JP2552562B2 - 圧縮機用誘導電動機の制御方法 - Google Patents

圧縮機用誘導電動機の制御方法

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JP2552562B2
JP2552562B2 JP2036823A JP3682390A JP2552562B2 JP 2552562 B2 JP2552562 B2 JP 2552562B2 JP 2036823 A JP2036823 A JP 2036823A JP 3682390 A JP3682390 A JP 3682390A JP 2552562 B2 JP2552562 B2 JP 2552562B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は誘導電動機と、この誘導電動機の回転子で回
転駆動される圧縮要素とを同一のケースに収納して成る
圧縮機に関し、特にこの誘導電動機の駆動トルクを制御
して圧縮機の振動、騒音の低減を図った制御方法を提供
するものである。
(ロ) 従来の技術 このような圧縮機の制御方式としては、特開昭60-602
86号公報に記載されているようなものが有った。この公
報に記載されたものは圧縮機の圧縮要素を駆動する電動
要素の1回転中に加わる負荷トルクの変化と同期してモ
ータ出力トルクが出力されるようにしたものであった。
すなわちモータの一回転中に常に負荷トルクを検出しこ
の負荷トルクに見合うようにモータの出力を変えるもの
であった。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 このように圧縮機の振動を抑制するためのトルク制御
は、圧縮要素の駆動時に周期的に繰り返される圧縮工程
と吸入工程とに対して、圧縮工程中は誘導電動機から発
生する圧縮要素の駆動トルクを大きくし、反対に吸入工
程中は駆動トルクを小さくして誘導電動機が常に定速回
転するようにして圧縮機の振動を抑制していた。
このようなトルク制御運転では、圧縮要素の駆動トル
クが大きくなっている間は、このトルクの大きさに応じ
てブリッジ回路を構成するスイッチング素子に流れる直
流電流が大きくなる。また、周波数の上昇につれてこれ
らスイッチング素子に流れる電流も増加するので、この
ブリッジ回路を構成するスイッチング素子の電流容量は
余裕をもって大きく設定しなければならない問題があっ
た。さらにこのようなトルク制御を行うことによって、
誘導電動機に印加される交流電力の波形が歪み、この分
高調波成分に増加しさらにスイッチング素子に流れる直
流電流が増加してしまう問題点があった。
この様な問題点に対して本発明はスイッチング素子の
電流容量を増加させることなくトルク制御を有効に行え
る制御方式を提供するものである。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明は、予め定めた最大周波数と最小周波数との間
で周波数が任意に設定された交流電力が供給されて回転
数が制御される誘導電動機と、この誘導電動機の回転子
で回転駆動される圧縮要素とを同一のケースに収納して
成る圧縮機において、誘導電動機に供給する交流電力の
周波数が前記最大周波数より小さい所定の周波数より小
さいときは圧縮要素の回転角に対応した信号を検出し、
誘導電動機の1回転の駆動トルクをこの信号に基づいて
変えるように成し、誘導電動機に供給する交流電力の周
波数が所定の周波数より大きいときは誘導電動機の1回
転中の駆動トルクを一定に成したものである。
また、本発明は予め定めた最大周波数と最小周波数と
の間で周波数が任意に設定された交流電力が供給されて
回転数が制御される誘導電動機と、この誘導電動機の回
転子で回転駆動される圧縮要素とを同一のケースに収納
して成ると共に、圧縮要素の回転角に対応した信号を検
出し、誘導電動機の1回転中の駆動トルクをこの信号に
基づいて変えるように成した圧縮機において、前記誘導
電動機に供給する交流電力の周波数が大きくなるにつれ
て前記駆動トルクの変更量を小さくするものである。
(ホ) 作用 この様に構成された制御方式を用いると、所定の周波
数以下の交流電力に対してはトルク制御が行われ、この
所定の周波数より大きい周波数の交流電力に対しては通
常のPWMによる交流電力、または周波数の上昇につれて
トルク制御の割合を小さくすることができる。従って、
交流電力の周波数が上がりスイッチング素子へ供給され
る電流の増加を抑制することができるスイッチング素子
の電流容量を低く押さえることができる。
