JP2547156Y2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP2547156Y2
JP2547156Y2 JP1990400566U JP40056690U JP2547156Y2 JP 2547156 Y2 JP2547156 Y2 JP 2547156Y2 JP 1990400566 U JP1990400566 U JP 1990400566U JP 40056690 U JP40056690 U JP 40056690U JP 2547156 Y2 JP2547156 Y2 JP 2547156Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、オーディオ再生装置に
よって再生される音楽などに合わせて演奏者が楽器を演
奏する際、オーディオの再生スピードの変更に伴う再生
音のピッチ変化に応じて、演奏される楽器のピッチを自
動的に調整する電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばCD(コンパクト・ディスク)な
どのオーディオ再生による音楽に合わせて電子楽器を演
奏すると、楽器単独では得られない豊かな臨場感が得ら
れる。しかし、プロでない演奏者、特に初心者の場合
は、例えばマイナスワン方式のCDの演奏テンポに鍵盤
操作がついていけなくなり、再生スピードを下げたいこ
とがしばしば生じる。
【0003】その他、好みに応じてCDの再生スピード
(テンポ)を調整し、その再生音に合わせて演奏したい
場合がある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】そのようなときに、C
Dプレーヤの再生スピードを調整し、再生音の演奏テン
ポを調整すると、再生音のピッチが変化してしまう。
【0005】そのため、演奏者は電子楽器のピッチの調
整(チューニング)をやり直さなくてはならないが、こ
のピッチの調整は、CDの再生音を聞きながら楽音を発
音させて行うため、非常に煩わしいばかりでなく、初心
者にとって、このようなことを行うことはほとんど不可
能である。
【0006】本考案の課題は、オーディオ再生装置の再
生スピードを変更したときの再生音のピッチ変化に応じ
て演奏される楽器のピッチを自動的に調整することを可
能とすることにある。
【0007】
【課題を解決すための手段】本考案は、まず、デジタル
信号処理回路により信号処理を行いながらオーディオに
よる楽曲を再生するオーディオ再生手段を有する。同手
段は、例えばコンパクトディスク(CD)プレーヤ、デ
ジタルオーディオテープレコーダ(DAT)であり、C
Dディスクまたはデジタルオーディオテープから再生さ
れた信号に対して、デ・インタリーブ処理、誤り訂正処
理等のデジタル信号処理を施すことにより、再生信号を
得るような構成を有する。
【0008】つぎに、オーディオによる楽曲の再生に合
わせて演奏者に演奏操作を行わせる演奏操作手段を有す
る。例えば電子鍵盤楽器の鍵盤、あるいは電子管楽器の
演奏キー等である。
【0009】ついで、演奏操作手段からの演奏情報に基
づいて楽音を発音する楽音発音手段を有する。同手段
は、演奏者が鍵盤等の演奏操作手段を用いて演奏する場
合、演奏情報として押鍵、離鍵された鍵の時間情報とキ
ーコード等の音高情報に基づいて楽音を発音する手段で
ある。
【0010】また、オーディオ再生手段の再生スピード
を設定する再生スピード設定手段を有する。同手段は、
例えばノーマル再生スピードに対して所定の比率を有す
る再生スピードを設定し、それに応じたスピード設定信
号を出力する手段である。
【0011】つづいて、再生スピード設定手段から出力
されるスピード設定信号に基づき、オーディオ再生手段
の再生スピードを変更する再生スピード変更手段を有す
る。同手段は、例えばフェーズロッドループ(PLL)
のクロック発振器の周波数を変更することにより、CD
プレーヤやDAT(通常、クロック発振器に基づくPL
Lにより、その再生スピードが同期制御される)などの
オーディオ再生手段の再生スピードを変更する手段であ
る。
【0012】さらに、再生スピード設定手段から出力さ
れる再生スピード設定信号に基づいて、楽音発音手段で
