JP2550211B2 - 鉄鋼製品の靭性特性製造可否判定装置 - Google Patents

鉄鋼製品の靭性特性製造可否判定装置

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JP2550211B2 JP2161793A JP16179390A JP2550211B2 JP 2550211 B2 JP2550211 B2 JP 2550211B2 JP 2161793 A JP2161793 A JP 2161793A JP 16179390 A JP16179390 A JP 16179390A JP 2550211 B2 JP2550211 B2 JP 2550211B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、鉄鋼製品の製造可否判定に関し、特に靱性
特性の製造可否判定に関する。
[従来の技術] 鉄鋼製品は従来より最も広く利用されている素材であ
り、その利用形態に応じて様々な必要機能条件が利用者
から製造業者に対して要求仕様の形で提示される。製造
業者はこのような要求仕様に対して、製造可否判定を実
施し、製造可能,確性試験を行なった上で、回答不可
能,又は製造不可能、という判定結果をユーザに回答す
る必要がある。
また、この種の製造可否判定の中でも、靱性特性に関
する製造可否判定については、寒冷地でのパイプライン
敷設や大形船舶の建造等の増加に伴なう鉄鋼製品への要
求靱性特性の高度化により、その重要度が増しているの
が実情である。
この種の製造可否判定を支援する装置としては、過去
の製造実績あるいは製造可否検討実績のデータを蓄積し
たデータベースと、それの検索システムが従来より存在
し、使用されている。しかしながら、このシステムは、
あくまでも参考データの獲得を支援するものであり、判
定すべき要求仕様と全く同一の仕様に関する過去の実績
が存在する場合を除き、大きな助けにはならない。要求
仕様が過去の実績と完全に一致することは希であり、通
常は一致しないので、このような場合、専門家が上記シ
ステムを利用して要求仕様に類似した過去の実績データ
を抽出し、要求仕様と実績とを対比し、これに専門家の
技術的知識や経験的知識を駆使して、靱性特性の製造可
否を判定しているのが実情である。
[発明が解決しようとする課題] このような従来の判定方法では、常に経験の豊富な専
門家を必要とし、しかも判定に長時間を要し、更に判定
結果に個人差によるばらつきも生じうる。
従って本発明は、上述のような靱性特性の製造可否判
定を自動化するとともに、判定の信頼性を高めることを
課題とする。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するため、本発明においては、判定対
象の要求仕様に関する少なくとも温度と吸収エネルギー
の情報、ならびに当該要求仕様と一致もしくは類似した
仕様の過去の実績に関する少なくとも破面遷移温度と吸
収エネルギーの情報を入力する入力手段(101,107); 前記入力手段によって入力される要求仕様の情報と実
績の情報とを対比する判定要素を1つ以上含む条件部
と、該条件部の結果と製造可否判定結果との関連を示す
帰結部とを備える判定規則が保持された判定規則保持手
段(105); 前記判定要素の比較結果に関する程度を示す判定要素
メンバーシップ関数と、前記帰結部に関する程度を示す
帰結部メンバーシップ関数とを含み、かつ、前記要求仕
様の数値及びそれの製造上のばらつき値の少なくとも一
方の違いに対応して、少なくとも前記判定要素メンバー
シップ関数を1組保持する、メンバーシップ関数保持手
段(106);及び 前記要求仕様の数値及びそれの製造上のばらつき値の
少なくとも一方の内容に応じて、前記メンバーシップ関
数保持手段上の1組の判定要素メンバーシップ関数を選
択し、選択された判定要素メンバーシップ関数を利用し
て、入力される要求仕様の情報と実績の情報とを対比し
て条件部の程度を示す値を求め、得られた値に応じて帰
結部メンバーシップ関数を修正し、修正された帰結部メ
ンバーシップ関数に基づいて、製造可否を判定する、製
造可否判定手段(104);を備える。
なお上記括弧内に示した記号は、後述する実施例中の
対応する要素の符号を参考までに示したものであるが、
本発明の各構成要素は実施例中の具体的な要素のみに限
定されるものではない。