(ヘ) 実施例 以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。第1
図は圧縮機の断面図である。この図において1は密閉容
器であり、内部に圧縮要素4と3相誘導電動機3とが収
納されている。3相誘導電動機3は3相巻線が巻かれた
固定子5と、この固定子5から生じる磁界で回る回転子
6とから成っている。この回転子のシャフト13には圧縮
要素4が接続されている。圧縮要素4はシャフト13をク
ランク軸2として回転するクランク部14と、このクラン
ク部14によってシリンダ7内を回転するローラ8と、シ
リンダ7の開口を封じる上軸受部10及び下軸受部11と、
この上軸受部に取りつけたカップマフラー12とで構成さ
れている。9はベーンであり、ローラ8に接してシリン
ダ7内を高圧室と低圧室とに区画している。16,17はバ
ランサであり、クランク軸2のクランク部14と動的ある
いは静的にバラスするように設けられている。18は吐出
管であり、密閉容器1の上壁に取り付けられている。
第2図は第1図に示した圧縮機のII-II断面図であ
る。この図において、19は吐出ポート、20は吸入ポート
であり、シリンダ7内の区間21,22は夫々高圧室、低圧
室である。又ローラ8は第2図の実線矢印の方向の回転
し、ローラ8がシリンダ7と接する接点位置を回転角と
して360°で表示している。第2図の状態はローラ8す
なわちクランク軸2(シャフト13)の回転位置が180°
の位置である。
第3図は第1図に示した圧縮機に圧縮要素4の回転位
置を検出するための位置検出器を取りつけた状態を示す
要部断面図である。圧縮要素4はクランク軸2(回転子
6のシャフト13)を介して回転子6と同時に回転するの
で、実際には回転子6の回転角を検出すれば圧縮要素4
の回転角を検出することができる。位置検出器は円盤状
のディスク22に接着されたマグネット23と磁気検出器
(ホール素子)24とから成っている。ディスク22はボル
ト25によってシャフト13に回転の中心が一致するように
取りつけられている。このマグネット23とホール素子24
との位置関係は、第2図に示した回転角度が“0"度の時
にホール素子24が磁気を検出して出力を変えるようにな
っている。従って、圧縮要素(回転子)が“0"度の回転
角毎に出力が得られるものである。ホール素子24は圧縮
機の密閉容器1の吐出管18の側から有底状のパイプ27を
挿入してこのパイプ27の底に設けている。又、このパイ
プ27は密閉容器1に溶接されており圧縮機内部の高圧ガ
スが漏れないようになっている。尚、26はバランサであ
り、ホール素子24を取りつけることによって生じる重量
バランスを補正するものである。
第4図は第1図〜第3図に示した圧縮機の運転を制御
する制御回路図である。この図において、27〜29は誘導
電動機5の固定子巻線でありスター結線されている。こ
の固定子巻線27〜29に3相交流を通電することによって
回転子5のディスク22に取りつけられたマグネット23が
回転する。従って回転子5(圧縮要素)の回転でホール
素子24の出力が変化し、この変化を位置検出回路30が信
号に変換して制御部31へ出力する。32〜37はON/OFF動作
をするスイッチング素子であり、3相ブリッジ状に結線
され、3相の固定子巻線27〜29に対して直流電源39から
供給される直流電力を3相交流の電力に変換して出力す
る。これらのスイッチング素子(トランジスタ素子、FE
T素子、GTO素子などの半導体スイッチング素子)32〜37
には夫々蓄積電荷の放電や、固定子巻線27〜29に生じる
循環電流の循環回路を形成するダイオードが接続されて
いる。尚、直流電源39は交流電力を整流平滑したもの又
はバッテリーからの直流電力などのいずれであってもよ
い。またスイッチング素子32〜37はそのON/OFF動作がベ
ースドライブ回路38を介して制御部31からの信号によっ
て制御されている。この制御部は主にCPU、RAM、ROM、I
/Oインターフェースなどから構成され、速度指令回路40
からの速度信号に基づく周波数を算出し、この周波数の
交流電力が固定子巻線27〜29に供給されるようにスイッ
チング素子32〜37のON/OFF動作を制御する。
以下、スイッチング素子32〜37へ与えるスイッチング
素子に関して説明する。第5図はPWM理論に基づいてス
イッチング信号を得るための説明図である。この図にお
いて、50,51,52はsin波であり夫々120°ずつ位相がずれ
ている。53は三角波であり、これらのsin波50〜52と三
