JP2545439B2 - ウェブの製造方法と装置 - Google Patents

ウェブの製造方法と装置

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JP2545439B2 JP63104303A JP10430388A JP2545439B2 JP 2545439 B2 JP2545439 B2 JP 2545439B2 JP 63104303 A JP63104303 A JP 63104303A JP 10430388 A JP10430388 A JP 10430388A JP 2545439 B2 JP2545439 B2 JP 2545439B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、フィラメント群からウェブを製造する方法
と装置に関する。より詳しくはウェブ中のフィラメント
の配列方向をコントロールすることができるウェブ製造
方法と装置に関する。
〔従来の技術〕
近年不織布は、織物、編物に比べて簡略化された工程
で布帛状物を得られること、および、そのすぐれた特性
により種々の分野に使用されている。特に、溶融紡糸ノ
ズルより紡出されたフィラメント群から連続した工程で
ウェブを形成するいわゆるスパンボンド不織布は、生産
性に優れかつ機械的性質に優れていることにより、医
療、衛生資材、土木資材、建築資材、農業資材、一般工
業資材等の分野で広く使用されている。
従来よりフィラメント群からウェブを製造する方法に
ついては多くの提案がなされている。例えば特公昭48−
38025号公報には、全体として狭小な矩形の面状配置に
した多数の紡糸ノズルより空気中に溶融紡糸された多数
の連続フィラメントを、狭小な矩形状のスリットを有す
るエアサッカー内に導入して高速度エアジェットの作用
により延伸と送り出し作用とを受けさせたのち、それら
のフィラメントを透過性かつ移動する捕集器上に吹きつ
けて縺れ合わせてウェブを製造する方法が、又、特公昭
53−37453号公報には、連続フィラメント繊維を複数庫
の吸引ジェットに導き、その吸引ジェットから高速気流
と共に噴出させて堆積面上に捕集し、幅の広い均一な目
付の不織ウェブを製造する方法が提案されている。
これらの方法においては、多数のフィラメントはエア
サッカーから高速空気流と共に送り出される。しかし前
者においては、機械幅方向での全面から空気流が噴出さ
れるため、空気流は機械の幅方向には拡散する余地がな
くて、機械の幅方向と直角方向すなわちウェブの進行方
向に拡散せざるを得ず、従って空気流に搬送されるフィ
ラメントもウェブの進行方向に広がっていき、捕集器上
に堆積するフィラメントはウェブの進行方向に配列する
確率が非常に高くなり、その結果としてウェブの進行方
向すなわち不織布の長手軸方向の引張強力が高く、一
方、機械の幅方向すなわち不織布の幅方向の引張強力が
低くなるのを避けることが出来ない。又後者において
も、機械の幅方向には互いに隣接する高速空気流が存在
するため、高速空気流はウェブの進行方向に、より拡散
しやすく前者同様引張強力の異方性を解消することは困
難である。特にスパンボンド不織布の特長である生産性
を高めるため、エアサッカー数を多くしてエアサッカー
間隔を小さくする場合には異方性は更に大きくなってし
まう。
不織布が使用されている前述の用途の殆どは面状で不
織布が使用される為、不織布の長手方向の強度がいかに
強くとも不織布の実用強度は最も弱い不織布の幅方向の
強度で決まってしまうので強度的に等方性であることが
望ましい。なお、テープ類のように異方性の大きい不織
布が要求される用途もあり、又、使い捨ておむつのトッ
プシートのようにおむつ生産時の加工性面からある程度
の異方性が好ましい用途もある。
この異方性を改良する方法についても従来からいくつ
もの提案がなされている。例えば特開昭51−96576号公
報には、ウェブ捕集装置の進行方向に沿って、前後して
糸送り出し用の矩形の吐出スリットを持つエジェクター
を、ウェブ捕集面の進行方向と直角な方向に対してお互
