JP2547250B2 - 粉末原料の焼成装置 - Google Patents

粉末原料の焼成装置

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JP2547250B2 JP1064459A JP6445989A JP2547250B2 JP 2547250 B2 JP2547250 B2 JP 2547250B2 JP 1064459 A JP1064459 A JP 1064459A JP 6445989 A JP6445989 A JP 6445989A JP 2547250 B2 JP2547250 B2 JP 2547250B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特にセメント原料、石灰石粉末等を焼成す
る粉末原料の焼成装置に関する。
〔従来の技術〕
従来のセメント原料焼成装置を例として、第4図と第
5図とを参照しながらこの装置の概略を以下に説明す
る。
第4図はセメント原料粉末を予熱、仮焼、焼成、冷却
する工程を示す線図的系統図で、図中の実線矢印は熱ガ
スの流れを、また破線矢印は粉末原料の流れを各々示し
ている。
この焼成装置は、主として原料粉末予熱用のサイクロ
ン等の粉末分離器(C1)〜(C3)を縦方向に配列してな
る予熱装置(1)、ダスト排出口を後述する焼成炉
(3)の入口端覆(12)に接続した分離サイクロン
(C4)、クリンカ焼成用のロータリキルン等の焼成炉
(3)、およびクリンカ冷却器(4)から構成されてい
る。このようなセメント原料焼成装置は、投入シュート
(5)より投入された粉末原料は、予熱用サイクロン
(C1)〜(C3)を経由して順次降下する。
これに対し、焼成炉(3)およびこの焼成炉(3)の
入口端覆(12)に連通して設けられた仮焼炉(2)から
供給される高温の排ガスは、吸引ファン(8)により吸
引されて予熱装置(1)内を上昇する。故に、ダクト
(7)内およびサイクロン(C1)〜(C3)内では原料粉
末と高温ガスとの混合、熱交換および分離が繰り返され
る。こうして予熱されて粉末原料は予熱装置(1)から
予熱原料シュート(14)をとおって仮焼炉(2)へと導
入される。また、このような仮焼炉(2)は、クリンカ
冷却器(以下、冷却器という)(4)から延長されてき
た抽気ダクト(13)が接続されている。
従って、冷却器(4)で生じた高温の焼成用空気は仮
焼炉(2)に導入される。仮焼炉(2)では、この燃焼
用空気と、独自に専有するバーナ(6a)から供給される
燃料とにより燃焼が起こり、燃焼熱と焼成炉から得た排
ガスの持つ熱を受けて粉末原料は仮焼される。仮焼され
た粉末原料は、仮焼炉(2)の燃焼ガス出口(2f)側に
接続されている粉末分離器である分離サイクロン(C4
に燃焼ガスと共に入って分離された後、仮焼原料シュー
ト(15)を介して入口端覆(12)に送られ、焼成炉
(3)に入れられる。
次いで、焼成炉(3)に入れられた原料粉末は、焼成
炉(3)の下端部に設置されているバーナ(6b)から供
給される燃料の燃焼熱により、焼成炉(3)内で必要な
熱処理が施される。
なお、クリンカ冷却用の空気は送風機(10)により供
給され、クリンカと熱交換を行って昇温した空気(高温
排ガス)の一部は、上述の如く仮焼炉(2)および焼成
炉(3)に分配導入されるが、余剰の空気は吸引ファン
(9)により排出される。そして、冷却器(4)から出
たクリンカはコンベア(11)によって次工程へ搬出され
ることになる。
第5図は、第4図における仮焼炉付近の構成をより詳
細に示す概念図で、この図により仮焼炉の構造と機能を
