JP2549585B2 - 丸太材乾燥装置 - Google Patents

丸太材乾燥装置

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JP2549585B2 JP3217826A JP21782691A JP2549585B2 JP 2549585 B2 JP2549585 B2 JP 2549585B2 JP 3217826 A JP3217826 A JP 3217826A JP 21782691 A JP21782691 A JP 21782691A JP 2549585 B2 JP2549585 B2 JP 2549585B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】この発明は、生木のままの丸太材を、短
時間の中にひび割れを生じさせることなく乾燥させるた
めの新規な構造からなる丸太材乾燥装置を提供しようと
するものである。
【0002】
【従来技術】世界でも注目される経済的発展を遂げ、生
活にゆとりが持てる豊かな経済環境を反映し、衣食住の
各分野において本物を指向する傾向が非常に強まってい
る。世界のブランド品が街に溢れたり、グルメブームで
懐石料理やメキシカン料理等の高級店が繁盛したりして
いる現象が、それらの傾向を如実に物語っている。
「住」の方面では、けやき材や桐材等の高級和箪笥が再
び注目され、居間の調度品として購入されたり、4寸
角、5寸角を使った純和風の木造建築がそこここに出現
するといった状況の中にその証拠を見出だすことができ
る。このような木造建築に回帰していくような傾向は、
法令上、正式に3階建木造建築が認可される時代を迎え
たことによって一層拍車がかかり、そのための木材資源
の確保が、今後大きな問題となっていくものと予想され
る。
【0003】我が国の木材資源、特に高級木材は益々枯
渇傾向にあり、したがって、少ない資源だけに、建築用
材あるいは家具調度品用材とするためにはより注意深
く、即ち、割れ、変形の発生を極力押さえるようにした
加工が要求されることになる。こうした加工は、これま
で基本的には自然乾燥による時間を掛けた加工に限られ
ていて、人工的な強制乾燥で時間を短縮する加工方法が
殆ど採用されず、当然の事ながら、その結果それらはか
なりの高値を呼ぶことになると共に、何よりも資材供給
の面に支障を来すという深刻な事態の発生が、現状で大
きな問題となってしまう。
【0004】そこで、このような問題に対処するため、
特開平3−217783号公報に掲載された発明「加熱
蒸気使用の丸太乾燥法」等のような提案がこれまでにも
なされてきた。この既に提案されている丸太材の乾燥法
は、伐採された後の丸太材を、ひび割れ等木材としての
利用面で支障を来すことなく、できるだけ早く乾燥さ
せ、製材して材木とした後の歪みの発生をなくすように
しようとするもので、丸太の細い方の木口に内部の含有
水を吸引することを可能とする密着チューブ付きキャッ
プを取着し、それら多数が、所定間隔を確保した状態に
一まとめされて圧力容器内に納められ、丸太材外周に1
ないし5キロの外圧が掛かるよう、圧力容器内に飽和水
蒸気を圧送しながら、前記キャップに接続された高圧ホ
ースから真空ポンプで含有水分を吸い出し、適宜吸い出
しを終えた段階で圧力容器内の圧力を下げることによっ
て丸太材内部を沸騰状として含有樹脂を丸太材外に放出
させる処理を施した後、再び飽和水蒸気を丸太材内部に
注入するため、圧力容器内の圧力を上げ、所定圧力に達
したところで、キャップの取り付けられていない側の木
口に加熱蒸気を噴出しながら、キャップ側から吸引して
丸太材内部に充満している高温飽和水蒸気を外部に吸い
出してしまって、丸太材を、ひび割れさせることなく、
約3〜4時間という短時間の中に乾燥させるようにした
乾燥方法であった。
【0005】この従前からの丸太材の乾燥方法では、丸
太材全体を高圧下に晒しながら飽和水蒸気を内部に浸透
させ、細い木口側に取着したキャップ側から含有水分を
吸い出すという手段を基本とするため、先ず何よりも、
