JPH06208405A - 知能ロボットのための情報処理方法および情報処理装置 - Google Patents
知能ロボットのための情報処理方法および情報処理装置Info
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- JPH06208405A JPH06208405A JP209193A JP209193A JPH06208405A JP H06208405 A JPH06208405 A JP H06208405A JP 209193 A JP209193 A JP 209193A JP 209193 A JP209193 A JP 209193A JP H06208405 A JPH06208405 A JP H06208405A
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Landscapes
- Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
- Feedback Control In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 知能ロボットにもたらされる情報の量的増加
や質的多様化に付随して生じる課題を克服すること。 【構成】 大量に与えられた多様な情報を段階的な処理
により距離値と称する新たに導入した情報表現形式に変
換し、それに基づいて合目的的行動の実現に不可欠な機
能の生成に活用し、情報が大量に与えられる場合であっ
ても、距離値に変換する過程で冗長な情報を除去するよ
うにしたもの。
や質的多様化に付随して生じる課題を克服すること。 【構成】 大量に与えられた多様な情報を段階的な処理
により距離値と称する新たに導入した情報表現形式に変
換し、それに基づいて合目的的行動の実現に不可欠な機
能の生成に活用し、情報が大量に与えられる場合であっ
ても、距離値に変換する過程で冗長な情報を除去するよ
うにしたもの。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、知能ロボットにおける
形状に関する情報を距離値に変換して処理を行う情報処
理方法および情報処理装置に関する。
形状に関する情報を距離値に変換して処理を行う情報処
理方法および情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】形状情報の表現形式は、記号を用いて表
現するもの(以下「記号表現形式」という)とパターン
で表現するもの(以下「パターン表現形式という」に大
別される。
現するもの(以下「記号表現形式」という)とパターン
で表現するもの(以下「パターン表現形式という」に大
別される。
【0003】ここにおいて、記号表現形式とは、直線や
円などの幾何形状の組合せで形状を表現する形式であ
り、CAD/CAM用の形状モデル、コンピュータグラ
フィックスなどの形状表現技術として発展的に利用され
ている。パターン表現形式とは、形状を微細な区画に分
割し、それぞれの区画を形状の属性で表現する形式であ
り、このパターン表現形式には、各区画が占有領域と空
白領域のいずれに属するかを2値で表すもの(いわゆる
グリッドモデル)、あるいは、各区画が占有領域である
程度を確率で表すもの(いわゆる確率モデル)などがあ
る。従来は、こうした情報表現形式に立脚した情報処理
方法およびその装置が構築されている。
円などの幾何形状の組合せで形状を表現する形式であ
り、CAD/CAM用の形状モデル、コンピュータグラ
フィックスなどの形状表現技術として発展的に利用され
ている。パターン表現形式とは、形状を微細な区画に分
割し、それぞれの区画を形状の属性で表現する形式であ
り、このパターン表現形式には、各区画が占有領域と空
白領域のいずれに属するかを2値で表すもの(いわゆる
グリッドモデル)、あるいは、各区画が占有領域である
程度を確率で表すもの(いわゆる確率モデル)などがあ
る。従来は、こうした情報表現形式に立脚した情報処理
方法およびその装置が構築されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、知能ロボット
においては、人間が与える情報やセンサを用いて獲得し
た情報を総合的に判断して合目的的行動の生成に活用す
る必要がある。このため、知能ロボットのための情報処
理方法およびその装置としては、大量に与えられる多様
な情報を合理的に処理できる機能を有するものでなけれ
ばならない。
においては、人間が与える情報やセンサを用いて獲得し
た情報を総合的に判断して合目的的行動の生成に活用す
る必要がある。このため、知能ロボットのための情報処
理方法およびその装置としては、大量に与えられる多様
な情報を合理的に処理できる機能を有するものでなけれ
ばならない。
【0005】しかしながら、従来の情報処理装置におい
ては、 ・大量にもたらされる情報をいかに処理するか ・曖昧さを含んだ情報をいかに処理するか ・性質の異なる情報をいかに処理するか といった課題に対して適切な対策を構じることができな
かった。
ては、 ・大量にもたらされる情報をいかに処理するか ・曖昧さを含んだ情報をいかに処理するか ・性質の異なる情報をいかに処理するか といった課題に対して適切な対策を構じることができな
かった。
【0006】本発明は、このような知能ロボットにもた
らされる情報の量的増加や質的多様化に付随して生じる
課題を克服し得る情報処理方法および情報処理装置を提
供することを目的としている。
らされる情報の量的増加や質的多様化に付随して生じる
課題を克服し得る情報処理方法および情報処理装置を提
供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の知能ロボットのための情報処理方法は、大
量に与えられた多様な情報を段階的な処理により距離値
と称する新たに導入した情報表現形式に変換し、それに
基づいて合目的的行動の実現に不可欠な機能の生成に活
用することを特徴としている。
に、本発明の知能ロボットのための情報処理方法は、大
量に与えられた多様な情報を段階的な処理により距離値
と称する新たに導入した情報表現形式に変換し、それに
基づいて合目的的行動の実現に不可欠な機能の生成に活
用することを特徴としている。
【0008】また、本発明の知能ロボットのための情報
処理装置は、複数の情報を処理し、その情報の質および
量に対して妥当な結果を導き出すことができるものにお
いて、情報を入力する複数の情報入力チャンネルおよび
入力された情報を距離値に変換する手段と、内部表現さ
れた情報に基づいて合目的的行動の実現に必要不可欠な
機能の生成に活用する手段とを設けたことを特徴として
いる。
処理装置は、複数の情報を処理し、その情報の質および
量に対して妥当な結果を導き出すことができるものにお
いて、情報を入力する複数の情報入力チャンネルおよび
入力された情報を距離値に変換する手段と、内部表現さ
れた情報に基づいて合目的的行動の実現に必要不可欠な
機能の生成に活用する手段とを設けたことを特徴として
いる。
【0009】
【作用】本発明の知能ロボットのための情報処理方法お
よび装置によれば、情報が大量に与えられる場合であっ
ても、距離値に変換する過程で冗長な情報を除去するこ
とができ、処理すべき情報を一定に抑えることができ
る。
よび装置によれば、情報が大量に与えられる場合であっ
ても、距離値に変換する過程で冗長な情報を除去するこ
とができ、処理すべき情報を一定に抑えることができ
る。
【0010】また、距離値は0から無限大までの曖昧さ
を許容した情報表現形式であるため、曖昧さを含む情報
であってもそれらを過不足なく表現することができる。
また、全ての情報を距離値という形態に変換して処理す
るため、性質の異なる情報であっても合理的に的確に処
理することができる。
を許容した情報表現形式であるため、曖昧さを含む情報
であってもそれらを過不足なく表現することができる。
また、全ての情報を距離値という形態に変換して処理す
るため、性質の異なる情報であっても合理的に的確に処
理することができる。
【0011】さらに、情報を本情報処理装置の内部表現
に変換する処理、および、内部表現された情報をロボッ
トの行動生成に活用する処理は上限が固定の処理により
構成されており、計算時間の爆発を伴わない。
に変換する処理、および、内部表現された情報をロボッ
トの行動生成に活用する処理は上限が固定の処理により
構成されており、計算時間の爆発を伴わない。
【0012】このように本発明の情報処理方法および情
報処理装置によれば、知能ロボットにもたらされる情報
が大量で曖昧さを含んだものであっても、また性質の異
なるものであっても、的確にそれらを利用することがで
る。
報処理装置によれば、知能ロボットにもたらされる情報
が大量で曖昧さを含んだものであっても、また性質の異
なるものであっても、的確にそれらを利用することがで
る。
【0013】
【実施例】本発明の情報処理装置においては、全ての情
報を距離値と称する新たな概念に変換し、それを知能ロ
ボットの合目的的行動の生成に活用するという形式を採
用している。
報を距離値と称する新たな概念に変換し、それを知能ロ
ボットの合目的的行動の生成に活用するという形式を採
用している。
【0014】(距離値の定義)この距離値は、基本的に
は占有領域と自由領域の境界からの最短距離を示してい
る。ただし、その値が境界線を挟んで連続するように、
占有領域の場合は正の値を、自由領域の場合は負の値を
対応させている。
は占有領域と自由領域の境界からの最短距離を示してい
る。ただし、その値が境界線を挟んで連続するように、
占有領域の場合は正の値を、自由領域の場合は負の値を
対応させている。
【0015】今、任意の標本点pの距離値をΦ( p) と
表すと、Φ( p) は、 で与えられる。
表すと、Φ( p) は、 で与えられる。
【0016】図1は、距離値の理念を示すものである。
【0017】(情報の距離値への変換)また、情報を距
離値に変換するために、本情報処理装置では処理対象と
する空間(以下「情報処理空間」と呼ぶ)を微少分割
し、各区画の標本点で代表させて離散的に処理してい
る。例えば、図1に示した環境を512 ×512 の微小区画
に分割し、それぞれの標本点を距離値に変換すると、図
2となる。
離値に変換するために、本情報処理装置では処理対象と
する空間(以下「情報処理空間」と呼ぶ)を微少分割
し、各区画の標本点で代表させて離散的に処理してい
る。例えば、図1に示した環境を512 ×512 の微小区画
に分割し、それぞれの標本点を距離値に変換すると、図
2となる。
【0018】2点間の距離を決定する距離関数として
は、距離の3公理を満足するものであれば何でも用いる
ことができる。ここにおいて、距離の3公理とは、任意
の3点p、q、rにおいて、 という関係をいう。
は、距離の3公理を満足するものであれば何でも用いる
ことができる。ここにおいて、距離の3公理とは、任意
の3点p、q、rにおいて、 という関係をいう。
【0019】従来の研究においては、4近傍距離や8近
傍距離のような距離を整数で表現できる距離関数が中心
的に用いられていた。しかしながら、このような距離関
数を採用した場合には、計算は容易になるが、方向の違
いによって距離値に歪が生じてしまう。そのため、本実
施例の情報処理装置においては、距離値を計算するため
の距離関数としてユークリッド距離を採用し、それに必
要な距離変換法を確立している。
傍距離のような距離を整数で表現できる距離関数が中心
的に用いられていた。しかしながら、このような距離関
数を採用した場合には、計算は容易になるが、方向の違
いによって距離値に歪が生じてしまう。そのため、本実
施例の情報処理装置においては、距離値を計算するため
の距離関数としてユークリッド距離を採用し、それに必
要な距離変換法を確立している。
【0020】もし形状が全領域にわたって既知であれ
ば、式( 1) に示した定義によって全ての標本点の距離
値を決定することができる。しかしながら、処理対象と
なる形状に何等かの曖昧さが残存している場合には、先
の定義では距離値を決定できない場合が生じる。
ば、式( 1) に示した定義によって全ての標本点の距離
値を決定することができる。しかしながら、処理対象と
なる形状に何等かの曖昧さが残存している場合には、先
の定義では距離値を決定できない場合が生じる。
【0021】そこで、形状に付随する曖昧さを許容でき
るように、距離値の表現形式を一般化する。すなわち、
距離値は1つの値を示すのではなく、ある存在範囲を有
すると考え、それを最大値(以下「最大距離値」とい
う)と最小値(以下「最小距離値」という)の組合せで
表現する。
るように、距離値の表現形式を一般化する。すなわち、
距離値は1つの値を示すのではなく、ある存在範囲を有
すると考え、それを最大値(以下「最大距離値」とい
う)と最小値(以下「最小距離値」という)の組合せで
表現する。
【0022】つまり、距離値Φ( p) を最大距離値Φma
x(p) および最小距離値Φmin(p)を用いて、 と表現する。
x(p) および最小距離値Φmin(p)を用いて、 と表現する。
【0023】なお、距離値は占有領域と自由領域に対し
て対称に定義されているため、任意の2点p、qにおけ
る距離値Φ( p) およびΦ( q) と、両者の距離d(
p, q) の間には、 という「距離値の拘束関係」が存在する。
て対称に定義されているため、任意の2点p、qにおけ
る距離値Φ( p) およびΦ( q) と、両者の距離d(
p, q) の間には、 という「距離値の拘束関係」が存在する。
【0024】任意の2点における距離値は、この距離値
の拘束関係に従った拘束を受けている。例えば、点qの
距離値Φ( q) が点pを拘束する距離値(以下「点pの
