JP2552271B2 - ロボツトの適応制御方法 - Google Patents

ロボツトの適応制御方法

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JP2552271B2
JP2552271B2 JP61281539A JP28153986A JP2552271B2 JP 2552271 B2 JP2552271 B2 JP 2552271B2 JP 61281539 A JP61281539 A JP 61281539A JP 28153986 A JP28153986 A JP 28153986A JP 2552271 B2 JP2552271 B2 JP 2552271B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔目 次〕 概 要 産業上の利用分野 従来の技術 発明が解決しようとする問題点 問題点を解決するための手段(第1図) 作 用 実施例 (a) 一実施例適応制御の説明(第2図,第3図,第
4図) (b) 一実施例誘導型適応制御の説明(第5図) (c) 他の実施例の説明 発明の効果 〔概 要〕 外的センサの出力に応じてロボットの運動を適応制御す
る方法において,外的センサ出力を仮想空間の立体像に
変換して得た状態制御量と,位置制御偏差に基いて発生
する誘導制御量との合成制御量によってロボットの運動
を適応制御することによって,ロボットの初期状態にか
かわらず障害物を自律回避し,目標位置に誘導するも
の。
〔産業上の利用分野〕
本発明は,外的センサによってロボットの外的環境を
検出し,ロボットの運動を自律的に外的環境に適応制御
するロボットの適応制御方法に関し,特に単機能外的セ
ンサの検出出力によって容易に一元的な制御量を得て外
的環境に応じた運動制御することのできるロボットの適
応制御方法に関する。
近年のロボットの知能化,高機能化の要求に伴ない,
ロボットの未知の外的環境,例えば,対象物の存在,障
害物の存在等に適応した制御,いわゆる外的環境適応制
御が求められている。
このような制御を行なうには,外的環境を何等かの方
法で検出するセンサ(外的センサという),例えばテレ
ビカメラ等の視覚センサや距離センサ,触覚センサ,力
センサ,温度センサ,を設け,係るセンサの出力によっ
てロボットの運動を適応制御するものである。
この適応制御を行なうに当っては,センサ出力を基に
必要な指令量(又は制御量)を得るとともに,目標位置
に効率良く誘導することが求められている。
〔従来の技術〕
例えば,第6図(A)に示す2次元平面を走行する移
動ロボット1が未知の障害物OBに衝突しないように運動
制御する例について考えてみると,ロボット1に距離セ
ンサ(例えば超音波センサ)2を設け,ロボット1が距
離センサ2の出力(距離情報)Rによって,障害物OBの
存在を検出し,距離を認識することになる。
これをロボット1の運動に影響を及ぼすには,従来
は,内部処理で係る検出距離の大きさを判定し,大きさ
に基いて運動(走行速度,走行方向)を変更するか判定
し,変更する場合にはパターン処理等で適切な指令値
(制御量)を演算して,障害物OBとの衝突回避,迂回等
を行なうようにしている。
〔発明が解決しようとする問題点〕 このような従来の適応制御方法においては,センサ2
の出力の次元に従って内部処理も係る次元(この例では
一次元)において実行されるため,数多くの条件判断や
複雑なアルゴリズムを用いて運動状態を制御することが
必要である。
即ち,センサ2の情報である距離情報がそのまま内部
処理に用いられ,結局内部処理でも第6図(B)に示す
如く障害物OBを距離情報でしか取扱っていないことか
ら,種々の条件判断や複雑なアルゴリズムを必要とし,
特にセンサを複数有するものについては一層これらが複
雑となるという問題が生じ,ロボット制御装置の大型化
やアルゴリズムの複雑化を招いていた。
このようなセンサ情報から制御量を得る内部処理を簡
