JP2548450B2 - 荷電粒子伝送装置および平板型画像表示装置 - Google Patents

荷電粒子伝送装置および平板型画像表示装置

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JP2548450B2 JP2278339A JP27833990A JP2548450B2 JP 2548450 B2 JP2548450 B2 JP 2548450B2 JP 2278339 A JP2278339 A JP 2278339A JP 27833990 A JP27833990 A JP 27833990A JP 2548450 B2 JP2548450 B2 JP 2548450B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一旦螢光表示面に対してほぼ平行に電子ビ
ームを走行させ、最終的には螢光体に入射させて画像を
発光表示する電子ビーム走査方式の平板型画像表示装置
等に用いる荷電粒子伝送装置および平板型画像表示装置
に関する。
従来の技術 近年、平板型画像表示装置が盛んに開発されており、
液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンス
ディスプレイ(EL)、発光ダイオードディスプレイ(LE
D)等が市場に登場しているが、輝度、解像度、フルカ
ラー化の点で電子ビームを走査するカラーブラウン管に
劣っている。
これらの問題点を解消するために特開昭63−228552号
公報等に開示されているような電子増倍器を用いた平板
型画像表示装置が多数提案されている。
以下第8図〜第16図を参照しながら、従来の平板型画
像表示装置について説明する。なお、各図において同一
部分については同一の符号を付している。
第8図は、従来の平板型画像表示装置の要部を示す概
略図である。
図に示すように、電子ビーム源1から出射した低速
(約500eV)、低密度(約1μA)の電子ビーム2は静
電式偏向器3によってライン偏向(水平走査)される。
ここで真空容器4内を前後の2領域に分割する分割器
5の裏側(後領域側)に設けられた平面電極6と、その
面に対向する真空容器4の内面上に設けられた平面電極
7に400Vの電圧が印加されている。
そしてライン偏向された電子ビーム2は、後述の周期
的な静電レンズによって集束されながら真空容器上端部
(第8図でA面部)のOV電位のトラフ状電極8近傍まで
直進する。
前記周期的な静電レンズは2組の電極より構成されて
いる。第1の組の電極は分割器5の裏側に設けられた平
面電極6と、それに対向する真空容器4の内面上に設け
られた平面電極7からなる。第2の組の電極6a、7aは電
子ビーム進行方向に対して離間した電極が複数個設けら
れたもので、電子ビーム源1の軸に対して対称に配置さ
れている。このような構造によると、第2の組の電極6
a,7aの離間部から第1の組の電極6、7の高電位が浸透
し、実質的に高および低電位の領域が周期的に形成され
る。このような周期的な静電レンズによって電子ビーム
2は連続的に再集束され所定の平面内に維持される。
さらにトラフ状電極8と、平面電極6、7との電位差
により形成された反転レンズによって、真空容器内上部
(図中A面近傍部)まで直進してきた電子ビームはほぼ
円運動を行い真空容器4内の前方部9に進入する。
前方部9へ進行した電子ビーム2は分割器5の前側に
設けられた横方向に細長く、縦方向に分割された複数の
電極10の電位を変化させることでマルチプライヤー11の
方向に進路を曲げられてフレーム走査(垂直走査)が行
なわれ、マルチプライヤー11の所定の開孔にランディン
グする。マルチプライヤー11は数段のダイノード電極か
らなり、初段と最終段との電位差の代表的な値は約3kV
である。
マルチプライヤー11の所定の開孔にランディングした
