JP2545448B2 - 特別な開孔模様を持った不織布及びその製造法 - Google Patents

特別な開孔模様を持った不織布及びその製造法

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JP2545448B2 JP63219636A JP21963688A JP2545448B2 JP 2545448 B2 JP2545448 B2 JP 2545448B2 JP 63219636 A JP63219636 A JP 63219636A JP 21963688 A JP21963688 A JP 21963688A JP 2545448 B2 JP2545448 B2 JP 2545448B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、開孔不織布及びその製造法に関するもので
あり、更に詳しくは、特別な開孔模様を持った開孔不織
布及びその製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
エンドレスベルトや円筒状に加工された金網や穿孔さ
れた板の上に、ウェブを堆載して移動しつつ水流を当て
て、水流によりウェブを構成する繊維を移動させて、金
網の穴の部分に押しやり、金網の交点部分又は未穿孔部
分の繊維を排除して開孔部とする開孔不織布の製造法は
特公昭36−7274号公報で公知である。
しかし、この方法では不織布全面に亘る単調な開孔模
様しか得られず、更に複雑なレース模様などを提供する
試みが提案されている。
例えば、上記のウェブを堆載すべき板(支持板)の穿
孔部を特別な模様のものとして、レースの如き模様を持
った開孔とすることが特公昭47−18069号公報などで知
られている。
又、支持板の穿孔部に網状物を組み合わせて、レース
状の大きな開口と、網状物の小さな開孔の複合模様を製
造することが、特公昭54−10666号公報にて提案されて
いる。
又、棒状の水流を発生させる水流ノズルの間隔に対
し、ウェブを堆積すべき板の穿孔の間隔を異ならせて、
ノズルと穿孔の一致した部分のみに穿孔部のパターンの
模様を付け、ノズルが穿孔と一致しない部分は無孔の模
様のない部分とする、ウェブの長尺方向に縞模様を付与
する方法が、特開昭61−6355号公報で開示されている。
又、ウェブに当たる水流を特別な模様に穿孔された遮
蔽板で遮って、開孔部分を限定し、開孔部に形状を与え
て模様付することが特公昭54−10666号公報などで知ら
れている。
〔発明の解決しようとする課題〕
特開昭61−6355号公報の方法では、単調な長尺方向の
縦縞しか得られず、更に、模様を変更するためには、ノ
ズルやウェブを受ける支持板をその都度交換することが
必要で、工業的に実施する上で、多くの労力を必要と
し、更に交換の間、生産が中断する損失を生ずるという
問題があった。
又、特公昭47−18069号公報や特公昭54−10666号公報
などの、模様を持つ支持板の上で模様付けする方法も、
開孔模様を変更するためには支持板を交換する必要があ
り、上記と同様の工業的実施上の問題点があるほか、
又、支持板の開口は、支持板の強度や形状保持の点か
ら、非連続の独立したものとすべきであったり、非開口
部分の幅を一定幅以上にする必要があるなどの制約があ
り、得られる開孔模様にも限界がある。
同様に、特公昭54−10666号公報等に開示される、特
定の開口を持つ遮蔽板で水流を遮る方法では、上記の支
持板の交換という問題は軽減されるが不織布の開孔模様
の限界については問題を残している。
これらのいずれの方法であっても、開孔部と非開孔部
の境が明瞭となり、あくまで織物の代替品を目指すべき
不織布としては、見た目が悪く、更に、手触りや風合も
悪い他、変形時の応力がこの部分に集中するなどの問題
があった。
又、これらの方法の他の問題点は、支持板に開口模様
を設ける方法であれ、遮蔽板に開口模様を設ける方法で
あれ、それらの開口板の開口形状は、開口板としての形
状を保つために、当然独立の開口とせざるを得ぬ上、工
作精度や成形板の強度の点から微細なものとすることは
