JP2552679B2 - 高硬度複合銅合金の製造方法 - Google Patents

高硬度複合銅合金の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は優れた電気伝導性、熱伝導性と耐熱性、耐摩
耗性とを兼備した高硬度複合銅合金に関するものであ
る。
〔従来の技術〕 電気伝導性、熱伝導性に優れたCu基質を炭素、ホウ
素、炭化ケイ素などの繊維、あるいはTi,Zrなどの炭化
物、酸化物、ホウ化物などの微粒子で強化することによ
り基質であるCuの特性を損なうことなく、耐熱性、耐摩
耗性にも優れた複合銅合金に関する研究が近年、活発で
ある。
しかし、従来この種の合金はあらかじめ別の工程によっ
て製造された繊維や微粒子を原料とし、これに金属を複
合させて製造されるため、工程も煩雑でしたがって高価
な材料とならざるを得ない。
このような欠点を改善すべく、すでに本発明者らはい
わゆる「反応焼結法」という極めて簡単な方法によって
Cu基質中に硬質高強度のTiB2が微細な繊維状に発達した
繊維強化複合銅合金が得られることを見い出し特許を出
願した。(特開昭61-270348)しかしながら、上記反応
焼結によって生成したTiB2は長さ数十μmの短繊維でし
かも個々の繊維は互いに独立しているために高温強度が
比較的弱い欠点がある。複合合金の観点からみると反応
焼結によって生成したTiB2などの高融点の硬質高強度物
質は長繊維である方が好ましく、さらには生成物質が3
次元網目状のスケルトンを形成すればより一層好都合で
ある。
〔本発明が解決しようとする問題点〕
反応焼結によって生成した物質の形態及び析出状態は
一般に基質と生成物質との界面的性質、反応焼結温度、
微量不純物、その他によって微妙に影響を受ける。本発
明者らは反応焼結法によって得られる合金の強度を向上
するため種々の実験を行い、検討を加えた結果、Cu基質
中に硬質高強度物質から成る三次元網目状のスケルトン
を形成させた複合合金を製造する方法を完成したもので
ある。
〔問題を解決するための手段〕
即ち、本発明は銅粉にB4C粉と、さらにチタン粉、
ジルコニウム粉、水素化チタン粉、水素化ジルコニウム
粉、Cu-Ti合金粉、Cu-Zr合金粉、Cu-Ti-Zr合金粉のうち
一種又は二種以上混合したものを圧粉成形後、真空中も
しくは還元性雰囲気中で銅の融点以上の温度で加熱し、
反応焼結を行わせることを特徴とするCu基質がTiB2とTi
C又は/及びZrB2とZrCから成る高融点の硬質高強度物質
によって強化された高硬度複合銅合金の製造方法であ
る。
〔作用〕
本発明は、ホウ素源としてB4Cを用い、これをホウ
化物の生成自由エネルギーが特に大きな負値を示すTi又
は/及びZrをCu基質を介して反応させながら焼結を進行
させることを特徴とする。本発明の方法によってCu基質
中に反応生成物がスケルトンを形成し、これによって従
来の粒子分散強化や繊維強化に比べてより一層Cu基質が
強化されるものである。
本発明の方法によって、焼結中に進行が期待される反
応は、3TiH2+B4C=2TiB2+TiC+H2 又は3Ti+B4C=2TiB2+TiC もしくは/及び3ZrH2+B4C=2ZrB2+ZrC+H2 又は3Zr+B4C=2ZrB2+ZrCである。
反応過程や反応機構についてはなお不明確な点もある
が、焼結中の反応によってTiB2とTiC又は/及びZrB2とZ
rCが生成することはX線回折によって確認された。
本発明の方法においては合金製造のための原料粉末の
粒度に関しては特に限定されない。しかしながら、B4
Cについては特に10μm以下の微粉を用いた場合、生成
するTiB2,TiC又は、ZrB2ZrCは0.1〜1μmの角形微粒子
