JP2549870Y2

JP2549870Y2 - 呼吸用マスク

Info

Publication number: JP2549870Y2
Application number: JP9540490U
Authority: JP
Inventors: 悦治向山
Original assignee: Yamamoto Kogaku Co Ltd
Current assignee: Yamamoto Kogaku Co Ltd
Priority date: 1990-09-10
Filing date: 1990-09-10
Publication date: 1997-10-08
Anticipated expiration: 2005-09-10
Also published as: JPH0451928U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、強制的な送気可能な呼吸用マスクに関する
ものである。

（従来の技術）一般に、溶接作業等の粉じんが発生する作業場では、
息苦しさから作業者を解放しかつ快適に作業できるよう
に、小形電動ファンによりフイルターでろ過した空気を
強制的に供給するようにした呼吸用マスクが使用されて
いる。この呼吸用マスクには、顔面全体を覆う全面形面
体又は、鼻及び口を覆う半面形面体を備えた２種があ
り、さらに、ろ過送気ユニットと各種面体とをフレキシ
ブルホースを介して接続するセパレートタイプと、各種
面体（半面体を除く）にモーター・ファン・フイルター
を組付けたビルトインタイプがある。

従来、全面形面体にモーター・ファン・フイルターを
組付けたビルトインタイプの呼吸用マスクは、ターボフ
ァン・シロツコファン等の遠心ファンを用いてフイルタ
ーでろ過した清浄空気を吸込み方向と直角方向に送気す
るタイプと、軸流ファンを用いて清浄空気を吸込み方向
の後方に送気するタイプとがある。

（考案が解決しようとする課題）ところで、従来例で説明したビルトインタイプの呼吸
用マスクでは、送気距離が短くなるので送気損失が少な
く、作業者が腰部に装着するものは、モーター駆動用電
源としてのバッテリーだけとなるという利点を有する。
しかし、フイルターの外径が、圧力損失、使用時間の絶
対条件に制約されるので、極端に小さくできず、そのた
め、面体にフイルター、モーター、ファンを取付ける
と、これらが面体前面からかなり前方に突出し、面体を
大きくする必要があり非常に重くなり、しかも重心が前
方に位置するため、作業者の首に負担がかかるという問
題がある。したがって、鼻と口を覆い顔面の一部で保持
する半面形面体からなる呼吸用マスクには不向きであ
り、作業場で最もよく使用されているにもかかわらず、
ビルトインタイプが採用されていないのが現状である。

本考案は、上述のような実状に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、面体前面からの突出量が
少く、コンパクトでかつ軽量な、しかも作業者の首等に
負担がかからず体裁のよい呼吸用マスクを提供するにあ
る。

（課題を解決するための手段）本考案では、上記目的を達成するために、次の技術的
手段を講じた。

即ち、本考案にかかる呼吸用マスクは、少くとも鼻及
び口を覆いかつ顔面に密着する面体２の前面下部に、モ
ーターファンユニット収納部13を凹設してモーターファ
ンユニット４を収納し、前記収納部13の周壁13aに送気
口15を設け、収納部13前面にフイルター８を着脱自在に
取付け、前記面体２の収納部13上方に排気口19を設けて
排気弁６を装着し、前記モータファンユニット４は電動
偏平モーター29と遠心ファン28とで構成し両者の軸線を
面体２正面に直交状に配置したことを特徴としている。

（作用）本考案によれば、電動偏平モーター29により駆動され
る遠心ファン28によって、フイルター８でろ過された清
浄な空気が、収納部13の周壁13aに設けた送気口15から
面体２内に送気され、マスク装着作業者の吸気に供され
る。そして、面体２内の送気の一部と作業者の呼気が、
排気口19から排気弁６を押し開いて面体２外に放出され
る。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。