説明すると次のとおりである。
即ち、仮焼炉(2)は円筒状であって、絞り部(2c)
を境にして互いに連通した下方の燃焼室(2a)と上方の
混合室(2b)とからなっている。そして、燃焼室(2a)
の下端は、下方に向けて暫次断面を縮小する逆円錐体状
部となっており、開口(2d)により入口端覆(12)を介
して焼成炉(3)に接続されている。
また、燃焼室(2a)の下部側壁には、その半径方向ま
たは接線方向に、冷却器(4)から供給される高温空気
を燃焼用空気として案内する抽気ダクト(13)が開口
(2e)を介して接続され、このダクト(13)の天井壁が
燃焼室(2a)の側壁との接合付近には、燃焼室(2a)に
流入する高温空気に指向して、燃料を吹き込むバーナ
(6a)が設置されている。さらに、燃焼室(2a)と混合
室(2b)には予熱装置(1)のサイクロン(C3)から延
ばされた予熱原料シュート(14)が各々接続されてお
り、一方混合室(2b)の燃焼ガス出口(2f)は分離サイ
クロン(C4)に接続されている。
この場合、予熱原料シュート(14)は、取付角度が調
整可能とされる分配弁(14c)を備えた分岐部材(14d)
により2本の分岐シュート(14a)、(14b)に分岐され
ている。そして、分岐シュート(14a)は仮焼炉(2)
の燃焼室(2a)に、また他の分岐シュート(14b)は混
合室(2b)に接続されている。
なお、分岐シュート(14a)および(14b)と、燃焼室
(2a)および混合室(2b)との接続位置は、予熱された
原料粉末が分岐シュート(14a)から燃焼室(2a)内に
投入されたとき、燃焼室(2a)内に形成される燃焼域中
に局部的な高温部が形成されないような位置が選ばれる
か、同じく予熱された原料粉末が分岐シュート(14a)
から燃焼室(2a)内に投入されたとき、この原料粉末が
仮焼炉(2)の下端開口(2d)から燃焼室(2a)内に上
昇流入する焼成炉(3)の排ガスと共働して、燃焼室
(2a)内に濃密な第1の噴流層を形成するような位置に
設定されるか、または予熱された原料粉末が分岐シュー
ト(14b)から混合室(2b)内に投入されたとき、この
原料粉末が仮焼炉(2)の中間絞り部(2c)から混合室
(2b)内に上昇流入してくる燃焼室(2a)の燃焼ガスと
共働して、混合室(2d)内に第2の噴流層を形成するよ
うな位置に設定されている。
故に、上記した従来装置では、燃焼室(2a)に予熱装
置から搬送されてくる予熱原料の一部が供給されるだけ
であるから、予熱原料の全てが燃焼室(2a)内に投入さ
れる場合と比べて、燃焼室(2a)内の温度を十分に高め
ることができる。
従って、燃焼室(2a)では、この燃焼室(2a)内の温
度上昇によって、燃料の燃焼、粉末原料の加熱および脱
炭酸反応の促進等が好ましい状態で行われる。即ち、燃
焼室(2a)内では、燃料の燃焼速度は、燃焼室(2a)内
の燃焼温度の上昇に応じて指数関数的に著しく増大する
為、僅かの過剰空気で十分な燃焼を行わせることができ
る。
また、燃焼ガスと供給原料との大きな温度差に基づい
て、燃料の燃焼熱を有効かつ速やかに原料粉末へ伝達さ
せることが可能になるので、仮焼炉での燃料消費量を低
減させることができ、そして微粉炭等の固体燃料や低品
位燃料を使用する場合にあっても、燃焼温度の上昇によ
り必要燃焼時間が短縮されるので、仮焼炉容積を小さく
選定することができる。
さらに、燃焼室(2a)内の温度は、同室内燃焼ガス中
の炭酸ガス分圧により決定される原料粉末の仮焼反応温
度よりも遥かに高温度になるので、分岐シュート(14
a)により燃焼室(2a)内に供給された原料粉末は、こ