発音される楽音のピッチを変更する楽音ピッチ変更手段
を有する。同手段は、例えば演奏操作手段から出力され
るテンポ制御信号に基づいて作成される音高制御信号
と、鍵盤などの演奏操作手段から手段されるキーコード
との演算により、演奏操作に対応して楽音発音手段から
発音される楽音のピッチを変更する手段である。この場
合、前述の再生スピード設定信号は、楽音ピッチ変更手
段で楽音のピッチが半音程を単位とした比率で変更され
るような比率で設定される。
【0013】加えて、それぞれ異なる周波数のクロック
信号を発生する複数の発振器を有する。そして、再生ス
ピード設定手段から出力される再生スピード設定信号に
基づいて、オーディオ再生手段のデジタル信号処理回路
における信号処理タイミングを定めるクロック信号を前
述の複数の発振器から選択してデジタル信号処理回路に
供給するクロック選択手段を有する。
【0014】
【作用】本考案は、CDプレーヤ等のオーディオ再生手
段による楽曲の再生に合わせて演奏者が演奏操作手段を
用いて演奏する場合、再生スピード設定手段で設定され
た再生スピード設定信号に基づいて、オーディオ再生手
段の再生スピードを再生スピード変更手段により変更し
て再生される楽曲の演奏テンポを変更することができ、
それに応じて楽音発音手段から発音される楽音のピッチ
を楽音ピッチ変更手段により変更することができる。従
って、オーディオ再生手段で再生される楽曲と演奏者が
演奏する楽曲との間でピッチがずれることがない。
【0015】この場合、オーディオ再生手段のデジタル
信号処理回路に供給されるクロック信号も再生スピード
に応じて変更される必要があるが、本考案では、そのた
めのクロック信号を、クロック選択手段が再生スピード
設定信号に従って複数の発振器から選択することによ
り、信号処理回路における誤り訂正処理やデ・インタリ
ーブ処理を正確に行うことができる。
【0016】
【実施例】以下、本考案をCDプレーヤの再生に合わせ
て、電子鍵盤楽器を演奏する場合に適用した一実施例を
説明する。
【0017】図1は、本実施例におけるCDプレーヤ部
100およびサウンド・システム300の構成図、図2
は、同じく電子鍵盤楽器部200の構成図である。ま
た、CDプレーヤ部100の各種のサーボ系、および信
号系の一部は図3に示されている。
【0018】まず、CDプレーヤ部100の構成につい
て、図1と図3を用いて説明する。CD101はCDプ
レーヤ部100のホルダー部(特には図示せず)にセッ
トされる。CD制御部116は、例えばマイクロプロセ
ッサであり、CD101の駆動時に、CLV(Constant
Linear Verocity)サーボ回路108、フォーカスサーボ
104、送りサーボ107およびトラッキングサーボ1
05にサーボ制御信号を出力するとともに、後述するV
CO制御回路115を制御する。
【0019】またCD制御部116は、図2の楽器制御
部201から出力される後述のテンポ制御信号に応じて
選択回路117を制御する。これにより、選択回路11
7は、信号処理回路114で用いるクロックパルスを発
生する発振器、または分周器を、図1に示す複数の発振
器118〜112と分周器123から選択し、そこから
出力されるマスタークロックを信号処理回路114へ供
給する。この部分が本実施例の特徴とする部分である。
【0020】つぎに、CLVサーボ回路108は、後に
詳述するが、CD105を回転駆動させるスピンドルモ
ータ102の回転数の制御を行って、CD101の各ト
ラックの線速度が一定になるように制御する。
【0021】またフォーカス・サーボ104は、レーザ
ー・ビームの反射光の状態からフォーカス誤差を検出
し、そのフォーカス誤差に基づいて、光ピックアップ1
03内の対物レンズを光軸方向に制御、駆動するもので
ある。また、送りサーボ107は、CD101のトラッ
ク中央からのレーザー・ビームのずれを検出しながら、
光ピックアップ103を送りモータ106によって、半
径方向に移動させる。またディスクの偏芯等による速い
動きに対しては、トラッキングサーボ105により、光
ピックアップ103自体をトラックに追従させる。
【0022】このように、送りサーボ107とトラッキ
ングサーボ105により、光ピックアップ103から照