電子ビーム2は、約500〜700倍に増倍され、マルチプラ
イヤー11の最終段にある色選択手段12によって、所定の
螢光体13を発光させる。
以下マルチプライヤー11として用いられるマイクロチ
ャンネルプレート(MCP)について第9図を参照しなが
ら説明する。第9図(a)はマイクロチャンネルプレー
トのダイノード電極部の一部断面図である。
図に示すように板厚0.15mmの金属板14にほぼ円形の複
数の開孔を形成し、その断面は直径0.42mmの大孔15、直
径0.3mmの小孔16で示されるような非対称の形状をして
いる。これはカラーブラウン管のシャドウマスクが利用
されることが多い。前記開孔の内壁には2次電子放出比
の大きな物質17例えば酸化マグネシウムが塗布されてい
る。このような多数の開孔を有する2枚の金属板を向か
い合わせたダイノード電極18を例えばバロチニとして知
られている小さなガラス球からなる電気抵抗性または絶
縁性の直径0.15mmのスペーサ19を介して複数個積層しマ
ルチチャンネルプレートを形成する。
Philips journal of research Vol.41 No.3(P325〜3
42)によると、印加電圧は個々のダイノード電極18間、
例えばダイノード電極18aと18bの間に与える値としては
300Vで、ダイノード電極を7段積層した場合、初段と最
終段との電位差は約2kVとなる。
マイクロチャンネルプレートの所定の開孔に入射した
電子ビームは1段で3〜3.3倍の増倍率、最終的に約500
〜700倍に増倍され、マイクロチャンネルプレート最終
段にある色選択手段12によって所定の螢光体13を発光さ
せる。
しかしながら、このような構成では平板型画像表示装
置として装置内の耐電圧の問題を解決し高輝度、高画質
の特性を得ることは困難である。充分な明るさを得るた
めには電子ビーム源1から出射する電子ビーム2の電流
密度を上げるか、電子ビーム2のエネルギーを大きくす
る必要がある。
電子ビーム源1から出射する電子ビーム2の電流密度
を増加させると電子ビーム2のビーム半径が増大し、ト
ラフ状電極8と平面電極6、7からなる反転レンズを電
子ビーム2が通過する際に受ける収差(球面収差)が大
きくなって電子ビーム形状は大きく歪む。
しかも電子ビーム2の歪みは反転レンズの通過位置に
よって異なってくる(コマ収差)。歪んだ電子ビーム2
はマイクロチャンネルプレートの所定の開孔以外にも入
射し、コントラストの低下やクロストークの原因とな
る。また、電子ビーム2のエネルギーを大きくすると、
静電式偏向器3と反転レンズに印加する電圧が大きくな
るという問題がある。結局電子ビーム源1から出射する
電子ビームの電流密度や、電子ビームのエネルギーを増
加させる方法は実施困難である。
したがって輝度を向上させるためには、マイクロチャ
ンネルプレートの電流増倍率を増加させる必要がある。
マイクロチャンネルプレートの電流増倍率を増加させる
ためには、マイクロチャンネルプレートのダイノード電
極18の段数を増やすか段間の電位差を大きくするか、開
孔内壁の2次電子増倍率を増加させる必要がある。マイ
クロチャンネルプレートのダイノード電極18の段数を増
やすと重量の増加やコストアップにつながり製造上の困
難さも増大する。即ち各ダイノード電極18に設けられた
数段の開孔をマイクロチャンネルプレート全面にわたっ
て位置合わせする困難さは積層段数の増加とともに指数
関数的に増加する。
マイクロチャンネルプレートの電流増倍率を増加させ
る他の手段として各段間に印加されている電位差を大き
くすることが考えられる。電位差を大きくすると各ダイ
ノード電極間の電界強度が大きくなり耐電圧特性が劣化
し、画像表示中にダイノード電極18間やダイノード電極
18とスペーサ19間で放電が発生する確率が高く、これに
も限界がある。
開孔内壁の2次電子増倍率を増加させてマイクロチャ