いに対称に設置し、各エジェクターの吐出スリットの長
さ方向に沿う線を結んでできる角αを120゜≧α≧20゜
となるように設置し、それぞれの矩形エジェクターから
送り出されたフィラメントを捕集面上に積層することに
より、経・緯の物性が改善された長繊維不織布の製造方
法ならびに装置が提案されている。この方法において
は、実質的に等方性のウェブを形成することは可能であ
るものの、等方性の程度をコントロールする者には紡糸
頭・エジェクターを移動させてそれらがウェブの進行方
向と成す角度を変える必要があり、非常に大きな紡糸頭
・エジェクターを移動させることは現実的には困難であ
るだけでなく、ウェブの進行方向と紡糸頭・エジェクタ
ーの成す角度を変えれば必然的にウェブ幅が変わってし
まうという重大な欠点があった。
又、特公昭45−19427号公報には、複数のフィラメン
ト送り出し装置を用い、多数の連続フィラメントを予め
定められた周波数および振幅にて偏向させて、フィラメ
ントが特定の速度で沈積受器を横切って振り動くように
して沈積受器上に捕集することにより、予め定められた
フィラメント方向性を有するが不織ウェブを製造する方
法を提案している。しかしこの方法は、装置が複雑であ
るだけでなく、隣接するフィラメント列が互いに接触す
る部分(フィラメント列の振りの折返し点)のフィラメ
ント重量を他の部分のフィラメント重量と等しくするこ
とが難しく、特に目付(1m2当りのフィラメント重量)
が小さい不織ウェブを製造する場合においては、不織ウ
ェブ全体にわたってフィラメント重量分布の均一な不織
ウェブを得ることが困難であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、従来の技術の上記のような種々の問題点を
解消し、ウェブ中のフィラメントの配列方向を自由にコ
ントロールすることにより等方性度を容易に調節するこ
とができ、かつ、フィラメントの分散均一性にもきわめ
て優れたウェブ形成する方法と装置を提供することを目
的とする。
〔課題を解決するための手段とその作用〕
本発明者らは、従来の技術における上述のような問題
点を解決するに当り、大掛かりな装置を必要とせず、か
つ、同一の装置を用い、大幅な装置条件の変更を伴わず
簡単な製造条件の変更だけで上記目的を達成するため鋭
意検討を重ねた結果本発明に到達したものである。
すなわち本発明の目的はフィラメント群をエアサッカ
ーに通過させた後移動する捕集面上に堆積させてウェブ
を製造する際に、エアサッカーから送り出されたフィラ
メント群の少くとも一部を、ウェブ進行方向に対して反
対側に設置した衝突材に衝突させ、その衝突点あるいは
それより下流側の位置で、その衝突させたフィラメント
群全体に、捕集面上に堆積されるウェブ中のフィラメン
トがウェブ進行方向に対して角度をとって配列するよう
に、斜目下方に向けて高速空気流を吹き当てることを特
徴とするウェブ製造方法によって達成される。
前記高速空気流が衝突材のフィラメント群の衝突面の
裏側からフィラメント群全体に吹き当てられると、捕集
面上のウェブを乱すことがないので好ましい。又高速空
気流が衝突材に沿ってフィラメント群に吹き当てられる
と、ウェブの幅方向にフィラメントが配置されるので好
ましい。前記衝突材としては主としてプレート状物が用
いられるが、ネット状物を用いてもよい。
複数層のウェブが積層されて成る積層ウェブを製造す
るに際しては、個々のウェブの製造を請求項1のウェブ
製造方法で行い、且つエアサッカーの空気流との関係で
見た高速空気流の流速を複数のウェブ中の少くとも一層
のウェブの製造に際して他と変更することにより、ウェ
ブの進行方向とウェブ中のフィラメントの主配列方向と
のなす角度を複数層のウェブ中の少くとも一層で変更す
ることを特徴とする積層ウェブの製造方法を用いるとよ
い。その際各層毎のウェブの製造に際してはエアサッカ
ーから送り出されたフィラメント群の全部を衝突材に衝
突させた上で高速空気流を吹き当ててもよい。例えばウ
ェブ進行方向とウェブ中のフィラメントの主配列方向と
のなす角度がθなる第1層目ウェブを形成し、ウェブ