射されるレーザー・ビームが、CD101のトラック中
央に正確に照射されるように制御される。このCD10
1のレーザー・ビームが照射される側には、ピットと呼
ばれる突起が刻まれており、これによりデジタル信号が
記録されている。そして、光ピックアップ107は、照
射したレーザー・ビームの反射光の光量に基づいてピッ
トの有無を検出しており、ピットの有無及びその長さに
対応したデジタル信号が読み出され、再生信号としてデ
ータ抽出回路110に入力する。
【0023】この再生信号は、一種のパルス列で、その
パルス幅は3から11までの長さの変化があるため、こ
のパルスを微分すると、部分的にパルスの抜けた、非連
続のパルス列になる。そのため、データ抽出回路110
内に設けられる図5に示すクロック抽出用PLL(Phase
Locked Loop)129を用いて連続パルス列に変換し、
ビットクロックが抽出される。なお、図5のクロック抽
出用PLL129は、位相比較器126とループフィル
タ127、およびVCO(電圧制御発振器)128で構
成されている。
【0024】つぎに、CDのフレーム・フォーマット
を、本実施例に係わる部分に限って説明する。CDの信
号の1フレームは、図6に示すように、588ビットの
ビットクロックで構成され、各フレームの先頭にはフレ
ーム同期信号が設けられている。また、L、R各チャネ
ルの6サンプル分(12サンプル・データワード)が1フ
レームに入るので、1フレームの時間は1/fs×6(sec)と
なり(fs:サンプリング周波数)、この周波数は7.35KHz
である。この中に588ビットあるわけで、読み出される
ビットクロックは、7.35KHz×588=4.3218MHzとなる。
ただしこれは、後述するテンポ制御を行わない場合であ
る。この7.35KHzのクロックは、フレーム同期信号の検
出のために用いられる。
【0025】つぎに、図3に戻り、フレーム同期回路1
11が、データ抽出回路110から出力されるビットク
ロックを用いてフレーム同期信号を検出する。さらに、
検出されたフレーム同期信号を用いて、各フレーム内の
後述のEFM変調方式で変調された14ビットのデジタ
ルデータ(サブコード及びオーディオデータ等)が、E
FM復調回路112で復調される。
【0026】いま、デジタルデータの各ビットの論理
「1」と論理「0」は、どのような確率で発生するかは
分からない。そして、図3の光ピックアップ103がC
D101上のピットからデジタルデータを電気信号とし
て検出する場合に、論理「1」または「0」の一方が長
く続くと直流分が発生し、また、ビット間隔情報が途切
れてしまう。このような状態は、光ピックアップ103
の出力に基づいて制御動作を行うフォーカスサーボ10
4その他のサーボ回路において誤動作を招く原因とな
る。
【0027】そこで、このような直流分をできる限り取
り除くため、CD105に記録すべきデジタルデータの
連続するビットにおいて、論理「1」又は「0」の一方
が長く続かないようなデータ変換が行われ、CD101
に記録される。これをEFM変調と呼ぶ。このようにし
て、CD101に記録されたEFM変調信号を再生する
ために、EFM復調回路112において上記変調処理と
逆の復調処理が行われる。
【0028】上述のようにして、EFM復調されたデー
タのうち、オーディオデータが図1の信号処理回路11
4へ、サブコードがCD制御部116へ入力する。な
お、サブコードは本考案には特には関連しないため、そ
の説明は省略する。
【0029】信号処理回路114は、EFM復調回路1
12から入力されるオーディオデータを、CIRC(Cro
ss Interleaved Reed-Solomon Code)と呼ばれるコード
に基づいて誤り訂正処理を行うとともに、デ・インタリ
ーブ処理を行って、フレーム単位で16ビットの各デジ
タルオーディオデータの各サンプルの復元を行う。
【0030】その後、16ビットのデジタル・オーディ
オデータの各サンプルは、L/R分離回路124でステ
レオの左チャネル出力Lと右チャネル出力Rに分離さ
れ、それぞれがD/A変換部125でアナログ信号に変
換された後、LPF(特には図示せず)を介してアナロ
グのオーディオデータとしてサウンドシステム300に
出力される。
【0031】図3のクロック発生回路113は、図5に
