる石膏ボードの不燃性が十分でないので、100
%以上がよく、その量が増加するに従って不燃性が増大
するが、その量を余り多くすると相対的にパルプの割合
が減少してボード用原紙の強度が低下するので、その上
限の量は特定されるわけではないとしても、実用的な上
限は約450%である。
【0014】このようにして得られたボード用原紙を用
いて石膏ボードを製造する手段は、ボード用原紙を使用
する石膏ボードの製造方法で行われている方法と全く同
じでよい。石膏芯材部の材料には、既によく知られてい
るように、必要によりパルプガラス繊維、鉱物繊維のよ
うな補強材、あるいは防水剤のような各種添加剤を加え
てもよい。また、前記の補強材を加えるさいには、前記
したセルロース繊維細胞内に石膏を含浸させたセルロー
ス繊維を使用することができる。
【0015】
【作用】本発明においては、ボード用原紙を形成するセ
ルロース繊維として、その繊維細胞内に反応で石膏を生
成させることにより石膏を含浸したものを用い、そのよ
うに含浸したセルロース繊維によって形成されたボード
用原紙を使用した石膏ボードであるため、セルロース繊
維は可燃性であっても、その石膏の含浸されたセルロー
ス繊維は難燃性となる。このため、本発明で用いるボー
ド用原紙は難燃性であって、従来の可燃性であるボード
用原紙とは耐火性において著しく相違する。
【0016】これにより、本発明の石膏ボードは不燃性
であって、不燃性建材としての耐火性を十分に備えてい
る。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明はこの実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1 故紙(パルプ)300gを45g/100mlの濃度で
溶解した塩化カルシウム水溶液に約1時間浸して、含浸
せしめ、次いで25mg/100mlの濃度で溶解した
硫酸ナトリウム水溶液に約1時間浸して、パルプのセル
ロース繊維細胞内に二水石膏を定着させる処理を行っ
た。この処理回数を変えて、二水石膏の含浸量を異なら
したパルプをつくり、これらをそれぞれ抄紙して石膏含
浸量が異なるボード用原紙を作成した。
【0018】これらの原紙では、単位面積当たりのパル
プ量を変えると、可燃性の評価が変動し、また強度の方
も変化するので、1m2 当たりのパルプ量を同じ300
gとした。なお、これらの原紙は、パルプについての坪
量が同じであるが、石膏の含浸量により、石膏含浸パル
プ(原紙自体と同じ)についての坪量は下記のように変
わってくる。しかし、石膏はパルプの間に入るためか、
抄紙した各原紙の厚さはほとんど同じであって、以下の
試験において原紙の厚さにより石膏ボードの性質が変わ
るという問題はなかった。
【0019】これらの原紙を用いてそれぞれ厚さ10m
mの石膏ボードを製造した。これらの石膏ボードについ
て、JIS A−1321で規定された基材試験および
表面試験を行った。測定結果を表1に示す。JIS A
−1321における「温度時間面積」は、値が小さい程
よく、0が不燃性であり、100以下が準不燃性であ
る。「発煙係数」は、30以下が不燃性で、60以下が
準不燃性であるとされ、また「残炎時間」は、石膏ボー
ドに炎を当てて加熱し、その加熱する炎を取り除いた
後、石膏ボード自体に炎が残る時間を示すもので、30
秒以上炎が残らないことが不燃材料として必要であると
されている。
【0020】
【表1】
【0021】表1において、含浸率(%)は、石膏の含
浸量を含浸されたパルプの量で除したものである。表1
によれば、含浸率が130%以上の例はいずれも不燃性
建材として合格であり、この値からみて、含浸率が10
0%以上であれば、不燃性建材として実用性があるもの
とみられる。さらに、難燃性材料という点では含浸率が
100%以上でなければならないということはなく、1
00%以下でもその効果が期待できる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、セルロース繊維細胞内
に石膏を含浸させたセルロース繊維から構成されたボー
ド用原紙を用いた石膏ボードとすることにより、石膏ボ
ードを不燃性とすることができ、さらにボード用原紙と
ボード芯材部との接着性が向上する。このため、安価で
あり、また従来不燃性建材としては不適当であった、ボ
ード用原紙を用いた石膏ボードにもかかわらず、不燃性
建材として使用することができ、石膏ボードの使途が広
がる。そして、ボード用原紙がセルロース繊維細胞内に
石膏を含浸させたセルロース繊維を用いているため、ボ
ード用原紙とボード芯材部との接着性が向上し、またボ
ード用原紙自体の強度が増すことにより、石膏ボードの
強度が増大するものと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−27815(JP,A) 特開 昭50−140517(JP,A) 特開 昭58−22156(JP,A) 実開 昭58−181715(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石膏芯材部をボード用原紙により被覆せ
    しめてなる石膏ボードにおいて、セルロース繊維に可溶
    性カルシウム塩水溶液又は可溶性硫酸塩水溶液を含浸さ
    せ後、可溶性硫酸塩水溶液又は可溶性カルシウム塩水溶
    液を含浸させることにより、セルロース繊維細胞内に反
    応で石膏を生成させることにより石膏を含浸させたセル
    ロース繊維から構成したボード用原紙を用いることを特
    徴とする不燃性石膏ボード。
JP4226561A 1992-08-04 1992-08-04 不燃性石膏ボード Expired - Lifetime JP2552992B2 (ja)

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JPH0656498A JPH0656498A (ja) 1994-03-01
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5328173B2 (ja) * 1974-01-31 1978-08-12
JPS5822156A (ja) * 1981-07-31 1983-02-09 千代田建材工業株式会社 石膏ボ−ドの不燃性を高める方法
JPS58181715U (ja) * 1982-05-28 1983-12-03 千代田建材工業株式会社 不燃石膏ボ−ド

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