図面において、１は半面形の呼吸用マスクで、鼻及び
口を覆いかつ顔面に密着する半面形の面体２と、該面体
２の周縁に嵌着された面体ゴム３と、モーターファンユ
ニット４と、送気弁５及び排気弁６と、ファンカバー７
と、フイルター８及びフイルターカバー９と、ゴム製シ
ールリング10と、排気弁カバー11と、ベルト取付バンド
12等から成っている。

前記面体２は合成樹脂或いは軽量金属等で形成され、
その前面下半部に、後方に没入するモーターファンユニ
ット収納部13が凹設されると共に、該収納部13の前端開
口縁にはフイルターケーシング14が前方に突設され、該
ケーシング14と収納部13の境界部にファンカバー７が着
脱可能に嵌着されており、該カバー７の外周側にシール
リング10が嵌着されている。また、前記収納部13の上側
周壁13aは、外面が後方に向って下方に傾斜する傾斜面
とされ、第６図に示すように、縦格子状のリブ15aを有
する送気口15が開設されており、該送気口15にはこれを
開閉するゴム製長円形の前記送気弁５が後側（面体２の
内側）に位置し、中央のリブ15aに着脱可能に装着され
ている。なお、中央のリブ15aの上下方向中央後面に
は、角頭をもつ鋲状の弁係止体16が突設され、該係止体
16にゴム製送気弁５の中央に設けた係合孔17が外嵌され
ており、送気弁５の外周縁が送気圧力によって後方に撓
み、面体１内への送気が行なわれるようになっている。

そして、面体２の収納部15の外周側に、リング状の前
記ベルト取付バンド12が外嵌されるバンド装着部18が形
成され、該装着部18の上方面体２前面に排気口19が形成
され、該排気口19の外側に位置してこれを開閉するゴム
製円形の前記排気弁６が取付けられている。この排気口
19は、第７図に示すように、中央にボス部20を有する十
字状リブ21を有し、該ボス部20の孔22に前記排気弁６の
後面中央に突設した取付軸部23が嵌入され、該取付軸部
23に後方端部から外嵌したゴムリング24により着脱可能
に取付けられており、排気弁６の外周縁が排気によって
前方に撓み開口するようになっている。

また、前記面体２の外周縁部外側には、上下左右の適
所に面体ゴム係止片25が前方向きに突設されている。

前記面体ゴム３は、作業者の顔面に密着するように形
成され、外周縁前方に突設された面体２への嵌着部3aに
は、嵌着溝26が全周に設けられて面体２の外周縁部を内
外両側から挟着して、気密状態が保持しうるようになっ
ており、嵌着部3aの外側片には係止孔27が設けられ、該
係止孔27に面体２の面体ゴム係止片25が嵌入係止される
ようになっている。

前記モーターファンユニット４は、遠心ファン28とそ
の内側に嵌装された電動偏平モーター29とからなり、収
納部13の後壁13bにボルト等により固着した取付ベース3
0にモーター軸31が固着されており、モーター29が遠心
ファン28と共に回転するようになっている。なお、モー
ター29への電源供給電線32は、前記取付ベース30からモ
ーター軸31内を通って導びかれ、電線３の他端は第４図
に示すように、収納部13内に取付けた電源入力端子33に
接続され、該端子33に電源（バッテリー）に接続したコ
ード端のプラグ（図示省略）が差込まれる。34,35はプ
ラグ差込用の孔である。

前記ファンカバー７は、第５図に示すように、合成樹
脂製の円板状で下方に偏心して吸気口36が設けられ、前
面には吸気案内兼補強用のリブ37が、吸気口36を中心と
して放射状に突設され、該吸気口36には指等が入らない
ように防護格子38が設けられ、収納部13開口に着脱自在
に嵌装されている。

前記フイルター８は、市販のもので前記フイルターケ
ーシング14内にシールリング10を介して嵌入され、フイ
ルターケーシング14とフイルター８の間から大気が面体
２内に吸入されないようにしてある。フイルターカバー
９は合成樹脂製で周壁内面に設けた雌ねじ部39を、フイ
ルターケーシング14の外周面に設けた雄ねじ部40に螺合
し装着するようになっており、外周面には多数の凹凸条
9aを設けて回動し易くし、フイルター８の交換が簡単に
できるようにしてある。