の燃焼室(2a)内において、速やかに脱炭酸反応が進
む、即ち仮焼される。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、仮焼炉に送り込まれる予熱原料を、仮焼
炉内の粉末原料の流れ方向に見て、仮焼炉の上流側と下
流側とに分配可能に供給する従来の原料焼成装置では、
上記の如き種々の利点が挙げられるが、他方次に述べる
ような問題が含有されており、十分に満足されるもので
はなかった。
例えば、仮焼炉内の粉末原料の流れ方向に見て、下
流側に供給された粉末原料は仮焼炉内での滞留時間が比
較的短い為に、粉末原料中の粗粉の脱炭酸反応が十分に
促進され難いという点、 また、上流側に供給された原料粉末のうち特に細粉
のものについて、高温で加熱されると加熱炉壁面にコー
チングを発生しやすいので、仮焼炉内ではその燃焼雰囲
気をあまり高温にすることができず、下流側に供給され
た原料粉末中の粗粉の脱炭酸反応が極めて不十分になる
という点、 一方、このようなコーチングの発生を抑制するため
に、このコーチングを発生させないような原料が供給さ
れる場合や、同じくコーチングが形成されにくい炉内壁
材料が用いられる場合等では、仮焼炉壁面へのコーチン
グの付着がある程度解消されることになるので、炉内の
燃焼雰囲気、特に上流側が高温化され、原料の仮焼や原
料の焼成が促進されるが、その反面多量の窒素酸化物成
分(以下、NOXという)が仮焼炉内に発生し、この雰囲
気温度の上昇に対して、有害なNOXが指数関数的に増大
するという点、等である。
なお、NOXの発生量の増加傾向としては、原料の仮焼
率が85%以上になると、一定の分解率の増加量に対し、
温度の上昇率が急激に増してくる為、高い仮焼率(例え
ば、90〜95%以上)の焼成原料を得ようとする場合に特
に顕著になる。
ところで、従来特開昭57−135752号公報に開示されて
いるように、粉末原料の焼成に先立って仮焼する仮焼炉
を予備仮焼する為の炉と後仮焼する為の炉とに分割し、
この予備仮焼炉を焼成炉の排ガスで、また後仮焼炉を空
気による燃料の燃焼から得られる加熱ガスで加熱すると
いう2つの仮焼炉を装備した構造の仮焼装置が提案され
ている。
この仮焼装置では、焼成炉内でセメントを造る際、こ
の焼成炉内での高温下で生じるNOX成分を効率良く許容
範囲内まで低減させる為の還元剤および/または触媒が
導入される。この場合、仮焼炉を2段にすると、NOX
分を含有する排ガス内に、還元剤および/または触媒を
NOXの解離温度が存在するような温度範囲で導入でき得
ることとなる。
しかしながら、2個の仮焼炉を、排ガスの流れ方向に
見て、単に上流側、下流側に設けるという従来の仮焼装
置の場合、例えば、上記還元剤および/または触媒等の
投入によりNOXの低減化についてある程度の効果をあげ
ることができても、上述の問題点からを根本的に解
消したものとはなっていない。
従って、本発明は仮焼炉内における燃料の燃焼性能を
促進し、かつ原料粉末の仮焼性能をさらに改善しなが
ら、仮焼炉全体の燃費の低減、およびNOX等の有害ガス
の発生を抑制することのできる粉末原料の焼成装置の提
供を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明を上記した問題点の解決を図る為になされたも
のであって、従って本発明に係る粉末原料の焼成装置の
構成は、粉末原料を予熱し、かつ仮焼する予熱装置と仮
焼装置とを有する第1系統と第2系統の予熱仮焼装置か
ら供給される仮焼原料を焼成する焼成炉とを備えてなる
粉末原料の焼成装置であって、前記原料を細粉原料と粗
