JP2551362B2 - Ｃｃｄテレビカメラ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はＣＣＤ（電荷結合素子）
を用いたテレビカメラに係り、特に電子シャッタ機能を
有するＣＣＤテレビカメラに関する。

【０００２】

【従来の技術】工場の検査ラインなどでは、移動する製
品をＣＣＤテレビカメラで撮影し、その画像を処理する
ことで製品の自動検査を行う方法がよく採用されてい
る。このような移動する被写体をぶれなく撮影するため
にストロボ発光による画像の取り込みが行われている。

【０００３】図４は従来のストロボ発光型ＣＣＤテレビ
カメラの一例を示すブロック図であり、図５はその動作
例を示すタイミングチャートである。

【０００４】図４において、ストロボタイミング発生回
路１１はトリガ信号を出力し、そのトリガ信号に従って
ドライバ１２はストロボ１３を発光させる。また、ＣＣ
Ｄテレビカメラ１４はトリガ信号を入力し、ストロボ１
３の発光により照明された被写体の画像をＣＣＤ撮像素
子１０によって電気信号に変換する。なお、図示されて
いないが、ＣＣＤテレビカメラにはＣＣＤ撮像素子１上
に被写体像を結像させるためのレンズ系が設けられてい
る。

【０００５】ＣＣＤ撮像素子１０は奇数ライン及び偶数
ラインからなる２次元配列画素を有し、それぞれのライ
ンの画素が１／３０秒間の電荷蓄積を行い、図５に示す
ように、各ラインを１／６０秒毎、即ち１フィールド毎
に交互に読み出すことで１フレーム分の映像信号を得て
いる。

【０００６】ストロボ発光型カメラではストロボ発光時
の照度に合わせてレンズ絞りを調整しているために、図
５に示すように、ストロボ発光のない期間はＣＣＤ素子
に入射する光量が少なくなり、その結果、電荷の読み出
しを行っても映像信号が出力されない。

【０００７】ストロボ発光があると、奇数ライン及び偶
数ラインのＣＣＤ画素に電荷が蓄積され（図５の斜線
部）、次の電荷読み出し信号によって奇数ラインの蓄積
電荷が読み出されて１フィールド分の映像信号が出力さ
れ、更に続く電荷読み出し信号によって偶数ラインの蓄
積電荷が読み出されて１フィールド分の映像信号が出力
される。こうして、ストロボ発光後の２フィールド期間
で１フレーム分の映像信号が出力される。

【０００８】このようにストロボによって照らされた被
写体の画像だけがＣＣＤテレビカメラに取り込まれるた
めに、ストロボ発光期間を短くすることで高速度撮影が
可能となり、移動する被写体の画像を静止画像のように
ぶれなく取り込むことができる。

【０００９】ストロボ型の他に、電子シャッタを用いた
ＣＣＤテレビカメラも提案されている。この種のＣＣＤ
テレビカメラでは、移動する被写体を検知するセンサ等
の出力をトリガ信号として用い、このトリガ信号に従っ
てＣＣＤ撮像素子の電子シャッタを動作させ電荷蓄積及
び読み出し動作を行うことで、移動する被写体の画像を
ぶれなく取り込むことができる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ストロボ型テレビカメラでは、ストロボ発光装置を組込
むためのスペースが必要となるために、機器の小型化が
困難となり、更にストロボの発光回数には寿命があるた
めに定期的な交換が必要になる。また、従来の電子シャ
ッタ型テレビカメラでは、取り込む画像が１フィールド
分だけであるために、垂直解像度が劣化するという問題
があった。

【００１１】本発明の目的は、ストロボを用いずに解像
度の優れた移動被写体画像を取り込むことができるＣＣ
Ｄテレビカメラを提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明によるＣＣＤテレ
ビカメラは、１フレーム分の全画素を読み出すことがで
きる縦型オーバーフロードレイン構造のインターライン
転送形ＣＣＤ撮像素子と、画像取り込みのタイミングを
示すトリガ信号に同期して前記ＣＣＤ撮像素子の全画素
を電荷掃き出し状態から電荷蓄積状態にするシャッタ手
段と、前記ＣＣＤ撮像素子に蓄積された１フレーム分の
信号電荷を読み出す信号電荷読み出し手段と、前記読み
出された信号電荷を撮像信号として信号処理しテレビジ
ョン信号を生成する信号処理手段と、からなることを特
徴とする。

【００１３】

【作用】トリガ信号に同期して、シャッタ手段はＣＣＤ
撮像素子の１フレーム分の画素を電荷蓄積状態にし、信
号電荷が蓄積された時点で信号電荷読み出し手段は１フ
レーム分の全画素の信号電荷を読み出す。読み出された
１フレーム分の信号電荷はノンインターレース撮像信号
として信号処理手段によって処理され、高解像度のテレ
ビジョン信号として出力される。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。