角波53との大小を比べて得られた出力がスイッチング素
子32,34,36のスイッチング信号である。尚、スイッチン
グ素子33,35,37のスイッチング信号はスイッチング素子
32,34,36のスイッチング素子のスイッチング信号を反転
したものである。これら6種類のスイッチング信号を用
いることによって誘導電動機の固定子巻線27〜28にsin
波51〜52と同じ周波数の3相交流電力を供給することが
できるものである。従って、これらsin波51〜52の周波
数を変えると、同時に固定子巻線27〜29に供給する交流
電力の周波数を変えることができる。またsin波50〜52
と三角波53との振幅の比を変えることによって固定子巻
線27〜29に供給される交流電力の出力(sin波に置き換
えた際の電圧)を変えることができる。尚、PAM理論に
基づいてスイッチング信号でも同様なことが言える。
このようにして求めたスイッチング素子32〜37のスイ
ッチングパターン(スイッチング素子のON/OFF)を制御
部31のROMに格納している。CPUがこのパターンのON/OFF
信号を順次読み出してスイッチング素子32〜37に出力す
る。このROMへの格納形態としてはパターン全部または
パターンの一部を格納し読み出し時に合成してもよい。
さらにパターンをON信号を出力する時間とOFF信号を出
力する時間とに分解して格納してもよく、また1周期分
のパターンを所定の位相角毎に分解し、その所定角内ON
時間とOFF時間とに分解して格納してもよい。
またスイッチング素子のスイッチング信号を指定位相
角時のsin波と三角波との大小から算出して得てもよ
い。この時は指定位相角を0°〜360°に変化させるこ
とによって1周期分のスイッチング信号を得る。
第6図はスイッチング素子32〜37のON/OFFによって得
られる3相交流の電圧波形(等価的にsin波に置き換え
たもの)61〜63の図である。夫々の電圧波形は位相が12
0°ずれている。本制御方式ではこの出力電圧を常に連
続して固定子巻線27〜28に供給しているのではなく、圧
縮要素の回転角が0°になるごとに位置検出器からの信
号に同期して第6図に示す0°の位相角の位置から固定
子巻線27〜29への供給が開始されるものである。従っ
て、圧縮要素の回転角が0°の時は固定子巻線に供給さ
れる電圧は常に第6図に示す位相角0°の時の電圧であ
る。67は圧縮要素が駆動されるときの要する駆動トルク
の関係を示した波形である。このように圧縮要素の1回
転中でトルク変動があり、このトルク変動が圧縮機の振
動となる。従って、この駆動トルクに見合うように誘導
電動機の出力を増加させる。圧縮要素の1回転中で大き
なトルクを必要とする回転角は200°付近に限られてい
るので、圧縮要素がこの付近の回転角にあるときに固定
子巻線に印加する電圧を通常より高くすればよい。位置
検出器の出力によって圧縮要素の回転角0°と電圧パタ
ーンの位相角0°とを合わせている。従って、圧縮要素
の回転角と固定巻線に供給する電圧のパターンの位相角
とは一致する(誘導電動機のスリップは無視する)の
で、第6図に示す電圧波形61〜63の位相角の200°付近
の電圧を通常より高くすればこのトルク変動に対応する
ことができる。
第6図の64〜66に示す電圧波形はこのトルク変動を考
慮したものである。すなわちこの電圧波形64〜66は位相
角が200°付近で電圧及び周波数(このパターンの1周
期中の中での周波数。すなわち、位相の角速度)を高く
して電動機の出力トルクを大きくし、位相角が0°付近
で電圧及び周波数を小さくして電動機の出力トルクを小
さくしたものである。この電動機の出力が大きくなる位
相角と小さくなる位相角との間では出力が連続して変化
するように電圧パターンの電圧及び周波数が設定されて
いる。
従って、これらの電圧波形64〜66が固定子巻線27〜29
に供給されるようなスイッチング信号を得るためのデー
タが制御部31のROMに格納している。この電圧波形64〜6
6の振幅は圧縮要素の実際の駆動トルクの変化に合わせ
て設定する。
このようにして得られたスイッチング信号をスイッチ
ング素子32〜37に供給することによって、圧縮要素が大
きいトルクを必要としているときに誘導電動機の出力を
大きくしてトルクを増加させて圧縮機の振動を抑制する
ことができる。
また、第6図に示す電圧波形61〜63を得るためのスイ
ッチング信号は周波数f、出力電圧V、スイッチング信
号を得たい位相Phが決まれば算出されるものである。
尚、fは速度指令回路から与えられる周波数信号と等し
く、Vの基本値はV/F=一定値になるようにfの値に基