点qによる拘束距離値」という)をΦ( p: q) と表す
と、式( 4) を用いて、 が得られる。式( 2) と式( 5) から明らかなように、 である。
の拘束関係に従った拘束を受けている。例えば、点qの
距離値Φ( q) が点pを拘束する距離値(以下「点pの
点qによる拘束距離値」という)をΦ( p: q) と表す
と、式( 4) を用いて、 が得られる。式( 2) と式( 5) から明らかなように、 である。
【0025】ここで、Φmax(p) とΦmin(p) の差(以
下「距離値の幅」という)をΦw(p) と表す。すなわ
ち、 である。同様に、Φ( p: q) の距離値の幅Φw(p:
q) と表す。すなわち、 である。このとき、Φw(p) とΦw(p: q) との間に
は、常に、 という関係が成立している。
下「距離値の幅」という)をΦw(p) と表す。すなわ
ち、 である。同様に、Φ( p: q) の距離値の幅Φw(p:
q) と表す。すなわち、 である。このとき、Φw(p) とΦw(p: q) との間に
は、常に、 という関係が成立している。
【0026】図3には、距離値の拘束関係が示されてい
る。
る。
【0027】(情報処理空間の構成)こうした情報処理
形式に対応して、本情報処理装置の内部表現空間は離散
的な標本点の集合で構成されている。標本点は、全空間
を正方形の微小区画により分割したひとつの領域を代表
する点である。そして、4つの隣接する標本点間の距離
を1と定義し、占有領域には0.5 以上を、空白領域には
−0.5 以下の値を距離値として割り当てる。距離値は最
大距離値と最小距離値の組合せで表現するため、本情報
処理装置には、最大距離値と最小距離値を記憶する1組
の記憶領域が必要である。このように形状を離散的に扱
う場合には、標本点は占有領域に属するか空白領域に属
するかのいずれかに属するため、境界線という概念は消
滅する。また、本情報処理装置においては、占有領域に
属する標本点を「占有点」、空白領域に属する標本点を
「空白点」、空白点に隣接する占有点を「境界点」と称
する。
形式に対応して、本情報処理装置の内部表現空間は離散
的な標本点の集合で構成されている。標本点は、全空間
を正方形の微小区画により分割したひとつの領域を代表
する点である。そして、4つの隣接する標本点間の距離
を1と定義し、占有領域には0.5 以上を、空白領域には
−0.5 以下の値を距離値として割り当てる。距離値は最
大距離値と最小距離値の組合せで表現するため、本情報
処理装置には、最大距離値と最小距離値を記憶する1組
の記憶領域が必要である。このように形状を離散的に扱
う場合には、標本点は占有領域に属するか空白領域に属
するかのいずれかに属するため、境界線という概念は消
滅する。また、本情報処理装置においては、占有領域に
属する標本点を「占有点」、空白領域に属する標本点を
「空白点」、空白点に隣接する占有点を「境界点」と称
する。
【0028】初期状態においては、与えられた情報は皆
無である。これは、距離値に対していかなる拘束条件も
存在しない状態を意味する。ゆえに、距離値の初期値
は、 と設定される。
無である。これは、距離値に対していかなる拘束条件も
存在しない状態を意味する。ゆえに、距離値の初期値
は、 と設定される。
【0029】図4には、8×8区画で構成された内部表
現空間における距離値の初期値が示されている。
現空間における距離値の初期値が示されている。
【0030】一般に、距離値は、他の標本点の距離値に
よって決定される。例えば、点pの最大距離値は点rが
決定し、最小距離値は点sが決定するといった具合であ
る。本情報処理装置においては、最大距離値の決定点お
よび最小距離値の決定点をそれぞれDmax(p) 、Dmin
(p) と表しており、これらの座標の記憶領域を確保し
てある。
よって決定される。例えば、点pの最大距離値は点rが
決定し、最小距離値は点sが決定するといった具合であ
る。本情報処理装置においては、最大距離値の決定点お
よび最小距離値の決定点をそれぞれDmax(p) 、Dmin
(p) と表しており、これらの座標の記憶領域を確保し
てある。
【0031】距離値の決定点は、離れているほど情報と
しての意味が大きい。そのため、決定点の初期値をそれ
自体の座標に設定しておく。つまり、 である。
しての意味が大きい。そのため、決定点の初期値をそれ
自体の座標に設定しておく。つまり、 である。
【0032】(情報の変換)ロボットに与えられた情報
を本情報表現形式に変換する方法は、「情報の距離値
化」、「距離値の統合」、「拘束関係の適用」、「距離
値幅の圧縮」という4つのプロセスにより構成されてい
る。
を本情報表現形式に変換する方法は、「情報の距離値
化」、「距離値の統合」、「拘束関係の適用」、「距離
値幅の圧縮」という4つのプロセスにより構成されてい
る。
【0033】以下にその詳細を説明する。
【0034】(情報の距離値化)まず、ロボットに与え
られた情報を距離値により表現する。以下、このプロセ
スを「情報の距離値化」と呼ぶ。
られた情報を距離値により表現する。以下、このプロセ
スを「情報の距離値化」と呼ぶ。
【0035】例えば、形状が図5であるという情報が与
えられたとしよう。これには、 情報[ I] :網点を施した領域中の標本点は占有点であ
る 情報[II]:網点を施さない領域中の標本点は空白点であ
る という2つの情報が含まれている。
えられたとしよう。これには、 情報[ I] :網点を施した領域中の標本点は占有点であ
る 情報[II]:網点を施さない領域中の標本点は空白点であ
る という2つの情報が含まれている。
【0036】情報[ I] を距離値で表現すると、 となる。式(12)を内部表現空間にマッピングすると、図
6の状態となる。
6の状態となる。
【0037】同様に情報[III] は、距離値を用いて、 と表現することができる。これを内部表現空間にマッピ
ングすると、図7となる。
ングすると、図7となる。
【0038】情報の距離値化のプロセスは、情報が発生
した領域を対象とした処理であり、したがって、情報の
発生しなかった領域の距離値は初期値のままである。
した領域を対象とした処理であり、したがって、情報の
発生しなかった領域の距離値は初期値のままである。
【0039】本情報処理装置においては、情報を距離値
化して入力した内部表現空間における1階層を「第1距
離値層」と称している。
化して入力した内部表現空間における1階層を「第1距
離値層」と称している。
【0040】(距離値の統合)知能ロボットは複数の情
報入力チャンネルを有しているため、それに対応した数
の情報が距離値化され、第1距離値層に表現される。各
々の第1距離値層は情報処理空間に関する限定された情
報を距離値で表現したものであるため、これらを1つの
情報表現空間に統合する。こうした複数の第1距離値層
を統合するプロセスを「距離値の統合」と称する。
報入力チャンネルを有しているため、それに対応した数
の情報が距離値化され、第1距離値層に表現される。各
々の第1距離値層は情報処理空間に関する限定された情
報を距離値で表現したものであるため、これらを1つの
情報表現空間に統合する。こうした複数の第1距離値層
を統合するプロセスを「距離値の統合」と称する。
【0041】本情報表現形式においては、情報は距離値
そのものであり、距離値の幅は情報の曖昧さに対応して
いる。したがって、距離値の幅の減少は情報の増加を意
味する。ここで、点pにおける実際の距離値をΦa(p)
とすると、 であり、複数の距離値の共通部分を選択しても、やはり
Φa(p) はその中に存在する(図8)。ゆえに、第1距
離値層の統合は、距離値の積集合をとることによって実
現される。
そのものであり、距離値の幅は情報の曖昧さに対応して
いる。したがって、距離値の幅の減少は情報の増加を意
味する。ここで、点pにおける実際の距離値をΦa(p)
とすると、 であり、複数の距離値の共通部分を選択しても、やはり
Φa(p) はその中に存在する(図8)。ゆえに、第1距
離値層の統合は、距離値の積集合をとることによって実
現される。
【0042】例えば、ロボットにn個の情報が与えら
れ、そのi番目の情報を距離値化したときの点pにおけ
る距離値をΦi ( p) とする。このとき、点pにおける
統合した距離値をΦA ( p) とすると、 となる。
れ、そのi番目の情報を距離値化したときの点pにおけ
る距離値をΦi ( p) とする。このとき、点pにおける
統合した距離値をΦA ( p) とすると、 となる。
【0043】また、この統合演算を距離値の成分で表現
すると、 となる。
すると、 となる。
【0044】また、図9は、図6と図7に示された2つ
の第1距離値層の統合結果を示すものである。
の第1距離値層の統合結果を示すものである。
【0045】距離値の統合のプロセスによって冗長な情
報は除去され、有効な情報だけが残される。そして、距
離値の表現に必要な記憶容量は一定に抑えられる。つま
り、距離値の統合のプロセスは、ロボット工学で言うと
ころの「センサ融合」を実現している。
報は除去され、有効な情報だけが残される。そして、距
離値の表現に必要な記憶容量は一定に抑えられる。つま
り、距離値の統合のプロセスは、ロボット工学で言うと
ころの「センサ融合」を実現している。
【0046】本情報処理装置においては、距離値化され
た複数の情報を統合した内部表現空間における1階層を
「第2距離値層」と称している。
た複数の情報を統合した内部表現空間における1階層を
「第2距離値層」と称している。
【0047】(拘束関係の適用)つぎに、距離値の統合
結果を記憶した第2距離値層に対して、式( 4) に示し
た距離値の拘束関係を適用する。
結果を記憶した第2距離値層に対して、式( 4) に示し
た距離値の拘束関係を適用する。
【0048】まず、全ての標本点に対して距離値決定点
の初期値を自分自身の座標に指定しておく。そして、距
離値の拘束関係を適用する。その方法には、「逐次型処
理」と「並列型処理」とがある。
の初期値を自分自身の座標に指定しておく。そして、距
離値の拘束関係を適用する。その方法には、「逐次型処
理」と「並列型処理」とがある。
【0049】( イ) 逐次型処理による方法 逐次型処理によって距離値の拘束関係を適用する場合に
は、図10に示すような順方向および逆方向のラスタ走査
の組合せによって図11に示す操作を行う。すなわち、点
pに8隣接する8つの標本点の集合をQ8 (={q1 ,
q2 , q3 , q4 , q5 , q6 , q7 , q8 })とした
とき、順方向走査においては{q1 , q 2 , q3 ,
q4 }の4点を、逆方向走査においては{q5 , q6 ,
q7 , q8 }の4点の距離値を参照して以下の処理を行
う。
は、図10に示すような順方向および逆方向のラスタ走査
の組合せによって図11に示す操作を行う。すなわち、点
pに8隣接する8つの標本点の集合をQ8 (={q1 ,
q2 , q3 , q4 , q5 , q6 , q7 , q8 })とした
とき、順方向走査においては{q1 , q 2 , q3 ,
q4 }の4点を、逆方向走査においては{q5 , q6 ,
q7 , q8 }の4点の距離値を参照して以下の処理を行
う。
【0050】 この処理の結果、Φ( p) は、 となる。
【0051】( ロ) 並列型処理による方法 並列型処理においても逐次型処理と同様に、8隣接する
8つの標本点を参照点とし、式(17)に従って距離値の更
新を行う。この場合には1回の操作で拘束関係が8つの
隣接する点にそれぞれ伝搬する。それゆえ、任意の2点
間における距離値の拘束関係が全て満足される状態を作
り出すのに必要な操作は、もし情報処理空間をM×N
(M≧N)の標本点で離散的に処理する場合、1標本点
当り最大M回である。
8つの標本点を参照点とし、式(17)に従って距離値の更
新を行う。この場合には1回の操作で拘束関係が8つの
隣接する点にそれぞれ伝搬する。それゆえ、任意の2点
間における距離値の拘束関係が全て満足される状態を作
り出すのに必要な操作は、もし情報処理空間をM×N
(M≧N)の標本点で離散的に処理する場合、1標本点
当り最大M回である。
【0052】図12は、図9に示した第2距離値層に対し
て距離値の拘束関係を適用した結果を示したものであ
る。図12から、距離値の拘束関係を適用することによっ
て、限定した領域で発生した情報が周辺の領域に伝搬し
ていることが分かる。
て距離値の拘束関係を適用した結果を示したものであ
る。図12から、距離値の拘束関係を適用することによっ
て、限定した領域で発生した情報が周辺の領域に伝搬し
ていることが分かる。
【0053】本情報処理装置においては、第2距離値層
に対して距離値の拘束関係を適用することによって得ら
れた内部表現空間における1階層を「第3距離値層」と
称している。
に対して距離値の拘束関係を適用することによって得ら
れた内部表現空間における1階層を「第3距離値層」と
称している。
【0054】(距離値の圧縮)標本点が属する領域が、
ある広がりをもって既知であるならば、距離値の幅をさ
らに圧縮することができる。「距離値の圧縮」は、それ
を実現しようとするプロセスである。
ある広がりをもって既知であるならば、距離値の幅をさ
らに圧縮することができる。「距離値の圧縮」は、それ
を実現しようとするプロセスである。
【0055】距離値の圧縮のプロセスにおいては、まず
全ての標本点に対して距離値決定点の初期値を自分自身
の座標に指定しておく。
全ての標本点に対して距離値決定点の初期値を自分自身
の座標に指定しておく。
【0056】つぎに、点pに4隣接する4つの標本点の
集合Q4 (={q2 , q4 , q6 ,q8 })を対象と
し、並列型処理によって以下の操作を行う。
集合Q4 (={q2 , q4 , q6 ,q8 })を対象と
し、並列型処理によって以下の操作を行う。
【0057】 この操作を繰り返すにつれて最大値距離値と最小距離値