丸太材を収容してしまうような大掛かつな圧力容器を必
要とし、且つ、内部圧力を得るための飽和水蒸気圧送装
置までも用意しなければならず、したがって、装置が極
めて大掛かりになってしまうという難点を抱える上、高
級木材を必要に応じてその都度乾燥させる等といった用
途に使用する乾燥方法としては不向きであるという欠点
を有していること、そして、更に重要なことは、含有水
分を吸い出だす手段が、丸太材の外周に加えられる飽和
水蒸気による圧力を主体としているため、圧力は、年輪
層(緻密な細胞層)に直交する方向に掛けられてしま
い、それを突破するために余計な圧力(エネルギー)を
要することになって不経済になるという致命的な問題も
解決されないまま提案されていて、実用上で大きな課題
を残すものであった。
【0006】この発明は、以上のような現状を苦慮し、
少ない資源になりつつあるとはいえ、貴重な国産材や輸
入される高級木材を、必要に応じて必要な量だけ需要に
応じて効率的に乾燥処理し、少しでも早く市場に供給し
て、しかも、角材等に加工されてしまった段階には不良
品を発生させることなく、有効に活用できるようにする
新規な乾燥手段の開発に着手し、永年に亘って研究を継
続してきた結果、従前までの手段と根本的に原理を異に
し、丸太材の自然の構造である年輪層に逆らわないで含
有水分を抜き出すことができる画期的な乾燥方法を実施
可能とする画期的な丸太材乾燥装置の実現化に成功した
ものであり、以下において、図面に示す代表的な実施例
と共に、その構成を詳述しようとするものである。
【0007】
【発明の構成】図面に示す実施例に代表されるこの発明
の丸太材乾燥装置は、基本的に次のような構成を要旨と
するものである。なお、説明上、各構成要素に符号を付
しているが、それらは後述する実施例との対応を明らか
にするために便宜上採用しただけのものであり、特にそ
れら符号によって、各構成要素の構造が限定されるもの
ではない。即ち、丸太材Wの木口径に略相当する直径
で、下端周縁全周にはパッキング2が組み合わされてな
る椀状部材1と、該椀状部材1の外表面適所に一端が取
着31され、他端が乾燥させるべき丸太材Wへの固着部
32となる複数個の椀状部材固定金具3と、椀状部材1
の凹部内に吹出し口41を有し、同所41の外表面がわ
に圧力調整弁42、圧力計43およびホース接続部44
が形成されてなる圧搾空気注入金具4とから構成され、
圧力ポンプからの圧搾空気を、圧搾空気注入金具4を通
じて一方の木口に取着した椀状部材1内に圧入し、椀状
部材1を取着した丸太材Wの木口から解放された木口側
に向け、主として丸太材Wの年輪間の粗な細胞部分を軸
芯に沿って強制的に通過させるようにしたことを特徴と
する丸太材乾燥装置とするものである。
【0008】椀状部材1は、同凹部内に強制的に送り込
まれる圧搾空気によって変形、破損をしてしまうことの
ない強度ある素材、例えば鋼材、鋳物材等によって形成
されるもので、乾燥させるべき丸太材の木口寸法より一
回り程度小さめの略円形状の下端周縁となる、球体を半
裁したような立体構造を有するものである。パッキング
2は、比較的強度ある弾性素材、例えばゴム、軟質プラ
スチックス、発泡プラスチックスその他からなり、多少
なりとも凹凸のある丸太材Wの木口に対し、椀状部材1
の下端周縁全周が密着構造を実現するよう機能するもの
で、先の椀状部材1の下端周縁全周に取り付けられるリ
ング状形状で、椀状部材1の下端周縁全周に対し、後述
する実施例に示す構造その他適宜手段で取り付けられ
る。
【0009】また、椀状部材1の凹部内(それは必ずし
も最上部に限定されるものではない)適所に形成される
吹出し口41は、その凹部適所にねじ込み式、熔着その
他の手段で取り付けられ、それに対応する椀状部材1外
側の圧力調整弁42と圧力計43とに連通し、ホース接
続部44に至る構造のものに形成され、圧力ポンプ(図
示せず)から伸びる接続ホース5を、先のホース接続部
44に接続して圧力調整弁42を開放し、圧力ポンプか
らの圧搾空気を椀状部材1の凹部内に吹き出すようにす
るものである。