困難であり、開口は大きくせざるを得ず、レース状の大
きな開口を持つ不織布しか得られなかった。
これらのレース状の大孔径の開口は、ウェットワイパ
ーなどの生活用品や工業用ワイパーなどでは、不織布の
汚染面を払拭する上で有効な非開口面が少なく、汚物を
拭いさる機能に乏しいこと、大きな開口の故に汚物が開
口を通過して手を汚すことなどの点で好ましくなく、汚
物を拭いさる機能に優れ、その汚物が不織布を通過して
手を汚すことのない新規な構造の不織布の提供が望まれ
ていた。
即ち、本発明の第1の目的は、織物の代替品として使
用に耐える程の優れた外観、手触り及び風合を有すると
共に、汚物を拭いさる機能に優れ、且つその汚物が不織
布を通過して手を汚すことがなく、且つ、消費者に好ま
れる模様の多様性を兼ね備えた新規な構造の不織布を提
供することである。
又、本発明の第2の目的は、工業生産上の大きな問題
である、支持板や模様付用の開孔遮蔽板等を交換するこ
となく、容易に開孔模様を変更する手段を提供すること
である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の第1の目的は、開孔部と非開孔部を持つ不織
布であって、該開孔部は直径0.2mmから1.5mmの大きさの
開孔が、該直径の約1.2倍から3倍の間隔で、ほゞ方眼
状に開孔し、該開孔部が非開孔部を包囲して、格子縞状
又は水玉状の模様を形成するようにほゞ規則的に配置さ
れ、且つ、最も近接する非開孔部同志を結ぶ線分が、不
織布の長尺方向に対して15度以上傾いて配置されている
ことを特徴とする開孔模様を持った不織布により、達成
される。
又本発明の不織布は、5〜40メッシュの支持網上にウ
ェブを堆載し、ウェブの上方よりウェブの全幅に亘って
水流を当てて、開孔を持つ不織布を製造するに当たり、
該ウェブと水流源の間に、該支持網の網目間隔の39/20
〜21/20又は20/21〜20/39の間隔の網目を有する遮蔽網
を、該支持網の網目に対し網目を約2度から15度傾けて
設置し、該水流を遮ることにより、不織布の長尺方向に
対し傾いた規則的な格子縞状の干渉模様の開孔を発生さ
せる方法で製造され、この方法により本発明の第2の目
的が達成される。
本発明の特別な模様を持つ開孔不織布を製造するメカ
ニズムは、ウェブを5〜40メッシュの網や、それと同等
の穿孔された板(以下、支持網と総称する)の上に該ウ
ェブを堆載し、該ウェブの上方よりウェブの全幅に亘っ
て水流を当てて、該水流により、該ウェブを構成する繊
維を、支持網のワイヤー又は穿孔された板の非穿孔部分
の上から移動させて、支持網の穴の部分に押しやり、支
持網のワイヤー部分の繊維を排除して開孔部とするこ
と、更に、水流を該ウェブに到達する前で、上記の如く
特別な遮蔽網で遮って、遮蔽網の網目を通過した水流に
よってのみ上記の開孔作用を発生させ、支持網のワイヤ
ーと重なり合った点のみを干渉模様として選択的に開孔
させることであり、更に、その支持網の網目と遮蔽網の
網目を傾けて設置することで、複雑な干渉模様を発生さ
せることである。
図面により本発明の特徴とする開孔模様について説明
すると、第1図は、支持網が20メッシュ、遮蔽網が21メ
ッシュの組み合わせの場合について、上記のメカニズム
に従って、干渉点(開孔)模様をパーソナルコンピュー
タにてシミュレーション結果であり、Aは支持網の網目
方向、Bは遮蔽網の網目方向を示し、AとBは3度傾け
て設置されている。Cは、最も近接する非開孔部同志を
結ぶ線である。
本発明の方法で得られる格子縞模様は、第1図の例の
様に、網目に対応したほゞ方眼状に、即ち互いに直交す
る列の交点に開孔が配置されて開孔した開孔群よりなる
開孔部1が、全く開孔されていない部分、非開孔部2を
取り囲んで格子縞模様又は水玉模様を形成しており、更
に、最も近接する非開孔部同志を結ぶ線Cが、支持網の
網目方向、即ち不織布の長尺方向に大きく傾いて設定さ
れているのである。
開孔の大きさとしては、約1.5mm以下、好ましくは1.0
mm以下であることが必要で、これより大きな場合は、従
来のレース状の開口模様を持つ不織布と同様に、ワイパ