は次第に接近して行く。そして、全ての標本点における
距離値が飽和したとき、この処理を終了する。ただし、
この操作は、情報処理空間をM×N(M≧N)の標本点
で処理する場合、最大でも1標本点当りM回で終了す
る。
は次第に接近して行く。そして、全ての標本点における
距離値が飽和したとき、この処理を終了する。ただし、
この操作は、情報処理空間をM×N(M≧N)の標本点
で処理する場合、最大でも1標本点当りM回で終了す
る。
【0058】図13には、図12により与えられた第3距離
値層に対して距離値の圧縮を行った結果が示されてい
る。この例では、各標本点が属する領域が全て明らかな
ので、操作が終了したとき、最大距離値と最小距離値と
は一致している。しかしながら、環境に関して何等かの
曖昧さが含まれている場合には、両者は異なった距離値
で飽和することになる。
値層に対して距離値の圧縮を行った結果が示されてい
る。この例では、各標本点が属する領域が全て明らかな
ので、操作が終了したとき、最大距離値と最小距離値と
は一致している。しかしながら、環境に関して何等かの
曖昧さが含まれている場合には、両者は異なった距離値
で飽和することになる。
【0059】本情報処理装置においては、第3距離値層
に対して距離値の圧縮を行った内部表現空間における1
階層を「第4距離値層」と称している。
に対して距離値の圧縮を行った内部表現空間における1
階層を「第4距離値層」と称している。
【0060】図14は、情報を内部表現空間に変換するプ
ロセスをまとめたものである。この図においては、ロボ
ットに与えられた情報の数に相当する数の第1距離値層
が必要であり、第2距離値層以降も各階層において処理
結果を記憶する領域を必要とするような印象を与える。
しかしながら、これらは必ずしも全て必要というわけで
はない。例えば、各プロセスを逐次的に進めていくなら
ば、1組の記憶領域でもこの全てのプロセスを実現する
ことができる。
ロセスをまとめたものである。この図においては、ロボ
ットに与えられた情報の数に相当する数の第1距離値層
が必要であり、第2距離値層以降も各階層において処理
結果を記憶する領域を必要とするような印象を与える。
しかしながら、これらは必ずしも全て必要というわけで
はない。例えば、各プロセスを逐次的に進めていくなら
ば、1組の記憶領域でもこの全てのプロセスを実現する
ことができる。
【0061】(光レンジセンサ情報の内部表現化)先に
示した手順に従って処理すれば、情報がセンサから与え
られる場合でも、それらを内部表現構造に変換すること
が可能となる。
示した手順に従って処理すれば、情報がセンサから与え
られる場合でも、それらを内部表現構造に変換すること
が可能となる。
【0062】例えば、図15に示したように、点oにいる
ロボットが光レンジセンサを用いて環境の観測を行い、
点aに障害物を発見したとする。ここで、光レンジセン
サの空間分解能が内部表現空間の分解能より高いと仮定
すると、光の反射する所は境界点、また、光軸上の標本
点は空白点と考えて差し支えない。すなわち、この観測
結果は、 情報[III] :点aは境界点である 情報[IV]:直線oa上の標本点は空白点である という2種類の情報として解釈される。
ロボットが光レンジセンサを用いて環境の観測を行い、
点aに障害物を発見したとする。ここで、光レンジセン
サの空間分解能が内部表現空間の分解能より高いと仮定
すると、光の反射する所は境界点、また、光軸上の標本
点は空白点と考えて差し支えない。すなわち、この観測
結果は、 情報[III] :点aは境界点である 情報[IV]:直線oa上の標本点は空白点である という2種類の情報として解釈される。
【0063】つぎに、これらの情報を距離値化する。
【0064】図13からも明らかなように、境界点には空
白点に4隣接する場合と8隣接するものがある。前者の
場合には、 であり、後者の場合には、 である。ゆえに、どちらの場合でも許容するように情報
[III] を、 と距離値化する。
白点に4隣接する場合と8隣接するものがある。前者の
場合には、 であり、後者の場合には、 である。ゆえに、どちらの場合でも許容するように情報
[III] を、 と距離値化する。
【0065】一方、情報[IV]は、 とすればよい。
【0066】情報の距離値化が終了すれば、以降のプロ
セスを機械的に実行することによって、これらの情報を
内部表現構造に変換することができる。
セスを機械的に実行することによって、これらの情報を
内部表現構造に変換することができる。
【0067】図16は、情報[III] 、[IV]で与えられる光
レンジセンサ情報を、先の手順に従って内部表現構造に
変換した結果を示している。
レンジセンサ情報を、先の手順に従って内部表現構造に
変換した結果を示している。
【0068】このように、本情報処理装置は、限定され
た領域で発生した情報が内部表現空間全体に拡散すると
いう特性を有している。また、情報[IV]のように、通常
の情報表現形式では汲み上げることがでない情報も的確
に反映できる点も、本情報処理装置の特徴のひとつであ
る。
た領域で発生した情報が内部表現空間全体に拡散すると
いう特性を有している。また、情報[IV]のように、通常
の情報表現形式では汲み上げることがでない情報も的確
に反映できる点も、本情報処理装置の特徴のひとつであ
る。
【0069】また、光は指向性がよい測定媒体であるた
め、光レンジセンサは環境を走査して使用することが多
い。このような観測においてもひとつの光レンジセンサ
情報を処理する場合と全く同様に扱うことができる。
め、光レンジセンサは環境を走査して使用することが多
い。このような観測においてもひとつの光レンジセンサ
情報を処理する場合と全く同様に扱うことができる。
【0070】図17は、ロボットが光レンジセンサを用い
て自分の周囲をセンシングした様子を示している。この
とき獲得したセンサ情報を前述したと同様の手順で本情
報表現形式に変換すると、図18に示すようになる。
て自分の周囲をセンシングした様子を示している。この
とき獲得したセンサ情報を前述したと同様の手順で本情
報表現形式に変換すると、図18に示すようになる。
【0071】(曖昧さを含む情報の扱い方)ロボットに
与えられる情報には、曖昧さが含まれる場合が少なくな
い。しかしながら、先に示した手順に従えば、曖昧さを
含む情報であっても本情報処理装置においては内部表現
に変換することができる。
与えられる情報には、曖昧さが含まれる場合が少なくな
い。しかしながら、先に示した手順に従えば、曖昧さを
含む情報であっても本情報処理装置においては内部表現
に変換することができる。
【0072】情報に曖昧さが含まれるということは、幾
何学的には情報の発生場所(以下「情報発生源」と称
す)が点ではなく面であるということを意味する。例え
ば、「図19に示した領域のどこかに障害物が存在する」
という情報の内部表現化を考えてみよう。この情報は、
距離値の理念に基づく解釈では、 情報[ V] :領域Aのどこかに境界点が存在する
ということを意味する。ゆえに,
情報[ V] は、距離値を用いて, となる。式(24)に距離値の拘束関係を適用すると、 となる。
何学的には情報の発生場所(以下「情報発生源」と称
す)が点ではなく面であるということを意味する。例え
ば、「図19に示した領域のどこかに障害物が存在する」
という情報の内部表現化を考えてみよう。この情報は、
距離値の理念に基づく解釈では、 情報[ V] :領域Aのどこかに境界点が存在する
ということを意味する。ゆえに,
情報[ V] は、距離値を用いて, となる。式(24)に距離値の拘束関係を適用すると、 となる。
【0073】ゆえに、点pの距離値は、式(18)に式(25)
を代入して、 となる。
を代入して、 となる。
【0074】ところが、点qの位置は不明であるため
に、式(26)からではΦ( p) の値は決まらない。そこ
で、情報発生点qの位置として、最も緩やかな拘束条件
となる位置を選択する。つまり、点pから最も遠い点q
を情報発生点として選択する。つまり、式(26)を、 とする。こうした情報評価の考え方を「情報最小評価の
原則」と表現する。
に、式(26)からではΦ( p) の値は決まらない。そこ
で、情報発生点qの位置として、最も緩やかな拘束条件
となる位置を選択する。つまり、点pから最も遠い点q
を情報発生点として選択する。つまり、式(26)を、 とする。こうした情報評価の考え方を「情報最小評価の
原則」と表現する。
【0075】図20に、式(27)に従って情報[ V] を距離
値化した結果を示す。
値化した結果を示す。
【0076】同様に、図19に示した領域Aを対象とし
て, 情報[VI}:領域Aのどこかに空白点が存在する という情報が与えられたとしよう。
て, 情報[VI}:領域Aのどこかに空白点が存在する という情報が与えられたとしよう。
【0077】この場合、領域A中の空白点をqとする
と、 と距離値化することができる。
と、 と距離値化することができる。
【0078】ところで、情報発生源Aが円として扱える
場合には、距離値化のプロセスを簡略化することができ
る。
場合には、距離値化のプロセスを簡略化することができ
る。
【0079】今、円で表された情報発生源Aの中心を
o、半径をrA とすると、 である。式(27)に式(29)を代入すると、 が得られる。
o、半径をrA とすると、 である。式(27)に式(29)を代入すると、 が得られる。
【0080】ところで、式(30)は、点oの距離値が、 である場合の点pの拘束距離値、すなわちΦ( p: o)
に等しい。つまり、情報発生源が円である場合には、中
心点を情報発生源として距離値化し、それに半径分を誤
差として上乗せすればよい。
に等しい。つまり、情報発生源が円である場合には、中
心点を情報発生源として距離値化し、それに半径分を誤
差として上乗せすればよい。
【0081】同様に情報[VI]の場合には、点oにおい
て、 と距離値化すればよい。
て、 と距離値化すればよい。
【0082】情報発生源が円でない場合でも、外接円を
設定して先と同様の処理を行えば、情報の距離値化のプ
ロセスを簡略化することができる。もちろん、こうした
近似処理では情報を過不足なく表現することはできない
が、この近似処理は情報発生源が広がりを持つ場合の実
用的な距離値化の方法である。
設定して先と同様の処理を行えば、情報の距離値化のプ
ロセスを簡略化することができる。もちろん、こうした
近似処理では情報を過不足なく表現することはできない
が、この近似処理は情報発生源が広がりを持つ場合の実
用的な距離値化の方法である。
【0083】(超音波センサによる情報の内部表現化)
つぎに、曖昧さを含む情報の例として、超音波センサに
よる情報の、内部表現構造への変換過程を示す。
つぎに、曖昧さを含む情報の例として、超音波センサに
よる情報の、内部表現構造への変換過程を示す。
【0084】超音波センサは全ての物体を検出している
わけではなく、その大きさや形、鏡面反射等の影響によ
っては死角が存在する。また、多重反射や回り込みによ
るノイズ要因も考慮しなければならない。このように超
音波センサ情報には様々な不確実さが付随しているた
め、ここでは比較的信頼性の高い「先着信号」の内部表
現化の方法を示す。
わけではなく、その大きさや形、鏡面反射等の影響によ
っては死角が存在する。また、多重反射や回り込みによ
るノイズ要因も考慮しなければならない。このように超
音波センサ情報には様々な不確実さが付随しているた
め、ここでは比較的信頼性の高い「先着信号」の内部表
現化の方法を示す。
【0085】超音波センサを用いてセンシングを行った
とき、図21に示したようにその反射信号から推定した障
害物の存在範囲には距離方向に±ε、角度方向に±αの
誤差が含まれている。今、超音波センサの感度領域にお
いて、反射点の誤差範囲を示す領域A、その残りの領域
をBとする。このとき、領域Aに関するセンサ情報は、 情報[VII] :領域Aのどこかに境界点が存在する と解釈することができる。ゆえに、情報[VII] によって
領域A中の点pは、 と距離値化される。超音波センサの感度領域は幾何学的
な形状で近似できるため、領域A中の任意の点pからの
最長距離は、図22に示すような4つの点q1 、q2 、q
3 、q4 のいずれかまでの距離である。ゆえに、式(33)
は、 と距離値化される。
とき、図21に示したようにその反射信号から推定した障
害物の存在範囲には距離方向に±ε、角度方向に±αの
誤差が含まれている。今、超音波センサの感度領域にお
いて、反射点の誤差範囲を示す領域A、その残りの領域
をBとする。このとき、領域Aに関するセンサ情報は、 情報[VII] :領域Aのどこかに境界点が存在する と解釈することができる。ゆえに、情報[VII] によって
領域A中の点pは、 と距離値化される。超音波センサの感度領域は幾何学的
な形状で近似できるため、領域A中の任意の点pからの
最長距離は、図22に示すような4つの点q1 、q2 、q
3 、q4 のいずれかまでの距離である。ゆえに、式(33)
は、 と距離値化される。
【0086】一方、領域Bに関する情報は、領域Bをn
個の微少な同心円に分割し、その一つをBi とすると、 情報[VIII]:領域Bi のどこかに空白点が存在する と解釈することができる。Bi に含まれる標本点の集合
をQBi とするとき、情報[VIII]は、 と距離値化される。
個の微少な同心円に分割し、その一つをBi とすると、 情報[VIII]:領域Bi のどこかに空白点が存在する と解釈することができる。Bi に含まれる標本点の集合
をQBi とするとき、情報[VIII]は、 と距離値化される。
【0087】センサの位置を原点とする極座標表現で
は、Biを限りなく薄く分割したと仮定すると、 である。ゆえに式(35)は、 となる。
は、Biを限りなく薄く分割したと仮定すると、 である。ゆえに式(35)は、 となる。