[作用] 理解を容易にするために、まず本発明の各構成要素
と、後述する実施例中の構成要素との対応関係につい
て、次に説明する。
(1)入力手段: 入力装置101に、判定対象の要求仕様に関する少なく
とも温度と吸収エネルギーの情報を入力すると、その情
報はユーザーインターフェース103を介して推論エンジ
ン104に渡される。推論エンジン104は、過去の製造実績
データを予め保持している製造実績データベース107を
検索して、入力された要求仕様と一致もしくは類似した
仕様の過去の実績に関する少なくとも破面遷移温度と吸
収エネルギーの情報を獲得する。
(2)判定規則保持手段: 判定規則保持手段に相当する知識ベース105には、要
求仕様の情報と実績の情報とを対比する判定要素を1つ
以上含む条件部と、該条件部の結果と製造可否判定結果
との関連を示す帰結部とを備える判定規則が予め保持さ
れている。
(3)メンバーシップ関数保持手段: メンバーシップ関数保持手段に相当するメンバーシッ
プ関数データベース106には、判定要素の比較結果に関
する程度を示す判定要素メンバーシップ関数と、帰結部
に関する程度を示す帰結部メンバーシップ関数とが含ま
れ、かつ、要求仕様の数値及びそれの製造上のばらつき
値の少なくとも一方の違いに対応して、少なくとも判定
要素メンバーシップ関数に関しては複数組のメンバーシ
ップ関数が予め保持されている。
(4)製造可否判定手段: 製造可否判定手段に相当する推論エンジン104は、知
識ベース105が保持する判定規則とメンバーシップ関数
データベース106が保持するメンバーシップ関数を利用
して、後述するように、要求仕様の数値及びそれの製造
上のばらつき値の少なくとも一方の内容に応じて、メン
バーシップ関数データベース106上の1組の判定要素メ
ンバーシップ関数を選択し、選択した判定要素メンバー
シップ関数を利用して、入力された要求仕様の情報と製
造実績データベース107から獲得した実績の情報と対比
して条件部の程度を示す値を求め、得られた値に応じて
帰結部メンバーシップ関数を修正し、修正された帰結部
メンバーシップ関数に基づいて、製造可否を判定する。
なお、判定結果は、ユーザーインターフェース103を介
して、出力装置102に出力される。
靱性特性の製造可否判定は、例えば、「要求温度が実
績破面遷移温度より若干高く、かつ、要求平均吸収エネ
ルギが実績平均吸収エネルギより小さい、場合には、お
そらく製造可能である」のように、境界のあいまいな言
語情報を用いた判定規則に基づいて行なわれる。また、
そのあいまいな境界自体が、要求仕様の内容(要求温度
の高,低等)や実績靱性特性の製造上のばらつきに従っ
て変化する。
そこで本発明においては、ファジィ推論の考え方を応
用して、靱性特性製造可否判定装置を構成している。ま
た、境界の変化に対応するため、あいまいな程度を示す
メンバーシップ関数を複数組設けておき、要求仕様の内
容や実績靱性特性の製造上のばらつきに従って、最も検
討対象の仕様に適したメンバーシップ関数を選択し、選
択したメンバーシップ関数に基づいて判定を実施してい
る。
これにより、靱性特性の製造可否判定を自動化でき、
判定の信頼性も高めることができる。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の図面を参照した
実施例説明により明らかになろう。
[実施例] 第1図に、本発明を実施する装置の一例を示す。第1
図を参照すると、この装置は、計算機本体100とそれに
接続された入力装置(キーボード等)101及び出力装置
(プリンタ等)102で構成されている。計算機本体100の
記憶装置上には、ユーザインターフェース103,推論エン
ジン104,知識ベース105,メンバーシップ関数データベー
ス106及び製造実績データベース107がソフトウェアとし
て配置されている。
入力装置101及び出力装置102と推論エンジン104との
間では、ユーザインターフェース103を介してデータの
やりとりが行なわれる。検討対象となる要求仕様の情報
は、入力装置101から入力され、ユーザインターフェー
ス103を介して推論エンジン104に渡される。推論エンジ
ン104は、知識ベース105上に予め登録された各種のルー
ルに基づいて推論を実行し、最終的な推論の結果、つま
り製造可否判定結果を、ユーザインターフェース103を
介して出力装置102に出力する。