粉原料とに分級する分級装置と、該分級装置で分級され
た細粉原料を第1系統の予熱装置へ、また粗粉原料を第
2系統の予熱装置へ各々投入する原料投入シュートと、
焼成炉の排ガスを第1系統の仮焼炉の下端部に導入する
排ガス導入部と、第1系統の仮焼炉の側壁部から、また
第2系統の仮焼炉の下部と側壁部とからクリンカ冷却器
で回収した回収熱を導入する抽気ダクトと、第2系統の
仮焼炉の出口側に接続された分離器から仮焼粗粉原料を
第1系統の仮焼炉に投入する仮焼粗粉原料投入シュート
と、第1系統の仮焼炉の出口側に接続された分離器から
焼成炉へ細粉、粗粉原料からなる仮焼混合原料を投入す
る仮焼混合原料投入シュートとを備えてなることを特徴
とする。
〔作用〕
本発明になる粉末原料の焼成装置によれば、第2系統
の予熱仮焼装置内には焼成炉の燃焼排ガスが供給されな
いので、焼成炉の燃焼排ガスが供給される第1予熱仮焼
装置内のガスに比較して高酸素濃度状態になる。そし
て、高酸素濃度の第2系統の仮焼炉に、分級装置で分級
された仮焼され難い粗粉原料が原料投入シュートを介し
て供給され、この仮焼炉内において低炭酸ガス分圧雰囲
気下で脱炭酸反応(以下、単に仮焼という)が行われた
後、さらにこの仮焼された仮焼粗粉原料は第1系統の仮
焼炉に供給されるので、この仮焼粗粉原料はこの仮焼炉
内においてもさらに仮焼される。
一方、分級装置で分級された仮焼され易い細粉原料は
第1系統の仮焼炉内でのみ仮焼される。
このように、細粉原料と粗粉原料とが別系統の予熱仮
焼装置内に各々供給されので、各仮焼炉内における原料
の量はこの仮焼炉のどの階段においても一定となり、未
分級の通常の粉末原料の仮焼に要する温度よりも低温で
細粉原料と粗粉原料の各々が仮焼される。
〔実施例〕
本発明の一実施例を、粉末セメント原料を予熱、仮
焼、焼成、冷却する工程を示すセメント原料の焼成装置
の線図的系統説明図の第1図を参照しながら以下に説明
する。
即ち、図に示す符号(1)と(2)とは、粉末セメン
ト原料(w)(以下、粉末原料という)を予熱し、かつ
仮焼する第1系統と第2系統からなる予熱仮焼装置であ
り、この第1系統の予熱仮焼装置(1)は予熱装置(1
a)と仮焼炉(1b)からなり、またこの第2系統の予熱
仮焼装置(2)は第1系統のそれと同様に予熱装置(2
a)と仮焼炉(2b)とからなっている。
より詳しくは、第1系統の予熱仮焼装置(1)は、主
として粉末原料予熱用のサイクロン等の3個の粉末分離
器(C1)〜(C3)をダクトを介して縦方向に配列してな
る予熱装置(1a)と、下部の粉末分離サイクロン(C4
とダクトを介して連通させた仮焼炉(1b)とからなり、
また第2系統の予熱仮焼装置(2)は、粉末原料予熱用
のサイクロン等の3個の粉末分離器(C1)〜(C3)をダ
クトを介して縦方向に配列してなる予熱装置(2a)と、
下部の粉末分離サイクロン(C4)とダクトを介して連通
させた仮焼炉(2b)とからなる構成とした。
また、これらの予熱仮焼装置(1)、(2)の各々に
は、粉末原料(w)を細粉原料と粗粉原料とに分級する
分級装置(3)を原料投入シュート(4)、(4a)を介
して接続して、この分級装置(3)で分級された粉末原
料(w)のうちの細粉原料を第1系統の予熱仮焼装置
(1)に、また粗粉原料を第2系統の予熱仮焼装置
(2)に各々投入するようにした。
次いで、粉末原料を焼成する焼成炉(k)の排ガスを
第1系統の仮焼炉(1b)の下端部に導入する、排ガス導
入部としての入口端覆(5)をこの焼成炉(k)の入口
側に設けると共に、第1系統の仮焼炉(1b)の側壁部