ンネルプレートの電流増倍率を増加させる場合、2次電
子放出比の高い物質を開孔内壁に塗布すれば良いが、一
般に用いられているMgOより2次電子増倍比が大きく真
空中で安定で安価な材料は現在のところ開発されていな
い。
さらに従来技術のマイクロチャンネルプレートでは金
属薄板14に設けられた開孔の大きさと、断面形状即ち大
孔15の大きさと小孔16の大きさの関係、さらに、金属薄
板と金属薄板の間隔に最適値が存在し、これらは2次電
子増倍率に大きく寄与する。
第9図(b)に示すようにダイノード電極の初段に入
射した電子ビーム2の2次電子は余弦法則に従って金属
側壁から出てくる。そして、次の金属壁との間に印加さ
れた電圧によって決まる電場によって力を受け、ほぼ円
運動をしながら高圧側へ進行するが、2次電子の速度ベ
クトルに前記のように分散が存在するために2段目のダ
イノード電極に正確に到達せずに、絶縁物のスペーサ19
に到達する電子が相当数あり、電流増倍率が小さくなる
欠点がある。
従来のマイクロチャンネルプレートの製造方法が、特
開昭55−16392号公報に開示されている。それによると
スペーサ19としてバロティニと称するガラスの小球を使
用しているが、前記の位置合わせの困難さの他に複数回
の熱工程を経なければならないという欠点がある。
本発明者らは前記従来例(以下第1従来例という)の
課題を解決するため、つぎに述べる平板型画像表示装置
を提案している(以下第2従来例という)。以下第10図
〜第16図を参照しながら第2従来例について説明する。
第10図に第2従来例における平板型画像表示装置の要部
構成を示す。
即ち、平板画像表示装置20は真空容器4内に熱電子放
射を利用した電子ビーム源1と、電子ビームを加速集束
する電子レンズ系21とを含む電子ビーム発生部と、電子
ビーム発生部で発生した電子ビームを所定の位置まで発
散させることなく誘導する電子ビーム誘導部22と、誘導
された電子ビームをフェイスプレート側へ偏向する電子
ビーム偏向系と、偏向された電子ビームを増倍し最終段
にある蛍光体を発光させる電子ビーム増倍発光部23と、
フェイスプレート24とを備えている。
以下、電子ビーム誘導部22、電子ビーム増倍発光部23
について各々詳しく述べる。
第11図は電場を利用した電子ビーム誘導部の一部斜視
図である。即ち、ガラス基板25上に約100μm間隔、30
〜50μm幅、高さ20〜50μmのほぼ直方体状の側壁26が
例えば表面がアルミニウムからなる導電性材料によって
複数条設けられている。これらの側壁26には壁厚の薄い
部分26aと厚い部分26bとを1mm〜10mmの周期で電子ビー
ムの進行方向に設けている。壁厚の小さい部分26aの壁
厚は大きい部分26bに対して相対的に10〜20μm小さ
い。したがって電子ビームが通過する側壁間中心部の領
域には電位の高低ができ、正負の収束レンズによって電
子ビームは実質的に発散されることなく任意の位置まで
誘導されることになる。
第12図はさらに効果を高めるために側壁26の壁厚の薄
い部分26aの陥没部に高抵抗材27を充填した場合を示し
たもので、壁厚の薄い部分26aの近傍では他の部分より
電位が低くなり、実質的に電子ビーム進行方向に対して
高電位と低電位の領域が交互に効果的に配列され、第13
図に示すように周期的な静電レンズが形成される。した
がって電子ビームは発散することなく所定の位置まで進
行することが可能となる。本構成の利点は印加電源が1
つで実質的に高電位部と低電位部を形成することがで
き、効率的な静電レンズが得られることにある。
側壁(導電体)26には、300Vの電圧を印加し、相対的
に低電位の部分では50〜100Vになるように抵抗値を調整
する。電子ビームのエネルギーによって異なるが、例え
ば100eVなら、1μA〜3μAの電流を流すことが可能
となる。