状に生成し、かつ、これら各粒子は連結して三次元網目
状のスケルトンを形成し、これが軟弱なCu基質を補強す
ることによって合金の強度が維持されることが明らかに
なった。一方より粗粒のB4Cを用いた場合には、前記T
iB2あるいはZrB2粒子が針状に生成する傾向を示し、こ
の場合にはある程度繊維強化機構も作用している可能性
がある。ただし、あまりに粗粒のB4Cを用いた場合に
は前記ホウ化物、炭化物の生成速度が遅くなる上、不均
質な合金となり易いため、200μm以下のものを用いる
ことが好ましい。また、銅粉及びTi,Zr源粉末について
も均質な合金を得る目的で200μm以下の粉末を用いる
ことが好ましい。
本発明の方法においては、液相Cu基質を介することに
より前記反応が遅延することなく進行する。このため、
加熱温度は銅の融点以上の温度であることが好ましく、
これ以下の温度では前記反応速度が著しく遅くなる。一
方、加熱温度が1600℃を越えると生成するTiB2,TiCもし
くはZrB2,ZrCが粗大化する傾向を示し、また、Cu基質の
蒸発も激しくなる。
本発明の合金においてはCu基質の体積率は90〜40%の
範囲が好ましく、90%以上の場合には前記硬質高強度物
質によるCu基質の補強の効果が不十分であり、一方、前
記体積率が40%を下回ると脆化、その他の不都合な現象
が生じる。
〔実施例〕
以下、代表的な本発明の実施例と比較例を示す。
実施例(1) 電界銅粉(Cu,粒度150μm以下)に、水素化チタン
(TiH2,粒度40μm以下)及びB4C,(粒度5μm以
下)を、TiH2/B4C=3:1モル比、Cuの体積率90〜40%と
なるように配合、十分に混合後、直径20mm、長さ約30mm
に圧粉成形した。この圧粉体を真空中900℃まで徐熱
後、Cuの融点(1083℃)以上1600℃までの各温度に加熱
して反応焼結を行った。
これらの配合物はいずれもCu含有量が多く、しかもCu
の融点以上に加熱されたにも拘わらず、若干の体積収縮
がみられたことを除いては、焼結後も圧粉体隅部の鋭い
形態をそのまま残した形状の焼結体が得られた。このこ
とから、加熱中の反応によって生成した高融点の硬質高
強度物質がスケルトンを形成し、これによって圧粉体の
形態維持、つまり高温強度の維持がなされたことが推定
された。
走査形電子顕微鏡による観察の結果、粒度0.3〜0.6μ
mの微細粒子が全面にほぼ均一に分布しているのが観察
された。
X線回折の結果、Cu,TiB2,TiCだけが同定され、反応
焼結が期待どおり進行したことが証明された。なお、Cu
相の格子定数測定値は3.616Åであり、純銅比較資料と
同等であった。このことから、本試料は、純銅基質に、
反応焼結により生成したTiB2とTiCが複合した合金であ
ることが確認された。
合金の室温硬さ(Hv 5kg)はCu体積率90%において約
80、Cu体積率70%において約250であった。体積率が70
%以下に低下すると、硬度計の軽荷重硬さ(Hv 100g)
はなお上昇したが、高荷重硬さ(Hv 5kg)は逆に低下の
傾向を示し、体積率40%では高荷重硬さ(Hv 5kg)は80
まで低下した。
Cu体積率70%の合金の導電率は75%(IACS)、また70
0℃における硬さはHv60といずれも極めて高値であっ
た。このような高い導電率と高温強度を兼備した合金は
従来、みられなかったものである。
実施例(2) 実施例(1)におけるTiH2の代わりに同等のTi量に相
当するCu-22at%Ti合金及びCu-50at%Ti合金を用いて同
様の実験を行った結果、室温硬さ(Hv 5kg)はさらに10
〜15高値となった。
導電率は同等の75%(IACS)が得られた。
