JP2547601B2 - 物品の組付け方法 - Google Patents

物品の組付け方法

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JP2547601B2
JP2547601B2 JP2832888A JP2832888A JP2547601B2 JP 2547601 B2 JP2547601 B2 JP 2547601B2 JP 2832888 A JP2832888 A JP 2832888A JP 2832888 A JP2832888 A JP 2832888A JP 2547601 B2 JP2547601 B2 JP 2547601B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は物品の組付け方法に関し、特に略同一形状の
複数の金型を用いて鋳造により製造したワークの夫々に
物品を組付けてプリロードを付加しそのプリロードを管
理する物品の組付け方法に関する。
〔従来技術〕
従来、例えばFF型自動車のトランスミッションTMは、
実施例に係る第1図・第2図に示すように、ミッション
ケース1とハウジング2との内部に、プライマリ軸3と
この軸に組付けたギヤ列及びセカンダリ軸4とこの軸に
組付けたギヤ列及びデファレンシャル軸5とこの軸に組
付けた差動歯車装置を組込んだ構造である。そして、ト
ランスミッションTMのギヤ間にガタ付きが生じないよう
に、プライマリ軸3とセカンダリ軸4とデファレンシャ
ル軸5は夫々ミッションケース1とハウジング2内に各
所定のプリロード(軸方向圧縮力)を付加した状態に組
付けられる。
上記ミッションケース1とハウジング2と各軸には夫
々製作誤差があるので、第2図に示すようにベアリング
7のアウタレース7cとミッションケース1間に選択設定
された厚さのシム14を介装することで上記各所定のプリ
ロードを設定する。
しかしながら、車種や仕様の違いに応じて或いは鋳造
ラインの生産能力との関連で上記ミッションケースとし
ては略同一形状の複数の金型を用いて各鋳造装置で鋳造
したものが用いられるので、各鋳造装置の鋳造条件のバ
ラツキや各金型の型寸法のバラツキ等により各金型で製
造されたミッションケース毎に鋳物組織の違いや壁部の
厚さによる強度つまり剛性が微妙に異なる。その結果、
単にシムの厚さを選択的に変えてプリロードを付加する
為の締め代を一定に設定するだけではプリロードを一定
に設定することは出来ない。
そこで、従来では各金型で製造されたミッションケー
スのサンプル毎に、試行錯誤的に適当な厚さのシムを用
いてトランスミッションを組立て且つ抵抗トルクからプ
リロードを測定することを繰返すことにより、試行錯誤
的に所定のプリロードを与えるシムの厚さを設定し、そ
の厚さのシムを用いて組付けるようにしていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術のように、試行錯誤的に適当な厚さのシ
ムを用いてトランスミッションを組立て且つ抵抗トルク
からプリロードを測定することを繰返すことにより試行
錯誤的に所定のプリロードを与えるシムの厚さを設定す
る場合には、1種類のミッションケースに対してシムを
変換して数回トランスミッションを組立ることになるの
で、多大の労力と工数とを要するばかりでなく、その作
業を自動化・装置化することも難しく、また所期のプリ
ロードを与えるシムの厚さを精度よく設定することも困
難で、プリロードを最適に設定することが殆ど不可能で
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明に係る物品の組付け方法は、略同一形状の複数
の金型を用いて鋳造により製造したワークの夫々に部品
を組付けてプリロードを付加しそのプリロードを管理す
るに当り、各金型で製造されたワーク毎にプリロードと
ワークの変形量とに相関する特性を測定し、その特性を
用いて部品を取付けるときのプリロードを与える締め代