第2図に、製造実績データベース107上のデータ例を
示し、第3図に、入力装置101から入力される要求仕様
の一例を示す。
製造実績データベース107は、過去の製造実績のデー
タを整理して蓄積したものであり、第2図に示すよう
に、製品仕様を定める品名,型サイズ,規格名称等と、
その製品の衝撃試験データを含んでいる。またこの衝撃
試験データには、当該製品の靱性特性を定めるものとし
て、破面遷移温度,平均吸収エネルギ及び最小吸収エネ
ルギが含まれている。更にこの実施例においては、破面
遷移温度,平均吸収エネルギ及び最小吸収エネルギの各
々として、それの値とそれの製造上のばらつき値が含ま
れている。例えば第2図の例では、破面遷移温度が−54
℃でそのばらつき値が10℃であり、平均吸収エネルギが
15Kgf・mでそのばらつきが5Kgf・mであり、最小吸収
エネルギが5Kgf・mでそのばらつきが2Kgf・mである。
これらは、いずれも製造された製品を試験して得られた
実績データであり、規格名称毎に区分され登録されてい
る。
一方、要求仕様には、品名,型サイズ,規格名称,衝
撃試験方向(L方向あるいはC方向),衝撃試験温度,
平均吸収エネルギ及び最小吸収エネルギが含まれる。但
し、平均吸収エネルギと最小吸収エネルギについては、
いずれか一方だけが指定されることもある。第3図に、
平均吸収エネルギのみが指定された場合の要求仕様の一
例を示す。また、衝撃試験方向,衝撃試験温度,平均吸
収エネルギ及び最小吸収エネルギについては、規格によ
って定められている場合もあり、要求仕様の中で指定さ
れない特性については、規格名称で特定されるそれらの
情報を所定規格データベース(図示せず)から取得し
て、それを要求仕様として採用する。
製造可否判定を行なう場合、要求仕様のデータを入力
装置101から入力した後、推論エンジン104は、まず最初
に、要求仕様に類似した仕様の実績データを、製造実績
データベース107から取得する。具体的には、製造実績
データベース107を探索し、型サイズ及び規格名称が要
求仕様と同一もしくは最も類似した実績データを捜し出
す。すなわち、要求仕様にある規格名称、品名、型サイ
ズ、衝撃試験方向(L方向あるいはC方向)、衝撃試験
温度を探索項目として、製造実績データベー(107)を
探索する。
鉄鋼製品の製造法として、型サイズ,規格が同一であ
るか類似していれば、製造条件(成分,圧延条件等)は
ほぼ同じであり、製造された製品も同様の材質(引張試
験値、衝撃試験値等)が得られる。類似の条件を例示す
ると次の通りである。
・型サイズ:製品厚みが要求仕様の製品厚みと似通った
もの。例えば、要求仕様の製品厚みが30mmのとき、実績
データベースの製品厚みが35mmしかなければ、35mmを類
似とするなど、板厚が厚く、かつ要求仕様に最も近い実
績データを類似とする。
・規格名称:鉄鋼製品の規格で40キロ級あるいは50キロ
級というように類似の規格があり、 例えば40キロ級:JIS(SS41),ASTM(A36),BS(4360−4
3A) 50キロ級:JIS(SM50),ASTM(A572−G50),BS(4360−5
0A) があり、要求仕様がJISのSM50であって、実績データにS
M50がない場合は類似規格として、ASTM(A572−G50)あ
るいはBS(4360−50A)の規格を類似規格とする。
実際の製造可否判定で使用する実績情報は、破面遷移
温度,平均吸収エネルギ及び最小吸収エネルギの3つで
ある。但し、要求仕様において平均吸収エネルギが指定
されない場合には、実績データの平均吸収エネルギは判
定に使用せず、要求仕様で最小吸収エネルギが指定され
ない場合には、実績データの最小吸収エネルギは判定に
使用しない。つまり、平均吸収エネルギ及び最小吸収エ
ネルギの少なくとも一方と、破面遷移温度とが判定に利
用される。
実際には、知識ベース105上に、次に示すような判定
規則が記述されている。
(1)もし、 要求温度は実績破面遷移温度より高い、 かつ、 要求平均吸収エネルギは実績平均吸収エネルギより小
さい、 ならば、 製造可能 である。
(2)もし、 要求温度は実績破面遷移温度より若干高い、 かつ、 要求平均吸収エネルギは実績平均吸収エネルギより小
さい、 ならば、 おそらく製造可能 である。
(3)もし、 要求温度は実績破面遷移温度より低い、 かつ、 要求平均吸収エネルギは実績平均吸収エネルギより若
干高い、 ならば、 製造不可 である。