易化し且つ多数且つ多様なセンサ出力に対しても一次元
処理可能な方法を,本発明者らは,特許出願昭61−1501
17号明細書(昭和61年6月26日出願)において提案して
いる。
この方法は,センサの出力を像イメージで仮想空間上
に変換して制御量を求めるものであり,第7図及び第8
図を用いて説明する。
この提案では,第7図(A)に示す如くロボット1の
作業空間(運動空間)がX,Y軸の2次元であるとする
と,第7図(B),(C)の如くこれにP軸を加えた3
次元の仮想空間を仮定する。
そして,第7図(A)の作業空間で得たセンサ2の出
力(距離R)に対し,仮想空間のRの位置にX,Y軸方向
に広がりを持ちP軸方向に高さを持つ立体像Pを生成す
る。即ち,実空間でのセンサ2の出力を仮想空間の立体
像Pに変換する。
この仮想空間では,第7図(C)の如く一次元の距離
情報が多次元の立体的な対象物として表わされることに
なる。
この仮想空間での変換像はP軸方向に高さを持ってい
るので,ロボット1に対応する仮想空間上の位置Aにお
ける障害物OBの立体像によるP軸方向の場の状態量を用
いて制御量を求めることができ,これによってロボット
の運動を適応制御するものである。
即ち,n次元の実空間(作業空間)に対し(n+1)次
元の仮想空間を仮定し,仮想空間に実空間でのセンサ出
力による立体像を形成し,立体像からロボットに対する
制御量を得ようとするものである。
この提案では,n次元実空間に対する(n+1)次元仮
想空間で実空間でのセンサ出力を立体像に変換している
ので,一次元の検出情報を多次元の情報として取扱うこ
とができる。
従って,この仮想空間を一種の制御場とすることによ
って,立体像を適当な形状(例えば,第7図(C)の如
く多次元正規分布曲面)に定めることにより,第7図
(C)のロボット1のA点のX,Y軸方向の制御量を立体
像PのA点での高さや傾きから得ることができる。
即ち,第7図(A)の障害物回避の例では,仮想空間
上では,センサ出力による立体像Pに近づかないような
制御量が得られ,これによって障害物回避運動が実行さ
れることになる。
このことは,一次元のセンサ出力によっておおまかな
多次元外部状態量が仮想空間上で表わされていることに
なり,従って仮想空間から一種の先読み制御量を求める
ことができる。
又,センサの次元にかかわらず,仮想空間では立体像
として表現されるため,複数のセンサや種類の異なるセ
ンサを用いても同一の像変換手順で制御場を形成でき
る。
このため,簡易なアルゴリズムで高機能の適応制御が
実現できる。
このため,第8図の如く,実空間RSでロボット1が障
害物OB1,OB2を避けて目標位置(Xr,Yr)に移動する運動
制御に対しては,仮想空間IS上では障害物OB1,OB2はP
軸に正の高さを持ち正規分布形状をなすポテンシャル像
Pa,Pbとして表わされ,目標位置は,P軸に負の高さを持
ち正規分布形状をなすポテンシャル像Pcとなり,ロボッ
ト1は仮想空間IS上のポテンシャル面において高い方か
ら低い方へ球が転がるが如くの軌跡RMを指令され,目標
位置へ移動される。
係る既提案による,仮想空間にポテンシャル面を生成
し,ロボットを制御する方法は,障害物や目標位置等の
外的環境を単機能センサの出力で像イメージとして表現
できる点で優れたものである。
しかし,初期時の目標位置と現在位置との距離である
初期位置制御偏差が大きい場合等においては,現在位置
における目標点の影響(仮想空間ISでの目標点の変換像
Pcによるポテンシャルの影響)が小となるため,効率よ
く目標へ誘導することが困難となるおそれがあるという
問題が生じる。
本発明は,ロボットがどのような位置にあっても,確
実に目標位置への誘導が行なわれ,且つ仮想空間による
制御によって外的環境に対する適応制御を実行すること
のできるロボットの適応制御方法を提供することを目的
とする。
〔問題点を解決するための手段〕
第1図は本発明の原理説明図である。
本発明では,外的センサ2の出力から仮想空間の立体
像に像変換し,この仮想空間の状態から発生した状態制