づいて決められるものであり、この一定値は誘導電動
機、すなわち圧縮機の運転効率が夫々の周波数において
良くなるように設定される。Phの値を0〜360°に変化
させることによって一周期分の交流電圧を得るためのス
イッチング信号が出力される。実際にはPhの値をΔPhづ
つ進めると共に、このΔPhの間は同じくスイッチング信
号を維持している。このPhの進め量ΔPhを大きくすると
一周期における分解能が悪くなり、またこの値を小さく
すると分解能はよくなるが、スイッチング素子の応答可
能なスイッチング時間と制御部31の処理能力との関係か
ら各周波数ごとの最適なΔPhの値が予め設定されてい
る。
第7図は圧縮機の実際の振動状態を測定した振動波形
図である。この振動波形71の測定は圧縮機の外周(第1
図の固定子5の上端付近)に加速度センサーを取付け、
このセンサーの出力から得たものである。この図中の角
度は第2図に示したクランク部14の回転位置と一致して
いる。この図から分かるように圧縮要素のクランク部14
が130°の時と270°の時に振動の振幅が大きくなってい
る。尚、この区間は圧縮要素における圧縮工程と一致し
ている。
この振動波形73は、圧縮機の固定子巻線73に示すよう
な電圧波形を用いて得られた交流電力を供給したときの
ものである。尚、3相のうちの他の相に関しては位相が
異なるだけなので、省略する。この電圧波形73は次の式
で表すことができる。
V=V0sinθ ……(1) 従って、130°と270°との間で駆動トルクが大きくな
るように式(1)を補正すればよい。すなわち、この区
間での式(1)の振幅を大きくして駆動トルクが大きく
なるようにする。
以下の実施例はこの補正をsin波の近似によって行っ
た場合である。駆動トルクの増加が必要な区間は130°
〜270°であるため、この区間の中心、すなわち200°の
位置にピークがくるsin波72を設定する。このsin波72は
sin波73と同じ周期(周波数)でありその関数は V=Asin(θ+110°) ……(2) で表すことができる。Aはsin波53の振幅である。従っ
て、圧縮要素の必要とする駆動トルクを得るためのsin
波は式(1)と式(2)とを加えたものとなり、次の
(3)の式で表される。
V=(V0sinθ)+(Asin(θ+110°)) =V0(1+A/V0)(sinθ+sin(θ+(110°)) …
…(3) A/Vの値は0.05〜0.2までの間で誘導電動機に印加する周
波数によって任意に選択する。
この式(3)によるsin波と第5図に示した三角波と
からスイッチング信号を得れば圧縮要素の圧縮工程中に
大きな駆動トルクを得ることができる。この時圧縮機の
1回転中において誘導電動機に印加される電圧(sin波
に換算した後の実効電圧)が変化する。従って、前記し
た「V/f=−一定値」の条件が満たされなくなり、圧縮
機の運転効率が低下する。この効率の低下を防止するた
めにはfの値を変えればよい。すなわち、圧縮機の1回
転中に於て、電圧の変化に合わせてfの値、すなわち周
波数を変える。この周波数の変更も電圧の補正と同様に
角度が200°の時に補正のピークがくるように補正をす
る。この時プラス側の補正がマイナス側の補正より大き
くなるようにする。
この実施例は補正をsin波の近似によって行ったがこ
れに限るものではなく、例えば(sin)2波(この場合は
式(1)の代わりに用いる)など圧縮要素のトルク特性
に合わせて設定すればよい。
第8図は前記式(3)を用いて補正を行ったときの動
作を示すフローチャート(出力周波数を固定)である。
まず、ステップS1にて0°信号の有無を判断する。す
なわち、圧縮要素の回転角が0°となり、位置検出器24
からの信号があったか否かの判断を行う。信号があった
ときにはステップS2へ進みθ=0として圧縮要素の回転
角0°と出力電圧パターンの位相角0°とを合わせる。
また、ステップS1で信号がなかったときにはステップS3
へ進む。このステップS3ではθの値をΔθ進める。この
Δθの値を小さくすれば固定子巻線への出力電圧の分解
能が良くなるが、反面小さくしすぎるとスイッチング素
子のスイッチング速度が追いつかず制御不能となる問題
点を有している。本実施例ではΔθ=1としている。
尚、スイッチング素子のスイッチング速度が追いつけば
この限りでない。この後、ステップS4へ進む。このステ
ップS4では位相角θのときのsin波(前記した式(3)
に示す補正したsin波)の値を求める。このとき、θに
応じてさらにこのθの値を±補正する。すなわち、位相
角を進めてこの位相角付近での角速度(周波数)を増減