第14図は、静磁場を利用した電子ビーム誘導部22の一
部を示した斜視図で第15図はその一部断面図である。
即ち、ガラス基板25上に磁性材料であるGd−CO,Gd−F
e,あるいはγ−Fe2O3からなる厚さ0.01〜100μmの磁性
薄膜層28を形成し、それを1〜10mmピッチで電子ビーム
2の進行方向に磁化する。同様にガラス基板25に相対す
る面例えばマイクロチャンネルプレート(図示せず)の
面上に、磁性薄膜層を設け磁化する。そうすると電子ビ
ーム2は第14図のx方向に正負の力を受け集束発散を繰
り返しながら所定の位置まで移動する。さらに効果を確
実にするために、第16図に示すように側壁26の側面にも
磁性薄膜層29を設け磁化する。これら薄膜層を設ける手
段としては蒸着や、印刷等による方法が採られる。
発明が解決しようとする課題 第11図および第12図に示す電場を利用した電子ビーム
誘導部はその側壁の厚みを変化させることで、あるいは
前記側壁の陥没部に高抵抗材を設置することで実質的に
高電位領域と低電位領域を形成している。しかしながら
その厚みは高電位領域に対応する部分で100μm、低電
位領域に対応する部分で50〜80μmであり、10μm以内
の加工精度が要求される。しかしながら量産性を考慮し
た場合にはプラズマディスプレイの製作の際等に用いら
れているスクリーン印刷技術によって製造せざるを得
ず、この場合は10μm以内の加工精度で前記側壁を製作
することは困難である。また一般に、静電型レンズは磁
界型レンズに比べて収差が大きいことが知られている
(例えば共立全書 裏克己著:電子光学 80ページ参
照)。このため加工時の寸法誤差は静電型レンズを用い
た本例の場合、電子ビーム伝送の効率を著しく低下さ
せ、大型平板型画像表示装置に適用するのは困難であ
る。
つぎに第14図および第15図に示す静磁場を利用した周
期磁気レンズによる電子ビーム誘導部について述べる。
ガラス基板25上、側壁26あるいはガラス基板25に相対す
る面上例えばマイクロチャンネルプレートの面上に磁性
薄膜層を設ける。しかし磁性薄膜層を設ける場合、実際
問題としてガラス基板25上あるいは側壁26とマイクロチ
ャンネルプレート上に同時に設けることは極めて困難で
ある。しかも磁性薄膜層を設ける場合、真空プロセスが
必要であり、製造装置や工程が複雑になる。
周期磁気レンズの他の公知例として、磁性薄膜層を設
ける代わりにフェライトシート等の磁性シートを側壁あ
るいはガラス基板上に貼りつける方法があるが、側壁と
磁性シートを結合させる接着材料から真空中でガス放出
があり、熱陰極へも悪影響をおよぼすという課題があっ
た。
また側壁やガラス基板に凹凸があるとフェライトシー
トに亀裂等が発生し強固に固定接着できないという課題
もあった。
周期磁気レンズを用いて電子ビームを伝送する場合、
伝送される電子ビーム量は第15図に示す電子ビームが通
過する中心軸上の磁場の大きさをB、電子ビーム半径を
b、エネルギーをVbとすると、伝送される電流量Iは、 I=A×b2×B2×(Vb−CB2×b20.5 但しここでA、Cは定数 電流量Iには最大値が存在して、 Imax=16×π×ε×(e/m)0.5×Vb1.5 但しここでεは真空中の誘電率 となる(共立全書 裏克己著:電子光学95ページ参
照)。多くの電子ビーム量を伝送させたい場合、磁場の
強度を大きくする必要がある。しかしながら第14図およ
び第15図に示すような構成では軸上での磁場の強度には
限界がある。
本発明は上記課題を解決するもので、電子ビームを所
定の位置に誘導するのに充分な磁場強度を有し、電子ビ
ームの伝送効率が高く、製造容易な荷電粒子伝送装置お
よび平板型画像表示装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するために、微小径電子ビー
ムを伝送するための電子ビーム誘導部が磁性粉とフリッ