に、また第2系統の仮焼炉(2b)の下部と側壁部とに、
前記焼成炉(k)の出口側に設けたクリンカ冷却部(C
L)により回収した高温空気を導入する抽気ダクト
(6)を介して接続した。
一方、第2系統の粉末分離サイクロン(C4)の出口側
から第1系統の仮焼炉(1b)に仮焼粗粉原料を投入する
仮焼粗粉原料投入シュート(7)を接続し、この仮焼粗
粉原料投入シュート(7)に第1系統の下部の予熱用の
粉末分離器(C3)の出口側をダクトを介して連通させ
た。また、この第1系統の粉末分離サイクロン(C4)の
下部には、その位置から前記入口端覆(5)に仮焼され
た細粉原料と粗粉原料の混合体とからなる仮焼混合原料
を投入する仮焼混合原料供給シュート(8)を接続する
と共に、これら両仮焼炉(1b)、(2b)の側壁にはこれ
ら炉内に燃料を噴射するバーナ(9)を配設した。
そして、両系統の最上部の粉末分離器(C1)の各々に
は、これら各々の系統内において発生する排ガスを吸引
する排ガス吸引ファン(10)をダクトを介して接続して
なる構成とした。
以下に、上記した構成になる粉末原料の焼成装置の作
用態様を説明すると、分級装置(3)により分級された
粉末原料(w)のうちの細粉原料は原料投入シュート
(4)から第1系統の予熱装置(1a)に、また粗粉原料
は原料投入シュート(4a)から第1系統の予熱装置(2
a)に各々投入される。
そして、投入された細粉原料と粗粉原料とは各々の系
統の予熱用の粉末粉離器(C1)〜(C3)を経由して順次
下降するが、第1系統の予熱仮焼装置(1)内では焼成
炉(k)およびこの焼成炉(k)の入口側に設けられた
入口端覆(5)をとおって供給されてくる高温の排ガス
とクリンカ冷却器(CL)により回収された高温空気と燃
料との燃焼により発生した高温の排ガスとが、排ガス吸
引ファン(10)により吸引されてこの予熱仮焼装置
(1)内を上昇するので、この予熱装置(1a)の内部に
おいて細粉原料と高温ガスとの混合、熱交換および分離
が繰り返される。
一方、第2系統の予熱仮焼装置(2)内ではクリンカ
冷却器(CL)により回収された高温空気と燃料との燃焼
により発生した高温の排ガスが、排ガス吸引ファン(1
0)により吸引されてその内部を上昇するので、この予
熱装置(2a)の内部において粗粉原料と高温ガスとの混
合、熱交換および分離が繰り返される。
そして、仮焼炉(1b)、(2b)ではこれらの内部へ供
給された高温の燃焼用空気と、これらの個々に設けられ
たバーナ(9)から噴射される燃料が燃焼することによ
り高温雰囲気が形成され、細粉原料は第1系統の仮焼炉
(1b)内において、また粗粉原料は第2系統の仮焼炉
(2b)内にて各々仮焼される。
次いで、仮焼された仮焼細粉原料は第1系統の仮焼炉
(1b)の出口(1c)側に接続されている粉末分離サイク
ロン(C4)に燃焼ガスと共に入って分離された後、仮焼
混合原料投入シュート(8)を介して入口端覆(5)に
送られ、焼成炉(k)に入れられて、所定の熱処理が施
される。
また、第2系統の仮焼炉(2b)で仮焼された仮焼粗粉
原料は第2系統の仮焼炉(2b)の出口(2c)側に接続さ
れている粉末分離サイクロン(C4)に燃焼ガスと共に入
って分離された後、仮焼粗粉原料投入シュート(7)を
介して第1系統の仮焼炉(1b)に送られ、ここにおいて
さらに仮焼されて、前記仮焼細粉原料と同様に入口端覆
(5)に送られると共に、焼成炉(k)に入れられて、
所定の熱処理が施される。
このような工程のうち予熱、仮焼工程においては、細
粉原料はその粒度が小さいので熱交換され易く、しかも
均一にその温度が上昇し、さらに第1系統の仮焼炉(1