【0010】椀状部材固定金具3は、その一端が、椀状
部材1の外表面適所に熔着、ネジ止めその他の手段で強
固に取着されて取着部31を構成すると共に、他端が、
乾燥させるべき丸太材Wへの固着部32、例えば後述す
る実施例のように締付けバンドからなるものとしたり、
丸太材W外周面に打設食込みの可能な爪金具その他椀状
部材1を丸太材Wの木口に安定した状態に取着できる適
宜構造からなるもので、全体はチェーンやワイヤー等引
張り強度に秀れたものが採用されると共に、椀状部材1
の丸太材W木口への密着性を良くするよう、ナックル金
具その他の締付け金具33が中途に介在された構造のも
のとすべきである。以上のような基本的な構成からなる
この発明の乾燥装置には、以下に示すような構成からな
る乾燥装置も、その技術的思想に包含している。
【0011】
【実施態様1】先ず、包含される発明の第1が、上記基
本的な構成からなる乾燥装置において、特にその椀状部
材1の構造に係わるものであり、椀状部材1が、外観上
で鏡餅様の上下2段重ねとなる上段椀状部11と下段椀
状部12とに分割形成され、上段椀状部11には、その
凹部内に吹出し口41を有し、同所外表面がわに圧力調
整弁42、圧力計43およびホース接続部44が形成さ
れてなる圧搾空気注入金具4が取着されると共に、同下
端周縁全周にパンキング2が組み合わされる一方、下段
椀状部12は、その上方がわが刳り抜かれ、同周縁が、
前記上段椀状部11の、パッキング2の組み合わされた
周縁全周内側に嵌合する嵌合周縁部13に形成されると
共に、下端周縁全周にパッキング2が組み合わされるよ
うにした丸太材乾燥装置とするものである。
【0012】上下に分割された椀状部材1において、上
段椀状部11の下端周縁に嵌合状に組み合わされる下段
椀状部12は、その上端の刳り抜かれた部分に形成され
る嵌合周縁部13のサイズを一定にして上段椀状部11
の下端周縁に常に嵌合可能にした上、その下端周縁の直
径だけを変えた数種類のものを予め用意し、それらを適
宜組み合わせ使用することにより、太さが異なる木材W
の乾燥装置としても、吹出し口41、圧力調整弁42、
圧力計43、ホース接続部44からなる圧搾空気注入金
具4の取着された上段椀状部11が1個用意されている
だけで、その木口の大きさに最も適した椀状部材1を何
種類でも簡単に実現できるようにするものである。な
お、上段椀状部11と下段椀状部12とは、必要に応じ
てスナップ金具等適宜接続金具(下記する実施例には特
に表示していない)で接続、離脱が自由になるような構
成を採用すると好都合のものとなる。
【0013】
【実施態様2】次に包含される発明としては、やはり椀
状部材1の他の構造部分に係わるものであって、椀状部
材1が、その内側に仕切部14の組み合わされた二重構
造に形成され、該椀状部材1の内部空間の、前記仕切部
14で区切られた二つの空間に、夫々独立した吹出し口
41、41が形成されるようにして圧搾空気注入金具4
が取り付けられてなる丸太材乾燥装置とするものであ
る。この仕切部14は、椀状部材1の内側に一体的に形
成されるもので、適用する木材Wの木口に表れる心材と
片材との境界辺りにその下端縁(椀状部材1の下端縁同
様、パッキング2が組み合わされるべきである)が当接
するよう、椀状部材1内の取付け位置が配慮されたもの
としなければならない。また、仕切部14は、椀状部材
1全体が一体構造のものも、上下に分離されて上段椀状
部11と下段椀状部12との組み合わせからなるもの何
れにも採用される。以下、この発明を代表する幾つかの
実施例に示す具体的な例について、添付した図面に基づ
き説示していくことにする。
【0014】
【実施例1】図1の一部を省略した断面図に示されてい
る乾燥装置の例は、この発明の基本的な構成を最も単的
に実現し得たもので、椀状部材1は、正にお椀を伏せた
ような半球体状の鋼材製のもので、上端(図面で右側)
中央に圧搾空気注入金具4が取り付けられ、それら各部
41,42,43,44に支障のない椀状部材1の外表
面に、強度あるチェーンにターンバックル(締付け金具