進行方向とウェブ中のフィラメントの主配列方向とのな
す角度θなる第2層目ウェブを形成し、順次ウェブ進
行方向とウェブ中のフィラメントの主配列方向とのなす
角度がθなる第i層目ウェブを形成し、全体としてi
層からなるウェブを積層する方法により、積層ウェブを
製造してもよい。このような方法で作られた積層ウェブ
を用いて不織布を作れば等方性度の高い不織布が得られ
る。
本発明は又複数個の紡糸ノズルから紡出された複数の
フィラメントを帯状に配列して引出す少くとも1個のエ
アサッカーと、該エアサッカーの下方に配置され且つエ
アサッカーから引出されたフィラメント群の帯状平面に
直角方向に移動してフィラメント群をウェブ状に捕集し
て搬出するコンベアとからなるウェブの製造装置であっ
て、前記エアサッカーとコンベアとの間でエアサッカー
から送り出されたフィラメント群の少くとも一部に衝突
するように配置された衝突材と、該衝突材で反撥された
フィラメント群を斜目下方且つコンベアの進行方向に交
叉する方向で吹き飛ばす高速空気流噴射装置とから成る
ことを特徴とするウェブ製造装置を提供する。かかるウ
ェブ製造装置において衝突材の裏側に間隔をあけて空気
案内板を配置し、前記高速空気流噴射装置を高速空気流
噴射ノズルと、衝突材と空気案内板との間に形成される
案内空間によって形成すると、フィラメント群を所定の
方向に配列しやすいので好ましい。
以下本発明のウェブ製造方法を実施するために好まし
いウェブ製造装置の一例を示す添付図面を参照して本発
明を詳述する。ただし本発明がこれらの例のみに限定さ
れるものではない。
第1図〜第3図において、エアサッカー2(高圧空気
供給源は省略してある)から送り出されたフィラメント
群1の少なくとも一部を、ウェブ進行方向(図中矢印で
示す方向)と反対側に設置した衝突板4に衝突させ、そ
の衝突させたフィラメント群1a全体に斜目下方且つウェ
ブ進行方向に交叉する方向で高速空気流噴射装置6(高
圧空気供給源は省略してある)から高速空気流を吹き当
て、捕集面5上にウェブ7を形成する。
フィラメント群1は、エアサッカー2から高速気流と
共に送り出されるが、その高速気流は、エアサッカーの
出口3から離れるにつれて拡散しその速度を減じる。従
って、その気流によって搬送されるフィラメント群1も
エアサッカーの出口から離れるにつれてウェブ進行方向
の空間中に幅が広がって走行するようになる。本発明の
方法の基本的な要件の1つは、このウェブ進行方向の空
間中に幅が広がって走行するフィラメント群1を衝突板
4に衝突させてフィラメント群1aを実質的に一線上に集
めることにより、噴射させる高速空気流をフィラメント
群1aのそれぞれのフィラメントに均一に作用させること
にある。
又本発明の製造方法においては、衝突板をエアサッカ
ーから送り出されたフィラメント群1に対してウェブ進
行方向と反対側に設置することが好ましく、ウェブ進行
方向側に衝突板を設置した場合は、噴射された高速空気
流により捕集面上に形成されたウェブが乱されることが
ある。又、第3図における衝突板4の寸法cは、フィラ
メント群1aのすべてのフィラメントが衝突し、衝突板の
上端にフィラメントが引掛らない程度に十分な長さであ
ればさしつかえない。
次に本発明の製造方法においては、エアサッカーから
送り出されたフィラメント群の少なくとも一部を上述し
た衝突板に衝突させる。エアサッカーから送り出された
フィラメント群1のうち、衝突板4に衝突させるフィラ
メント群1aの比率については特に限定するものではな
く、最少の高速空気流噴射速度でフィラメントの配列方
向をコントロールするためには、フィラメント群1全部
を衝突板に衝突させることが最も好ましいが、一方、衝
突板に衝突したフィラメント群は捕集面上に個々のフィ
ラメントの描く軌跡の広がりが小さくなるためウェブに
疎密が若干生じやすくなる。このため、フィラメントの
分散均一性を重視する場合には、衝突板に衝突させるフ
ィラメント群1aの全フィラメント群1に対する割合を、
1/4〜3/4程度にすることが好ましく、特に1/3〜2/3程度