示すように、VCO113aの発振周波数を順次、整数
分の1に分周する分周回路113b、118c及び118
dを内蔵しており、これにより、CLVサーボ回路10
8に基準となるクロックが与えられる。このクロック
の周波数は、後述するテンポ制御が行われない場合には
7.35KHzであるが、テンポ制御が行われ場合には、テン
ポ設定キー202に応じて変化し、その結果各回路の処
理速度が変化する。
【0032】つぎに、CLVサーボについて説明する。
図5において、CLVサーボ回路108、モータ駆動用
増幅器130、スピンドルモータ102、CD101、
データ抽出回路110内に設けられるクロック抽出用P
LL129、および分周器109がPLLを構成し、C
LVサーボ動作を行っている。これらの回路のうち、C
LVサーボ回路108がPLLの位相比較器に相当し、
その位相比較動作により、CLVサーボ回路108の出
力に生じた誤差電圧がモータ駆動用増幅器130に入
力される。そして、モータ駆動用増幅器130、スピン
ドルモータ102、CD101、およびクロック抽出用
PLL129が、PLLのループフィルを含むVCOの
役割りをして、上述の誤差電圧によってモータ駆動用増
幅器130の出力電圧を変えることにより、スピンドル
モータの102回転を変え、CD101の信号手段から
抽出されるクロックの周波数を制御する。
【0033】以上のようにして、CLVサーボ回路10
8の入力におけるクロックパルスは、テンポ制御が行
われない場合には、入力のクロックの7.35KHzの周波
数で完全にロックされる。このとき、分周器109の入
力において、クロックの周波数 7.35KHz×588=4.3218MHz が得られる。これが、ビットクロックで、基準に用いら
れる水晶発振子の周波数と同程度の精度と安定度を有す
る。もちろん、CD101の各トラックの再生中の線速
度は常に一定に保たれる。
【0034】つぎに、本実施例の特徴である、再生スピ
ードを変えてテンポを変更する制御動作につき説明す
る。まず、通常、図5のPLLのロックする範囲(ロッ
クレンジ)は、位相比較器の入力周波数の数パーセント
程度であるが、この入力周波数を変えると、ロックした
状態で、PLLの出力周波数を、任意に変更することが
できる。
【0035】すなわち、PLLによるCDのCLVサー
ボにおいて、PLLの位相比較器の入力(図5)のク
ロック周波数を変えると、ロックの状態を保ちつつ自由
にCDの再生スピードを調節することができる。
【0036】ところで、図5のCLVサーボ回路108
に与えるクロック周波数7.35KHzは、通常の再生時のも
のである。この周波数を変更すると、CLVサーボによ
り、この周波数に比例した再生スピード、すなわちテン
ポが変化するとともに、再生音のピッチが変わる。本実
施例では、電子鍵盤楽器部200(図2)の図4に示す
ようなテンポ設定キー202を演奏者が押すことによ
り、同キー202に対応するテンポ制御信号が図2の楽
器制御部201から図1のCD制御部116へ出力され
る。そして、そのテンポ制御信号に応じてCD制御部1
16はVCO制御回路115を制御し、VCO制御信号
をVCO113aへ出力する。
【0037】この場合、選択されたテンポ設定キー20
2に応じて、VCO113aの周波数が半音程、つまり
1/12=1.059の整数倍の比率で変化する。すなわ
ち、「±0」を押せば、CD101のノーマル再生時の
VCO113aの周波数は変化しないが、「−1」また
は、「−2」を押すと、半音または2半音に相当する比
率(0.944および0.891)でVCO113aの周波数が低
下する。「−1oct」を押せば、同周波数は1オクター
ブ下がり、ノーマル再生時の1/2になる。
【0038】このように、テンポ設定キー202を選択
操作してVCO103aの出力周波数を変更することに
より、上述のCLVサーボが作動してCD101の再生
スピード(テンポ)を半音程の比率の整数倍で変更させ
ることができる。
【0039】上述の再生スピードの変化に対応して、図
1の信号処理回路114における信号処理のスピードも
変化させる必要がある。そのためには、信号処理回路1
14における基準クロックを変化させればよい。
【0040】そこで、図1のCD制御部116は、選択