33)を組み合わせた複数個の椀状部材固定金具3,
3,……の一端が、同図中では省略しているが、第3図
の他の実施例における使用状態を示す側面図の椀状部材
固定金具3,3,……の場合と同様に取着されて取着部
31,31,……を形成するようにしてなるものであ
る。サイズの異なる丸太材Wに対応するためには、椀状
部材1の下端周縁の直径の異なるものを何種類か用意す
ることになる。
【0015】
【実施例2】図2の一部を省略した断面図および図3の
使用状態を示す側面図に示されている実施例は、椀状部
材1が、上段椀状部11と下段椀状部12とに分離され
た上、上段椀状部11、下段椀状部12とも夫々に仕切
部14,14が配され、夫々の内部空間が二重構造に形
成され、夫々の空間に通じるようにして圧搾空気注入金
具4が独立して形成されるようにした乾燥装置の例であ
る。
【0016】上段椀状部11の仕切部14は、上段椀状
部11より小さい鋼材製椀状部材で形成し、上段椀状部
11の内側最奥部に当接、一体化し、同所に圧搾空気注
入金具4の吹出し口41を貫通、形成することによっ
て、乾燥すべき木材Wの芯材W1に主として乾燥空気を
送り込む圧搾空気注入金具4とする一方、この圧搾空気
注入金具4の形成位置からずらした上段椀上部11の適
所に、他の圧搾空気注入金具4を取り付け、その吹出し
口41は、仕切部14と上段椀状部11との間に乾燥空
気を送り、主として辺材W2部分の乾燥に機能するよう
にするものである。
【0017】上段椀状部11の下端周縁および同仕切り
部14の下端周縁には、夫々パッキング2,2が組み合
わされ、下方に嵌合される下段椀状部12の嵌合周縁部
13および仕切部14の嵌合周縁部15が密着状にとな
るように配慮された構造を実現している。下段椀状部1
2は、その内側に繋ぎ部16,16,……を介して仕切
部14が組み合わされ、その上端には、既述のとおり嵌
合周縁部15が形成され、上段椀状部11の下方に嵌合
したときに、上段椀状部11内に配されている仕切部2
の下端縁パッキング2に当接、密着構造を実現すること
になる。
【0018】椀状部材固定金具3,3,……は、強度あ
るチェーンにターンバックル(締付け金具33)を組み
合わせた構造からなるもので、椀状部材1を構成する上
段椀状部11の外表面で、圧搾空気注入金具4の各部4
1,42,43,44配置状支障を来さない位置に形成
した取着部31,31,……にその一端が取着される一
方、他端は、乾燥すべき木材Wに巻き付けて強固に固定
できるようにするバンドからなる締め付け金具33の突
片34に接続される。図中、35は、バンドを締緩自在
とするための螺合金具部であり、取外し自在の操作ハン
ドル36によって木材Wへの固定、取外しを実現する。
【0019】
【作 用】以上、各実施例に代表されるこの発明の乾燥
装置は、先ず、乾燥すべき木材Wの何れかの木口に対
し、椀状部材1の下端縁パッキング2をバランスよく当
接し、椀状部材固定金具3,3,……によって固定す
る。椀状部材1が、図2および図3のように上下2段に
分離されている実施例2に示す構造からなるものの場合
には、木口のサイズに合った下段椀状部12を選択し、
その下端周縁パッキング2を木口にバランスよく当接し
た上で、その嵌合周縁部13に(仕切部14の形成され
たものの場合には、その嵌合周縁部15にも)上段椀状
部12の下端周縁パッキング2(および2)を嵌合させ
る。なお、上段椀状部11と下段椀状部12とが予め接
続金具で連結、分離できる構造のものの場合には、それ
らを連結して一体化されたものとして取り扱うようにす
ればよい。
【0020】その後、椀状部材固定金具3,3,……の
他端側を乾燥すべき木材W側に延ばし、締付け金具33
で木材Wに強固に固定してから、更に椀状部材固定金具
3,3,……の張りを十分なものに調整(実施例ではチ
ェーンの中に組み込まれたターンバックル37,37,
……を作動)し、木口に対して椀状部材1の下端周縁を
密着状とした上で、コンプレッサー(図示せず)からの
圧搾空気(加温したものであれはなお都合が良い)を接