させる。次いでステップS5へ進み、ステップS4で求めら
れたsinの値と三角波の値とからスイッチング素子のON/
OFF信号を得る。ステップS6ではこのON/OFF信号を所定
時間維持する。この維持時間×360(Δθ=1より)が
1周期の時間、すなわち誘導電動機に供給される交流電
力の周波数となる。
尚、このフローチャートでは1サイクル毎にON/OFF信
号を算出したが、この信号を予め算出しておき、この算
出信号が得られるようなデータをROMに格納し、0°信
号に合わせて1周期分を連続して出力するようにしても
よい。
第9図は前記フローチャートによるトルク制御を行っ
たときの振動波形の変化を示した振動波形図である。
(振動の測定は第7図と同様)この図においてトルク制
御なしの区間では第6図の波形61を用いて算出した出力
を誘導電動機に供給したときのものであり、トルク制御
ありの区間では第6図の波形64を用いて算出した出力を
誘導電動機に供給したときのものである。この図から分
かるようにトルク制御を行った方が振動が小さくなって
いる。尚、圧縮機の運転中に制御のあり、なしを切り換
えたため振動が小さくなるまでの間に過渡区間が生じて
いる。
第10図は以上に説明したようなトルク制御を行ったと
きのスイッチング素子に流れる直流電流の変化図であ
る。尚、インバータ回路から圧縮機に供給される交流電
力の周波数を50Hzにした時のものである。この図から分
かるように1周期中における電流変化が大きく、そのピ
ーク電流はITである。これに対してトルク制御を行わな
いときの電流変化(第10図に示した電流変化を得たとき
と同じ条件)は第11図に示すように1周期中における電
流変化は小さく、そのピーク電流はI0である。これらの
ピーク電流の間には明らかなIT>I0の関係がある。従っ
て、トルク制御を行うときにはスイッチング素子の電流
容量を大きくする必要がある。
また交流電力の周波数を上げるにつれてこの直流電力
は上昇するので、このインバータ回路から出力される最
大周波数のときに流れる電流に応じてスイッチング素子
の電流容量を設定すると大容量のスイッチング素子が必
要になってしまう問題がある。実際の圧縮機の振動特性
を分析すると、トルク制御を行わないときには、周波数
が低くければ振動が大きく、周波数が高くなればなる程
圧縮要素の慣性が大きくなり振動が低減してくるので、
周波数が高い領域ではトルク制御を行わなくても圧縮機
の振動の問題は余り生じない。
第12図は、以上の点を踏まえ所定の周波数以上ではト
ルク制御を行わない様にして実際にこの制御を用いると
きの使用状態を示すフローチャートである。例えば圧縮
機を空気調和機に搭載し圧縮機の回転数を変えて適切な
圧縮機の能力が得られるようにしたものに於て、被調和
室の室温と設定温度とを比較して得られるデータから圧
縮機の回転数を算出し、この回転数に見合う周波数の交
流電力を圧縮機に供給するように構成している。このよ
うなものにおいて、まずステップS101にて圧縮機の運転
開始処理がなされる。次いでステップS102にて圧縮機の
起動処理がなされる。圧縮機に印加される交流電力の周
波数(前記データからの算出結果)が設定されたときに
は、いきなりこの周波数で圧縮機を起動した場合大きな
起動電流がスイッチング素子に流れてこれらスイッチン
グ素子を破壊する恐れがあるので低い周波数fs(数Hz)
で圧縮機の起動を開始する。周波数の上昇過程中に於
て、ステップS103の条件を満たしていないときにはステ
ップS104へ進む。このステップS104は通常のPWM理論に
基づく波形を圧縮機に供給し圧縮要素1回転中の駆動ト
ルクを一定にするものである。すなわち上記したような
トルクの補正を行わない交流電力が圧縮機に供給され
る。周波数はf以上に上昇するとステップS105へ進み、
位置検出器からの信号が正常に供給されているか否かを
判断する。信号が正常に供給されていないときには、ス
テップS106、ステップS107を行う。すなわち、周波数f
がf≧f′Rでないときにはfの値をf′Rに設定した後
にステップS104に進み通常のPWM波形による運転を行
う。ステップS108で位置検出信号が検出されたときには
ステップS108へ進み、設定周波数fがf≧fRか否かを判
断する。この条件を満たすときにはステップS104へ進み
前記と同様に通常のPWM波形による運転を行う。ステッ
プS108の条件を満たさないときにはステップS109へ進み
上記したようなトルク制御の運転を行う。
fS数Hzの周波数、fTは約10Hz程度の周波数、fRは約50