ーとして用いるに当たり、汚物が不織布を通過して、手
を汚す欠点を生ずる。一方、開孔が約0.2mm以下のとき
は、開口部の機能が乏しくなり、好ましくない。
開孔の形状は真円又は正方形である必要はなく、長円
又は長方形であってよく、これらの場合、開孔の大きさ
は長径又は長辺の長さをもって表す。
ここで得られる開孔の大きさは、上述の開孔メカニズ
ムから明らかなように、用いられる支持網のワイヤーの
径でほゞ定まり、支持網の網目としては、5〜40メッシ
ュ、好ましくは、8〜30メッシュが選ばれるべきであ
る。
それぞれの列を形成する開孔の間隔は、該開孔更に、
これらの支持網により得られる開孔模様のそれぞれの列
を形成する開孔の間隔は、該開孔の直径の約1.2倍から
3倍の範囲に選ばれるべきであり、この範囲以外では不
織布としての強度を損なう恐れがあり好ましくない。
開孔部を形成する方眼状に配置された開孔群の開孔の
間隔は、直交するそれぞれの列で異なっていることも許
される。
ここで本発明の方法が最も特徴とする点は、該遮蔽網
の網目を支持網の網目に対して傾けて、即ち両網のワイ
ヤー同士が、約2度から約15度の角度で交差するように
設置させることにある。
そして、このように僅かに両網を傾けて設置すること
で、干渉模様として形成される格子縞模様は網の傾きよ
りも遥かに大きく、45度を越えて傾くのである。
第2図は、支持網と遮蔽網のそれぞれの網目の大きさ
がそれぞれ12メッシュ、14メッシュの組み合わせ、及び
20メッシュ、22メッシュの組み合わせの場合について、
両網の傾き角度を、3,5,7,9,11度に設定したときの干渉
点(開孔)模様を同様にシミュレーションしたものであ
る。
第2図のように僅か7度程度傾けるだけで、更に極端
な場合は、第1図のように、僅か3度傾けるだけで、ほ
ゞ45度傾いた格子縞模様が得られることが理解されよ
う。
この格子縞模様の傾きとしては、15度以下の場合には
傾いた模様としての新鮮味が得られず好ましくないた
め、避けられるべきである。
更に、コンピュータシミュレーションとは別に実際に
本発明の方法を実施した場合、干渉の程度が変化するこ
とは当然予想されることであり、水流の作用の大小によ
って、格子縞模様から水玉模様、更に特別な場合には、
市松模様、更には、非開孔部が開孔部を取り囲んだ水玉
模様にまで変態することもあり、本発明の多様な実施態
様を示すものである。
遮蔽網としては、支持網の網目の間隔に対して、その
39/20〜21/20又は20/21〜20/39の間隔の格子縞状に配列
した開孔を持った、多孔板又は網(以下遮蔽用網と総称
する)が用いられるべきである。
遮蔽網の網目の間隔を支持網の網目の39/20〜21/20又
は20/21〜20/29の間隔、更に好ましくは、30/20〜21/20
又は20/21〜20/30の間隔に選ぶことにより、遮蔽網の網
目を通過した水流が、支持網のワイヤーと重なり合った
点のみを干渉模様として選択的に開孔させ、本発明の特
徴とする格子縞状の模様の不織布が製造できる。
そして、驚くべきことに、両網の網目が全く同じ場合
には、網目を傾けても格子縞模様の傾きは全く発生しな
いといってよいほど僅かしか発生しないのである。
網目の間隔の比率が上記範囲より大きいか又は小さく
ても原理的には干渉模様は得られるが、現実には、大孔
径の方の網の形状が支配的となって、干渉模様が損なわ
れ、好ましくない。
本発明の孔開け処理を実施する方法としては、第3図
の如く、支持網4上にウェブ3を堆積し、その上に遮蔽
網6の網目を所定の角度傾けて重ね、移動させつつノズ
ル5より噴射される水流にさらして処理されるのが好適
である。
遮蔽網の網目の支持網の網目に対して傾けて重ね合わ
せる具体的な方法としては、第4図の如く、網目を傾け
て切り出し、エンドレスに繋ぎ加工したエンドレスネッ
トを遮蔽網6aとしてウェブ3a上に重ねて、支持網4aに平
行して走行させてもよく、又第5図の如く網目に平行に
切り出してエンドレスネットとしたものを遮蔽網6bとし
て、支持網4bに対してその走行方向を所定の角度傾けて