トガラスを混合した材料を電子ビーム走行方向に分割し
た側壁上にスクリーン印刷法によって形成、焼成し、着
磁した周期磁気レンズよりなるものである。
作用 電子ビーム誘導部として周期的な磁気レンズを用いる
ことで装置内の耐電圧の問題もなく、電子ビームは所定
の位置まで発散することなしに誘導される。周期磁気レ
ンズは、電子ビーム誘導部の側壁にスクリーン印刷法で
形成されるので新たに蒸着などの工程を必要としない。
実 施 例 以下本発明の一実施例について第1図〜第7図を参照
しながら説明する。
第1図は本実施例における平板型画像表示装置の要部
構成を示す概略図である。図に示すように、平板型画像
表示装置20は真空容器4内に熱電子放射を利用した電子
ビーム源1、その電子ビーム源1とこれより出射した電
子ビームを加速集束する電子レンズ系21とを含む電子ビ
ーム発生部、電子ビーム発生部で発生した電子ビームを
所定の位置まで発散させることなく誘導する電子ビーム
誘導部22、誘導された電子ビームをフェイスプレート24
側へ偏向する電子ビーム偏向系、偏向された電子ビーム
を増倍し最終段にある蛍光体を発光させる電子ビーム増
倍部23から成る。
また上記構成を一部変更した他の構成として、電子ビ
ーム源1から電子ビームをフェイスプレート24に偏向す
る偏向系までは同様な構成で、電子ビーム増倍部23(蛍
光体が塗布されていない構成)は、フェイスプレート24
の蛍光体を塗布した面が高抵抗材(図示せず)を介して
結合された構成をとることもある。
以上のように構成された平板型画像表示装置20の周期
磁気レンズを用いた電子ビーム誘導部22の構成につい
て、以下、第2図および第3図を参照しながら説明す
る。
周期磁気レンズを形成するには、少なくともフリット
ガラスに磁性粉を充填し、プラズマディスプレイ等の製
造の際に用いられているスクリーン印刷法によって印
刷,焼成し着磁する。磁性粉を選択するにあたっての条
件は、(1) キュリー温度が摂氏450度以上および
(2) 保磁力600Oe以上である。キュリー温度は平板
型画像表示装置の製作時の熱工程により決定されるもの
であり、保磁力は平板型画像表示装置稼働中の放電等に
よって周期磁気レンズのレンズ特性に影響の無い値に設
定されるものである。
磁性粉としては、主としてバリウムフェライトやスト
ロンチウムフェライトの粉体を用い、これをフリットガ
ラスや粘性調整材と混合して使用する。
周期磁気レンズの形状は第2図に示すように、幅l1
100μm、高さl2=120μm、ピッチl3=200μmの側壁2
6からなる。この側壁26は電子ビーム中心軸上の磁場強
度を上げるため分割して第3図に示すような形状にす
る。形状は3次元境界要素法による計算機シミュレーシ
ョンによって決定した。棒磁石の長さL1、棒磁石の間隔
L2をパラメータとして中心軸上の磁場強度を求めた。最
適寸法は第3図においてPr=200、Pm=500、Ps=200、
W=100、h=120であった。いずれも単位はμmであ
る。
棒磁石の長さL1=0.3mm、棒磁石の間隔L2=0.25mmの
とき軸上で最大100ガウスが得られることになる。この
時棒磁石の磁化の強さはJ=1000(Oe)と仮定した。
実験によると前記(1),(2)の条件を満足し、残
留磁化700ガウスを得た。更に大きな残留磁化を得るた
めにはコバルト、サマリウム等の磁性材を用いるとよ
い。
本実施例では、磁場の大きさが10ガウス〜200ガウス
として電子ビームのエネルギーが100eVの時約1μAの
電子ビームが発散せずに伝送された。
また磁性材料としては、他の磁性記録材料を用いても
良いのは言うまでもない。
以上の荷電粒子伝送装置は電子ビーム走査方式平板型
画像表示装置の電子伝送に用いて有効であるのみなら
ず、例えば進行波管のような電子管の周期磁気レンズに
適用しても同様な効果が得られることは言うまでもな