にすることが最も好ましい。この割合が1/4未満の場
合、ウェブ進行方向(X方向)のフィラメント配列成分
が多くなりすぎウェブ中のフィラメントの配列方向をコ
ントロールするには不十分である。第1図(第1図にお
いて、衝突板に衝突するフィラメント群1aと衝突しない
フィラメント群1bはいずれもウェブ全幅にわたって存在
するが、フィラメント走行状態をわかりやすくするため
一部だけしか示していない。)および第2図に示すよう
に、衝突板4をフィラメント群1に挿入する度合を調整
することによって、この割合を調整することももちろん
可能であるが、微妙な調整を避けたい場合は、エアサッ
カーから送り出されたフィラメント群1を衝突板4に衝
突させる前に、本出願人が前に提案した第5図に示すよ
うな糸条衝突分離板(特開昭59−216963号公報参照)に
衝突させ、フィラメント群1aとフィラメント群1bとに完
全に分離させる方法を用いることができる。第4図は、
このような糸条衝突分離板を用いた場合の一例を示すX
−Z面の断面図であり、第5図は、糸条衝突分離板の斜
視図である。第4図において、8はフィラメント走行角
度変更板、9は糸条衝突分離板である。第5図におい
て、フィラメント群1のうち、糸条衝突分離板9の凸部
10を通過するフィラメントは衝突板に衝突するフィラメ
ント群1aを形成し、平坦部11を通過するフィラメントは
衝突板に衝突しないフィラメント群1bを形成する。
次に、本発明の製造方法においては、衝突板に衝突し
たフィラメント群全体に斜目下方に向かって高速空気流
を吹き当てることにより、フィラメント群1aをウェブ進
行方向に対して角度をとって配列させる。この場合、フ
ィラメント群1aのそれぞれのフィラメントに高速空気流
を均一に吹き当てるには、フィラメント群1aが実質的に
一線上に集まる衝突点あるいはそれより下流側の位置で
高速空気流を吹き当てる必要があることは言うまでもな
い。第3図における高速空気流が捕集面5となす角度α
は0゜<α<90゜であればフィラメント群1aをウェブ進
行方向に対して角度をとって配列させることは可能であ
るが、この角度αが小さい方がフィラメント群1aを有利
に配列できることは当然である。但し、αが小さすぎる
場合、フィラメント群1aに吹き当たる位置での衝突板幅
方向(y方向)の空気流速度の均一化が装置上難しくな
る為、αは20゜程度以上にすることが好ましい。
高速空気流噴射方法は、フィラメント群1aに吹き当た
る位置において所望の空気流速度および衝突板幅方向に
おける実質的な空気流速度の均一性が得られるものであ
ればさしつかえなく、例えば第6図に示すように高速空
気噴射口12がスリット状のものも好適に用いることがで
きる。別の方法で第3図(高圧空気供給源は省略してあ
る)に示すように、空気主管13に技管14を取り付け、そ
の技管の先端にスプレーノズル15(例えば株式会社いけ
うち製)を取りつけることによっても容易に達成され
る。なお、第3図におけるスプレーノズル15と衝突板4
の下端との距離bおよびスプレーノズル間のピッチe
は、衝突板下端位置において衝突板の幅方向での空気流
速度が実質的に均一になる様に選定すれば良い。
又、高速空気流を衝突板のフィラメント群衝突面側か
らフィラメント群1aに噴射させることも可能であるが、
高速空気流噴射装置にフィラメントが引掛りやすく、こ
れを防ぐため噴射装置をフィラメント群から遠く離せ
ば、フィラメント群1aをウェブ進行方向に対して角度を
とって配列させるのに必要な空気量が増加するため好ま
しくない。従って高速空気流は衝突板のフィラメント群
衝突面の裏側から衝突板に沿って噴射させることが好ま
しい。更に第1図、第2図に一例を示すように、衝突板
4に対しウェブ進行方向と反対側に空気案内板16を設置
し、衝突板と空気案内板との間の空間から衝突板に沿っ
て高速空気流を噴射させることにより、噴射した高速空
気流が拡散するのを抑制して空気流速度の減衰を少なく
すると共に、捕集面5上で噴射空気がウェブ進行方向の
逆方向に流れるのを抑制してフィラメント群1aがウェブ
進行方向に対して角度をとって配列しやすくすることが