御量に対し,位置制御偏差に基いて発生した誘導制御量
を合成し,合成制御量によってロボットの運動を適応制
御するようにしている。
〔作 用〕
本発明では,誘導制御量を加えているので,初期制御
偏差が大きくても,適切な接近速度で確実に誘導制御し
ながら,仮想空間のポテンシャルによる外部適応制御が
可能となる。
〔実施例〕
(a) 一実施例適応制御の説明 第2図は本発明の一実施例適応制御の説明図,第3図
は第2図における実空間と仮想空間の関係図である。
第2図(A)においては,二次元X,Yの実空間(作業
空間)を移動するロボット1の側面に各々距離センサで
ある超音波センサ21〜2nを2ケづつ設け,超音波センサ
21〜2nで外部環境を把握しながら,障害物OB1,OB2を避
けながら実空間を移動する例を示している。
この適応制御においては,前述の第7図(A)で説明
した如く,超音波センサ(以下センサと称す)21〜2nの
検出距離Rの値から障害物OB1,OB2の位置を位置座標
(X,Y)に変換する。
従って,センサ21〜2nの距離Rから求めたロボットか
らみた障害物の相対位置ベクトルが得られる。
次に,これを仮想空間において展開する。
第3図に示す如く,実空間RSと仮想空間ISとは,実空
間RSのX,Y二次元座標と仮想空間ISのX,Y二次元座標とは
一致しており,仮想空間ISは実空間RSのX,Y平面に対
し,新たに直交するP軸(ポテンシャル軸)を加えたも
のである。
従って,2次元実空間RSの点Aの位置は,仮想空間ISの
2次元平面X−Yの位置と対応する。
第2図(B)の如く,前述のセンサ21〜2nの検出距離
Rによる相対位置ベクトルを用いて,仮想空間ISにお
けるX−Y面のの示す位置に,広がりをもった多次元
正規分布曲面を障害物OB1,OB2の像として生成する。
従って,第2図(A)の例では,仮想平面では第2図
(B)の如く障害物OB1,OB2の位置にX,Y方向に広がりを
持ち,P軸方向に高さを持つ立体像Pa,Pbが生成され,こ
れらの重ね合せによるポテンシャル曲面が形成される。
この仮想平面ISにおいて,ロボット1の位置に相当す
るP軸方向の高さは,立体像Pa,Pbによるポテンシャル
面PSのP軸方向の高さPAとなる。次に,制御量を求める
には,仮想空間ISにおいてA点の状態量として,X方向の
傾き∂p/∂x,Y方向の傾き∂p/∂yを計算し,この状態
量から制御量を換算する。
第4図は制御量換算説明図である。
第3図のA点における仮想空間ISではポテンシャル面
PSを拡大すると,第4図(A)となる。
即ち,X方向に傾き(曲面斜度) Y方向に傾き(曲面斜度) を持つ面である。
これから,係るポテンシャル面PSに沿って転がろうと
する力を求める。
ここでP軸の負方向のに想重力加速度Gを第4図
(A)に示す如く設定し,X軸,Y軸方向の制御量として加
速度r,を求める。
X軸方向について考えると,第4図(B)の如くポテ
ンシャル曲面PSの斜度はαであるから,加速度は, となり とすれば,(1)式は, =K・sin2α ……(2) となって計算によって求められる。
同様にY軸の加速度は, =K・sin2β ……(3) として得られる。
これをX,Y軸方向の制御量とすれば,第4図(C)に
示す如く,ロボット1を球と仮定し,X軸,Y軸の加速度
r,の合成によってポテンシャル曲面PSに沿って転が
り力RFが発生する。
即ち,第2図(B)の仮想空間において,ロボット1
はP軸のポテンシャル値の小さい方向に制御力が加わ
り,従って,実空間では,ロボット1は障害物OB1,OB2
の間を障害物OB1,OB2を避けて移動することができる。
(b) 一実施例誘導型適応制御の説明 上述の障害物回避適応制御は,センサの出力から演算
によって実行され,同時に誘導制御も演算によって行な
われる。
第5図は本発明の一実施例ブロック図であり,各演算
ステップをブロックにして示してある。
図中,第2図で示したものと同一のものは同一の記号
であり,30は座標変換部であり,前述のセンサ21〜2nの