く、各構成要素部分の形状寸法を適当な値に設定するこ
とにより電子以外のイオン等各種荷電粒子の伝送装置と
しても同様な効果が得られる。
以上のように構成した周期磁気レンズによって誘導さ
れた電子ビームは所定の位置で静電的に偏向され、電子
増倍発光部23の一部を構成するマイクロチャンネルプレ
ートに入射する。
以下第4図(a),(b)を参照しながらマイクロチ
ャンネルプレートのアノード電極部について述べる。
通常、0.2mm厚の金属薄板30には、直径約50〜200μm
のほぼ円形の開孔を多数設ける。横方向には蛍光面の各
蛍光体のライン走査(水平走査)線上に相当する数の開
孔が、縦方向にはフレーム走査線数に相当する数の開孔
が設けられる。
例えば、40型のハイビジョンテレビ受像機では、縦ピ
ッチ0.6mm、横ピッチ0.2〜0.25mmで、ほぼ円形の開孔を
設ける。開孔の断面形状は直線であることが望ましい
が、電子増倍器の電子ビーム入力端から出力端の開孔内
にフリットガラスを塗布するため、金属薄板30の開孔断
面の形状は電子ビーム増倍率は殆ど寄与しないまた他の
開孔形状として第4図(a)に示すように、3原色蛍光
体の1組に相当するトリオ単位で表現して数トリオに相
当する横方向に長い矩形上の開孔でもよいし、第4図
(b)に示すように横方向に細長い形状でもよい。
第5図に示すように前記金属薄板30の全面即ち上面、
下面、開孔内面には5〜30μmの厚みでフリットガラス
(PbO)31が塗布されている。このフリットガラス(Pb
O)31で覆われた金属薄板30を3〜4段積層して、一体
化し300〜450℃の水素雰囲気中で還元処理して鉛ガラス
を形成させる。
一体化されたマイクロチャンネルプレートは、106〜1
012Ωの高抵抗体となると同時に開孔内面のフリットガ
ラス(PbO)31は2次電子放出比の高い物質であるので
電子ビームの増倍率の高い増倍装置になる。
熱工程で金属薄板30とフリットガラス31の熱膨張係数
の違いによってマイクロチャンネルプレートのアノード
電極板が変形する恐れのある場合には金属薄板30として
42%Ni、6%Cr合金を含む鉄合金やアンバーを用いると
よい。さらに電子増倍率を高めるために、フリットガラ
ス31の表面に2次電子放出比の大きな物質例えばMgO,Cs
Iなどを塗布してもよい。
以上のようにして第5図に示すように構成された電子
ビーム増倍装置の初段アノード電極と終段アノード電極
間に1〜4kVの高電圧を印加すると、例えば、40型程度
のハイビジョンテレビ受像機では、10〜1000pA程度の電
流が常時流れ、これによって局部への異常な電界集中は
回避され耐電圧に関する問題は解決する。またこのこと
による消費電力の表示装置全体に占める割合は僅かであ
る。
またマイクロチャンネルプレートの内壁は実質的に連
続面を形成しているので入射電子ビームの入射角や開孔
内の走行距離にあまり影響されないで電子ビームは増倍
される。
さらにフリットガラス塗布前の金属薄板30に設けられ
た開孔の位置合わせは、後の工程でフリットガラスを塗
布するためにそれほどの高精度は要求されない。次にマ
イクロチャンネルプレートの材料について詳細に述べ
る。
第6図(a)は、フリットガラス31の粉末にRuO2の粉
末32を混合したもの、あるいはそこへ更に若干の添加剤
を混合したものを乾燥させて形成した電子増倍部材33の
一部拡大断面図で、フリットガラス31の粉末とRuO2の粉
末32とが図に示すように混ざりあっている。この混合物
はペースト状であるため印刷技術を用いて電子増倍部材
33の必要とする形状・パターンに容易に仕上げることが
できる。その上、印刷法を用いることにより従来の加工
・形成方法に比べて製造コストを低減することができ
る。
第6図(b)は上記混合物を空気雰囲気中で400〜500
℃で焼成(焼結)したもので、電子増倍部材33の断面は