最も好ましい。この場合、噴射空気がウェブ進行方向の
逆方向に流れるのを抑制するためには、空気案内板16の
下端と捕集面5との隙間aの値を20mm以下にすることが
好ましく、特に0mmであることが最も好ましい。又、第
3図における空気案内板16の寸法dは、空気案内板の上
端が空気噴射口15を少なくとも覆うだけの長さであれば
さしつかえない。
以上本発明について具体的に説明してきたが、次に、
本発明のウェブ中のフィラメントの配列方向をコントロ
ールする方法について、フィラメントの配列を模式的に
示す第7図および第8図を用いて説明する。第7図は第
1図を上方から見た平面図(フィラメントの配列の説明
に直接関係しない装置は削除してある)であり、図中4
は衝突板、5は捕集面、矢印はウェブ進行方向である。
本発明の方法は、エアサッカーから送り出されたフィラ
メント群1の少なくとも一部のフィラメント群1aを衝突
板に衝突させ、第7図の平面図では衝突板の幅方向(Y
方向)にフィラメント群1aに対して高速空気流を吹き当
てる。一方、エアサッカーから送り出された高速気流も
存在し、この気流は既述したようにウェブ進行方向(X
方向)に流れようとする為、フィラメント群1aは捕集面
上で完全にY方向に配列されるのではなく、Y方向と角
度θ′をもって配列される(フィラメント進行速度は捕
集面進行速度より十分速く、フィラメントは捕集面上で
ループ状を描いて堆積するため、フィラメントのどの部
分をとってもY方向と角度θ′を成して堆積しているわ
けではなく、統計平均的に角度θ′を成して堆積してい
ることを意味する。以下の説明も同じ。)この角度θ′
は、エアサッカーから送り出された高速気流の強さに対
する吹き当てる高速空気流の強さの関係で決まる値であ
る。一方、フィラメント群1のうち衝突板に衝突させな
いフィラメント群1bは、実質的に高速空気流が吹き当た
らないため、捕集面上でX方向に配列される。従って、
フィラメント群1aおよび1bから形成されるウェブ7は、
第8図に示すようにベクトル的に合成され、ウェブ全体
としてのフィラメントの主配列方向はウェブ進行方向と
角度θをもって配列するものと考えられる。
以上の説明からわかる通り、本発明においては、衝突
板に衝突させるフィラメント群1aの全フィラメント群1
に対する割合、および/又は、フィラメント群1aに噴射
させる高速空気流の速度を調節することにより、ウェブ
中のフィラメントの主配列方向を自由にコントロールす
ることが可能になる。ウェブ進行方向に対して左右対称
なフィラメント配列を有するウェブを形成するために
は、ウェブ進行方向とフィラメント主配列方向との成す
角度θ=+θ(第7図において紙面上で下方から上方
に向って高速空気流を噴射させる)なる第1層目ウェブ
と、ウェブ進行方向とフィラメント主配列方向との成す
角度θ=−θ(第7図において紙面上で上方から下方
に向って高速空気流を噴射させる)なる第2層目ウェブ
とを形成し、二層のウェブを積層することによって容易
に達成できる。又、等方性のウェブを得ようとすれば、
θ=+45゜、θ=−45゜なる二層のウェブを積層す
れば容易に達成される。
一般にi層のウェブを積層する場合においても、それ
ぞれのθiを選定することにより、積層したウェブ全体
のフィラメント主配列方向を自由にコントロールできる
ことは当然である。
以上、狭小な矩形状のスリットを有する一台のエアサ
ッカーからフィラメント群が送り出される場合を一例に
あげて説明を行なってきたが、今まで詳細に説明してき
たことから明らなかように、本発明の方法はこれらの例
に限定されるものではなく、機械の幅方向に多数のエア
サッカーを設置し、それぞれのエアサッカーからフィラ
メント群が送り出される場合にも有効にウェブ中のフィ
ラメントの配列方向をコントロール出来ることは言うま
でもない。
〔実施例〕
以下、本発明のウェブ製造方法と装置について実施例
にて説明するが、本発明の方法は、これらのみに限定さ
れるものではない。
実施例1〜5、比較例1 全体として狭小な矩形の面状配置にした750個の紡糸