の目標値を設定し、上記目標値に基いてワークと部品間
に介装されるシムの厚さを設定するものである。
〔作用〕
本発明に係る物品の組付け方法においては、略同一形
状の複数の金型を用いて鋳造により製造したワークの夫
々に部品を組付けてプリロードを付加しそのプリロード
を管理するに当り、先ず各金型で製造されたワークのサ
ンプル毎にプリロードとワークの変形量とに相関する特
性を測定し、その特性を用いて部品を取付けるときのプ
リロードを与える締め代の目標値を設定する。
従って、各金型で製造されたワーク毎に剛性が異なっ
ていても、その剛性の相違が締め代に反映されるように
なる。
そして、上記締め代の目標値に基いてワークと部品間
に介装されるシムの厚さを設定するので、所定のプリロ
ードを与えるシムの厚さを最適に設定し、プリロードを
正確に管理することが出来る。
〔発明の効果〕
本発明に係る物品の組付け方法によれば、以上説明し
たように鋳造に供する各鋳造装置の鋳造条件のバラツキ
や金型の寸法の微小な差によってワークの剛性にバラツ
キがあってもワークに部品を組付けるときのプリロード
を所定値に正確に管理することが出来る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基いて説明する。
本実施例は、本発明に係る物品の組付け方法を、FF型
自動車のトランスミッションの組付けに適用した場合の
ものであり、以下、上記トランスミッションの構造、上
記トランスミッションの組付けに必要なミッションケー
スの特性を測定する測定装置及び測定時ミッションケー
ス等をセットする為のセッティング装置、上記測定装置
でミッションケースの特性を測定しその特性を用いてト
ランスミッションを組付ける方法、の順に説明する。
〔A〕トランスミッションの構造について 先ず、上記トランスミッションの構造について説明す
ると、第1図・第2図に示すように、トランスミッショ
ンTMは、ミッションケース1と、このミッションケース
1に例えば12本のボルトで連結されるハウジング2と、
ギヤ列を組付けたプライマリ軸3と、上記ギヤ列に噛合
するギヤ列を組付けたセカンダリ軸4と、このセカンダ
リ軸4に連動連結され差動歯車装置を組付けたデファレ
ンシャル軸5などから構成され、プライマリ軸3の右端
部にはクラッチ機構6が装着される。上記プライマリ軸
3とセカンダリ軸4とデファレンシャル軸5とは夫々1
対のテーパローラベアリング7〜12を介してミッション
ケース1とハウジング2とに枢着され、これらの軸3・
4・5をミッションケース1とハウジング2とに組付け
るときにギヤ間のガタツキなどが生じないように各軸3
・4・5は夫々所定のプリロード(軸方向圧縮荷重)を
付加した状態に組付けられる。
車種や仕様の相違に対応する関係上或いは鋳造ライン
の生産能力の関係上、組付けラインに供給されるミッシ
ョンケース1は略同一形状の複数の金型および複数の鋳
造装置を用いて鋳造により製造されたもので、上記各鋳
造装置の鋳造条件のバラツキや金型間の寸法・形状のバ
ラツキ等に起因するミッションケース1の剛性のバラツ
キ或いはベアリング装着孔の機械加工誤差のバラツキ或
いは各軸3・4・5側の機械加工誤差のバラツキなどを
吸収し且つ各軸3・4・5に夫々所定のプリロードを付
加するため第2図に示すようにミッションケース1のベ
アリング装着孔13の奥端面13aとベアリング7のアウタ
レース7c間にシム14を介装し、シム14の厚さを管理する
ことによってプリロードを管理するようになっている。
〔B〕セッティング装置と測定装置について 次に、上記セッティング装置と測定装置について第3
図〜第5図に基いて説明する。
上記セッティング装置SDは、第5図の測定装置30・40
・50で測定するときにミッションケース1とハウジング
2とを所定姿勢にセットする為のものであり、第3図・
第4図に示すように、このセッティング装置SDは、ベー
スプレート15の左端部の上面にミッションケース1の左
端部を支持するブラケット16を立設し且つベースプレー