【0088】なお、超音波センサの指向角が0で距離空
間分解能を無限大とすれば、式(34)は式(21)に、式(37)
は式(23)に一致する。つまり、式(34)および式(37)に示
した超音波センサ情報の距離値化の式は、先に示した光
レンジセンサ情報の距離値化の式の一般解になってい
る。
間分解能を無限大とすれば、式(34)は式(21)に、式(37)
は式(23)に一致する。つまり、式(34)および式(37)に示
した超音波センサ情報の距離値化の式は、先に示した光
レンジセンサ情報の距離値化の式の一般解になってい
る。
【0089】式(34)および式(37)に基づいて超音波セン
サの感度領域上の標本点を距離値化し、距離値化して統
合し、以降のプロセスを踏むと、図23が得られる。これ
が、図21で示した超音波センサ情報の内部表現である。
サの感度領域上の標本点を距離値化し、距離値化して統
合し、以降のプロセスを踏むと、図23が得られる。これ
が、図21で示した超音波センサ情報の内部表現である。
【0090】(分解能の異なる距離センサによる情報の
表現)先に示した情報変換の手順を用いれば、分解能が
異なる情報であっても本情報処理装置に内部表現するこ
とができる。
表現)先に示した情報変換の手順を用いれば、分解能が
異なる情報であっても本情報処理装置に内部表現するこ
とができる。
【0091】例えば、ロボットが図17に示した光レンジ
センサのスキャニング、および図24に示した3個の超音
波センサによって2種類の情報を獲得したとしよう。図
25は、こうした2種類のセンサ情報を別々に内部表現し
た場合、および両方を表現した場合の内部表現空間にお
ける距離値の断面を示している。また図26は、これらの
2種類のセンサ情報の本情報処理装置における内部表現
である。
センサのスキャニング、および図24に示した3個の超音
波センサによって2種類の情報を獲得したとしよう。図
25は、こうした2種類のセンサ情報を別々に内部表現し
た場合、および両方を表現した場合の内部表現空間にお
ける距離値の断面を示している。また図26は、これらの
2種類のセンサ情報の本情報処理装置における内部表現
である。
【0092】このように本情報処理装置では、分解能の
異なる距離センサによって与えられる情報も、矛盾なく
内部表現化することができる。
異なる距離センサによって与えられる情報も、矛盾なく
内部表現化することができる。
【0093】(その他のロボット用センサによる情報の
表現)ロボットには、レンジセンサのように形状情報を
直接獲得するセンサだけではなく、ステレオカメラや内
界センサなどのように多様な情報を提供するセンサが用
いられる。しかし先に示した手順を機械的に踏めば、こ
うしたセンサによって得られる情報であっても、本情報
処理装置では内部表現化が可能である。
表現)ロボットには、レンジセンサのように形状情報を
直接獲得するセンサだけではなく、ステレオカメラや内
界センサなどのように多様な情報を提供するセンサが用
いられる。しかし先に示した手順を機械的に踏めば、こ
うしたセンサによって得られる情報であっても、本情報
処理装置では内部表現化が可能である。
【0094】(環境認識機能の実現)つぎに、本情報処
理装置に表現された情報の活用の一例として、環境認識
機能を実現する。なお、ここでは、環境認識機能を「内
部表現された情報から行動に有益な情報を抽出・形成す
るメカニズム」と定義する。
理装置に表現された情報の活用の一例として、環境認識
機能を実現する。なお、ここでは、環境認識機能を「内
部表現された情報から行動に有益な情報を抽出・形成す
るメカニズム」と定義する。
【0095】(情報処理空間の定量化)先の定義によれ
ば、情報処理空間を特徴づけるいくつかの要素を定量化
することも環境認識機能の1つである。ここでは、「障
害物の存在」、「情報処理空間の曖昧さ」、および「情
報処理空間の情報密度」の定量化について示す。
ば、情報処理空間を特徴づけるいくつかの要素を定量化
することも環境認識機能の1つである。ここでは、「障
害物の存在」、「情報処理空間の曖昧さ」、および「情
報処理空間の情報密度」の定量化について示す。
【0096】(障害物の存在の定量化)今、ロボットが
距離センサを用いて図27に示した観測を行ったとする。
この観測によって得られたセンサ情報は、本情報処理装
置においては、図28に示すように表現される。センサ情
報は、情報処理空間に関する限定された情報であるた
め、その曖昧さが全て解消しているわけではない。こう
した曖昧さが残存した状態は、本情報処理装置では距離
値の幅に反映されている。
距離センサを用いて図27に示した観測を行ったとする。
この観測によって得られたセンサ情報は、本情報処理装
置においては、図28に示すように表現される。センサ情
報は、情報処理空間に関する限定された情報であるた
め、その曖昧さが全て解消しているわけではない。こう
した曖昧さが残存した状態は、本情報処理装置では距離
値の幅に反映されている。
【0097】ここで、点pの実際の距離値をΦa(p) と
表すと、 であることは保証される。ゆえに、 であれば、点pは占有点であり、 であれば、点pは空白点である。しかしながら、 の場合には、標本点pが属する領域は一義的に決まらな
い。
表すと、 であることは保証される。ゆえに、 であれば、点pは占有点であり、 であれば、点pは空白点である。しかしながら、 の場合には、標本点pが属する領域は一義的に決まらな
い。
【0098】ところが、距離値の確率分布が与えられて
いるならば、標本点の属性を確率的に推定することがで
きる。
いるならば、標本点の属性を確率的に推定することがで
きる。
【0099】今、点pにおける距離値の確率分布がP(
Φ( p))であるならば、点pが占有領域である確率Po
(p) は、 で与えられる。ここに、Po(p) は点pにおける障害物
の存在確率と考えて差し支えない。
Φ( p))であるならば、点pが占有領域である確率Po
(p) は、 で与えられる。ここに、Po(p) は点pにおける障害物
の存在確率と考えて差し支えない。
【0100】一般にP( Φ( p))は未知である。しかし
ながら、距離値は滑らかに変化する性質を有しているた
め、Φmax(p) とΦmin(p) との間が狭ければ、両者の
間の確率分布は一様と考えても大きな誤差は生じない。
そこで、式(42)を、 と近似する。
ながら、距離値は滑らかに変化する性質を有しているた
め、Φmax(p) とΦmin(p) との間が狭ければ、両者の
間の確率分布は一様と考えても大きな誤差は生じない。
そこで、式(42)を、 と近似する。
【0101】式(43)を用いれば、障害物の存在を確率的
に推定することができる。
に推定することができる。
【0102】図29に、図28に示した本情報処理装置に内
部表現された情報に基づいて、式(43)を用いて求めた障
害物の存在確率が示されている。ここに示した障害物の
存在を定量的に評価する方法は、障害物の形状に影響さ
れる要素を何ら含んでいないので、複雑な形状の障害物
が存在する環境に対しても適用が可能である。
部表現された情報に基づいて、式(43)を用いて求めた障
害物の存在確率が示されている。ここに示した障害物の
存在を定量的に評価する方法は、障害物の形状に影響さ
れる要素を何ら含んでいないので、複雑な形状の障害物
が存在する環境に対しても適用が可能である。
【0103】(移動物体の認識)先に示した方法で求め
た障害物の存在確率を時系列信号として処理すれば、移
動物体の認識も可能となる。
た障害物の存在確率を時系列信号として処理すれば、移
動物体の認識も可能となる。
【0104】今、移動物体が存在する環境において、ロ
ボットが図30に示したようなセンシングを継続したとす
る。これらのセンサ情報から、先に示した方法によって
障害物の存在確率を求めることができる。さらに、こう
した時系列信号の差分を求めれば、図32のように障害物
の存在確率の変化が分かる。これから、確率が減少して
いる部分は障害物の消滅を意味し、確率が増加している
部分は発生を意味していることから、物体の移動状況は
障害物の存在確率が減少している部分から増加している
部分への動きとして把握することができる。
ボットが図30に示したようなセンシングを継続したとす
る。これらのセンサ情報から、先に示した方法によって
障害物の存在確率を求めることができる。さらに、こう
した時系列信号の差分を求めれば、図32のように障害物
の存在確率の変化が分かる。これから、確率が減少して
いる部分は障害物の消滅を意味し、確率が増加している
部分は発生を意味していることから、物体の移動状況は
障害物の存在確率が減少している部分から増加している
部分への動きとして把握することができる。
【0105】このように本情報処理装置の利用によっ
て、形状や運動形態に任意性を保証した移動物体の認識
が可能となる。
て、形状や運動形態に任意性を保証した移動物体の認識
が可能となる。
【0106】(情報処理空間の曖昧さの定量化)今、ロ
ボットに与えられた全情報を表現した情報処理装置にお
いて、点pの距離値の確率分布がPp(Φ) で与えられて
いるとする。そのとき、点pにおけるエントロピH(
p) を、その定義に従って、 とする。
ボットに与えられた全情報を表現した情報処理装置にお
いて、点pの距離値の確率分布がPp(Φ) で与えられて
いるとする。そのとき、点pにおけるエントロピH(
p) を、その定義に従って、 とする。
【0107】エントロピH( p) はP( Φ( p))に依存
する値であるが、式(44)の場合のように積分範囲が限定
されていれば、その最大値は一意的に定まる値である。
H(p) の最大値はエントロピP( Φ( p))が一様分布
のときに最大となる。このエントロピの最大値(以下
「距離値エントロピ」と称す)をHmax(p) と表すと、 となる。距離値エントロピは距離値に固有の値であるた
め、環境の曖昧さを表す有益な指標のひとつとして利用
することができる。
する値であるが、式(44)の場合のように積分範囲が限定
されていれば、その最大値は一意的に定まる値である。
H(p) の最大値はエントロピP( Φ( p))が一様分布
のときに最大となる。このエントロピの最大値(以下
「距離値エントロピ」と称す)をHmax(p) と表すと、 となる。距離値エントロピは距離値に固有の値であるた
め、環境の曖昧さを表す有益な指標のひとつとして利用
することができる。
【0108】なお、式(45)の定義ではΦw(p) =0のと
きHmax(p) =−∞となり、実用上好ましくない。しか
しながら、内部表現空間の分解能をセンサ情報の分解能
より高く設定すれば、常にΦw(p) ≧1となり、距離値
エントロピはHmax(p) ≧0で定義することができる。
きHmax(p) =−∞となり、実用上好ましくない。しか
しながら、内部表現空間の分解能をセンサ情報の分解能
より高く設定すれば、常にΦw(p) ≧1となり、距離値
エントロピはHmax(p) ≧0で定義することができる。
【0109】(属する領域の曖昧さの定量化)また、情
報処理空間を占有領域と自由領域の2値構成として捉え
た場合に、点pがどの領域に属するかを示すエントロピ
Ha(p) (以下「領域エントロピ」と称す)を定義す
る。エントロピの定義からHa(p) は、 で与えられる。Ha(p) はPo(p) に依存する値である
が、一様分布を仮定して求める近似値においても大きな
誤差を伴わない。
報処理空間を占有領域と自由領域の2値構成として捉え
た場合に、点pがどの領域に属するかを示すエントロピ
Ha(p) (以下「領域エントロピ」と称す)を定義す
る。エントロピの定義からHa(p) は、 で与えられる。Ha(p) はPo(p) に依存する値である
が、一様分布を仮定して求める近似値においても大きな
誤差を伴わない。
【0110】図33と図34に、図28に示した内部表現情報
に基づいて求めた、距離値エントロピおよび領域エント
ロピが示されている。
に基づいて求めた、距離値エントロピおよび領域エント
ロピが示されている。
【0111】環境の評価基準として距離値エントロピを
用いるならば、情報処理空間の曖昧さとロボットの観測
の関係を、「観測を行う前の情報処理空間の距離値エン
トロピは∞[bit] であるが、観測が進むに連れて次第に
減少して行き、全てを知った時点で0[bit] となる」と
いう単純明瞭な世界観で観測活動を解釈することができ
る。また、距離値エントロピの減少分はセンシングによ
る「観測活動による測定量」に対応しているため、観測
活動で獲得する情報を定量的に評価することもできる。
用いるならば、情報処理空間の曖昧さとロボットの観測
の関係を、「観測を行う前の情報処理空間の距離値エン
トロピは∞[bit] であるが、観測が進むに連れて次第に
減少して行き、全てを知った時点で0[bit] となる」と
いう単純明瞭な世界観で観測活動を解釈することができ
る。また、距離値エントロピの減少分はセンシングによ
る「観測活動による測定量」に対応しているため、観測
活動で獲得する情報を定量的に評価することもできる。
【0112】一方、領域エントロピにおいては、観測を
行った領域は1[bit] から0[bit]まで次第に減少する
が、観測を行っていない領域は1[bit] のままである。
つまり、領域エントロピは、観測の程度を示す指標とし
ては勿論のこと、既観測の領域と未観測の領域を分ける
指標としても用いることができる。
行った領域は1[bit] から0[bit]まで次第に減少する
が、観測を行っていない領域は1[bit] のままである。
つまり、領域エントロピは、観測の程度を示す指標とし
ては勿論のこと、既観測の領域と未観測の領域を分ける
指標としても用いることができる。
【0113】(情報処理空間の情報密度の定量化)人間
が環境認識を行うとき、シーン全体ではなく、その特徴