されたテンポ設定キー202に応じて図2の楽器制御部
201から出力されるテンポ制御信号に応じて図1の選
択回路117を制御する。これにより、選択回路117
は、複数の発振器118〜112と分周器123のうち
の1つを選択し、そこから出力されるマスタークロック
を信号処理回路114へ供給する。
【0041】これらの発振器と分周器のうち、第1発振
器118は、CDプレーヤ部100のノーマル再生スピ
ード時に用いられる。第2発振器119、第3発振器1
20、第4発振器121、第5発振器122、および1/
2分周器123で得られるそれぞれのクロックの周波数
は、第1発振器118の周波数に対して、後述するテン
ポ設定キー202の操作で設定される1あるいは複数個
の半音程に相当する比率で設定されている。その周波数
をつぎに示す。
【0042】 第1発振器・・・16.9344 MHz 第2発振器・・・15.9839 MHz 第3発振器・・・15.0868 MHz 第4発振器・・・14.2401 MHz 第5発振器・・・13.4408 MHz 1/2分周器・・・16.9344/2 MHz 以上から明らかなように、信号処理回路114には、こ
れら独立した発振器から供給されるクロックを供給する
ことができるので、ワウ・フラッタのない極めて安定し
たオーディオ出力を得ることができる。
【0043】一方、CDの再生テンポを変更すると、再
生音のピッチも変わるので、それに応じて電子楽器側の
ピッチをトランスポーズ(移調)する必要がが生じる。
トランスポーズの動作は、図2の電子鍵盤楽器部200
により実現される。
【0044】図2において、楽器制御部201は、押鍵
検出/発音割当回路を含み、一定の周期で走査を行い、
鍵盤203の押鍵、離鍵情報を取り込む。また、鍵が押
鍵されると、楽器制御部201は押鍵した鍵を複数の発
音割当チャネルのいずれかに割当てるとともに、その鍵
の操作信号をキーコード変換部204に送る。そこで、
その操作信号は押鍵した鍵を特定するキーコードに変換
され、そのキーコードは演算部204に入力される。
【0045】このキーコードは、オクターブ・コードと
ノート・コードから構成される。オクターブ・コード
は、その鍵の属するオクターブ名を表すコードで、例え
ばC2〜B2鍵は2進数で000、C3〜B3は001、C4〜B4
は010のように表す。また、ノート・コードは1オクタ
ーブ内の12音に対応するコードで、例えばC音を2進
数で0000、C#音を0001・・・B音を1011と表す。
【0046】図2において、演奏者がテンポ設定キー2
02を操作していなければ、上述のキーコードは、演算
部205で特には演算されずに楽音波形発生部206に
入って、そこで押鍵した鍵のキーコードに応じた音高を
有する楽音信号となる。
【0047】その後、この楽音信号は、D/A変換部2
07でアナログ信号に変換された後に、LPF(特には
図示せず)で整形される。さらに、コーラス効果回路2
08で擬似ステレオ効果が付加された左右2チャネル
(L、R)の楽音信号が生成され、図1のサウンド・シ
ステム300から放音される。
【0048】以上は、テンポ設定キー202を操作しな
い場合である。同キーを演奏者が選択操作すると、前述
したように、選択されたテンポ設定キー202に応じて
CD101の再生スピード(テンポ)が変更されるとと
もに、楽器制御部201から音高制御信号が演算部20
5へ出力される。その結果、演算部204でその音高制
御信号は、キーコード変換部204より出力したキーコ
ードと加算される。例えば、押鍵したノート・コードが
0001(C#)のとき、半音上昇するとして0001の音高制
御信号が加算され、その後、上述のような動作が行われ
て0010の音、すなわちD音が発音される。
【0049】以上の説明で明らかなように、テンポ設定
キー202を操作してCDの再生スピードを変えるとと
もに、それにともなって変化するCDの再生音のピッチ
に応じて、楽器演奏音を自動的にトランスポーズするこ
とができる。
【0050】なお、本実施例ではCDプレーヤの再生に
合わせて、電子鍵盤楽器を演奏する場合を説明したが、
本考案はこれに限られることなく、オーディオ再生装置
として、デジタルオーディオテープレコーダ(DAT)