ノズルより空気中に溶融紡糸されたポリエチレンテレフ
タレートの連続フィラメントを、第1図、第2図に示す
方法により、捕集面5上に幅400mm、目付25g/m2のウェ
ブを形成し、一本が表面凹凸ロール、もう一本が表面平
滑ロールである230℃に加熱した二本の金属ロール(図
示せず)の間にこのウェブを連続して通し、二本の金属
ロール間に30kg/cmの接圧をかけることにより、目付25g
/m2の不織布を作製した。
ウェブ形成条件は次の通りであった。
○エアサッカーに送り込んだ高圧空気の流量: 450Nm3/hr ○衝突板4: ・第3図の寸法c=300mm .衝突板に衝突させるフィラメント群1aの全フィラメン
ト群1に対する割合は略60% ○空気案内板16: ・第3図の寸法d=350mm ・捕集面5との隙間a=0mm ○高速空気流噴射装置6(第3図に示す装置を使用): ・スプレーノズル15−株式会社いけうち製扇形ノズルMV
EP2578 ・スプレーノズル間のピッチe=50mm ・スプレーノズル15と衝突板4の下端との距離b=100m
m ・スプレーノズル中心線と捕集面5とのなす角度α=45
℃ このようなウェブ形成条件にて、高速空気流噴射装置
に供給する空気量を変化させて不織布を作製し、こうし
て得られた不織布についてウェブ進行方向とフィラメン
トの主配列方向とのなす角度θを測定した結果を第1表
に示す。
角度θは、ウェブ進行方向に対する角度を種々変化さ
せて試験片を採取し、JIS L1085によってそれぞれの試
験片の引張強さを測定し、引張強さが最大となる角度に
よっても求められるが、マイクロ波分子配向計(神崎製
紙株式会社製MOA−2001A)にてフィラメントの配向角を
測定することによって容易に求められる。
第1表から明らなかように、ウェブ進行方向とフィラ
メントの主配列方向とのなす角度θは、高速空気流噴射
装置に供給する空気量を増加するに従って大きくなる。
又、実施例1〜5いずれの場合も比較例1と同様フィラ
メントの分散均一性も良好であった。
実施例6〜10 750個の紡糸ノズルより空気中に溶融紡糸されたポリ
エチレンテレフタレートの連続フィラメントを第4図に
示す方法を用い、実施例1〜5と同様にして目付25g/m2
の不織布を作製した。
下記の条件以外は実施例3と同じ条件で、第5図に示
す糸条衝突分離板9の凸部10の寸法iと平坦部11の寸法
jを変えることにより、衝突板に衝突させるフィラメン
ト群1aの全フィラメント群1に対する割合を種々変化さ
せて不織布を作製した。
○糸条衝突分離板9(第5図の装置を使用): ・凸部10の角度β=20゜ こうして得られた不織布についてウェブ進行方向とフ
ィラメント主配列方向とのなす角度θを測定した結果を
第2表に示す。
第2表から明らかなように、ウェブ進行方向とフィラ
メントの主配列方向とのなす角度θは、フィラメント群
1aの全フィラメント群1に対する割合が高くなるに従っ
て大きくなる。
なお、実施例10は、実施例6〜9に比べて得られた不
織布に疎密が目立ち始め、フィラメントの分散均一性が
若干劣っていた。
実施例11 実施例9のウェブ形成条件にて、ウェブ進行方向とフ
ィラメント主配列方向とのなす角度θ=+45゜なる目
付25g/m2の第1層目ウェブを回転ドラム上に形成し、実
施例9に比べスプレーノズル中心線と捕集面とのなす角
度α=−45゜とした以外は同じウェブ形成条件にてウェ
ブ進行方向とフィラメント主配列方向とのなす角度θ
=−45゜なる目付25g/m2の第2層目ウェブを別の回転ド
ラム上に形成し、それぞれの回転ドラム上に形成された
第1層目ウェブと第2層目ウェブとを、ドラムの回転に
よりネットコンベア上に反転乗り移らせて一枚の積層ウ
ェブとなし(特公昭62−57734号公報参照)、実施例1
〜5の2本の金属ロール間にこの積層ウェブを通して目
付50g/m2の不織布を作った。こうして得られた不織布か
ら、ウェブ進行方向に対する角度を種々変化させて試験
片を採取し、JIS L1085によってそれぞれの試験片の引
張強さを測定した結果を第3表に示す。
第3表における引張強さの最大値と最少値の比は約1.