実施例(3) 実施例(1)におけるTiH2の代えてZrH2を配合して実
験した結果、Tiの場合と同様の実験的過程を経て、Cu-Z
rB2‐ZrC複合合金が得られ、その電導度特性、硬さ特
性、ともにTiの場合と同等であった。
実施例(4) 実施例(2)におけるCu-Ti合金粉末に代えてCu-25at
%Zr合金粉末を配合して同様の実験を実施した結果、Ti
の場合と同様の実験的過程を経て、Cu-ZrB2‐ZrC複合合
金が得られ、その電導度特性、硬さ特性、ともにTiの場
合と同等であった。
比較例(1) 本発明の比較実験として、反応焼結を伴わない、単純
な液相焼結実験を行った。すなわち、電解銅粉にそれぞ
れ粒度0.5〜3μmのTiC,TiB2,B4C,(TiC+TiB2)を配
合(Cuの体積率70%)し、真空中あるいは水素気流中で
温度1100℃〜1500℃で液相焼結を行なった。
Cu体積率が85〜90%のように高い場合は、焼結中Cu液
相の流動による著しい変形が見られ、所定形状の焼結体
は得られなかった。Cu体積率を約70%まで低下させると
流動による顕著な変形はなくなったが、焼結体隅部の
「だれ」現象はなお顕著に残存した。これらの現象は上
記の反応焼結の場合とは著しく異なるものであった。Cu
体積率70%の場合の焼結体の室温硬さはHv(5kg)70〜9
5に過ぎず、実施例(1)〜(6)の結果と比較して著
しく劣るものであった。試料の研磨面を深食刻して、走
査形電子顕微鏡により配合物質粒子の形態及び分散状況
を観察すると、配合物質はほぼ配合前と同一の形態を残
し、ほぼ均一分散はしているが、粒子の連結によるスケ
ルトン構造の形成は起こっていないようであった。室温
硬さの低いのはこの原因によると考えられる。
実施例(5) 実施例(4)におけるCu-25at%Zr合金粉に代えて、C
u-12.5at%Ti,12.5at%Zr合金粉を配合して同様の実験
を行った結果、TiもしくはZrの場合と同様の実験的過程
を経て、Cu-TiB2‐ZrB2‐TiC-ZrC複合合金が得られ、そ
の電導度特性、硬さ特性、ともにTiもしくはZrの場合と
同等であった。
実施例(6) 実施例(1)〜(4)において使用した、粒度5μm
以下の微粉B4Cに代え、粒度100〜150μmの粗粉B4
を配合して同様の実験を行った。焼結状況、焼結体の硬
さ等においては、実施例(1)〜(4)と同等であった
が、とくにTi源を配合したTi系合金では、TiB2は針状晶
として析出する傾向が観察され、これによる繊維強化も
ある程度作用していることが推察された。
〔発明の効果〕
本発明の方法によって製造された複合銅合金は従来の
合金には見られない優れた電気及び熱伝導性と耐熱性と
を兼備しており、しかもその独特の構造から耐摩耗性に
も優れることが容易に類推できる。したがって、本発明
の方法は耐熱導電材料及び耐摩耗性材料の性能向上及び
低価格化に対して寄与できるという効果を有する。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銅粉にB4C粉と、チタン粉、ジルコニウ
    ム粉、水素化チタン粉、水素化ジルコニウム粉、Cu-Ti
    合金粉、Cu-Zr合金粉、Cu-Ti-Zr合金粉のうち一種又は
    二種以上混合したものを圧粉成形後、真空中もしくは還
    元性雰囲気中にて銅の融点以上の温度で加熱し、反応焼
    結を行わせることを特徴とする、Cu基質がTiB2とTiC又
    は/及びZrB2とZrCから成る高融点の硬質高強度物質に
    よって強化された高硬度複合銅合金の製造方法。
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