ト15の右端部の上面にハウジング2の右端部を支持する
ブラケット17を立設し、ベースプレート15の一隅部の上
面にコラム18を立設し、コラム18の上端に旋回自在の水
平アーム19を設け、水平アーム19の先端部に立向きの押
圧部材20をハンドル21を操作することにより上下方向に
位置調節自在に装着し、上記押圧部材20によりミッショ
ンケース1の上面を押えるように構成してなるものであ
る。尚、第5図に示すように測定装置30・40・50を組付
けたミッションケース1とハウジング2とを上記セッテ
ィング装置SDに装着し、ミッションケース1とハウジン
グ2とを12本のボルト穴22に挿通させた連結ボルト(図
示略)で締付けることにより一体化し、セッティング装
置SDセットするようになっている。
上記測定装置30・40・50はトランスミッションTMを組
付けるときに各軸3・4・5に夫々付加するプリロード
を主に分担するミッションケース1についてその弾性変
形量とプリロードとの相関特性及び弾性変形量と所要回
転トルクとの相関特性を測定する為のものであり、第5
図に示すようにプライマリ軸3に対応するP軸用測定装
置30とセカンダリ軸4に対応するS軸用測定装置40とデ
ファレンシャル軸50に対応するD軸用測定装置50とが用
いられる。
先ず、P軸用測定装置30について第5図に基いて説明
すると、上記P軸用測定装置30は、筒部材31と軸部材32
と鍔部材33と螺合軸34とトルク伝達具35とスリーブカバ
ー36とロードセル37と1対のダミーのテーパローラベア
リング7A・8Aとディジタル式ダイヤルゲージ38などを備
えている。
上記筒部材31の収容孔31a内に螺合軸34が配設され、
収容孔31aの途中部の螺孔部31bに螺合軸34の螺軸部34a
が螺合され、筒部材31の左端側の小径部31cには鍔部材3
3のスリーブ部33aが軸方向摺動自在に外嵌合され、鍔部
材33のスリーブ部33aにはテーパローラベアリング7Aの
インナレース38aとローラ38bとが外嵌されてインナレー
ス38aは鍔部33bの左端面に当接状態に組付けられてい
る。鍔部材33の鍔部33bの外周部には右方へ短筒状に延
びる押え部33cが設けられ、また筒部材31の右端付近の
外周部には鍔部31cとこの鍔部31cの外周部から左方へ短
筒状に延びる押え部31dが設けられている。筒部材31の
外周側には環状のロードセル37が遊嵌状に外装され、ロ
ードセル37の左端の支持金具39が押え部33cに回動自在
に内嵌され、この支持金具39と鍔部33c間にはスラスト
ローラベアリング40が介装されている。これと同様にロ
ードセル37の右端の支持金具41が筒部材31の押え部材31
dに回動自在に内嵌され、この支持金具41と鍔部31cとの
間にはスラストローラベアリング42とベアリング受具43
と球面座金44とが介装され、ベアリング受具43の右端面
は環状の部分球面状に形成され且つ球面座金44の左端面
は上記ベアリング受具43の右端面に密着状に当接係合す
る環状の部分球面状に形成されている。これによりロー
ドセル37は筒部材31と鍔部材33とに滑らかに相対回転自
在である。
筒部材31の小径部31aの外面の軸方向V溝と鍔部材33
のスリーブ部33aの内面の半球状凹部とに亙って鋼球45
が装着されていて、この鋼球45を介して筒部材31と鍔部
材33とは相対回転不能で且つ軸方向へは相対移動可能で
ある。
上記軸部材32はハウジング2のベアリング装置孔46を
挿通してその左端側部分はミッションケース1内に延
び、その右端部はハウジング2の右端外へ突出してい
る。上記ベアリング装着孔46に対応する位置において軸
部材32にはテーパローラベアリング8Aのインナレース46
aとローラ46bとが外嵌され、インナレース46aの左端面
は軸部材32のレース受部32aの右端面に当接している。
上記軸部材32から螺合軸34へ回転トルクを伝達するた
め、螺合軸34の右端部にはその右端面より六角穴34bが
凹設され、その六角穴34bの奥端には鋼球47が装着され