b)内のCO2分圧が30〜35%と高くても短時間のうちに仮
焼される。
従って、細粉原料は大小の粒径の粉末を含む粉末原料
の場合に比較して、より低温でかつ短時間で脱炭酸が終
了する。
また、粗粉原料はその粒径が大きいので、熱交換に長
時間を要し、さらに脱炭酸反応が終了するにも長時間が
必要となる結果仮焼され難いが、第2系統の仮焼炉(2
b)内ではCO2分圧が10%前後と低いので、粗粉原料の脱
炭酸反応が容易に進行する。さらに、第1系統の仮焼炉
(1b)にも投入される為、細粉原料に比較して約2倍の
反応時間が得られるので、従来よりも低温で完全に仮焼
される。このように、細粉原料と粗粉原料とは共に上記
したように、必要以上に原料温度を上げることなく完全
に仮焼されるので、高温状態において発生し勝ちであっ
た加熱炉の壁面へのコーチングの形成を制御することが
できる。
さらに、第1系統並びに第2系統の仮焼炉(1b)、
(2b)との炉内温度が従来の仮焼炉の炉内温度に比較し
て低温で済むので、これらの仮焼炉(1b)、(2b)から
発生する有害なNOXの発生量を減少させることができ
る。
そして、この発明になる粉末原料の焼成装置に対し
て、従来の粉末原料の焼成装置のように高温下で生じる
NOX成分を効率良く許容範囲まで低減させる為の還元剤
および/または触媒を導入すれば、NOXの発生量をより
一層減少させ得る。
また、粉末原料の仮焼温度が低温で済むので、燃費を
削減することができるだけでなく、第2系統の仮焼炉
(2b)では酸素濃度が高いので、低品位の燃料も使用す
ることが可能になる結果、経済的にも極めて有利にな
り、製品の生産コストの削減におおいに寄与することが
できる。
因みに、本実施例になる第2系統の仮焼炉(2b)と本
発明の背景となる従来技術の仮焼炉の炉内温度の経時変
化の相違を説明すると、この実施例になる第2系統の仮
焼炉(2b)の炉内温度の経時変化は、第2図に示すよう
に、加熱初期段階においては炉内ガス温度が約1,100℃
で、粉末原料の温度が920℃程度になり、時間の経過に
つれて両者の温度が漸減して以後ガス温度900℃、原料
温度860〜880℃程度の温度で維持されるのに対して、従
来の技術になる仮焼炉では、加熱初期段階においては炉
内ガス温度が約1,350℃で、粉末原料の温度が1,210℃程
度になり、時間の経過につれて両者の温度が漸減して以
後ガス温度900℃、原料温度860〜880℃程度の温度で維
持されるというように、加熱初期段階においてはこれら
炉の炉内ガス温度の間と、炉内の粉末原料の温度の間に
は大きな温度差があり、本技術がより低温で粉末原料を
仮焼し得ることを示している。
また、第1系統の仮焼炉(1b)の炉内温度の経時変化
の場合も、第2図により説明した第2系統の仮焼炉(2
b)と略同等の経過を示した。
なお、上記した実施例は本発明な具体例にすぎず、従
ってこの実例によって本発明の技術思想の範囲が限定さ
れるものではなく、しかもこの技術思想を逸脱しないの
範囲内における設計変更等は自由自在である。
〔発明の効果〕
本発明になる粉末原料の焼成装置によれば、分級装置
で分級された粗粉原料が、比較的酸素濃度の高い第2系
統の仮焼炉に供給され、この仮焼炉内にて低炭酸ガス分
圧雰囲気下で仮焼が促進された後、第1系統の仮焼炉に
供給されてさらに仮焼されるので、仮焼され難い粗粉原
料は従来の粉末原料の焼成装置の仮焼炉による仮焼温度
のように高温にすることなく完全に仮焼でき、一方細粉
原料は粒度が小さい関係上比較的低温でかつ短時間で仮
焼することが可能になる。
また、上記したように細粉原料と粗粉原料とを共に従