検出距離r1〜rnを,センサ21〜2nの実空間上での方向ベ
クトル〜enを用いて前述の相対位置座標(X1,Y
1)〜(Xn,Yn)に変換するもの,31は制御偏差発生
部であり,与えられたロボット1の目標位置Xr,Yrと現
在位置との位置誤差を発生するものであり,ロボッ
ト1の内部センサからの各軸(X,Y軸)の検出した現加
速度,を2回積分部31aで2回積分して現在位置を
得,同時にロボット1の内部に設けられたジャイロで検
出したロボット1の現回転速度を積分部31cで積分し
て得た現回転角φを用いて変換行列生成部31dで変換行
列を得て,上述の現在位置にこの変換行列を乗算部31b
で乗じて座標変換し,差分部31eで目標位置Xr,Yrと現在
位置との差を求めて位置誤差を発生するものであ
る。32は像変換部であり,入力される位置座標
及び位置偏差を基本関数を用いて立体像に変換す
るものであり、具体的には多次元正規分布関数を基本関
数として用い,正規分布の立体像に変換するものであ
る。
即ち,立体像Piは, Pi=Ki*exp(−R2/2σ) ……(4) 但し,R2=(X−Xi+(Y−Yi2, σは標準偏差。
Kiはセンサの感知性能及びロボットの駆動系の性能から
決定される定数。
で定義され,入力座標(Xi,Yi)=(i=1,…n,c)
から仮想空間上の立体像Piを得るものである。
33は像演算部であり,像変換された各立体像Piを加算
して,仮想空間でのポテンシャル面は作成するものであ
り,ポテンシャル面(値)Pは, P=ΣPi ……(5) で得られる。
34は制御量合成換算部であり,前述の像演算部33で演
算された仮想空間でのポテンシャル値Pから偏微分によ
って,前述のX,Y方向の曲面斜度α,βを求めて状態制
御量を得,後述する誘導制御量と合成し,制御量として
速度r,を演算するものであり,斜度計算機構34a,
仮想重力計算機構34b,合成部34cと積分部34dを有してい
る。
斜度計算機構34aは,前述のX,Y方向の偏微分を求め,
曲面斜度を求めるものであり,次式により得られる。
更に, 又,仮想重力計算機構34bは,第4図で説明した第
(2)式及び第(3)式によって加速度r,を求め
るものであり,合成部34cは状態による仮想重力加速度
r,と,誘導による加速度i,を合成するもの
であり,積分部34dは合成部34cの合成加速度(
),()を積分して速度r,を得るも
のである。
35は仮想吸引力発生部であり,位置偏差から目標
位置への吸引力である誘導加速度i,を発生するも
のであり,位置偏差を比例定数KでK倍してバネ力
としてフィードバックする比例部35aと,位置偏差
を一階微分し(Sはラプラス演算子),偏差速度を得,
これを比例定数でC倍して粘性力として得る微分部35b
と,比例部35aのバネ力に対し微分部35bの粘性力を引い
て誘導加速度i,を発する減算部35cとを有するも
のである。
次に,第5図実施例の動作について説明する。
ロボット1の各センサ21〜2nの出力は座標変換部30で
座標変換され,ロボット1からの相対座標(Xi,
Yi)に変換される。一方,制御偏差発生部31で位置偏差
(Xc,Yc)を発生し,これらは,第(4)式によっ
て像変換部32で立体像Piに変換される。この時に,
に対するゲインKiは正に,一方,に対するゲ
インKiは負にとると,第8図に示す如く仮想空間ISで
は,障害物OB1,OB2の像Pa,PbはP軸の正方向の高さをも
つ正規分布形状をなし,一方,目標位置(Xr,Yr)の
像,即ち位置誤差による像PcはP軸の負方向に高さをも
つ正規分布形状をなす。従って,像演算部33で第(5)
式でこれらの和をとると,第8図のポテンシャル面が得
られ,仮想空間ISでは,障害物の存在する位置にはKi
0となる凸部分を生成し,反対に目標位置にはKi<0と
なる凹部分が生成される。
このことは,後述する制御量によって,ロボット1が
仮想空間IS上のポテンシャル面に沿って高い方から低い
方に向って転がっていくことになり,結局障害物を避け