的な部分に注目して認識を行っている。これは、情報処
理空間における情報の分布が一様ではなく、一般的に
「特徴点」と呼ばれるところに集中しているためと考え
られる。そのため、情報処理空間の情報の偏りを客観的
に評価することができたならば、環境の認識機能を人工
的に実現する上で極めて有益であろう。従来は、こうし
た情報処理空間における情報のかたよりといった曖昧な
概念を定量的に扱うことができなかったが、本情報処理
装置を用いることにより、それらを定量的に評価するこ
とができる。
が環境認識を行うとき、シーン全体ではなく、その特徴
的な部分に注目して認識を行っている。これは、情報処
理空間における情報の分布が一様ではなく、一般的に
「特徴点」と呼ばれるところに集中しているためと考え
られる。そのため、情報処理空間の情報の偏りを客観的
に評価することができたならば、環境の認識機能を人工
的に実現する上で極めて有益であろう。従来は、こうし
た情報処理空間における情報のかたよりといった曖昧な
概念を定量的に扱うことができなかったが、本情報処理
装置を用いることにより、それらを定量的に評価するこ
とができる。
【0114】距離値は任意の2点間で「距離値の拘束関
係」に従った拘束を受けており、点qの距離値Φ( q)
により定まる点pの距離値を拘束距離値と称し、Φ(
p: q) と表している。
係」に従った拘束を受けており、点qの距離値Φ( q)
により定まる点pの距離値を拘束距離値と称し、Φ(
p: q) と表している。
【0115】この拘束距離値に対して、先ほどの距離値
エントロピと同様に、エントロピ(以下「拘束距離値エ
ントロピ」という)を定義する。この拘束距離値エント
ロピをHmax(p: q) と表すと、 となる。
エントロピと同様に、エントロピ(以下「拘束距離値エ
ントロピ」という)を定義する。この拘束距離値エント
ロピをHmax(p: q) と表すと、 となる。
【0116】そして、距離値エントロピと拘束距離値エ
ントロピとの間には、 という関係が常に成立している。
ントロピとの間には、 という関係が常に成立している。
【0117】ここで、もし、 であれば、点pは点qに完全に従属していることにな
る。しかしながら、 の場合には、点pは点qに対して独立した情報をもって
いると解釈できる。
る。しかしながら、 の場合には、点pは点qに対して独立した情報をもって
いると解釈できる。
【0118】ここで、Hmax(p: q) とHmax(p) の差
をI( p: q) と表すと、 となる。
をI( p: q) と表すと、 となる。
【0119】ここで、I( p: q) の最小値は、点pが
全標本点に対して独自にもっている情報と考えることが
できる。
全標本点に対して独自にもっている情報と考えることが
できる。
【0120】I( p: q) は任意の2点間に対して定義
される量であるが、比較の対象を全標本点に拡張すれ
ば、それに情報密度の意味をもたせることができる。
される量であるが、比較の対象を全標本点に拡張すれ
ば、それに情報密度の意味をもたせることができる。
【0121】このことから、任意の点pの情報密度D(
p) を、 と定義する。
p) を、 と定義する。
【0122】図35には、式(52)を適用して求めた情報処
理空間の情報密度が示されている。このように情報処理
空間の情報密度を定量化することにより、その重要度や
マッチングにおける重み係数などを客観的に決定するこ
とができる。
理空間の情報密度が示されている。このように情報処理
空間の情報密度を定量化することにより、その重要度や
マッチングにおける重み係数などを客観的に決定するこ
とができる。
【0123】表1には、本情報処理装置に基づいて定量
化した環境情報がまとめられているる。
化した環境情報がまとめられているる。
【0124】表 1 なお、本情報処理装置においては、環境情報の定量化の
プロセスは階層的に進められている。こうした情報処理
のプロセスは、人間の大脳皮質が階層構造をしていると
いう報告との関連を伺わせるものである。
プロセスは階層的に進められている。こうした情報処理
のプロセスは、人間の大脳皮質が階層構造をしていると
いう報告との関連を伺わせるものである。
【0125】(未来の状態の推定)ロボットの行動には
慣性や機械的遅延が存在するため、静的環境における行
動生成戦略を単純に動的環境に拡張適用したのでは、衝
突などのトラブルを生じてしまう。しかしながら、過去
の観測結果から未来の状態が予測できるならば、安全で
効率的なロボットの行動が生成できるであろう。こうし
た観点から、ここでは本情報処理装置に基づいて未来の
状態を予測する方法を示す。
慣性や機械的遅延が存在するため、静的環境における行
動生成戦略を単純に動的環境に拡張適用したのでは、衝
突などのトラブルを生じてしまう。しかしながら、過去
の観測結果から未来の状態が予測できるならば、安全で
効率的なロボットの行動が生成できるであろう。こうし
た観点から、ここでは本情報処理装置に基づいて未来の
状態を予測する方法を示す。
【0126】図36には、その最も単純な例として、過去
の2つの距離値の外挿によって未来の距離値を予測する
方法が示されている。ここでは、t=−Tおよびt=0
における点pの距離値をそれぞれΦ( p,-T) およびΦ
( p, 0) で表したとき、t=τ( >0)における距離値
Φ( p, τ) を、 と予測する。ただし、Φmax(p, τ) <Φmin(p, τ)
となる場合には、Φmax(p, τ) =Φmin(p, τ) とす
る安全サイドの解釈を行う。
の2つの距離値の外挿によって未来の距離値を予測する
方法が示されている。ここでは、t=−Tおよびt=0
における点pの距離値をそれぞれΦ( p,-T) およびΦ
( p, 0) で表したとき、t=τ( >0)における距離値
Φ( p, τ) を、 と予測する。ただし、Φmax(p, τ) <Φmin(p, τ)
となる場合には、Φmax(p, τ) =Φmin(p, τ) とす
る安全サイドの解釈を行う。
【0127】今、不特定多数の走行物体が存在する環境
においてロボットが自律的な走行をしている状況を考え
る。ここにおいて、ロボットは外界センサとして光レン
ジセンサを有し、進行方向に対して120 °の扇型領域を
観測しながら進行しているものとする( 図37) 。
においてロボットが自律的な走行をしている状況を考え
る。ここにおいて、ロボットは外界センサとして光レン
ジセンサを有し、進行方向に対して120 °の扇型領域を
観測しながら進行しているものとする( 図37) 。
【0128】こうした観測活動によって獲得したセンサ
情報は、本情報処理装置に距離値として内部表現され
る。もしセンシングの間隔がT秒であれば、情報処理に
表現されている距離値もT秒間隔で与えらえる時系列信
号である。
情報は、本情報処理装置に距離値として内部表現され
る。もしセンシングの間隔がT秒であれば、情報処理に
表現されている距離値もT秒間隔で与えらえる時系列信
号である。
【0129】つぎに、式(53)によって推定した距離値を
用いて、近未来における障害物の存在確率を推定する。
図38において、( a) および( b) は、図37の( a) お
よび( b) に示した観測活動によって得られたセンサ情
報を距離値化し、それに基づいて障害物の存在確率が50
%以上と推定した領域を示している。
用いて、近未来における障害物の存在確率を推定する。
図38において、( a) および( b) は、図37の( a) お
よび( b) に示した観測活動によって得られたセンサ情
報を距離値化し、それに基づいて障害物の存在確率が50
%以上と推定した領域を示している。
【0130】また、( c) および( d) は、式(53)を用
いてT秒後および2T秒後における距離値を推定し、そ
れに基づいて推定した障害物の存在確率が50%以上の領
域である。図38から、走行物体やロボット自身の走行量
に対して観測量が少ない場合には行動しずらくなってい
る状況を、客観的に把握することができる。
いてT秒後および2T秒後における距離値を推定し、そ
れに基づいて推定した障害物の存在確率が50%以上の領
域である。図38から、走行物体やロボット自身の走行量
に対して観測量が少ない場合には行動しずらくなってい
る状況を、客観的に把握することができる。
【0131】このように本情報処理装置は、未来の状況
を予測する手段としても有効に機能することが分かる。
を予測する手段としても有効に機能することが分かる。
【0132】(行動生成機能の実現)つぎに、本情報処
理装置の行動生成機能への適用例を示す。以下に示す戦
略はマニピュレーティング等にも応用可能であるが、こ
こではロボットが自律走行を実現する手段として捉え
る。
理装置の行動生成機能への適用例を示す。以下に示す戦
略はマニピュレーティング等にも応用可能であるが、こ
こではロボットが自律走行を実現する手段として捉え
る。
【0133】ここに示す戦略はポテンシャル法と呼ばれ
るものに近い。ポテンシャル法とは、人工的に定義した
ポテンシャルから発生する力に基づく力学的なアプロー
チによって行動を決定する方法である。すでに多くの研
究者によって様々なポテンシャル関数が提案され、行動
生成への適用が試みられている。
るものに近い。ポテンシャル法とは、人工的に定義した
ポテンシャルから発生する力に基づく力学的なアプロー
チによって行動を決定する方法である。すでに多くの研
究者によって様々なポテンシャル関数が提案され、行動
生成への適用が試みられている。
【0134】しかしながら、従来のポテンシャル法に
は、 ・複雑な形状においてはポテンシャルの生成に多大な時
間を要する ・センサ情報が適切にポテンシャルに変換できない ・停留問題に対して有効な解決策を提言できない ・生成した行動の妥当性の評価が困難である といった多くの課題が残されていた。
は、 ・複雑な形状においてはポテンシャルの生成に多大な時
間を要する ・センサ情報が適切にポテンシャルに変換できない ・停留問題に対して有効な解決策を提言できない ・生成した行動の妥当性の評価が困難である といった多くの課題が残されていた。
【0135】その点、本情報処理装置を用いることによ
り、こうした諸々の問題を総合的に解決し得る行動生成
を実現することができる。
り、こうした諸々の問題を総合的に解決し得る行動生成
を実現することができる。
【0136】(環境地図に基づく行動生成)まず、ロボ
ットが距離値で与えられた環境地図を所持していると
し、それに基づいた行動生成戦略を示す。環境地図は環
境の曖昧さを考慮しない情報表現形態である。そのた
め、本情報処理装置においては、最大距離値と最小距離
値とが一致している状況を環境地図として捉える。
ットが距離値で与えられた環境地図を所持していると
し、それに基づいた行動生成戦略を示す。環境地図は環
境の曖昧さを考慮しない情報表現形態である。そのた
め、本情報処理装置においては、最大距離値と最小距離
値とが一致している状況を環境地図として捉える。
【0137】(距離値ポテンシャルと距離値場)距離値
は境界線からの最短距離を基調とした概念で定義されて
おり、基本的には距離の特性を継承している。つまり、
距離値の次元は[ L] である。一方、重力ポテンシャル
や電気的ポテンシャルにおいては、長さの次元は[
L-1] である。そこで、距離値の逆数Ψ、すなわち、 をポテンシャルとして定義する。以下、この距離値の逆
数を「距離値ポテンシャル」と称する。
は境界線からの最短距離を基調とした概念で定義されて
おり、基本的には距離の特性を継承している。つまり、
距離値の次元は[ L] である。一方、重力ポテンシャル
や電気的ポテンシャルにおいては、長さの次元は[
L-1] である。そこで、距離値の逆数Ψ、すなわち、 をポテンシャルとして定義する。以下、この距離値の逆
数を「距離値ポテンシャル」と称する。
【0138】図39は、例題に採用した走行環境の等距離
値面を示している。また図40は、その等距離値ポテンシ
ャル面を示している。
値面を示している。また図40は、その等距離値ポテンシ
ャル面を示している。
【0139】また、距離値ポテンシャルΨによって生成
される場E(以下「距離値場と称す)は、 により与えられる。
される場E(以下「距離値場と称す)は、 により与えられる。
【0140】(ロボットに作用するベクトルの生成)距
離値から導入した距離値場、および目標点の位置に基づ
いて、「障害物の斥力」、「目標点の引力」、「障害物
回りの回転力」、「障害物の仮想引力」という、ロボッ
トに作用する4種類のベクトルを定義する。
離値から導入した距離値場、および目標点の位置に基づ
いて、「障害物の斥力」、「目標点の引力」、「障害物
回りの回転力」、「障害物の仮想引力」という、ロボッ
トに作用する4種類のベクトルを定義する。
【0141】(障害物の斥力)まず、障害物への衝突を
回避するための力として、障害物の斥力Fr を定義す
る。斥力Fr の方向は障害物と反対方向であり、等ポテ
ンシャル面に対しては垂直である。一方、ロボットの質
量をmとすると、斥力Fr は、 で与えられるが、Fr が斥力であることを考慮すると、
単位質量当り、 という力が作用する。
回避するための力として、障害物の斥力Fr を定義す
る。斥力Fr の方向は障害物と反対方向であり、等ポテ
ンシャル面に対しては垂直である。一方、ロボットの質
量をmとすると、斥力Fr は、 で与えられるが、Fr が斥力であることを考慮すると、
単位質量当り、 という力が作用する。
【0142】なお、障害物に最も接近できる地点におけ
る距離値(以下「臨界距離値」と称す)Φc における斥
力Fc (以下「臨界斥力」と称す)は、 である。
る距離値(以下「臨界距離値」と称す)Φc における斥
力Fc (以下「臨界斥力」と称す)は、 である。
【0143】(目標点の引力)つぎに、目標点に到着す
るために必要な力として、目標点の引力Fa を定義す