1であり非常に等方性に優れるものであった。
比較例2 実施例11において、スプレーノズルから高速空気流を
噴射させずに目付50g/m2の不織布を作った。実施例11と
同様にして引張強さを測定した結果を第4表に示す。
第4表から明らかなようにウェブ進行方向(角度0
゜)の引張強さに対してウェブ進行方向と直角方向(角
度90゜)の引張強さは非常に低く、それらの比は4.0で
あり、非常に異方性の高いものであった。
〔発明の効果〕 以上詳細に説明してきたことから明らかな様に、本発
明の方法によれば、大掛かりで複雑な装置を必要とせ
ず、かつ、フィラメント群1aに噴射させる高速空気流の
速度、および/又は、衝突板に衝突させるフィラメント
群1aの全フィラメント群1に対する割合を変更するとい
う非常に簡単な方法でウェブ中のフィラメントの配列方
向を自由にコントロールすることにより、等方性度を思
いのままに調筋することができるだけでなく、フィラメ
ントの分散均一性にもきわめて優れたウェブを得ること
ができる。
不織布は、種々の用途に広く使用されているが、それ
ぞれの用途にはそれぞれに最適な等方性度が存在し、本
発明の方法によれば、非常に簡略な方法でその要求に完
全に答えられるだけでなく、低エネルギーコストでその
ような不織布が得られるものであり、工業上の利点は、
はかり知れない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のウェブ製造方法を実施するための装置
の一例を示す斜視図、第2図は第1図のX−Z面による
断面図、第3図は高速空気流噴射装置の一例を示す正面
図、第4図は本発明の方法を実施するための装置の他の
一例を示すX−Z面による断面図、第5図は糸条衝突分
離板の一例を示す見取図、第6図は高速空気流噴射装置
の他の一例を示す斜視図、第7図、第8図はフィラメン
トの配列を示す模式図である。 1……フィラメント群、 1a……衝突板に衝突するフィラメント群、 1b……衝突板に衝突しないフィラメント群、 2……エアサッカー、3……エアサッカー出口、 4……衝突板、5……捕集面、 6……高速空気流噴射装置、 7……ウェブ、 8……フィラメント走行角度変更板、 9……糸条衝突分離板、 10……糸条衝突分離板の凸部、 11……糸条衝突分離板の平坦部、 12……高速空気噴射口、 13……空気主管、14……技官、 15……スプレーノズル、 16……空気案内板。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィラメント群をエアサッカーに通過させ
    た後移動する捕集面上に堆積させてウエブを製造する際
    に、エアサッカーから送り出されたフィラメント群の少
    くとも一部を、ウェブ進行方向に対して反対側に設置し
    た衝突材に衝突させ、その衝突点あるいはそれより下流
    側の位置で、その衝突されたフィラメント群全体に、捕
    集面上に堆積されるウェブ中のフィラメントがウェブ進
    行方向に対して角度をとって配列するように、斜目下方
    に向けて高速空気流を吹き当てることを特徴とするウェ
    ブ製造方法。
  2. 【請求項2】複数層のウェブが積層されて成る積層ウェ
    ブの製造方法において、個々のウェブの製造を請求項1
    のウェブ製造方法で行い、且つエアサッカーの空気流と
    の関係で見た高速空気流の流速を複数のウェブ中の少く
    とも一層のウェブの製造に際して他と変更することによ
    り、ウェブの進行方向とウェブ中のフィラメントの主配
    列方向とのなす角度を複数層のウェブ中の少くとも一層
    で変更することを特徴とする積層ウェブの製造方法。
  3. 【請求項3】複数個の紡糸ノズルから紡出された複数の
    フィラメントを帯状に配列して引出す少くとも1個のエ
    アサッカーと、該エアサッカーの下方に配置され且つエ
    アサッカーから引出されたフィラメント群の帯状平面に
    直角方向に移動してフィラメント群をウェブ状に捕集し
    て搬出するコンベアとから成るウェブの製造装置におい
    て、 前記エアサッカーとコンベアとの間でエアサッカーから
    送り出されたフィラメント群の少くとも一部に衝突する
    ように配置された衝突材と、該衝突材で反撥されたフィ
    ラメント群を斜目下方且つコンベアの進行方向に交叉す
    る方向で吹き飛ばす高速空気流噴射装置とから成ること
    を特徴とするウェブ製造装置。
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