た移動軌道IMが形成されており,実空間で係る軌道IMに
対応する軌道RMに沿って目標位置に向って移動する。
更に,(6)式,(7)式によって制御量換算部34で
曲面斜度α,βを求めた後,仮想重力計算機構34bで
(2)式,(3)式を実行し,加速度r,を求め
る。
一方,制御偏差発生部31からの制御位置偏差は,
仮想吸引力発生部35で位置偏差に比例するバネ力
と,偏差速度に比例する粘性力を発生し,これから誘導
加速度i,を発生し,合成部34cで仮想重力加速度
r,と合成し,合成したものを積分部34dで積分し
て,制御量として速度r,を求め,これを速度指令
としてロボット1のサーボ系(図示せず)に与える。
これによってロボット1は軌道RM(第8図参照)に沿
って障害物を避けながら,目標位置(Xr,Yr)に向って
移動することになる。
ここで,仮想空間IS上でも,位置偏差に応じたポテン
シャル面(第8図の像Pc)が形成されており,目標位置
への誘導力は零ではない。従って,誘導制御量(加速度
i,)を発生しなくてもロボット1は目標位置に誘
導されるといえる。
しかし,位置偏差が大の場合には,ロボットが目標へ
向おうとする力は非常に小さくなることから,ロボット
を誘導することが難しくなる。
そこで,目標位置の像Pcの影響を仮想平面IS(第8
図)で大きくしようとして,目標位置に生成する局所関
数(第(4)式)の形状を変更すると,安定に誘導制御
を行うには,位置制御偏差やロボットの速度によって,
動的な形状変更を必要とされ,制御態様の複雑化を招
き,誘導特性を所望する特性に設定することが難しい。
このため,第5図に示す如く,位置偏差に比例するバ
ネ力と偏差速度に比例する粘性力を発生し,この2つの
値によって位置偏差に対する補償と,誘導速度に対する
補償を行うようにしたものである。
これによって初期制御偏差が大きくても,適度な接近
速度を保ちながら,確実に誘導制御できる。これととも
に前述のバネ定数Kや粘性係数Cを調整することによっ
て,誘導特性を変更できる。
この時,第8図に示した第(4)式で示す形状の目標
位置の像Pcは,目標位置近傍に達した時にロボットを目
標位置に早期に収束させるのに寄与する。この収束効果
は,像Pcのすそ野がなるたけ小さく,高さが高い程が良
く,第(4)式でいえばKiが大,σが小さな程よい。
この場合に,像変換過程において,第(4)式の如
く,基本関数に多次元正規分布関数を用いているので,
第(5)式の如く,これを重ね合わせて仮想空間IS上に
ポテンシャル面を形成しても,面の連続性を保つことが
でき,且つ時々刻々センサ21〜2n等の出力で動的に変化
させても,連続性が保証され,制御系の安定性を維持で
きる。
又,面の連続性が保証されているので,傾き(曲面斜
度)の連続性も保証され,従って制御量の不連続性を防
止できる。
これらは,全てロボット制御装置のプロセッサのプロ
グラムによる演算によって実現でき,仮想空間ISは概念
上では存在するが,結局(5)式,(6)式で示す値が
仮想空間ISでのポテンシャル面を定義することになり,
単なるデータで示される。
従って,プロセッサは,各センサ21〜2nの出力を座標
変換し,更に位置偏差を求めて,(6)式を実行し,X,Y
方向の傾きを求め,更に(7)式で曲面斜度α,βを演
算し,(2)式,(3)式で加速度r,を演算し,
位置偏差から誘導加速度i,を演算し,合成し且つ
これを積分演算して,速度r,を各サンプリング時
刻毎にサーボ系に出力すればよいことになる。
この場合,(6)式のX,Yは原点として,即ち“0"と
して演算すればよい。
(c) 他の実施例の説明 上述の実施例では,センサとして超音波距離センサを
用いているが他の周知の距離センサを用いてもよく,
又,移動ロボットの障害物回避の例で説明したが,障害
物が壁面であって,壁面に衝突しないように移動制御す
るものであってもよく,しかも,移動ロボットに限ら
ず,アームを有する作業ロボットの作業にも適用でき,
例えば,ハンドを目標位置に移動させる場合や,ハンド