る。もし、障害物が全く存在しない空間であれば、ロボ
ットは目標点に向かって直線的に走行すればよい。ゆえ
に、引力Fa は目標点の方向であればよい。一方、引力
Fa の大きさは斥力と同様に距離の2乗に反比例すると
考えるのが一般的である。
るために必要な力として、目標点の引力Fa を定義す
る。もし、障害物が全く存在しない空間であれば、ロボ
ットは目標点に向かって直線的に走行すればよい。ゆえ
に、引力Fa は目標点の方向であればよい。一方、引力
Fa の大きさは斥力と同様に距離の2乗に反比例すると
考えるのが一般的である。
【0144】しかしながら、それでは、目標点とロボッ
トの相対的な位置関係によって運動状態に一貫性がなく
なる。例えば、ロボットが2つの障害物間の間隙を通過
するような場合に、目標点が近ければ強い引力に引かれ
て通過する場合でも、目標点が遠くなると引力が弱くな
って斥力に負けてしまい、同じ間隙であっても通り抜け
られなくなるといった不都合が生じる。
トの相対的な位置関係によって運動状態に一貫性がなく
なる。例えば、ロボットが2つの障害物間の間隙を通過
するような場合に、目標点が近ければ強い引力に引かれ
て通過する場合でも、目標点が遠くなると引力が弱くな
って斥力に負けてしまい、同じ間隙であっても通り抜け
られなくなるといった不都合が生じる。
【0145】こうした問題は、引力Fa の大きさを全て
の場所で等しいと考えることによって解決することがで
きる。そして、 と定めれば、如何なる状況においても、ロボットは臨界
線より障害物に接近することはない( 図41) 。ゆえに引
力Fa は、目標点に向かう単位ベクトルをrとすると、 と表すことができる。
の場所で等しいと考えることによって解決することがで
きる。そして、 と定めれば、如何なる状況においても、ロボットは臨界
線より障害物に接近することはない( 図41) 。ゆえに引
力Fa は、目標点に向かう単位ベクトルをrとすると、 と表すことができる。
【0146】(障害物周りの回転力)さらに、障害物周
りの回転力Ft を定義する。回転力Ft は、障害物に沿
って回転する運動を生成する力であり、等ポテンシャル
面に対しては平行に作用する。障害物の回転方向は2方
向あるが、ここでは、時計方向(Fr ×Ft <0の方
向)の回転を正回転と定める。回転力Ft の大きさは、
斥力Fr と同様に障害物に接近するほど強くなるように
設定する。つまり、回転力Ft は、 で与えられる。
りの回転力Ft を定義する。回転力Ft は、障害物に沿
って回転する運動を生成する力であり、等ポテンシャル
面に対しては平行に作用する。障害物の回転方向は2方
向あるが、ここでは、時計方向(Fr ×Ft <0の方
向)の回転を正回転と定める。回転力Ft の大きさは、
斥力Fr と同様に障害物に接近するほど強くなるように
設定する。つまり、回転力Ft は、 で与えられる。
【0147】(障害物の仮想引力)最後に、障害物の仮
想引力Fv を定義する。仮想引力Fv は運動の連続性を
保証するために導入された仮想的な力である。ここで、
仮想引力Fv の方向は斥力Fr と反対方向であり、大き
さは引力Fa と等しく設定している。すなわち、 である。
想引力Fv を定義する。仮想引力Fv は運動の連続性を
保証するために導入された仮想的な力である。ここで、
仮想引力Fv の方向は斥力Fr と反対方向であり、大き
さは引力Fa と等しく設定している。すなわち、 である。
【0148】以上の4つの力を表2に整理する。
【0149】表 2 また、障害物に対してこれらの力が如何に作用するかを
図42に示す。
図42に示す。
【0150】(ロボットの行動の形成)つぎに、先に示
した4つの力の組合せによってロボットの合目的的行動
を形成する。ここでは、障害物との衝突を避けながら目
的地に向かう行動様式、および、障害物を迂回する行動
様式を導入する。
した4つの力の組合せによってロボットの合目的的行動
を形成する。ここでは、障害物との衝突を避けながら目
的地に向かう行動様式、および、障害物を迂回する行動
様式を導入する。
【0151】(基本走行の形成)ロボットの行動の原則
は、障害物への衝突を避けながら目標点に向かうことで
ある。このような極めて基本的な行動様式を「基本走行
モード」と呼ぶ。基本走行モードを実現する力Fb を、
障害物の斥力Fr と目標点の引力Fa との和、すなわ
ち、 で与える。斥力Fr と引力Fa との間には、常に、 の関係が存在するため、基本走行モード実現力Fb はロ
ボットに対して常に目標点に接近するように作用する。
ゆえに、基本行動モードだけで目標点に到達する場合も
ありうる。しかしながら、基本行動モードでは基本走行
モード実現力Fb=0の点、いわゆる「停留点」が発生
し、ここに至ればロボットは停留することになる。
は、障害物への衝突を避けながら目標点に向かうことで
ある。このような極めて基本的な行動様式を「基本走行
モード」と呼ぶ。基本走行モードを実現する力Fb を、
障害物の斥力Fr と目標点の引力Fa との和、すなわ
ち、 で与える。斥力Fr と引力Fa との間には、常に、 の関係が存在するため、基本走行モード実現力Fb はロ
ボットに対して常に目標点に接近するように作用する。
ゆえに、基本行動モードだけで目標点に到達する場合も
ありうる。しかしながら、基本行動モードでは基本走行
モード実現力Fb=0の点、いわゆる「停留点」が発生
し、ここに至ればロボットは停留することになる。
【0152】(壁沿走行の生成)目標点の方向に障害物
が立ちはだかった場合、人間なら障害物を迂回しながら
新たな経路の発見に務めるであろう。このような意図に
基づく行動様式を「壁沿走行モード」と呼ぶ。
が立ちはだかった場合、人間なら障害物を迂回しながら
新たな経路の発見に務めるであろう。このような意図に
基づく行動様式を「壁沿走行モード」と呼ぶ。
【0153】壁沿走行を生成する力Fw を、障害物の斥
力Fr 、障害物の仮想引力Fv 、および、障害物の回転
力Ft の3つの力の和、 で与える。つまり壁沿走行モードでは、ロボットは斥力
Fr と仮想引力Fv の釣合いによって障害物までの距離
を一定間隔に保ち、回転力Ft によって等ポテンシャル
面に沿って走行する。
力Fr 、障害物の仮想引力Fv 、および、障害物の回転
力Ft の3つの力の和、 で与える。つまり壁沿走行モードでは、ロボットは斥力
Fr と仮想引力Fv の釣合いによって障害物までの距離
を一定間隔に保ち、回転力Ft によって等ポテンシャル
面に沿って走行する。
【0154】等ポテンシャル面は連続であるので、壁沿
走行モードでは停留は生じない。しかしながら、この走
行モードでは、最も近い障害物の周りを臨界線に沿って
無限に周回するだけで、決して目標点に到着することは
できない。
走行モードでは停留は生じない。しかしながら、この走
行モードでは、最も近い障害物の周りを臨界線に沿って
無限に周回するだけで、決して目標点に到着することは
できない。
【0155】(経路探索行動の生成)先に示した走行モ
ードを用いて、ロボットの経路探索行動を生成する。基
本走行モードと壁沿走行モードには、それぞれ「停
留」、「閉ループの形成」という異なる問題が含まれて
いる。しかしながら、2つの走行様式を相補的に組み合
わせれば、これらの問題が解決される可能性がある。こ
うした考え方に基づく行動様式を「相補走行モード」と
呼ぶ。
ードを用いて、ロボットの経路探索行動を生成する。基
本走行モードと壁沿走行モードには、それぞれ「停
留」、「閉ループの形成」という異なる問題が含まれて
いる。しかしながら、2つの走行様式を相補的に組み合
わせれば、これらの問題が解決される可能性がある。こ
うした考え方に基づく行動様式を「相補走行モード」と
呼ぶ。
【0156】相補走行モードにおける問題は、2つの行
動モードをいかに使い分けるかに集約される。ここで
は、モード遷移を行うときには基本走行モード実現力F
b と壁沿走行生成力Fw の方向が同じであるように、遷
移点として極値点を選ぶ。そして、出発点または極大点
から極小点までの行動を基本走行モードが受持ち、極小
点から極大点までの走行を壁沿走行モードが受けもつ。
動モードをいかに使い分けるかに集約される。ここで
は、モード遷移を行うときには基本走行モード実現力F
b と壁沿走行生成力Fw の方向が同じであるように、遷
移点として極値点を選ぶ。そして、出発点または極大点
から極小点までの行動を基本走行モードが受持ち、極小
点から極大点までの走行を壁沿走行モードが受けもつ。
【0157】図43には、相補走行モードによる行動様式
と遷移のポイントが示されている。
と遷移のポイントが示されている。
【0158】ほとんどの環境においては、先に示した相
補行動モードによって出発点から目標点に至る経路を生
成することができる。しかしながら、相補行動モードに
おいても、環境の形状によっては閉ループが形成され、
そこから脱出できないことがある。こうした閉ループ形
成の問題に対し、目標点と閉ループの位置関係によって
つぎのような対策を構じる。
補行動モードによって出発点から目標点に至る経路を生
成することができる。しかしながら、相補行動モードに
おいても、環境の形状によっては閉ループが形成され、
そこから脱出できないことがある。こうした閉ループ形
成の問題に対し、目標点と閉ループの位置関係によって
つぎのような対策を構じる。
【0159】 ( イ) 目標点が閉ループの外側に存在する場合の対策 図44( a) に示した環境において相補走行を行った場合
には、P2 →P3 →P4 →P2 と巡回する閉ループが形
成される。この場合のように目標点が閉ループの外側に
存在するときは、閉ループ中の壁沿走行区間において、
極小点の数が極大点の数よりひとつ多い区間が存在す
る。以下、こうした走行区間を「不飽和走行区間」と呼
ぶことにする。図44( a) の例においては、不飽和走行
区間はP2→P3 →P4 の部分である。閉ループ生成の
原因はこの不飽和走行にある。そのため、再度、不飽和
走行区間を通過する際には、最後の極大点(図44( a)
の例ではP4 )に至っても壁沿走行モードを継続し、つ
ぎの極大点で基本走行モードに遷移する。こうした対策
によって不飽和走行区間は飽和走行に変わり、閉ループ
から脱出することができる。
には、P2 →P3 →P4 →P2 と巡回する閉ループが形
成される。この場合のように目標点が閉ループの外側に
存在するときは、閉ループ中の壁沿走行区間において、
極小点の数が極大点の数よりひとつ多い区間が存在す
る。以下、こうした走行区間を「不飽和走行区間」と呼
ぶことにする。図44( a) の例においては、不飽和走行
区間はP2→P3 →P4 の部分である。閉ループ生成の
原因はこの不飽和走行にある。そのため、再度、不飽和
走行区間を通過する際には、最後の極大点(図44( a)
の例ではP4 )に至っても壁沿走行モードを継続し、つ
ぎの極大点で基本走行モードに遷移する。こうした対策
によって不飽和走行区間は飽和走行に変わり、閉ループ
から脱出することができる。
【0160】 ( ロ) 目標点が閉ループの内側に存在する場合の対策 図44( b) の例では、ロボットはP1 で停留した後、P
1 →P2 →P3 →P4→P5 →P6 →P1 と経由する閉
ループを形成する。この場合のように、目標点が閉ルー
プの内側に存在するときは、閉ループの成立を確認した
点P1 で障害物周りの回転力Ft の回転方向を反転す
る。こうした対策によりロボットは、P1→P6 →P5
→P4 →P3 →P7 と走行し、目標点に到達する。たと
え目標点に到達しない場合でも、そこにより接近するこ
とができる。
1 →P2 →P3 →P4→P5 →P6 →P1 と経由する閉
ループを形成する。この場合のように、目標点が閉ルー
プの内側に存在するときは、閉ループの成立を確認した
点P1 で障害物周りの回転力Ft の回転方向を反転す
る。こうした対策によりロボットは、P1→P6 →P5
→P4 →P3 →P7 と走行し、目標点に到達する。たと
え目標点に到達しない場合でも、そこにより接近するこ
とができる。
【0161】なお、目標点が閉ループの外側か内側かの
判断を行うには、形成した閉ループ内の極値点の数を数
えればよい。もし極小点の数が極大点より1つ多い場合
には目標点は閉ループの外に存在し、同数の場合には内
側に存在する。
判断を行うには、形成した閉ループ内の極値点の数を数
えればよい。もし極小点の数が極大点より1つ多い場合
には目標点は閉ループの外に存在し、同数の場合には内
側に存在する。
【0162】図45には、相補走行モードに対して閉ルー
プ対策を織り込んだ経路探索生成のためのアルゴリズム
が示されている。また、図46には、この経路探索アルゴ
リズムに基づく経路探索行動の実行例が示されている。
この場合、回転方向の初期値としては時計周りを指定し
ている。
プ対策を織り込んだ経路探索生成のためのアルゴリズム
が示されている。また、図46には、この経路探索アルゴ
リズムに基づく経路探索行動の実行例が示されている。
この場合、回転方向の初期値としては時計周りを指定し
ている。
【0163】出発点Sを基本走行モードで出発したロボ
ットは障害物Aにおける極小点P2において壁沿走行モ
ードに遷移し、P3 を経由してつぎの極大点P4 におい
て再び基本走行モードに遷移する。そして、障害物Bに
おける極小点P7 において壁沿走行モードに遷移し、つ
ぎの極大点P8 において基本走行モードに遷移する。と
ころが、この場合には、再びP2 に至り、P2 →P3 →
P4 →P7 →P6 →P2 と巡る閉ループを形成する。
ットは障害物Aにおける極小点P2において壁沿走行モ
ードに遷移し、P3 を経由してつぎの極大点P4 におい
て再び基本走行モードに遷移する。そして、障害物Bに
おける極小点P7 において壁沿走行モードに遷移し、つ