Hz位の周波数、f′Rは約30Hz位の周波数である。また
最大周波数は180Hz位に設定したものである。
以上のように制御することによって、位置検出器から
の信号に異状が生じた場合は通常のPWM波形による運転
が行われ、圧縮機の運転が維持されるものである。ま
た、周波数がfR以上になったときにはトルク制御運転を
行わず、ステップS104のトルク制御を行わない運転に切
り換わるものである。このように制御することによって
交流電力の周波数は高くなったときにおける電流の上昇
を抑えることができる。従って、通常のPWM波形運転の
時と同じ電流容量のスイッチング素子を用いて運転周波
数全体における圧縮機の振動を低減させることができ
る。
尚、トルク制御の補正量は周波数の上昇に応じてトル
ク制御の補正量を小さくしていくようにしてもよい。
(ト) 発明の効果 以上のように本発明は、予め定めた最大周波数と最小
周波数との間で周波数が任意に設定された交流電力が供
給されて回転数が制御される誘導電動機と、この誘導電
動機の回転子で回転駆動される圧縮要素とを同一ケース
に収納して成る圧縮機において、誘導電動機に供給する
交流電力の周波数が前記最大周波数より小さい所定の周
波数より小さいときは圧縮要素の回転角に対応した信号
を検出し、誘導電動機の1回転中の駆動トルクをこの信
号に基づいて変えるように成し、誘導電動機に供給する
交流電力の周波数が所定の周波数より大きいときは誘導
電動機の1回転中の駆動トルクを一定に成したので、周
波数が所定値以上のときにはトルク制御を行わず誘導電
動機に供給される電流のピーク値を低く押さえることが
できる。また周波数の上昇に応じてトルク制御の補正値
を小さくしていっても同様の効果が得られ、従来のイン
バータ回路を用いたままでトルク制御が可能になるもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の制御方式を用いる圧縮機の断面図、第
2図は第1図に示した圧縮機のII-II断面図、第3図は
第1図に示した圧縮機に位置検出器を付けた状態を示す
要部断面図、第4図は第1図に示した圧縮機の制御回路
図、第5図はスイッチング素子のON/OFF信号を示す説明
図、第6図はスイッチング素子のON/OFFによって得られ
る3相交流の電圧波形図、第7図は圧縮機の実際の振動
状態を測定した振動波形図、第8図はON/OFF信号の生成
を示すフローチャート、第9図は本発明の制御方式を用
いたときの振動波形図、第10図はトルク制御を行ったと
きのスイッチング素子に流れる直流電流の変化図、第11
図はトルク制御を行わないときの直流電流の変化図、第
12図はトルク制御を実際に用いるときの使用状態を示す
フローチャートである。 1……圧縮機、3……誘導電動機、4……圧縮要素、6
……回転子、23……マグネット、24……ホール素子、27
〜29……固定子巻線、31……制御部、32〜37……スイッ
チング素子。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め定めた最大周波数と最小周波数との間
    で周波数が任意に設定された交流電力が供給されて回転
    数が制御される誘導電動機と、この誘導電動機の回転子
    で回転駆動される圧縮要素とを同一のケースに収納して
    成る圧縮機において、誘導電動機に供給する交流電力の
    周波数が前記最大周波数より小さい所定の周波数より小
    さいときは圧縮要素の回転角に対応した信号を検出し、
    誘導電動機の1回転中の駆動トルクをこの信号に基づい
    て変えるように成し、誘導電動機に供給する交流電力の
    周波数が所定の周波数より大きいときは誘導電動機の1
    回転中の駆動トルクを一定に成すことを特徴とする圧縮
    機用誘導電動機の制御方法。
  2. 【請求項2】予め定めた最大周波数と最小周波数との間
    で周波数が任意に設定された交流電力が供給されて回転
    数が制御される誘導電動機と、この誘導電動機の回転子
    で回転駆動される圧縮要素とを同一のケースに収納して
    成ると共に、圧縮要素の回転角に対応した信号を検出
    し、誘導電動機の1回転中の駆動トルクをこの信号に基
    づいて変えるように成した圧縮機において、前記誘導電
    動機に供給する交流電力の周波数が大きくなるにつれて
    前記駆動トルクの変更量を小さくすることを特徴とする
    圧縮機用誘導電動機の制御方法。
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