の把持した物品を相手物品に嵌合させる作業や,物体の
做い動作を行なう作業等にも適用でき,これら作業に応
じてセンサを適切な他の力センサや温度センサ等を用い
ることもできる。
又、上述の実施例では位置偏差も仮想空間ISに像変換
しているから,得られる制御量r,は単なる障害物
回避のためのもののみならず,目標位置への移動を加味
した障害物回避のためのものとすることができるが,偏
差Rcを像変換しなくてもよい。
更に,制御量として速度r,を求めるのに重力加
速度r,と誘導加速度i,との合成を積分して
いるが,重力加速度を積分し,誘導加速度を積分し,両
積分値(速度)を合成して,r,を求めてもよく,
その上,誘導加速度を積分する代りに,その元になる制
御偏差をバネ定数Kを比例定数として積分し,偏差を粘
性係数Cで比例出力して得たものを誘導速度として出力
するようにしてもよく,これらは本システムが線型のた
め可能である。
以上本発明を実施例により説明したが,本発明は本発
明の主旨に従い種々の変形が可能であり,本発明からこ
れらを排除するものではない。
〔発明の効果〕
以上説明した様に,本発明によれば,外的状態に応じ
てロボットを適応制御する際のアルゴリズムを簡易化で
き,且つ高度な適応制御が実現できるという優れた効果
を奏し,高知能ロボットの実現に寄与する。
又,アルゴリズムを簡易化でき,演算で実現できるた
め,高速制御が可能となるという効果を奏し,適応制御
を高速にできるから,適応制御型ロボットの高速化も図
ることができる。
更に,各種センサを設けても同一アルゴリズムで実現
できるため,各種の外部状態を検出し,最適な適応制御
することが容易となるという効果も奏し,ロボットの高
知能化に一層寄与する。
しかも,初期制御偏差が大きくても,適切な接近速度
で上述の適応制御を行ないつつ目標位置に確実に誘導制
御できるという効果を奏し,しかもこれを容易に実現で
きるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理説明図, 第2図は本発明の一実施例適応制御説明図, 第3図は本発明における実空間と仮想空間の関係図, 第4図は本発明の一実施例状態制御量換算説明図, 第5図は本発明の一実施例ブロック図, 第6図は従来技術の説明図, 第7図及び第8図は既提案の内容説明図である。 図中,1……ロボット, 2……外的センサ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体との距離を検出する距離センサ(2)
    の出力に応じて、目標位置にロボット(1)を移動制御
    するロボットの適応制御方法において、 前記距離センサ(2)が検出した物体との距離の値から
    前記物体の位置を位置座標(X,Y)に変換して、前記ロ
    ボットから見た前記物体の相対位置を求めるステップ
    と、 前記ロボットが作業を行う実空間の2次元X,Y平面に対
    し、新たに直交するポテンシャル軸を加えた3次元仮想
    空間のX,Y面上であって、前記物体の相対位置に、2次
    元X,Y方向の広がりを持ち、且つ前記ポテンシャル軸方
    向に高さを持つ曲面立体像を生成するステップと、 該仮想空間の該曲面立体像を重ね合わせたポテンシャル
    曲面を生成するステップと、 該ポテンシャル曲面における該ロボット(1)の位置に
    おける2次元X、Y方向の傾きを計算するステップと、 該ポテンシャル軸の負方向に設定した仮想重力加速度と
    2次元X、Y方向の傾きとから求めた該2次元X、Y方
    向の加速度に基づく状態制御量を得るステップと、 該ロボットの該目標位置と該現在位置との位置制御偏差
    に基づいて算出した誘導制御量と該状態制御量とを合成
    した制御量によって該ロボットの移動を適応制御するス
    テップとを有することを特徴とするロボットの適応制御
    方法。
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