ている。また、軸部材32の左端は筒部材31の収容孔31a
に遊嵌状に内嵌し、軸部材32の左端部の六角穴32bに嵌
合されたトルク伝達部材35はその右端部が六角穴32bの
奥端で係止されるとともにビス48で軸部材32に固定さ
れ、トルク伝達部材35の左半部分は軸部材32の左端外へ
突出してその左端部が螺合軸34の六角穴34bに嵌入さ
れ、その球面状の左端面は鋼球47に当接している。上記
トルク伝達部材35の左端の先端部は鋼球47に点接触する
部分球状の接触部35aに形成され、この接触部35aの最大
径部は六角穴34bに係合する断面六角形状に形成され、
この最大径部の右側近傍部には断面六角形状で小径化し
た首部が形成されている。従って、筒部材31と螺合軸34
の軸心(つまり、ミッションケース1のベアリング装着
孔13の軸心)に対して相対的に軸部材32の軸心(つま
り、ハウジング2のベアリング装着孔46の軸心)が微小
量偏心したり傾いていても接触部35aは鋼球47に点接触
し且つ軸部材32から螺合軸34へ回転トルクを伝達し得る
ようになっている。また、螺合軸34の左端側部分と右端
側部分の外周には夫々2本のリング装置溝が形成され、
これらリング装着溝には夫々ゴム製のOリング50が装着
され、筒部材31を回転拘束せずに螺合軸34に回転トルク
が伝達されると、上記Oリング50の摩擦により螺合軸34
と筒部材31とが一体的に回転するようになっている。
尚、ミッションケース1内において軸部材32には異物侵
入防止用のスリーブカバー36が外装され、スリーブカバ
ー36の右端部はレーズ受部32aに外嵌され且つビス51で
レース受部32aに固着され、スリーブカバー36の左端部
は筒部材31の右端部に遊嵌状に外嵌されている。
上記筒部材31の小径部31cはミッションケース1の左
端外へ延び、この小径部31cの内部には収容孔31aに連な
る小径収容孔31eとこれよりも小径のガイド孔31fとが透
設され、小径収容孔31eとガイド孔31fには検出ロッド52
が軸方向に移動自在に収容され、検出ロッド52はそのバ
ネ受部52aと小径収容孔31eの左端面において検出ロッド
52に外装された圧縮コイルバネ53で軽く右方へ弾性付勢
され、検出ロッド52の右端部の検出部52bの検出端が螺
合軸34の左端面に当接し、検出ロッド52のガイドロッド
部はガイド孔31fを挿通して小径部31cの左端付近まで延
びている。そして、小径部31cの左端部にはゲージ取付
スリーブ54が螺着され、そのゲージ取付スリーブ54には
ディジタル式ダイヤルゲージ38が装着され、その検出子
38aはゲージ取付スリーブ54内に導入され検出子38aの先
端が検出ロッド52の左端面に当接している。従って、上
記ダイヤルゲージ38によって、筒部材31に対する螺合軸
34の軸方向移動量を検出することが出来る。
更に、軸部材32の右端部には回転トルク付加装置55を
連結する為の断面六角形状のトルク入力部32bが形成さ
れ、また筒部材31の左端部には筒部材31の回転を拘束す
るときに工具で拘束する為の断面六角形状の拘束部31g
が設けられている。
尚、上記回転トルク付加装置55は、所望の大きさの回
転トルクを付加し得るようになっていて、その付加して
いる回転トルクを検出するトルク検出装置を備えてい
る。上記回転トルク付加装置55とロードセル37とダイヤ
ルゲージ38は操作パネルとディスプレイとを含むコント
ロールユニットに接続され、回転トルク付加装置55で入
力部32bに付加する回転トルクとロードセル37で検出さ
れるプリロードとダイヤルゲージ38で検出される筒部材
31に対する螺合軸34の移動量とがディスプレイに表示さ
れまた同時にフロッピーディスク等に記録され且つ印字
手段で印字可能になっている。
上記P軸用測定装置30をセットする場合、予めミッシ
ョンケース1のベアリング装置孔13にローラベアリング
7Aのアウタレース38cを装着し、またハウジング2のベ
アリング装着孔46にローラベアリング8Aのアウタレース
46cを装着しておく。但し、上記ローラベアリング7A・8