ぎの極大点P8 において基本走行モードに遷移する。と
ころが、この場合には、再びP2 に至り、P2 →P3 →
P4 →P7 →P6 →P2 と巡る閉ループを形成する。
【0164】この閉ループにおいては目標点がその外側
に存在しており、P2 →P3 →P4が不飽和走行区間で
ある。そのため、ロボットが再度P4 に至ったときは基
本走行モードの遷移を保留して壁沿走行モードを継続
し、つぎの極大点P5 において改めて基本走行モードに
遷移する。その結果、ロボットは障害物AおよびBから
脱出することができる。
に存在しており、P2 →P3 →P4が不飽和走行区間で
ある。そのため、ロボットが再度P4 に至ったときは基
本走行モードの遷移を保留して壁沿走行モードを継続
し、つぎの極大点P5 において改めて基本走行モードに
遷移する。その結果、ロボットは障害物AおよびBから
脱出することができる。
【0165】一方、障害物C、Dの近傍を走行する場合
には、極小点P15において停留した後に、P15→P16→
P11→P12→P13→P14→P15と巡る閉ループを形成す
る。この閉ループにおいては目標点がその内側に存在す
るので、閉ループの形成を確認した点P15において回転
方向を反転させる。この対策によってロボットはP15→
P14→P13→P12→P11→P10と走行し、目標点に到達
することができる。
には、極小点P15において停留した後に、P15→P16→
P11→P12→P13→P14→P15と巡る閉ループを形成す
る。この閉ループにおいては目標点がその内側に存在す
るので、閉ループの形成を確認した点P15において回転
方向を反転させる。この対策によってロボットはP15→
P14→P13→P12→P11→P10と走行し、目標点に到達
することができる。
【0166】図47には、この経路探索アルゴリズムのシ
ミュレーション結果が示されている。本経路探索アルゴ
リズムにおいては、ロボットは如何に複雑な走行環境に
おいても、必ず出発点から目標点に至る経路を実用時間
内に発見することができる。
ミュレーション結果が示されている。本経路探索アルゴ
リズムにおいては、ロボットは如何に複雑な走行環境に
おいても、必ず出発点から目標点に至る経路を実用時間
内に発見することができる。
【0167】(実用的な経路の生成)ポテンシャル法に
よって生成される経路は、ポテンシャルの局所的な状態
に依存しているため、大局的には必ずしも妥当なもので
はない。そこで、つぎのような手段を構じて実用的な経
路を形成する。
よって生成される経路は、ポテンシャルの局所的な状態
に依存しているため、大局的には必ずしも妥当なもので
はない。そこで、つぎのような手段を構じて実用的な経
路を形成する。
【0168】( イ) 探索した経路の補正 まず、「張力」という概念に基づいて経路の探索した経
路を補正する方法を示す。これは「探索した経路を紐と
考え、障害物からの斥力が存在する状態で両端を引っ張
ると、紐は斥力と張力が釣り合う状態で安定する」とい
う考え方に基づく経路補正法である。
路を補正する方法を示す。これは「探索した経路を紐と
考え、障害物からの斥力が存在する状態で両端を引っ張
ると、紐は斥力と張力が釣り合う状態で安定する」とい
う考え方に基づく経路補正法である。
【0169】図48には、探索した経路の補正法の概念図
が示されている。また図49には、図47に示した探索経路
に対して張力補正法を適用することによって補正した探
索経路が示されている。
が示されている。また図49には、図47に示した探索経路
に対して張力補正法を適用することによって補正した探
索経路が示されている。
【0170】( ロ) 初期値の変更 経路探索は行動に先だって行われるタスクであるため、
あらかじめいくつかの経路を生成しておいて、その中か
ら最適なものを選ぶことができる。先に示した経路探索
アルゴリズムにおいては、初期値として指定する回転方
向(時計方向/反時計方向)は任意に設定することがで
きる。また、出発点と目標点も絶対的な意味をもたない
ので、それらを交換することが可能である。ゆえに、こ
れら2種類の初期値を変更することによって、最大4通
りの経路を得ることができる。ロボットの行動経路とし
ては、この中で最も好ましいものを選択すればよいので
ある。
あらかじめいくつかの経路を生成しておいて、その中か
ら最適なものを選ぶことができる。先に示した経路探索
アルゴリズムにおいては、初期値として指定する回転方
向(時計方向/反時計方向)は任意に設定することがで
きる。また、出発点と目標点も絶対的な意味をもたない
ので、それらを交換することが可能である。ゆえに、こ
れら2種類の初期値を変更することによって、最大4通
りの経路を得ることができる。ロボットの行動経路とし
ては、この中で最も好ましいものを選択すればよいので
ある。
【0171】ここに示した実用的な行動経路の形成戦略
は、ポテンシャル法に基づいて形成した経路における大
局的妥当性に関する問題をある程度の緩和する措置とな
っている。
は、ポテンシャル法に基づいて形成した経路における大
局的妥当性に関する問題をある程度の緩和する措置とな
っている。
【0172】(センサ情報に基づく行動形成)本情報処
理装置においては、センサ情報は距離値化され、距離値
の統合プロセスにおいて冗長な情報が除去され、内部表
現化される。しかしながら、センサ情報は情報処理空間
に関する限定された情報であるため、距離値にはそこに
残存する曖昧さが距離値の幅として表現されている。
理装置においては、センサ情報は距離値化され、距離値
の統合プロセスにおいて冗長な情報が除去され、内部表
現化される。しかしながら、センサ情報は情報処理空間
に関する限定された情報であるため、距離値にはそこに
残存する曖昧さが距離値の幅として表現されている。
【0173】一方、距離値を環境地図として使用してい
る場合には、最大距離値と最小距離値が一致する特別な
状態である。ゆえに、センサ情報を環境地図として使用
するということは、曖昧さを含む距離値から実際の距離
値を推定することを意味することになる。
る場合には、最大距離値と最小距離値が一致する特別な
状態である。ゆえに、センサ情報を環境地図として使用
するということは、曖昧さを含む距離値から実際の距離
値を推定することを意味することになる。
【0174】ここで、距離値の確率分布はΦmax(p:
q) とΦmin(p: q) の間で対称であるという仮定を導
入すると、点pの距離値の最大値Φe は、 となる。この仮定は、距離値の表現が占有領域と自由領
域に対して対象的に定義されていることを考慮すれば、
妥当なものである。
q) とΦmin(p: q) の間で対称であるという仮定を導
入すると、点pの距離値の最大値Φe は、 となる。この仮定は、距離値の表現が占有領域と自由領
域に対して対象的に定義されていることを考慮すれば、
妥当なものである。
【0175】また、点pにおける距離値ポテンシャルの
最大値をΨe(p) と表すと、Ψe(p) はΦe(p) の逆数
で定義され、 で与えられる。
最大値をΨe(p) と表すと、Ψe(p) はΦe(p) の逆数
で定義され、 で与えられる。
【0176】このように、情報処理空間における距離値
および距離値ポテンシャルがセンサ情報から推定できる
ため、センサ情報に基づく行動生成戦略においては環境
地図に基づく行動生成戦略がそっくり利用できることに
なる。
および距離値ポテンシャルがセンサ情報から推定できる
ため、センサ情報に基づく行動生成戦略においては環境
地図に基づく行動生成戦略がそっくり利用できることに
なる。
【0177】例えば、「センサ情報を用いて目的まで移
動する」というタスクを考える。
動する」というタスクを考える。
【0178】この場合、ロボットは走行しながら環境情
報を蓄積して行く。そして、ロボットの観測活動によっ
て情報処理における最大距離値と最小距離値は次第に接
近して行く。
報を蓄積して行く。そして、ロボットの観測活動によっ
て情報処理における最大距離値と最小距離値は次第に接
近して行く。
【0179】一方、環境地図に基づく行動形成戦略にお
いては、任意の形状の環境において任意の2点間の経路
を形成できることが保証されている。そのため、走行環
境が未知であっても、センサ情報だけを利用して目的地
に到達することができるのである。
いては、任意の形状の環境において任意の2点間の経路
を形成できることが保証されている。そのため、走行環
境が未知であっても、センサ情報だけを利用して目的地
に到達することができるのである。
【0180】(未知環境の探索と地図の作成)ロボット
の能力が向上すれば、未知環境を自律的に移動しながら
地図を作成するといったタスクへの応用が考えられる。
ここでは、本情報処理装置の未知環境の探索と地図の作
成を目的としたタスクの行動生成への適用例を示す。
の能力が向上すれば、未知環境を自律的に移動しながら
地図を作成するといったタスクへの応用が考えられる。
ここでは、本情報処理装置の未知環境の探索と地図の作
成を目的としたタスクの行動生成への適用例を示す。
【0181】未知環境探索のための経路生成アルゴリズ
ムが図50に示されている。このアルゴリズムは、未知環
境を探索する上で安全で効率的な場所をサブゴールとし
て選定し、そこを当面の移動目標として観測活動を行う
という行動パターンの繰り返しによって構成されてい
る。また、未知環境の探索によって獲得した環境情報に
よって本情報処理装置における距離値の幅は次第に減少
して行くが、これはまさに環境地図作成のプロセスに対
応することになる。
ムが図50に示されている。このアルゴリズムは、未知環
境を探索する上で安全で効率的な場所をサブゴールとし
て選定し、そこを当面の移動目標として観測活動を行う
という行動パターンの繰り返しによって構成されてい
る。また、未知環境の探索によって獲得した環境情報に
よって本情報処理装置における距離値の幅は次第に減少
して行くが、これはまさに環境地図作成のプロセスに対
応することになる。
【0182】図51には、先に提案した未知環境探索およ
び地図作成のための経路探索および地図の作成アルゴリ
ズムのシミュレーションによって得られたロボットの探
索経路が示されている。図中の丸印はロボットの観測点
を示している。この図から、ロボットは探索領域として
指定された範囲をむらなく効率的に探索していることが
分かる。
び地図作成のための経路探索および地図の作成アルゴリ
ズムのシミュレーションによって得られたロボットの探
索経路が示されている。図中の丸印はロボットの観測点
を示している。この図から、ロボットは探索領域として
指定された範囲をむらなく効率的に探索していることが
分かる。
【0183】図52は、観測回数10回ごとの障害物の存在
確率が変化する様子を示したものである。
確率が変化する様子を示したものである。
【0184】このように本情報処理装置を用いることに
よって、従来は手探りで行われていたロボットの行動計
画を、客観的で合理的な手段によって実現することがで
きることになる。
よって、従来は手探りで行われていたロボットの行動計
画を、客観的で合理的な手段によって実現することがで
きることになる。
【0185】なお、本発明は前述した実施例に限定され
るものではなく、様々な応用が可能である。
るものではなく、様々な応用が可能である。
【0186】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の情報処理
方法および情報処理装置の情報表現構造は、 ・曖昧さを許容した情報表現が可能である ・標本点の属性値が大局的情報を保持している ・標本点の属性値が相互に結合している といった特徴を有している。
方法および情報処理装置の情報表現構造は、 ・曖昧さを許容した情報表現が可能である ・標本点の属性値が大局的情報を保持している ・標本点の属性値が相互に結合している といった特徴を有している。
【0187】また、本発明における情報変換装置は、 ・従来は破棄されていた情報を利用することができる ・曖昧さを含む情報を表現することができる ・多様な情報に適用することができる ・冗長な情報を除去することができる ・画一的な信号処理で構成することができる といった特徴を有している。
【0188】そのため、本発明の情報処理方法および装
置は、 ・曖昧な情報を定量的することができる ・大局的情報を局所的情報で把握することができる ・マルチセンサシステムに適用することができる ・記号的情報とパターン的情報を統合的に処理すること
ができる ・実用時間で処理することができる といった効果を奏することができる。
置は、 ・曖昧な情報を定量的することができる ・大局的情報を局所的情報で把握することができる ・マルチセンサシステムに適用することができる ・記号的情報とパターン的情報を統合的に処理すること
ができる ・実用時間で処理することができる といった効果を奏することができる。
【0189】したがって、本発明の情報処理方法および
情報処理装置を環境認識機能の実現のための情報処理に
適用した場合、 ・障害物の存在 ・情報処理空間の曖昧さ ・情報処理空間の情報密度 等を定量的に評価することができる。これらは、情報処
理空間を客観的に評価する上で有益な指標となるもので
ある。
情報処理装置を環境認識機能の実現のための情報処理に
適用した場合、 ・障害物の存在 ・情報処理空間の曖昧さ ・情報処理空間の情報密度 等を定量的に評価することができる。これらは、情報処
理空間を客観的に評価する上で有益な指標となるもので
ある。
【0190】また、こうした定量化した環境情報を利用
すれば、 ・移動障害物の認識 ・未来の状態の予測 ・自己位置の推定 といった環境認識機能も容易に実現することができる。
すれば、 ・移動障害物の認識 ・未来の状態の予測 ・自己位置の推定 といった環境認識機能も容易に実現することができる。
【0191】さらに、本発明の情報処理方法および情報