続ホース5で誘導し、圧力調整弁42を開き、圧力計4
2を経由させて吹出し口41から圧搾空気を椀状部材1
の内部に連続して送り込む。この圧搾空気の送り込み段
階では、木材の種類や乾燥程度を勘案し、また、実施例
2に示すように、心材W1と辺材W2とに仕切部14を
境にして別々に吹出し口41,41を配したものであれ
ば、その心材W1と辺材W2との違いに応じ、夫々圧搾
空気の送込み圧を圧力計42で確認しながら、最適な条
件が実現されるようにして圧搾空気を送り込むようにす
べきである。
【0021】すると、強固に固定された椀状部材1で閉
鎖された状態で送り込まれる圧搾空気は、該椀状部材1
に当接した木口から、他方の全く開放された木口側に向
け、木材Wの細胞組織構造の中の維管束や仮導管等の養
分や水分を通す管部分を強制的に通過して抜けていくこ
とになる。この過程で、木材W内の水分や樹脂が押出さ
れ、木材W自体から水分等が抜け、所謂乾燥状態を実現
することになる。このようにして水分が抜けていく過程
において、木材Wの細胞組織構造内には大気圧より高い
圧力が掛けられて水分だけが抜け出すため、収縮割れが
全く発生しない。特に細胞密度や樹脂分含有量の異なる
心材W1と辺材W2とに圧力の異なる圧搾空気を調整し
ながら送り込むと、より一層完壁な乾燥がなされること
となる。
【0022】また、特に樹脂分の多い木材Wの場合に
は、所定時間圧搾空気を送り込んだ後で、圧搾空気に代
えて圧力水を強制的に送り込み、天然乾燥時に長期間雨
曝しにして樹脂分を減らす作用と同じような作用を強制
実施し、再度圧搾空気を送り込むようにして乾燥させる
と好都合のものとなる外、必要に応じて、既にに公知と
なっている手段である、解放されたがわの木口に、水分
の抜け出しを促進させる適宜手段、例えば真空ポンプに
よる吸引手段が組み合わされるようにしても差し支えは
ない。
【0023】なお、圧搾空気を送り込んで乾燥させるた
めに要する時間は、乾燥させるべき木材Wの種類、伐採
後の経過時間、木材の太さと全長、単なる圧搾空気か加
温した圧搾空気かの違い、圧力水を送り込む前か後か等
の条件の違いによって大きく異なるが、伐採後半日程
度、直径20cm前後、長さ4m程度の欅材に、2気圧
程度の単なる圧搾空気を送り込んだ実験結果では、約1
2時間で含有水分を15%程度までに落とすことが可能
であった。
【0024】
【効 果】以上のとおり、この発明の木材乾燥装置は、
乾燥すべき木材Wの何れかの木口に当接、固定され、木
材Wの種類、伐採後の経過時間、木材の太さと全長、単
なる圧搾空気か加温した圧搾空気かの違い、圧力水を送
り込む前か後か等の条件の違いに応じ、最適な圧力に調
整した圧搾空気を所要時間連続して強制送風することに
より、木材Wの組織細胞構造内空間部を通じて一方の木
口から材軸に沿って他方の木口に通気し、その過程で木
材Wの組織細胞構造内空間部内は固より、その空間部周
辺の組織(年輪)に含有している水分や樹液の一部まで
を強制誘導して排出してしまうことを可能にするもので
ある。
【0025】この水分や樹液の排出は、木材Wの組織細
胞構造内空間部に大気より強い圧力を掛けた状態で、し
かも材断面全体に均等あるいは細胞密度に応じて調整さ
れて均質化した状態で実施されることから、従来からの
外部から加温して乾燥する人口乾燥における木材組織
が、材断面の外側と内側における乾燥速度の違い、およ
び、細胞組織の密度の違う部分相互の乾燥速度の違い等
から収縮度に差を生じて収縮亀裂を発生し、貴重な木材
Wをダメにしてしまうのと違い、恰も長時間かけて実施
する天然乾燥の如く、殆どかあるいは全く収縮亀裂を発
生させることのない乾燥を実現できる。
【0026】特に、実施例1に示すこの発明の最も基本
的な構成を実現化した代表的な乾燥装置は、構造がも最
も簡単で、比較的全体が均質な組織細胞断面を形成し、
密度が比較的粗で断面寸法のあまり大きくない木材、例
えば楢材や桐材等の乾燥に適しており、また、実施例2
に示すものにあっては、部材断面が一定でない木材W
(通常、貴重な欅材等は、幹は根元からかなり先端まで