Aは実際のトランスミッションTMに組込むものと同一構
造のもので、アウタレース38cはシム14を介装せずに装
着する。
そして、ミッションケース1にハウジング2を取付け
ない状態、且つ筒部材31にダイヤルゲージ38を取付けな
い状態、且つ筒部材31とこれに装着された諸部品(螺合
軸34、鍔部材33、ダイヤルゲージ38、ローラ38b及びイ
ンナレース38aなど)からなる左半ユニットに対して軸
部材32とこれに装着された諸部品(トルク伝達具35、ス
リーブカバー36、ローラ46b及びインナレース46aなど)
からなる右半ユニットを分離した状態において、ミッシ
ョンケース1の内部に左半ユニットを挿入して左半ユニ
ットをミッションケース1に図示のように装着し、次に
右半ユニットを左半ユニットに図示のように同軸状に装
着し、最後にハウジング2をミッションケース1に取付
けて12本のボルトで固定し、右半ユニットをハウジング
2に対して図示の状態に保持する。
尚、S軸測定装置40及びD軸用測定装置50は、P軸用
測定装置30と軸方向の長さが夫々異なるのみで基本的に
は同様の構造なので、同一機能部品に同一符号を符して
説明を省略する。但し、上記P軸用測定装置30とS軸用
測定装置40とD軸用測定装置50は単独にではなく3者並
行的に前述のようにしてミッションケース1とハウジン
グ2とに装着される。
〔C〕トランスミッションの組付け方法について 以下、上記3組の測定装置30・40・50を用いて、各金
型を用いて製造されたミッションケスース1のサンプル
毎に弾性変形量とプリロードとの相関特性及び弾性変形
量と所要回転トルクとの相関特性を測定し、それを用い
てトランスミッションTMを組付けるときにプリロードを
与える締め代の目標値を設定し、その目標値に基いてシ
ム14の厚さを設定する方法について説明する。
〔I〕各軸毎の特性測定 先ず、P軸測定装置30、S軸測定装置40及びD軸測定
装置50の夫々を用いて以下に説明するような測定を独立
に実行する。
前記のように3組の測定装置30・40・50を装着すると
きに螺合軸32は図示の状態より左方側へ僅かに螺進させ
た状態になってベアリング8Aのローラ46bとアウタレー
ス46cとは密着していない。
先ず拘束部31gを工具で拘束した状態において回転ト
ルク付加装置55により軸部材32を左回りに(螺合軸34が
右方へ移動する方向)へ低速回転させていくと、トルク
伝達具35から螺合軸34へ回転トルクが伝達して螺合軸34
が筒部材31に対して相対的に右方へ移動し、インナレー
ス38a・46a間の軸長が増大し、ローラ46bとアウタレー
ス46cとは密着状態となり、測定装置30内の各部の微小
隙間にもガタツキがなくなる。更に軸部材32を回転させ
ていくと、筒部材31が螺合軸34に対して相対的に左方へ
移動し、鍔部材33がベアリング7Aを介してミッションケ
ース1で係止されているのでロードセル37に作用する軸
方向圧縮荷重(以下、便宜上プリロードという)が作用
し始める。上記ミッショケース1が軸方向に弾性変形し
て伸び始め上記プリロードが作用し始める時点(これは
ロードセル37の荷重データの立上り開始より判る)で回
転トルク付加装置55を停止させ、ダイヤルゲージ38の零
点を調節してから、拘束部31gの拘束を解除し回転トル
ク付加装置55を作動させてプリロード零のときの所要回
転トルクを記録する。上記拘束を解除したときにはOリ
ング50の摩擦により螺合軸34と筒部材31とが一体的に回
転する。
以下、拘束部31gを拘束してからダイヤルゲージ38で
測定される締め代が略所定量増加するまで回転トルク付
加装置55で回転トルクを付加して筒部材31を螺合軸34に
対して相対的に左方移動させた状態(つまり、略所定量
プリロードを増加させた状態)で拘束部31gの拘束を解
除し、ダイヤルゲージ38で検出される締め代とロードセ
ル37で検出されるプリロードとを測定するとともに、回
転トルク付加装置55を作動させて所要回転トルクを測定