設置し、走行させる方法であってよいが、不織布の格子
縞模様の傾きが容易に変更できる点では後者がより好ま
しい実施態様といえよう。
勿論、支持網/ウェブ/遮蔽網を固定して、水流を移
動させる方法によっても、同様の効果が得られ、実験室
的に小片を試作する上では簡便である。
遮蔽網は、ウェブと接して重ねられてもよいが、若干
の間隔を設けて設置することが好ましい実施態様であ
り、この場合には、遮蔽網を、支持網及びウェブと異な
る速度で移動させることで、干渉の間隔を容易に変更す
ることが可能となる。又、遮蔽網の速度を、変動させつ
つ開孔処理すれば、連続して干渉間隔が変化する模様が
得られる等の多様な模様が容易に得られる。
支持網及び遮蔽網共に、その材質に関しては、特に制
限されるものではなく、ステンレス鋼やりん青銅、しん
ちゅう等の金属製の金網や、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリビニリデンクロライド、等の合成ポリマーのモ
ノフィラメント又は撚糸されたマルチフィラメントより
なる網、ガラス繊維やアラミド繊維を弗素樹脂でコーテ
ィングした素材の網等が、いずれも好適に用いられる。
これらの網の織り構造も特に制限されるものではな
く、通常は平織り構造のものが用いられるが、斜織り他
の構造のものも、開孔パターンの多様化の上で好ましく
用いられる。又、支持網と遮蔽網の構造が、それぞれ異
なっていることも、上記の網目のメッシュの関係が、本
発明の範囲にある限り許され、新規な干渉パターンを生
み出す上で、興味ぶかい。
支持網は織物構造であっても、単にワイヤーを交差し
て重ね合わせ、交点を溶接した溶接金網や、フィルム又
はシートをパンチングする等の方法で網目の開口部分に
相当する部分を穿孔した板状物又はシート状物であって
もよい。
遮蔽網も特に織物構造である必要はなく、単にワイヤ
ーを交差して重ね合わせ、交点を溶接した溶接金網や、
パンチング等の方法で網目部分を穿孔した板状物であっ
ても、同様に用いられる。
本発明の処理に用いられる水流としては、支持網上の
ウェブ構成繊維を、網を構成するワイヤー上から排除し
て、開孔部を作り出すに必要なエネルギーの水流であれ
ばよく、通常20kg/cm2G程度の圧力でノズルより噴出さ
れた水流が用いられる。ノズルの形状も特に制限される
ものではなく、噴出された水流が扇状や、円錘状に拡散
するようなノズル、膜状の水流を作るスリット、棒状の
流れを形成するノズル等がいずれも、処理すべきウェブ
の繊維素材やウェブの厚みなどにより、任意に選択され
て用い得る。但し、複数のノズルにより水流処理する場
合には、本発明の方法の特徴から理解される如く、水流
は遮蔽網のほゞ全幅に亘って当たるように、それぞれの
ノズルの間隔は配慮されるべきであり、大略各ノズルか
らの水流の間隙は、遮蔽網のワイヤーの間隔よりも短く
すべきである。又、水流による処理は多段階に行われて
もよく、この間に遮蔽網と支持網の位置がずれないよう
にさえ保たれれば、より明瞭な干渉模様が得られる点で
推奨される。
支持網の裏面から水流を吸引して、強制的に排除する
ことも、必要があれば行われてよい。
水流により開孔処理された不織布は、更に必要あれば
追加的に高圧の棒状の水流による繊維同志の交絡処理
や、接着剤処理などの処理を施された後、乾燥され、巻
き取られるなどして使用に供されるが、これらの工程に
関しては特に限定されるものではなく、公知の手段、条
件が任意に選ばれてよい。
本発明の不織布を製造するためのウェブの製造法につ
いては、特に制限されるものではなく、どの様な方法に
よるウェブであっても用いられる。即ち、短繊維を水中
に懸濁し、抄造する方法、短繊維を空気流にて分散して
網上に捕集する方法、ステープルファイバーをカードに
よりウェブ化する方法、紡糸に直結してウェブに形成す
る、いわゆるスパンボンド法、等である。
ウェブを形成する繊維についても、特に限定されるも
のではなく、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレ
ン、アクリロニトリル系ポリマーなどの合成繊維、レー