前記排気弁カバー11は、合成樹脂製のキャップ状で、
面体２の排気口19の外周壁外側に着脱可能に外嵌され、
下部に排気孔41が設けられており、作業者の限界を妨げ
ないように構成されている。

また、前記ベルト取付バンド12の左右両側面には、バ
ンド掛部12aが設けられ、バンド42が掛装されている
（第２図参照）。

上記実施例において、偏平モーター29の駆動によって
遠心ファン28が回転し、フイルター８によりろ過された
清浄な空気が、収納部13内に軸方向から吸引されると共
に遠心ファン28により放射方向（吸引方向と直角な方
向）に送出され、収納部周壁13aの送気口15から送気弁
５を押し開いて面体２内に送気し、作業者の吸気に供さ
れる。そして、送気の一部と呼気は、排気口19から排気
弁６を押し開いて排気弁カバー11内に排出され、該カバ
ー11の排気孔41から大気中に放出される。

上記実施例によれば、モーターファンユニット収納部
13及びフイルターケーシング14を、面体２と一体的に形
成してあるので、外気を直接吸入することがなく、必ず
フイルター８を通してろ過され、清浄な空気を直接面体
２内に送気できる。

なお、本考案は、上記実施例に限定されるものではな
く、例えば、フイルターケーシング14は収納部13と別体
とすることができ、また、面体２は全面形として、全面
形呼吸用マスクとすることもでき、さらに、偏平モータ
ー29を収納部後壁に直接取付け、モーター軸31に遠心フ
ァン28を固着してもよいこと勿論である。

（考案の効果）本考案にかかる呼吸用マスクは、上述のように、少く
とも鼻及び口を覆いかつ顔面に密着する面体２の前面下
部に、モーターファンユニット収納部13を凹設してモー
ターファンユニット４を収納し、前記収納部13の周壁13
aに送気口15を設け、収納部13前面にフイルター８を着
脱自在に取付け、前記面体２の収納部13上方に排気口19
を設けて排気弁６を装着し、前記モーターファンユニッ
ト４は電動偏平モーター29と遠心ファン28とで構成し両
者の軸線を面体２正面に直交状に配置したことを特徴と
するものであるから、面体２からフイルター８が突出す
る量を可及的に少なくでき、至極コンパクトで体裁が良
くなると共に大幅に重量軽減が図れ、重心が顔面近くに
後退し、したがって、マスク装着作業者の首等にかかる
負担を軽くして疲労の軽減を図ることができ、しかも、
作業者の視界を確保でき、特に、半面形面体に採用して
作業性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は中央縦断
側面図、第２図は側面図、第３図は平面図、第４図は第
２図のＡ−Ａ線断面図、第５図は第１図の矢視図、第６
図は第１図のＣ矢視図、第７図は第１図のＤ矢視図であ
る。１……呼吸用マスク、２……面体、４……モーターファ
ンユニット、５……送気弁、６……排気弁、８……フイ
ルター、13……モーターファンユニット収納部、13a…
…周壁、15……送気口、19……排気口、28……遠心ファ
ン、29……電動偏平モーター。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】少なくとも鼻及び口を覆いかつ顔面に密着
する面体（２）の前面下部に、モーターファンユニット
収納部（13）を凹設してモーターファンユニット（４）
を収納し、前記収納部（13）の周壁（13a）に送気口（1
5）を設け、収納部（13）前面にフイルター（８）を着
脱自在に取付け、前記面体（２）の収納部（13）上方に
排気口（19）を設けて排気弁（６）を装着し、前記モー
ターファンユニット（４）は電動偏平モーター（29）と
遠心ファン（28）とで構成し両者の軸線を面体（２）正
面に直交状に配置したことを特徴とする呼吸用マスク。