する。上記を繰返して締め代を段階的に増加させ、その
各段階毎に締め代とプリロードと所要回転トルクを測定
し記録していくことによって、例えばP軸測定装置30に
より第6図・第7図に示すような締め代とプリロードと
の相関特性及び締め代と回転トルクとの相関特性が得ら
れる。
尚、ロードセル37は筒部材31と鍔部材33とに対してス
ラストベアリング40を介して相対回転自在に支承されて
いるので、筒部材31が回転してもロードセル37の回転を
防止でき、リード線の巻き付きが生じない。更に、ベア
リング受具43と球面座金44を介設したので、ロードセル
37に均一に荷重が作用して精度よくプリロードを測定で
きる。また、鍔部材33は筒部材31に対して着脱交換可能
なので、ベアリング装着孔13の寸法の変更に対応し得
る。
〔II〕各軸の相互作用を補正する補正量の測定 上記のように、各軸について第6図・第7図のような
特性が得られるが、各軸のプリロードによりミッション
ケース1が弾性変形するので、その弾性変形の影響は他
の軸のプリロードに影響を及ぼすので、次のように各軸
のプリロードの相互作用を補正する締め代の補正量を測
定する。この補正量の測定はP軸とS軸、S軸とD軸、
D軸とP軸、の各組合せについて実行するが、P軸に対
するS軸のプリテンションの影響及びP軸に対するD軸
のプリテンションの影響を夫々補正する締め代の補正量
を求める場合について説明する。
先ず、P軸測定装置30による締め代を適当な値に設定
するとともにS軸測定装置40による締め代を適当な値に
設定した状態、例えば第8図のM点の状態(このとき、
P軸の所要回転トルクがTP1、S軸の所要回転トルクがT
S1である)にしてから、P軸測定装置30の締め代をその
値に保持したまま、S軸測定装置40の締め代を大小変化
させ(つまり、S軸の所要回転トルクを大小変化さ
せ、)ながら締め代、プリロード、回転トルクのデータ
を測定していってP軸回転トルクとS軸回転トルクの測
定値から直線Xのような特性を得る。即ち、S軸のプリ
ロードが増加すると、ミッションケース1の弾性変形量
が増加して、P軸プリロードが減少するので、直線Xの
ようになる。
一方、前記〔1〕の測定によって得られたS軸に関す
る締め代とプリロードの相関特性、締め代と回転トルク
の相関特性、設計仕様によって与えられる目標プリロー
ドとに基いて目標プリロードに対応するS軸回転トルク
TSOを求め、この回転トルクTSOに対応するP軸回転トル
クの変化量aを第8図のように求める。
P軸測定装置30とD軸測定装置50についても上記と同
様に実行して第9図のようD軸の目標プリロードに対応
するD軸回転トルクTDOを求め、この回転トルクTDOに対
応するP軸回転トルクの変化量bを求める。
ここで、第6図においてP軸の目標プリロードをWPO
とすると、これに対応する締め代LPO、この締め代LPO
対応する回転トルクはTPOであり、S軸プリロードとD
軸プリロードの影響がない場合には上記締め代LPOが目
標締め代となるが、上記両軸のプリロードの影響がある
ので、上記トルク変化量aとトルク変化量bを用いて第
7図のように締め代の補正量ΔLPSとΔLLPDとを求め
る。
即ち、S軸のプリロードによってP軸回転トルクがト
ルク変化量aだけ低下し、またD軸のプリロードによっ
てP軸回転トルクがトルク変化量bだけ低下することか
ら、第7図のようにトルク変化量aを補う締め代補正量
ΔLPS及びトルク変化量bを補う締め代補正量ΔLPDを求
め、上記締め代LPOに(ΔLPS+ΔLPD)を加えてP軸の
目標締め代LPTを求める。つまり、P軸の締め代を目標
締め代LPTに設定すれば目標プリロードWPOが得られるこ
とになる。
S軸とD軸及びP軸、D軸とP軸及びS軸に対しても
上記と同様に実行し、S軸の目標締め代LST及びD軸の
目標締め代LDTを求める。
〔III〕シムの厚さの設定 上記のようにして求められた各軸の目標締め代LPT、L
ST、LDTに基いて各軸のアウタレースとミッションケー