焼成条件によって多少違いがあるが、およそ本図のよう
になっている。焼成後の粒子の状態は、第6図(b)に
示すようにフリットガラス31の粒子の周囲をRuO232の粒
子が取り巻くように網目状に連なっている。このような
網目状の構造は低融点のフリットガラスを用いて高温で
焼成することにより極めて容易に実現できる。電子増倍
部材33の抵抗値などの電気的性質はこの網目状の導電路
の電気的性質によって決まるが、これはフリットガラス
31とRuO232との混合比及び焼成温度などで制御できる。
ここで、焼成以前のフリットガラス31の粉末の平均粒
径は0.1〜10μm、RuO2の粉末32の平均粒径は0.01〜1
μmである。添加剤として適当な無機質酸化物を選択し
て用いることにより、焼成後の電子増倍部材33の抵抗値
やTCR等の電気的性質をある程度制御することが出来る
ことはハイブリッドIC用厚膜抵抗体の研究で周知であ
る。
本実施例で用いた焼成後の電子増倍部材33の二次電子
放出比δはおよそ2〜4の間にあって、ガラスを用いた
電子増倍部材としては比較的二次電子放出比が大きく適
度の導電性もあり、適当な材料である。
第7図に電子ビーム増倍発光装置を示す。即ち、水平
方向に蛍光体トリオ数の3倍、垂直方向に走査線数に等
しい数のほぼ円形の開孔を有する厚さ0.2mmの金属薄板3
0の全面にフリットガラス31を塗布し、第7図に示すよ
うに4段重ね合わせて一体化し高抵抗材とする。この高
抵抗材と同数の開口部がほぼ円形で断面の形状がほぼ円
錐形の窪み34の部材35を重ね合わせる。前記電場あるい
は磁場を用いた電子ビーム誘導部22によって誘導された
電子ビームは所定の位置で静電的あるいは磁場を用いて
偏向され、前記電子ビーム増倍発光装置の開孔に入射す
る。そして、開孔内壁に衝突しながら電子ビームは増倍
され、最終段の部材35に入り円錐形状の開口内に塗布さ
れた蛍光体36を励起発光する。部材35の蛍光体を塗布し
た側の表面にはアクアダック、オイルダック等の導電性
塗料が塗布されている。
また本構成をとることによって真空容器4は、周期磁
気レンズからなる電子ビーム誘導部22、電子ビーム増倍
発光部23あるいは電子ビーム増倍部と高抵抗材(図示せ
ず)、によって大気圧を容易に支えられる(支柱構
造)。
支柱構造をともなった平板型表示装置としての他の先
行技術として、USP4099085、USP4166233、USP4167690に
開示されている。
しかしこれら3つの先行技術では、電子源から出射し
た電子ビームは、蛍光表示面に向かって伝送され、蛍光
面を照射する。即ち電子源と蛍光面は、相対面した構成
になっている。このような構成では、電子ビームが蛍光
面を照射すると蛍光面からガス、イオン、電子が放出さ
れる。そして放出されたガスは前記蛍光面方向に走行し
ている電子ビームに依ってイオン化される。このイオン
は低電圧側に加速され電子源に衝突し電子源を劣化させ
る原因となる。その結果電子源から出射する電子ビーム
量が経時的に減少し短寿命の平板型表示装置になるとい
う欠点を有している。
このような電子ビーム増倍発光装置によれば、電子ビ
ームのミスランディングも防止することができ、熱膨張
差に起因する電子ビームのランディング位置変動も少な
く経時変化の小さな優れた平板型画像表示装置を提供す
ることができる。
発明の効果 以上の実施例から明らかなように本発明によれば、フ
リットガラスに磁性粉を混合するのでスクリーン印刷法
によって周期磁気レンズを容易に形成することができ
る。また周期磁気レンズを分割した永久磁石より構成し
ているので磁気レンズ中心で大きな磁場強度を得ること
ができ、荷電粒子の伝送効率を高めることができる。し
たがって構造が簡単で荷電粒子の高伝送効率化を達成す
るとともに装置内部の耐電圧問題を解決し大型の平板型
画像表示装置を提供することができる。また側壁は電子