処理装置は、知能ロボットの行動形成に適用することが
できる。この知能ロボットの行動形成においては、 ・障害物の形状や数に影響されない行動を形成すること
ができる ・移動物体の移動形態に影響されない行動を形成するこ
とができる ・センサ情報に立脚した行動を形成することができる ・実用時間内で行動を形成することができる ・妥当性が保証された行動を形成することができる ・大局的価値観と局所的価値観を調和させることができ
る という効果を奏することができる。。
処理装置は、知能ロボットの行動形成に適用することが
できる。この知能ロボットの行動形成においては、 ・障害物の形状や数に影響されない行動を形成すること
ができる ・移動物体の移動形態に影響されない行動を形成するこ
とができる ・センサ情報に立脚した行動を形成することができる ・実用時間内で行動を形成することができる ・妥当性が保証された行動を形成することができる ・大局的価値観と局所的価値観を調和させることができ
る という効果を奏することができる。。
【0192】一方、本発明の情報処理方法および情報処
理装置は学習や記憶といった機能とも強い関連を有して
いる。たとえば、情報を内部表現に変換するメカニズム
は学習に、経路探索における停留や閉ループ生成は固定
記憶の生成に、2点間の経路探索はシナプス結合に対応
させることができる。
理装置は学習や記憶といった機能とも強い関連を有して
いる。たとえば、情報を内部表現に変換するメカニズム
は学習に、経路探索における停留や閉ループ生成は固定
記憶の生成に、2点間の経路探索はシナプス結合に対応
させることができる。
【0193】また、距離値が幅を有する場合をパターン
的状態、距離値の幅が0の場合を記号的状態と捉え、距
離値の幅の増減を両者の状態遷移として位置づけるなら
ば、本発明の方法および装置はパターンと記号の統合的
処理が可能な方法および装置と考えることができる。
的状態、距離値の幅が0の場合を記号的状態と捉え、距
離値の幅の増減を両者の状態遷移として位置づけるなら
ば、本発明の方法および装置はパターンと記号の統合的
処理が可能な方法および装置と考えることができる。
【0194】さらに、本発明の装置においては、記憶機
能と演算機能をひとつのユニットに構成することが可能
である。ユニットにおける情報処理は非線形応答特性を
有するが、ニューロコンピュータのそれとは異なり、情
報は保存されている。また、各ユニットは非同期で作動
しても機能的に支障を生じるものではない。
能と演算機能をひとつのユニットに構成することが可能
である。ユニットにおける情報処理は非線形応答特性を
有するが、ニューロコンピュータのそれとは異なり、情
報は保存されている。また、各ユニットは非同期で作動
しても機能的に支障を生じるものではない。
【0195】このように本発明の方法および情報処理装
置は、知能ロボットにおける複雑なタスクを簡便に実現
することができるばかりでなく、工学的立場から概念形
成、記憶、認識、学習といった機能を工学的に実現する
情報処理へと発展する可能性を有している。
置は、知能ロボットにおける複雑なタスクを簡便に実現
することができるばかりでなく、工学的立場から概念形
成、記憶、認識、学習といった機能を工学的に実現する
情報処理へと発展する可能性を有している。
【図1】距離値の概念を示した図
【図2】図1に示した環境を距離値で表現した図
【図3】距離値の拘束関係を示した図
【図4】本情報処理装置の内部表現構造における距離値
の初期値を示した図
の初期値を示した図
【図5】ロボットに与えられる情報を示した図
【図6】図5に示した情報において、標本点が占有領域
に属することを示す情報を本情報処理装置の内部表現空
間にマッピングした状態を示した図
に属することを示す情報を本情報処理装置の内部表現空
間にマッピングした状態を示した図
【図7】図5に示した情報において、標本点が空白領域
に属する領域に含まれることを示す情報を本情報処理装
置の内部表現空間にマッピングした状態を示した図
に属する領域に含まれることを示す情報を本情報処理装
置の内部表現空間にマッピングした状態を示した図
【図8】距離値の統合演算の概念を示した図
【図9】図6と図7の距離値化された情報を統合した結
果を示した図
果を示した図
【図10】逐次型処理におけるラスター走査を示した図
【図11】距離値の拘束関係の適用における着目点と参
照点を示した図
照点を示した図
【図12】図9に示した第2距離値層に対し、距離値の
拘束関係を適用した結果を示した図
拘束関係を適用した結果を示した図
【図13】図12に示した第3距離値層に対して距離値の
圧縮を行った結果を示した図
圧縮を行った結果を示した図
【図14】ロボットに与えられた情報を本情報処理装置
の内部表現形式に変換するメカニズムのプロセスを示し
た図
の内部表現形式に変換するメカニズムのプロセスを示し
た図
【図15】光レンジセンサによる環境の観測の様子を示
した図
した図
【図16】図15に示した光レンジセンサによる観測によ
って得られた情報を表現した本情報処理装置の内部表現
空間を示した図
って得られた情報を表現した本情報処理装置の内部表現
空間を示した図
【図17】光レンジセンサによる環境のスキャニングの
様子を示した図
様子を示した図
【図18】図17に示した光レンジセンサによる観測によ
って得られた情報を表現した本情報処理装置の内部表現
空間を示した図
って得られた情報を表現した本情報処理装置の内部表現
空間を示した図
【図19】情報発生源が広がりを有する場合の扱い方を
示した図
示した図
【図20】「図19に示した領域のどこかに障害物が存在
する」という情報を距離値化した結果を示した図
する」という情報を距離値化した結果を示した図
【図21】超音波センサによる環境の観測の様子と、そ
れによって得られる情報の意味を示した図
れによって得られる情報の意味を示した図
【図22】超音波センサの感度領域を情報発生源とする
情報の距離値化における説明図
情報の距離値化における説明図
【図23】図21に示した超音波センサによる環境の観測
によって得られた情報を表現した本情報処理装置の内部
表現空間を示した図
によって得られた情報を表現した本情報処理装置の内部
表現空間を示した図
【図24】複数の超音波センサによる環境の観測の様子
を示した図
を示した図
【図25】図17と図24に示した観測によって得た2種類
のセンサ情報を表現した本情報処理装置の内部表現空間
のΦ−x断面を示した図
のセンサ情報を表現した本情報処理装置の内部表現空間
のΦ−x断面を示した図
【図26】図17と図24に示した観測によって得た2種類
のセンサによって得られた複数の情報を表現した本情報
処理装置の内部表現空間を示した図
のセンサによって得られた複数の情報を表現した本情報
処理装置の内部表現空間を示した図
【図27】光レンジセンサによる環境の観測のスキャニ
ングの様子を示した図
ングの様子を示した図
【図28】図27に示した光レンジセンサによる観測によ
って得られた情報を表現した本情報処理装置の内部表現
構造を示した図
って得られた情報を表現した本情報処理装置の内部表現
構造を示した図
【図29】図28に示した本情報処理装置における内部表
現情報に基づいて求めた障害物の存在確率を示した図
現情報に基づいて求めた障害物の存在確率を示した図
【図30】移動物体が存在する環境においてロボットが
光レンジセンサを用いて観測活動を行っている様子を示
した図
光レンジセンサを用いて観測活動を行っている様子を示
した図
【図31】図30の観測結果を表現した本情報処理装置を
用いて推定した障害物の存在確率を示した図
用いて推定した障害物の存在確率を示した図
【図32】図31に示した障害物の存在確率の差分を示し
た図
た図
【図33】図28に示した本情報処理装置に内部表現され
た情報に基づいて求めた、環境の曖昧さを示す図
た情報に基づいて求めた、環境の曖昧さを示す図
【図34】図28に示した本情報処理装置に内部表現され
た情報に基づいて求めた、属する領域の曖昧さを示す図
た情報に基づいて求めた、属する領域の曖昧さを示す図
【図35】本情報処理装置に内部表現された情報に基づ
いて求めた、情報処理空間の情報密度を示した図
いて求めた、情報処理空間の情報密度を示した図
【図36】過去の2つの距離値の外挿による未来の距離
値の推定の考え方を示した図
値の推定の考え方を示した図
【図37】複数の移動物体が存在する環境における、ロ
ボットの観測活動と移動を示した図
ボットの観測活動と移動を示した図
【図38】本情報処理装置に基づいて推定された過去・
現在・未来における障害物の存在領域を示した図
現在・未来における障害物の存在領域を示した図
【図39】走行環境の等距離値面を示した図
【図40】走行環境の等距離値ポテンシャル面を示した
図
図
【図41】障害物の斥力と目標点の引力の大きさの比較
を示した図
を示した図
【図42】障害物近傍の距離値ポテンシャルとロボット
に作用する力を示した図
に作用する力を示した図
【図43】相補走行モードにおける基本走行モードと壁
沿走行モードの遷移点を示した図
沿走行モードの遷移点を示した図
【図44】閉ループ生成に対する対策の説明図
【図45】経路探索アルゴリズムを示した図
【図46】図45に示した探索行動生成アルゴリズムに基
づいて生成した経路の軌跡を示した図
づいて生成した経路の軌跡を示した図
【図47】経路探索アルゴリズムに基づく行動のシミュ
レーション結果を示した図
レーション結果を示した図
【図48】探索した経路の補正法を示した図
【図49】図47に示した探索経路に対して補正を行った
結果を示した図
結果を示した図
【図50】未知環境探索のための行動形成アルゴリズム
を示した図
を示した図
【図51】図50に示した未知環境探索のための行動形成
アルゴリズムのシミュレーション結果を示した図
アルゴリズムのシミュレーション結果を示した図
【図52】未知環境の探索に伴う障害物の存在確率の変
化、つまり環境地図の作成状況を示した図
化、つまり環境地図の作成状況を示した図
Claims (2)
- 【請求項1】 大量に与えられる多様な情報を段階的な
処理により距離値と称する新たに導入した情報表現形式
に変換し、それに基づいて合目的的行動の実現に不可欠
な機能を生成することを特徴とする知能ロボットのため
の情報処理方法。 - 【請求項2】 複数の情報を処理し、その質および量に
対して妥当な結果を導き出すことができるものにおい
て、情報を入力する複数の情報入力チャンネルおよび入
力された情報を距離値に変換する手段と、距離値として
内部表現された外界の情報に基づいて合目的的行動の実
現に必要不可欠な機能の生成に活用する手段を設けたこ
とを特徴とする知能ロボットのための情報処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP209193A JPH06208405A (ja) | 1993-01-08 | 1993-01-08 | 知能ロボットのための情報処理方法および情報処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP209193A JPH06208405A (ja) | 1993-01-08 | 1993-01-08 | 知能ロボットのための情報処理方法および情報処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06208405A true JPH06208405A (ja) | 1994-07-26 |
Family
ID=11519685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP209193A Pending JPH06208405A (ja) | 1993-01-08 | 1993-01-08 | 知能ロボットのための情報処理方法および情報処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06208405A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09222852A (ja) * | 1996-02-20 | 1997-08-26 | Fujitsu Ltd | 認知地図を持つ装置 |
JP2004163992A (ja) * | 2002-08-20 | 2004-06-10 | Advanced Telecommunication Research Institute International | エージェントコントローラおよびコンピュータで実行可能なエージェント制御プログラム |
JP2017194831A (ja) * | 2016-04-20 | 2017-10-26 | トヨタ自動車株式会社 | 移動体の自動運転制御システム |
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JP2019518932A (ja) * | 2016-03-31 | 2019-07-04 | エヌイーシー ラボラトリーズ ヨーロッパ ゲーエムベーハー | 物体の動作を予測する方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS63133212A (ja) * | 1986-11-26 | 1988-06-06 | Fujitsu Ltd | ロボツトの適応制御方法 |
JPS63200210A (ja) * | 1987-02-16 | 1988-08-18 | Fujitsu Ltd | ロボツトの姿勢制御方法 |
-
1993
- 1993-01-08 JP JP209193A patent/JPH06208405A/ja active Pending
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