ス1間に介装されるシム14の厚さを設定する手順につい
てP軸を例にして説明する。
先ず、第1図に示すように、ミッションケース1に部
品を組付けない状態において、P軸の左端側ベアリング
装着孔13の奥端面13aからミッションケース1の右端面
までの寸法LMを測定する。
一方、ギヤ列を組付けたプライマリ軸3の左端側のロ
ーラベアリング7のインナレース7a及びローラ7bの外周
側に、ベアリング装着孔13に圧入前のアウタレース7cを
仮組みした状態で、そのアウタレース7cの左端面からミ
ッションケース1の右端面に対応する右側のローラベア
リング8のインナレースの左端面までのい寸法Lm(これ
は、上記寸法LMに対応する寸法であり、寸法Lmは図示省
略)を測定する。そして、前記得られた目標締め代LPT
を与えるシム14の厚さTHは、TH=(LM−Lm)+LPTと設
定とすればよい。
〔IV〕補足説明 ここで、同種の金型を用いて鋳造されたミッションケ
ース1に対して上記〔I〕と〔II)で説明した方法を共
通に適用し得るので、そのうちの1〜2個のサンプルの
ミッションケース1に対して上記〔I〕と〔II〕の測定
を行なって共通の目標締め代LPTを設定し、〔III〕の測
定とシム厚の設定のみを個別的に実行すればよい。換言
すれば、略同一形状の3種類の金型で鋳造された3種類
のミッションケース1(これを、A型、B型、C型とす
る)を用いる場合には、各型で鋳造されたミッションケ
ース1のグループ毎に〔I〕と〔II〕の測定を実行す
る。その結果、A型、B型、C型に夫々対応する各軸
(P軸、S軸、D軸)の特性が得られる。例えば、10図
は各型に対応する締め代とP軸回転トルクの特性を示す
ものである。そして、実際には目標プリロードが例えば
W1〜W2のように幅のある値として設定されるので、これ
に対応する回転トルクも幅のある値(例えば、第10図の
ようにP型回転トルクTPO1〜TPO2)として設定すること
になるので、前記第7図の締め代LPOに対応する締め代
もLPO1〜LPO2のように幅のある値として設定し、シム厚
も幅のある値として設定することになる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例に係るもので、第1図はトランス
ミッションの概略断面図、第2図はプライマリ軸軸端部
の拡大断面図、第3図はセッティング装置とそれにセッ
トしたミッションケース及びハウジングの平面図、第4
図は同側面図、第5図はミッションケースとハウジング
とに測定装置を組付けたものの断面図、第6図・第7図
は夫々P軸測定装置で得られた締め代とP軸プリロード
の相関特性図及び締め代とP軸回転トルクの相関特性
図、第8図はP軸測定装置とS軸測定装置とで得られた
S軸回転トルクとP軸回転トルクとの関係を示す線図、
第9図はP軸測定装置とD軸測定装置とで得られたD軸
回転トルクとP軸回転トルクとの関係を示す線図、第10
図はP軸測定装置で得られる3種のミッションケースに
ついての締め代とP軸回転トルクとの関係を示す線図で
ある。 TM……トランスミッション、1……ミッションケース、
3……プライマリ軸、4……セカンダリ軸、5……デフ
ァレンシャル軸、14……シム、30……P軸測定装置、40
……S軸測定装置、50……D軸測定装置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略同一形状の複数の金型を用いて鋳造によ
    り製造したワークの夫々に部品を組付けてプリロードを
    付加しそのプリロードを管理するに当り、 各金型で製造されたワーク毎にプリロードとワークの変
    形量とに相関する特性を測定し、その特性を用いて部品
    を取付けるときのプリロードを与える締め代の目標値を
    設定し、上記目標値に基いてワークと部品間に介装され
    るシムの厚さを設定することを特徴とする部品の組付け
    方法。
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