上記の例から分かるように、この実施例では、判定規
則にあいまいな要素が含まれている。そこで、これらの
要素の程度を示すメンバーシップ関数が、メンバーシッ
プ関数データベース106上に多数用意されている。この
例では、メンバーシップ関数としては、大きく分けて、
判定要素メンバーシップ関数と帰結部メンバーシップ関
数の2種類が備わっている。これらの詳細については後
で説明する。
知識ベース105上の各種規則に基づいた判定処理の手
順を第4図に示す。第4図を参照して各処理ステップの
内容を順次説明する。
401:まず最初に、要求仕様の特性項目の内容の、実績
データの特性項目の内容に対する偏差量を求める。つま
り、温度,平均吸収エネルギ及び最小吸収エネルギの各
々について、 偏差量=要求仕様量−実績値 として計算により偏差量を求める。なお、平均吸収エネ
ルギ又は最小吸収エネルギについては、それが要求仕様
に存在しない場合には、処理は省略される。ここで求め
た偏差量が、判定に用いるパラメータである。これを判
定要素と称す。
402:401で求めた判定要素(偏差量)の各々を、対応
する判定要素メンバーシップ関数にあてはめて、各々の
判定要素の大きさの程度(大きい,ほぼ等しい,小さい
等)を示す値を求める。例えば、温度に関し第6a図の
(1)に示す判定要素メンバーシップ関数−1を用いる
場合に、要求温度の実績破面遷移温度に対する偏差量が
14℃であるとすれば、要求温度が実績破面遷移温度に対
して大きいといえる程度は0.4、若干大きいといえる程
度は0.6であり、その他の程度(小さい,若干小さい,
ほぼ等しい)は全て0である。
ここで使用する判定要素メンバーシップ関数は、複数
の中から選択されたものである。この選択に関しては後
で詳細に説明する。
403:ここでは、判定規則の条件部の値を求める。条件
部は、402で述べたように、二つ以上で構成され、それ
らの判定要素の程度の値のうちの最小値を条件部の値と
して採用する。
例えば、前記判定規則の(1)に示す、「要求温度は
実績破面遷移温度より大きい」といえる程度が0.4、そ
して「要求平均吸収エネルギは実績平均吸収エネルギよ
り小さい」といえる程度が1.0、である場合、この判定
規則の条件部の値は、両者のうち小さい方の0.4にな
る。
404:ここでは、まず、各判定規則の帰結部に対応する
帰結部メンバーシップ関数を、メンバーシップ関数デー
タベース106から求め、それを原型帰結部メンバーシッ
プ関数とする。次にこの原型帰結部メンバーシップ関数
を、その条件部の値に応じて縦方向に縮小修正し、それ
をその判定規則の帰結部のメンバーシップ関数とする。
例えば、第6b図の(1)においては、判定規則の「製
造可能」に相当する原型帰結部メンバーシップ関数が点
線で示されており、判定規則の条件部「もし・・・なら
ば」の値が0.4であると、実線のように修正されたもの
が帰結部メンバーシップ関数になる。
405,406:ここでは、各判定規則の帰結部メンバーシッ
プ関数を全て重ね合わせ、それらの合成結果の横軸に関
する重心位置を求める。
例えば、第6b図の(3)では、「製造可能」の帰結部
メンバーシップ関数と「おそらく可能」の帰結部メンバ
ーシップ関数とを合成し、それらの重心位置を求めてい
る。なおこの重心位置の求め方については公知であるの
で説明を省略する。
407:ここでは、406で求めた重心位置において、値が
最大となる原型帰結部メンバーシップ関数を求め、それ
によって判定する。例えば第6a図の(3)では、「製造
可能」,「おそらく可能」,「どちらともいえない」,
「おそらく不可」,及び「不可」の5つの関数のうち、
重心位置(同図中Δ)では「製造可能」の関数の値が大
きいので、「製造可能」を判定結果として採用する。
第7図に、5個1組の判定要素メンバーシップ関数
(要求温度−実績破面遷移温度の例)のそれぞれの形状
と、それぞれの形状(関数)を規定する、メモリ上のテ
ーブルの内容(データ)を示す。第7図から分かるよう
に、この例では、小さい,若干小さい,ほぼ等しい,若
干大きい,及び大きいの5つが、1組のメンバーシップ
関数を構成している。テーブル(第7図の(2))上の
「小さい」のメンバーシップ関数を表わすデータは、第
7図の(1)上の横軸の偏差量Aまでは縦軸値(関数
値)1、偏差量AからBまでは、点(A,1)と点(B,0)
を、結ぶ直線、偏差量がBを越える領域では0の、 の折れ線(関数)を表わしている。「若干小さい」のメ