来よりも低温で完全に仮焼することができるので、加熱
炉の内壁に生じ勝ちであった炉壁面へのコーチングの形
成の制御が可能になる。
さらに、上記したように仮焼温度が低温度であるので
有害なNOXの発生量を大幅に削減することができる。
故に、供給される原料粉末の粒度の如何にかかわら
ず、これらをほぼ均一かつ高度に仮焼させ得る仮焼性能
と、NOXの発生を制御した状態での、燃料の高い燃焼性
能とを得ることができ、両性能の良さの必然的な帰結と
して焼成装置全体としての燃費を大幅に低減させること
ができる。
また、燃焼性の良さから、固体燃料や低品位燃料の使
用にも好適となる。
さらに、常温状態で粉末原料を分級する構成である為
分離器の寿命が延長され、また分級特性が優れる結果よ
り安定した操業が可能になるという稼働率の向上効果も
生じてきたのである。
従って、本発明によって仮焼炉内における燃料の燃焼
性能を促進し、かつ原料粉末の仮焼性能をさらに改善し
ながら、仮焼炉全体の燃費の低減、およびNOX等の有害
ガスの発生を抑制することのできる極めて優れ、かつ有
用な粉末原料の焼成装置を実現することができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明になる実施例を示す線図的系統説明図、
第2図は本発明になる実施例の第2系統の仮焼炉の炉内
温度の経時変化説明図、第3図は本発明の拝啓となる従
来技術の仮焼炉の炉内温度の経時変化説明図、第4図は
本発明の背景となる従来技術の線図的系統説明図、第5
図は第4図における仮焼炉付近の構成を拡大し、かつよ
り詳細に示した線図的系統説明図である。 (1)……第1系統の予熱仮焼装置、(2)……第2系
統の予熱仮焼装置、(1a)……第1系統の予熱装置、
(2a)……第2系統の予熱装置、(1b)……第1系統の
仮焼炉、(2b)……第2系統の仮焼炉、(3)……分級
装置、(4)、(4a)……原料投入シュート、(5)…
…入口端覆、(6)……抽気ダクト、(7)……仮焼粗
粉原料投入シュート、(8)……仮焼混合原料投入シュ
ート、(9)……バーナ、(10)……排ガス吸引ファ
ン、(C1)〜(C3)……粉末分離器、(C4)……粉末分
離サイクロン、(CL)……クリンカ冷却器、(k)……
焼成炉。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉末原料を予熱し、かつ仮焼する予熱装置
    と仮焼装置とを有する第1系統と第2系統の予熱仮焼装
    置から供給される仮焼原料を焼成する焼成炉とを備えて
    なる粉末原料の焼成装置であって、 前記原料を細粉原料と粗粉原料とに分級する分級装置
    と、該分級装置で分級された細粉原料を第1系統の予熱
    装置へ、また粗粉原料を第2系統の予熱装置へ各々投入
    する原料投入シュートと、焼成炉の排ガスを第1系統の
    仮焼炉の下端部に導入する排ガス導入部と、第1系統の
    仮焼炉の側壁部から、また第2系統の仮焼炉の下部と側
    壁部とからクリンカ冷却器で回収した回収熱を導入する
    抽気ダクトと、第2系統の仮焼炉の出口側に接続された
    分離器から仮焼粗粉原料を第1系統の仮焼炉に投入する
    仮焼粗粉原料投入シュートと、第1系統の仮焼炉の出口
    側に接続された分離器から焼成炉へ細粉、粗粉原料から
    なる仮焼混合原料を投入する仮焼混合原料投入シュート
    とを備えてなることを特徴とする粉末原料の焼成装置。
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