ヨン、キュプラ(銅アンモニア法レーヨン)等の再生繊
維、木綿他の天然繊維のいずれもが、任意に選ばれて良
く、それらの2種以上が複合して用いられることも許さ
れるが、ワイパーとしての機能面からは、セルロース系
繊維から成るか、又は、含有するものが好まれることが
多い。
これらの繊維は、短繊維であっても、連続長繊維であ
っても、それらを混合して使用するものであっても良
い。
〔発明の作用〕
本発明の特別な模様の開孔を持つ不織布によれば、本
発明の製造法から明らかなように、格子模様を形成する
開孔部と非開孔部は、遮蔽板と支持板との干渉模様とし
て得られ、更に、それが不織布の長尺方向に対して傾い
て配置されるため、従来のパターン付け遮蔽板による開
孔不織布のごとき明瞭な境目を持たずに、開孔部から非
開孔部へと円滑に連続的につながっているので、不織布
が変形を受けた際の応力の集中がなく、従って、強度が
損なわれない。又、開孔部と非開孔部の境目が明確でな
いことは、感触上も境目の違和感を与えない他、見た目
にも自然な美しい干渉模様を与える。
本発明の開孔不織布において、開孔部分は、繊維の集
合があるため、ボリューム感を与え、又繊維同志の絡み
合いを生じるために不織布としての強度を発現する上で
効果があり、又、透水性や通気性を不織布に与える。一
方、非開孔部は、払拭性や、保水性、カバリング性等を
不織布に与え、これらの模様や比率を適当に選択するこ
とで、各種の用途に適した不織布を提供できる。
本発明の方法によれば、支持網と遮蔽網の網目を傾け
て設置することにより、干渉による格子縞模様が網の傾
き以上に傾いた特異な模様を生じさせることができ、安
価で入手しやすい平織りの金網や、パンチングシート等
の穿孔物の組み合わせのみで、複雑な開孔模様が簡単に
創出でき、且つ、従来技術で問題であった模様替えが容
易となる。
〔実施例〕
以下に実施例をもって、本発明の具体的な実施態様を
説明するが、本発明がこれのみに限定されるものではな
いことは、勿論である。
実施例1〜3 精製されたリンターを銅アンモニア錯体水溶液に溶解
し、特公昭52−6381号公報の方法に従い、長方形の濾斗
状凝固浴中に多数の紡孔から押し出し、凝固浴に供給さ
れる凝固用の水と共に、凝固浴の下からスリットを介し
て流出させ、凝固水と共に、膜状に流下させた後、ポリ
エステルモノフィラメントからなるネットコンベア上に
捕集して、次いで希硫酸で洗浄し、更に水洗して、キュ
プラレーヨンのスパンボンドウェブを製造した。
このウェブを、第3図に示した装置により、本発明の
開孔処理を施した。即ち、ウェブ3を、線径が0.457mm
のしんちゅうワイヤーの平織り組織よりなる、20メッシ
ュのエンドレスの金網(支持網)4上に載せ替え、その
15cm上に位置するノズル5から、30kg/cm2Gの水を噴出
させて、ほゞ20度の拡がりの扇形の水流としてウェブ3
に当てるようにした。
水流発生用のノズル5と、ウェブ3の間に、線径が、
0.48mmのポリエステルモノフィラメントの平織り構造
で、長さ方向が15メッシュで、幅方向が17メッシュのエ
ンドレスな網を遮蔽網6として、支持網の走行方向とは
7度傾けて走行するように設置し、ウェブ3の上方10mm
を支持網と同じ速度で走行させた。
支持網の裏面に吸引ボックス7を設け、ウェブを貫通
した水流を吸い取った。
キュプラスパンボンドウェブは、水流により、開孔部
の繊維が、網の目に排除されて、支持網に食い込んだ状
態となる。
この状態のまま、支持網を熱風乾燥機8中に導いて、
120℃にて乾燥した後、調湿し、次いでロール9として
巻き取った。
得られた開孔模様を持った不織布は、第6図の写真に
示すような、0.3mm〜0.7mmの開孔が1.6mm〜1.7mmの間隔
で方眼状に並び、非開孔部が水玉模様状に残されたもの
であった。
この開孔不織布は、ウェットティッシュとして用いた
場合、次に示す、比較例のものに比べ、柔らかな感触
と、厚み感において改良されたものであった。
次いで、遮蔽網の支持網に対する角度を、5度及び9
度に変更して開孔不織布を製造し、それぞれ第7図、第
8図に写真を示す開孔模様の物を得た。先に説明したコ