ンバーシップ関数を表わすデータは、偏差量Aまでは
0、偏差量AからBまでは点(A,0)と点(B,1)を結ぶ
直線、偏差量Bから0までは点(B,1)と点(0,0)を結
ぶ直線、偏差量が0を越える領域では0の、 の折れ線を表わしている。「ほぼ等しい」および「若干
大きい」のメンバーシップ関数を表わすデータはそれぞ
れ、「若干小さい」の の折れ線をそれぞれB−A分およびC−A分、横軸方向
のシフトした折れ線を表わしている。「大きい」のメン
バーシップ関数を表わすデータは、偏差量Cまでは0、
偏差量CからDまでは、点(C,0)と点(D,1)を結ぶ直
線、偏差量がDを越える領域では1の、 の折れ線(関数)を表わしている。
これらの折れ線(関数)の横軸(偏差量)に、偏差量
xを与えて該偏差量xでの関数値を算出する。例えば、
偏差量xが偏差量AとBの間にある場合、「若干小さ
い」程度の値は、 若干小さい=1×(x−A)/(B−A) により求められる。
第7図の例では、メンバーシップ関数のテーブルに、
要求温度(T)と実績破面遷移温度の製造ばらつき値
(dT)の情報が含まれている。この実施例では、メンバ
ーシップ関数が複数組設けられており、各々のメンバー
シップ関数は、例えば要求温度(T)と実績破面遷移温
度の製造ばらつき値(dT)の区分に対応している。
実際には、要求温度−実績破面遷移温度に関するメン
バーシップ関数として、要求温度については5種類、ば
らつきについては3種類について各々独立したものを合
計で15組(5×3種類)用意してある。
また、要求平均吸収エネルギー実績平均吸収エネルギ
に関するメンバーシップ関数として、要求値については
3種類、ばらつきについては3種類について各々独立し
たものを合計で9組(3×3種類)用意してある。更
に、要求最小吸収エネルギー実績最小吸収エネルギに関
するメンバーシップ関数についても、9組が用意されて
いる。なお、帰結部メンバーシップ関数については、第
8図に示す1組だけが用意されている。
従って、判定要素メンバーシップ関数を使用する場合
には、その時の条件つまり要求値と、ばらつき値の区分
に応じて、多数の中から適当なメンバーシップ関数を選
択する。要求温度−実績破面遷移温度のメンバーシップ
関数を使用する場合、実際には、第5図に示す処理が実
行される。各ステップの内容を次に説明する。
501:その時の入力情報、つまり要求温度と実績破面遷
移温度の製造ばらつき値を探索キーとして、それと対応
する条件に割り当てられたメンバーシップ関数を、デー
タベース106上で探索する。つまり、データベース106上
に登録された多数のメンバーシップ関数の各々を示すテ
ーブル(第7図の(2))について、それに示されたT
とdTを調べ、それらが入力情報と一致するテーブルを探
索する。
502:501の探索の結果、探索キーと一致するテーブル
が存在する場合には、503に進み、なければ504に進む。
503:探索の結果みつかった1つのメンバーシップ関数
を示すテーブル(例えば図7)の内容を取得し、そのデ
ータに基づいてメンバーシップ関数を復元する。つま
り、探索で摘出する1つのテーブルには、例えば第7図
に示すように、小さい,若干小さい,ほぼ等しい,若干
大きい,大きい、の各々のメンバーシップ関数を規定す
る、偏差量A,B,C,D,0の位置での値(1又は0)が示さ
れているので、これらの値で規定される折れ線(関数)
に、偏差量xを与えて偏差量xでの関数値を求める。求
めた値は、属する程度を示す。例えば、「小さい」の関
数で求めた値は、偏差量xが小さい程度を表わす。偏差
量x=Aのときには、「小さい」の算出値は1、「若干
小さい」,「ほぼ等しい」,「若干大きい」および「大
きい」の算出値はいずれも0となる。偏差量x=(A+
B)/2のときには、「小さい」および「若干小さい」の
算出値はいずれも1/2、「ほぼ等しい」,「若干大き
い」および「大きい」の算出値はいずれも0となる。
504:探索キーと一致する条件のテーブルが存在しない
場合には、この処理を実行する。ここでは、探索キーの
値と条件の値(T,dT)との距離が最も近い順に1番目と
2番目の2組のテーブルを類似したメンバーシップ関数
として選択する。具体的には、探索キーの(T,dT)を
(T′,dT′)とし、存在するテーブルのそれぞれiの