【００１５】図１は本発明によるＣＣＤテレビカメラの
一実施例を示すブロック構成図であり、図２はＣＣＤ撮
像素子の画素構成を示す模式図である。

【００１６】図１において、ＣＣＤ撮像素子１はインタ
ーライン転送形エリアセンサであり、各画素に入射光量
に応じた電荷が蓄積され、それらが駆動制御回路２から
の駆動信号に従って順次転送され、１フレーム分の全画
素電荷が撮像信号として映像信号処理回路３へ送出され
る。

【００１７】駆動制御回路２は、リセット信号、水平転
送信号、垂直転送信号、電荷読み出し信号などの駆動信
号をＣＣＤ撮像素子１へ出力する。なお、ＣＣＤ撮像素
子１の各画素に蓄積された信号電荷を読み出すための電
荷読み出し信号は、垂直転送信号に重畳されてＣＣＤ撮
像素子１へ出力される。

【００１８】映像信号処理回路３は、ＣＣＤ撮像素子１
から入力した撮像信号に対してインターレース変換、サ
ンプルホールド、クランプ、増幅、リセットノイズ除
去、γ処理などの映像信号処理を行い、それに同期信号
を付加してテレビジョン信号として出力する。後述する
ように、ＣＣＤ撮像素子１からの撮像信号は１フレーム
のノンインターレースで出力されるために、ビデオメモ
リ等の記憶回路を設けて、この記憶回路に撮像信号を記
憶させてインターレースのテレビジョン信号に変換して
いる。

【００１９】ＣＣＤ撮像素子１は、図２に示すように、
フォトダイオードＰＤがエリア状に配列され、各列のフ
ォトダイオードＰＤが転送ゲート領域を介して各垂直転
送路に接続された構造を有する。光入射によってフォト
ダイオードＰＤに蓄積された各画素の信号電荷は、電荷
読み出し信号によって転送ゲート領域を通して各垂直転
送路へ読み出され、同時に垂直転送信号に従って水平転
送路へ順次転送され、更に水平転送信号によって撮像信
号として映像信号処理回路３へ出力される。

【００２０】なお、本実施例では垂直転送路及び水平転
送路はＣＣＤレジスタで構成され、１フレーム分の信号
電荷を垂直転送路へ読み出すことから垂直転送路の段数
は、通常のインターライン転送形ＣＣＤ撮像素子の２倍
以上（４８５段）設けられている。

【００２１】ＣＣＤ撮像素子１の各画素は縦型オーバー
フロードレイン（ＶＯＤ）構造を有し、ＶＯＤ電子シャ
ッタ回路４からの電荷掃き捨て信号によって各画素の蓄
積電荷は基板半導体側へ掃き出される。言い換えれば、
ＶＯＤ電子シャッタ回路４からの電荷掃き捨て信号が立
ち上がると、ＣＣＤ撮像素子１は各画素に蓄積された電
荷を排出してリセット状態となり、電荷掃き捨て信号が
立ち下がると、各画素に入射光量に応じた信号電荷が蓄
積する電荷蓄積状態となる。

【００２２】同期信号発生回路５は、水平同期信号、垂
直同期信号等の同期信号を駆動制御回路２、映像信号処
理回路３及びＶＯＤ電子シャッタ回路４へ供給する。

【００２３】また、シャッタ動作タイミングを示すトリ
ガ信号は外部からトリガ信号入力回路６に入力し、トリ
ガ信号入力回路６はトリガ信号の立上りに同期したタイ
ミング信号を駆動制御回路２、ＶＯＤ電子シャッタ回路
４及び同期信号発生回路５へ出力する。

【００２４】次に、図３を参照しながら本実施例の具体
的動作を説明する。図３は本実施例の動作を説明するた
めのタイミングチャートである。

【００２５】トリガ信号が入力する前の状態では、ＶＯ
Ｄ電子シャッタ回路４から電荷掃き捨て信号がＣＣＤ撮
像素子１へ出力されており、ＣＣＤ撮像素子１の各画素
は常時リセット状態となっている。また、駆動制御回路
２は、ＣＣＤ撮像素子１へ水平転送信号と、電荷読み出
し信号を重畳していない垂直転送信号とを出力する。こ
のために、ＣＣＤ撮像素子１の水平転送路及び垂直転送
路には信号電荷が存在しない状態となっている。

【００２６】この状態でトリガ信号がトリガ信号入力回
路６に入力すると、その立上りに同期したタイミング信
号が駆動制御回路２、ＶＯＤ電子シャッタ回路４及び同
期信号発生回路５へ出力される。

【００２７】ＶＯＤ電子シャッタ回路４は、トリガ信号
の立上りに同期して電荷掃き捨て信号を停止し電子シャ
ッタを開く。即ち、ＣＣＤ撮像素子１はリセット状態か
ら電荷蓄積状態となる。ＣＣＤ撮像素子上には被写体像
が結像しているから、入射光に対応した量の信号電荷が
ＣＣＤ撮像素子１の各画素に蓄積される。