ンピュータシミュレーションの如く、模様の回転が生じ
ることが分かる。
比較例 実施例1の遮蔽網を設置しなかった他は、全く同様に
して、キュプラスパンボンドの開孔不織布を製造した。
得られた開孔不織布の模様は、第9図に示す如く、支
持網の網目の交点が全て開孔した、単純なパターンのも
のであり、ウェットティシュとした場合、感触も硬く、
厚み感も乏しいものであった。
参考例 実施例1において、遮蔽網の傾きを無くし、支持網と
同方向に走行させたところ、第10図に示すような格子縞
模様が得られた。当然ながら、模様の傾きは発生せず、
本発明の開孔不織布とは全く異なる開孔模様となること
が分かる。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、簡単に不織布の開孔模様が変
更可能であり、又、その開孔模様も、不織布の長尺方向
に傾いた、市松模様や格子縞模様といった、従来余り実
施されていないパターンのものであって、消費者の多様
な要求に答えるものである。
本発明の開孔不織布において、開孔部分は、繊維の集
合があるため、ボリューム感を与え、又繊維同志の絡み
合いを生じるために不織布としての強度を発現する上で
効果があり、又、透水性や通気性を不織布に与える。一
方、非開孔部は、払拭性や、保水性、カバリング性等を
不織布に与え、これらの模様や比率を適当に選択するこ
とで、各種の用途に適した不織布を提供できる。
本発明の不織布の用途としては、ガーゼ、ホスピタル
タオル、等のメディカル分野用の資材、工業用ワイパ
ー、おてふき、ふきん、濡れナプキン等の各種のワイパ
ー類、テーブルクロス、シートカヴァー、等のカヴァー
クロス用途が例示される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の開孔模様を説明する図面で、1は開
孔部であり、2は非開孔部である。 第2図は、本発明の干渉模様の各種例を示す図面であ
る。 第3図は、本発明の実施に用いられる開孔処理設備であ
り、3はウェブ、4はエンドレスの金網よりなる支持
網、5はノズル、6は遮蔽網、7は吸引ボックスであ
り、8は熱風乾燥機である。 第4図及び第5図は、本発明の不織布を製造するにおい
て用いられる遮蔽網の実施態様を示すものである。 第6図から第8図は、本発明の開孔不織布中の繊維の形
状を示す倍率1.7倍の顕微鏡写真であり、第9図及び第1
0図は比較例及び参考例の開孔不織布中の繊維の形状を
示す同倍率の顕微鏡写真である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開孔部と非開孔部を持つ不織布であって、
    該開孔部は直径0.2mmから1.5mmの大きさの開孔が、該直
    径の約1.2倍から3倍の間隔で、ほゞ方眼状に開孔し、
    該開孔部が非開孔部を包囲して、格子縞状又は水玉状の
    模様を形成するようにほゞ規則的に配置され、且つ、最
    も近接する非開孔部同志を結ぶ線分が、不織布の長尺方
    向に対して15度以上傾いて配置されていることを特徴と
    する開孔模様を持った不織布。
  2. 【請求項2】5〜40メッシュの支持網上にウェブを堆載
    し、ウェブの上方よりウェブの全幅に亘って水流を当て
    て、開孔を持つ不織布を製造するに当たり、該ウェブと
    水流源の間に、該支持網の網目間隔の39/20〜21/20又
    は、20/21〜20/39の間隔の網目を有する遮蔽網を、該支
    持網の網目に対し網目を約2度から15度傾けて設置し、
    該水流を遮ることにより、不織布の長尺方向に対し傾い
    た規則的な格子縞状の干渉模様の開孔を発生させること
    を特徴とする開孔模様を持った不織布の製造法。
JP63219636A 1988-09-03 1988-09-03 特別な開孔模様を持った不織布及びその製造法 Expired - Fee Related JP2545448B2 (ja)

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