(T,dT)を(Ti,dTi)とし、 ΔTi=|T′−Ti| ΔdTi=|dT′−dTi| とすると、 が最小となるテーブルを1番目のテーブルとして、その
次に小さい値となるテーブルを2番目のテーブルとして
選択する。
505:504で選択した2つのテーブルに基づいて、各テ
ーブルの条件と探索キーの値との距離に応じて、折れ線
を規定するデータの加重平均を求める。
506:505で求めた値に基づいて、503と同様にしてメン
バーシップ関数を復元する。
つまりこの実施例では、要求温度−実績破面遷移温度
に関し15組のメンバーシップ関数を示すテーブルを備え
ているが、各テーブルの条件(T,dT)と一致しない条件
に対しても、計算によってそれに適した正確なメンバー
シップ関数を得ることができる。
第9図に、データベース106上のメンバーシップ関数
を示すテーブルの具体的な内容の例を示すので参照され
たい。
なお上記実施例においては、要求仕様と実績のばらつ
き値の両方に関して、それらの違いに応じた複数のメン
バーシップ関数を用意したが、いずれか一方の違いに対
応してメンバーシップ関数を切り換えるだけでも、正確
な製造可否判定を行なううえで充分な効果が期待でき
る。
[発明の効果] 以上のとおり本発明によれば、ファジィ推論の考え方
を応用することによって、あいまいな判定規則を処理し
ているので、靱性特性に関する製造可否判定の自動化が
実現される。しかも、要求仕様の値やそれの製造上のば
らつき値に対応して複数のメンバーシップ関数を予め用
意しておき、その時の条件に適したメンバーシップ関数
を選択して判定に使用するので、様々な条件において精
度の高い判定結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例の装置の構成を示すブロック図であ
る。 第2図及び第3図は、それぞれ、製造実績データベース
のデータの内容及び要求仕様のデータの内容を示すメモ
リマップである。 第4図は第1図の装置の製造可否判定処理の内容を示す
フローチャートである。 第5図はメンバーシップ関数の選択に関する処理を示す
フローチャートである。 第6a図及び第6b図は、メンバーシップ関数の例を示すグ
ラフである。 第7図,第8図及び第9図は、データベース上のメンバ
ーシップ関数に対応するテーブルの内容を示すマップで
ある。 100:計算機本体、101:入力装置 102:出力装置、103:ユーザインターフェース 104:推論エンジン(製造可否判定手段) 105:知識ベース(判定規則保持手段) 106:メンバーシップ関数データベース(メンバーシップ
関数保持手段) 107:製造実績データベース

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】判定対象の要求仕様に関する少なくとも温
    度と吸収エネルギーの情報、ならびに当該要求仕様と一
    致もしくは類似した仕様の過去の実績に関する少なくと
    も破面遷移温度と吸収エネルギーの情報を入力する入力
    手段; 前記入力手段によって入力される要求仕様の情報と実績
    の情報とを対比する判定要素を1つ以上含む条件部と、
    該条件部の結果と製造可否判定結果との関連を示す帰結
    部とを備える判定規則が保持された判定規則保持手段: 前記判定要素の比較結果に関する程度を示す判定要素メ
    ンバーシップ関数と、前記帰結部に関する程度を示す帰
    結部メンバーシップ関数とを含み、かつ、前記要求仕様
    の数値及びそれの製造上のばらつき値の少なくとも一方
    の違いに対応して、少なくとも前記判定要素メンバーシ
    ップ関数を1組保持する、メンバーシップ関数保持手
    段;及び 前記要求仕様の数値及びそれの製造上のばらつき値の少
    なくとも一方の内容に応じて、前記メンバーシップ関数
    保持手段上の1組の判定要素メンバーシップ関数を選択
    し、選択された判定要素メンバーシップ関数を利用し
    て、入力される要求仕様の情報と実績の情報とを対比し
    て条件部の程度を示す値を求め、得られた値に応じて帰
    結部メンバーシップ関数を修正し、修正された帰結部メ
    ンバーシップ関数に基づいて、製造可否を判定する、製
    造可否判定手段; を備える鉄鋼製品の靱性特性製造可否判定装置。
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