【００２８】シャッタ時間に相当する予め設定された蓄
積時間が経過すると、駆動制御回路２からＣＣＤ撮像素
子１へ出力される垂直転送信号に電荷読み出し信号が重
畳される。

【００２９】この電荷読み出し信号によって、ＣＣＤ撮
像素子１のフォトダイオードＰＤに蓄積された信号電荷
が１フレーム分全て垂直転送路へ読み出される。そし
て、垂直転送信号及び水平転送信号によって順次転送さ
れ、撮像信号としてＣＣＤ撮像素子１から映像信号処理
回路３へ出力される。

【００３０】ＣＣＤ撮像素子１から電荷読み出しが終了
すると、ＶＯＤ電子シャッタ回路４から電荷掃き捨て信
号が出力されてＣＣＤ撮像素子１はリセットされるとと
もに、駆動制御回路２からの垂直転送信号に電荷読み出
し信号が重畳されなくなる。

【００３１】ＣＣＤ撮像素子１から出力された撮像信号
は映像信号処理回路３を通してテレビジョン信号として
出力される。ただし、上述したようにＣＣＤ撮像素子１
からの撮像信号は１フレーム分の映像がノンインターレ
ースで出力されるために、そのままではテレビモニタに
表示することが出来ない。このために、映像信号処理回
路３にはビデオメモリ等の記憶回路を設けられており、
インターレース変換を行ってテレビジョン信号を得てい
る。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によるＣＣ
Ｄテレビカメラは、画像取り込みのタイミングを示すト
リガ信号に同期して電子シャッタを開き、ＣＣＤ撮像素
子の１フレーム分の全画素に信号電荷が蓄積された時点
で、その全画素の信号電荷を読み出し、信号処理を行っ
てテレビジョン信号を生成する。

【００３３】電子シャッタを開いてＣＣＤ撮像素子に信
号電荷を蓄積させるために、高速で移動する被写体をス
トロボなどを用いることなく取り込むことができる。し
かも、１フレーム分の信号電荷が蓄積され読み出される
ために、高解像度のテレビジョン信号を得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるＣＣＤテレビカメラの一実施例を
示すブロック構成図である。

【図２】本実施例のＣＣＤ撮像素子の概略的構成を示す
模式図である。

【図３】本実施例の動作を説明するためのタイミングチ
ャートである。

【図４】従来のストロボ発光型ＣＣＤテレビカメラの一
例を示す概略的ブロック図である。

【図５】従来のストロボ発光型ＣＣＤテレビカメラの動
作を説明するためのタイミングチャートである。

【符号の説明】

１ ＣＣＤ撮像素子 ２ 駆動制御回路 ３ 映像信号処理回路 ４ ＶＯＤ電子シャッタ回路 ５ 同期信号発生回路 ６ トリガ信号入力回路 ＰＤ フォトダイオード

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 相対的に移動する被写体の画像を取り込
   むＣＣＤテレビカメラにおいて、 縦型オーバーフロードレイン構造を有し、１フレーム分
   の全画素を読み出すことができるインターライン転送形
   ＣＣＤ撮像素子と、 画像取り込みのタイミングを示すトリガ信号に同期し
   て、前記ＣＣＤ撮像素子の全画素を電荷掃き出し状態か
   ら電荷蓄積状態にするシャッタ手段と、 前記ＣＣＤ撮像素子に蓄積された１フレーム分の信号電
   荷を読み出す信号電荷読み出し手段と、 前記読み出された信号電荷を撮像信号として信号処理
   し、テレビジョン信号を生成する信号処理手段と、 からなることを特徴とするＣＣＤテレビカメラ。
2. 【請求項２】 前記ＣＣＤ撮像素子は、１フレーム分に
   相当する４８５段以上の垂直転送ＣＣＤを有することを
   特徴とする請求項１記載のＣＣＤテレビカメラ。
3. 【請求項３】 前記信号電荷読み出し手段は、前記ＣＣ
   Ｄ撮像素子が電荷掃き出し状態にあるときに水平転送信
   号及び垂直転送信号を前記ＣＣＤ撮像素子へ出力するこ
   とを特徴とする請求項１又は請求項２記載のＣＣＤテレ
   ビカメラ。
4. 【請求項４】 前記シャッタ手段は、前記信号電荷読み
   出し手段によって前記ＣＣＤ撮像素子の信号電荷が全て
   読み出された後で、前記ＣＣＤ撮像素子を電荷掃き出し
   状態にすることを特徴とする請求項１ないし請求項３の
   いずれかに記載のＣＣＤテレビカメラ。
5. 【請求項５】 前記信号処理手段は、前記１フレーム分
   の撮像信号を格納する画像記憶回路を有し、インターレ
   ースのテレビジョン信号を生成することを特徴とする請
   求項１記載のＣＣＤテレビカメラ。