ビーム誘導部としての作用以外に真空容器の支柱の役割
も兼ねており、大型の平板型画像表示装置が容易に製造
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の平板型画像表示装置の一部
破砕斜視図、第2図は同実施例における電子ビーム誘導
側壁の一部拡大斜視図、第3図は同実施例における電子
ビーム誘導部の分割された側壁の配列を示す斜視図、第
4図(a),(b)は同じく本発明の一実施例のマイク
ロチャンネルプレートのアノード電極の一部斜視図、第
5図は同じくマイクロチャンネルプレートのアノード電
極の配置構成を示す一部断面図、第6図(a)は同じく
本発明の平板型画像表示装置における電子ビーム増倍装
置の電子増倍部材の焼成前の状態を示す一部拡大断面
図、第6図(b)は同じく焼成後の状態を示す一部拡大
断面図、第7図は本発明の平板型画像表示装置における
電子ビーム増倍発光装置の一部拡大断面図、第8図は従
来の平板型画像表示装置の要部を示す概略断面図、第9
図(a)は従来のマイクロチャンネルプレートのダイノ
ード電極部の一部断面図、第9図(b)は同じく従来の
ダイノード電極部での電子の軌跡の一部を示す一部断面
図、第10図は他の従来の平板型画像表示装置の要部構成
を示す一部破砕斜視図、第11図は同じく他の従来例にお
ける電子ビーム誘導部の一部斜視図、第12図は同じく電
子ビーム誘導部の側壁の一部平面図、第13図は同じく側
壁近傍において電子レンズが形成されていることを示す
一部平面図、第14図は静磁場を利用した従来の電子ビー
ム誘導部の一部を断面にして磁性薄膜形成状態を示した
斜視図、第15図は同じく電子ビーム誘導部の磁性薄膜形
成状態を示す一部断面図、第16図は静磁場を利用した従
来の他の電子ビーム誘導部の一部を断面にして示した斜
視図である。 20……平板型画像表示装置、22……電子ビーム誘導部
(荷電粒子伝送装置)、26……側壁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 潔 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 北尾 智 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−52488(JP,A) 特開 平2−309539(JP,A) 特開 昭63−228552(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電粒子ビームを伝送させるための周期磁
    気レンズを少なくとも磁性粉とPbOを主成分とする低融
    点ガラスとからなる混合物で構成した荷電粒子伝送装
    置。
  2. 【請求項2】磁性粉がバリウムフェライトまたはストロ
    ンチウムフェライトからなる請求項1記載の荷電粒子伝
    送装置。
  3. 【請求項3】荷電粒子ビームの少なくとも両側面に設け
    られた側壁が荷電粒子ビームの進行方向に対してほぼ平
    行かつ不連続な構造よりなる周期磁気レンズを設けた請
    求項1記載の荷電粒子伝送装置。
  4. 【請求項4】真空容器内に少なくとも線状電子源とその
    電子源から出射した電子ビームを集束するための電子ビ
    ーム集束手段と蛍光表示面とを有し、前記電子ビームを
    前記蛍光表示面に対してほぼ平行に移動させ、その経路
    に沿ってほぼ全長にわたり前記電子ビームの進行方向と
    ほぼ平行に周期的に磁化された周期磁気レンズによって
    電子ビームに磁気力を与える構成とした平板型画像表示
    装置において、請求項1、2または3記載の荷電粒子伝
    送装置を備えた平板型画像表示装置。
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