を、そして太い枝まで全て利用することになるため、乾
燥すべき木材Wの部材断面にバラ付きが大きくなること
が多い)に対して対応が容易になる上、心材と辺材との
細胞組織に違いが大きい、樹齢の高い高級な木材、例え
ば欅材等の乾燥に対し、それら細胞組織に応じた圧力調
整を実施したきめの細かい、したがって、より収縮亀裂
の発生させ難い乾燥を実現する上で極めて効果的なもの
となる。
【0027】叙上の如く、この発明は、貴重な天然木材
を、自然乾燥に略匹敵するような収縮亀裂が殆ど発生し
ないかあるいは全く発生させることなく人工的に乾燥で
きる装置を完成し得たものであり、その装置自体も製造
が容易て安価に提供可能である上、操作性においても秀
れた乾燥装置となっていることから、特に資源的に少な
くなりつつある高級木材の建築用材あるいは家具用材へ
の有効利用面において、大いに貢献するものになること
が予想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明を代表する実施例を示すものであっ
て、それら実施例によりこの発明の構成が制限されるも
のではない。
【図 1】 この発明の最も基本的な構成に基づいて具
体化した1実施例の一部を省略した断面図である。
【図 2】 他の実施例によるものの一部を省略した断
面図である。
【図 3】 使用状態を示すための側面図である。
【符号の説明】
1 椀状部材 11 同上段椀状部 12 同下段椀上部 13 同嵌合周縁部 14 同仕切部 15 同嵌合周縁部 16 同繋ぎ部 2 パッキング 3 椀状部材固定金具 31 同取着部 32 同固着部 33 同締付け金具部 34 同突片 35 同螺合金具部 36 同操作ハンドル 37 同ターンバックル 4 圧搾空気注入金具 41 同吹出し口 42 同圧力調整弁 43 圧力計 44 ホース接続部 5 接続ホース W 木材 W1 同心材 B2 同辺材

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 丸太材木口径に略相当する直径で、下端
    周縁全周にはパッキングが組み合わされてなる椀状部材
    と、該椀状部材の外表面適所に一端が取着され、他端が
    乾燥させるべき丸太材への固着部となる複数個の椀状部
    材固定金具と、椀状部材凹部内に吹出し口を有し、同所
    外表面がわに圧力調整弁、圧力計およびホース接続部が
    形成されてなる圧搾空気注入金具とから構成され、圧力
    ポンプからの圧搾空気を、圧搾空気注入金具を通じて一
    方の木口に取着した椀状部材内に圧入し、椀状部材を取
    着した丸大材の木口から解放された木口側に向け、主と
    して丸太材の年輪間の粗な細胞部分を軸芯に沿って強制
    的に通過させるようにしたことを特徴とする丸太材乾燥
    装置。
  2. 【請求項2】 椀状部材が、外観上で鏡餅様の上下2段
    重ねとなる上段椀状部と下段椀状部とに分割形成され、
    上段椀状部には、その凹部内に吹出し口を有し、同所外
    表面がわに圧力調整弁、圧力計およびホース接続部が形
    成されてなる圧搾空気注入金具が取着されると共に、同
    下端周縁全周にパンキングが組み合わされる一方、下段
    椀状部は、その上方がわが刳り抜かれ、同周縁が、前記
    上段椀状部の、パッキングの組み合わされた周縁全周内
    側に嵌合する嵌合周縁部に形成されると共に、同下端周
    縁全周にパッキングが組み合わされる如くしてなる請求
    項1記載の丸太材乾燥装置。
  3. 【請求項3】 椀状部材が、その内側に内側椀上部の組
    み合わされた二重構造に形成され、該椀状部材内部空間
    の、前記内側椀状部で区切られた二つの空間に、夫々独
    立した吹出し口が形成される如くして圧搾空気注入金具
    が取り付けられてなる請求項1あるいは2記載の丸太材
    乾燥装置。
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