をはじめとして、コンパクト・カセットレコーダやLP
レコードプレーヤ等を使用してもよく、また、楽器も電
子鍵盤楽器以外に、電子管楽器、電子弦楽器等を用いて
も差し支えない。
【0051】
【考案の効果】本考案によれば、CDプレーヤ等のオー
ディオ再生手段の再生スピードを自由に変更することが
でき、かつ、オーディオ再生手段で再生される楽曲と演
奏者が演奏する楽曲との間でピッチがずれることがない
ため、楽器を再チューニングする煩わしさがなく、再生
される楽曲に調子を合わせて電子楽器を演奏することが
可能となる。
【0052】特に、本考案では、信号処理回路に供給す
べきクロック信号を、クロック選択手段が再生スピード
設定信号に従って複数の発振器から選択することによ
り、信号処理回路における誤り訂正処理やデ・インタリ
ーブ処理を正確にかつ安定して行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CDプレーヤ部100の構成図である。
【図2】電子鍵盤楽器部200の構成図である。
【図3】CDプレーヤ部100のサーボ系と信号系の一
部の構成を示すブロック図である。
【図4】テンポ設定キーの外観図である。
【図5】CDプレーヤ100のCLVサーボとクロック
発生回路の説明図である。
【図6】CDのフレーム・フォーマットの説明図であ
る。
【符号の説明】 100 CDプレーヤ部 101 CD 102 スピンドルモータ 103 光ピックアップ 104 フォーカスサーボ 105 トラッキングサーボ 106 送りモータ 107 送りサーボ 108 CLVサーボ回路 109 分周器 110 データ抽出回路 111 フレーム同期回路 112 EFM復調回路 113 クロック発生回路 114 信号処理回路 115 VCO制御回路 116 システム制御回路 117 選択回路 118 第1発振器 119 第2発振器 120 第3発振器 121 第4発振器 122 第5発振器 123 1/2分周器 124 L/R分離回路 125 D/A変換部 126 位相比較器 127 ループフィルタ 128 VCO 129 クロック抽出用PLL 130 モータ駆動用増幅器 200 電子鍵盤楽器部 201 楽器制御部 202 テンポ設定キー 203 鍵盤 204 キーコード変換部 205 演算部 206 楽音波形発生部 207 D/A変換部 208 コーラス効果回路 300 サウンド・システム

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル信号処理回路により信号処理を
    行いながらオーディオによる楽曲を再生するオーディオ
    再生手段と、 前記オーディオによる楽曲の再生に合わせて演奏者に演
    奏操作を行わせる演奏操作手段と、 該演奏操作手段からの演奏情報に基づいて楽音を発音す
    る楽音発音手段と、 前記オーディオ再生手段の再生スピードを設定し、それ
    に応じた再生スピード設定信号を出力する再生スピード
    設定手段と、 該再生スピード設定手段から出力される再生スピード設
    定信号に基づき、前記オーディオ再生手段の再生スピー
    ドを変更する再生スピード変更手段と、 前記再生スピード設定手段から出力される再生スピード
    設定信号に基づき、前記楽音発音手段で発音される楽音
    のピッチを変更する楽音ピッチ変更手段と、 それぞれ異なる周波数のクロック信号を発生する複数の
    発振器と、 前記再生スピード設定手段から出力される再生スピード
    設定信号に基づき、前記オーディオ再生手段のデジタル
    信号処理回路における信号処理タイミングを定めるクロ
    ック信号を前記複数の発振器から選択して該デジタル信
    号処理回路に供給するクロック選択手段と、 を有することを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 前記再生スピード設定信号は、前記楽音
    ピッチ変更手段で前記楽音のピッチが半音程を単位とし
    た比率で変更されるような比率で設定されることを特徴
    とする請求項1記載の電子楽器。
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