JP2545383B2 - 流体透過性製品の製造方法 - Google Patents

流体透過性製品の製造方法

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JP2545383B2
JP2545383B2 JP62022767A JP2276787A JP2545383B2 JP 2545383 B2 JP2545383 B2 JP 2545383B2 JP 62022767 A JP62022767 A JP 62022767A JP 2276787 A JP2276787 A JP 2276787A JP 2545383 B2 JP2545383 B2 JP 2545383B2
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ceramic
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孝男 堀江
正一 酒井
秀輝 西川
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Nabeya Iron and Tool Works Ltd
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Nabeya Iron and Tool Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、流体透過性製品の製造方法に係り、特に、
内部に形成された連続気孔を通じて、流体を透過し得る
特性を有する鋳造品や注型品等の製品であって、その流
体透過特性がより一層向上された製品を、冶金的乃至は
機械的な処理を特に加えることなく、有利に製造するこ
とのできる方法に関するものである。
(背景技術) 連続気孔を備えて、流体を透過し得る特性を有する鋳
造品等の製品として、本願出願人は、先に、特願昭61−
246360号、特願昭61−281467号及び特願昭61−304744号
等において、多孔組織を形成する骨格自体が中空とされ
て、全体として連続した空孔が該骨格内に形成されたセ
ラミックス多孔体を用い、その多孔構造の間隙内に所定
のマトリックス材料を入り込ませて一体的な構造と為す
ことにより、該セラミックス多孔体の多孔構造の骨格内
に形成された空孔を利用して、流体を透過せしめ得るよ
うにした新規な製品、例えば鋳造品や注型品、更にはそ
の焼結体等を明らかにした。
ところで、このような流体透過性製品にあっては、例
えば、多孔構造の骨格内に流体を透過し得る空孔を有す
るセラミックス多孔体を、適当な成形型によって形成さ
れた製品キャビティ内の所定位置に配置せしめた状態下
において、該製品キャビティ内に所定のマトリックス材
料を供給せしめることにより、かかるセラミックス多孔
体が製品の一部分に埋設されて、そこに連続した空孔が
形成されてなる構造をもって製造することができるので
あり、従ってそのような製品の内部に形成された空孔に
連通する流体供給孔乃至は排出孔を、後加工等によって
形成せしめることにより、エアーフロートベースやエア
ー吸着テーブル、軸受部材、或いは熱交換部材やフィル
タ、触媒などを、困難な冶金的乃至は機械的な処理を加
えることなく、単体構造をもって極めて有利に製造する
ことが可能となるである。
ところが、このようにセラミックス多孔体が内部に埋
設されると共に、その空孔に連通する流体供給乃至は排
出孔が形成されてなる流体透過性製品にあっては、その
流体供給乃至は排出孔を介して空孔内に作用される流体
圧に対して、該流体供給乃至は排出孔からの距離に応じ
た圧力損失が惹起されることとなり、そのために流体供
給乃至は排出孔の形態によって、空孔内における流通流
体の圧力および流量の分布が、不均一となる恐れがある
のである。
それ故、例えば内部に埋設されたセラミックス多孔体
の空孔が製品の一面において開口されて、流体噴出面が
構成されていると共に、その空孔に連通する流体供給孔
が、製品の壁部に形成されてなる構造とされた静圧流体
軸受やエアーフロートベース等にあっては、かかる流体
噴出面における流体噴出圧乃至は噴出量が、流体供給口
から離れる程小さくなることとなり、そのために特にこ
のような流体噴出量の均一性が重要視される製品におい
ては、充分なる性能乃至は特性が得られないといった問
題を有していたのである。
ところで、このような製品の内部に形成された空孔を
介して作用せしめられる流体圧の均一化を図る一手法と
して、かかる製品中に埋設されたセラミックス多孔体の
背部に、流体供給乃至は排出孔が連通される流体溜りと
しての空間を形成すると共に、該空間に対して、セラミ
ックス多孔体の空孔を、流体噴出面と平行な面上におい
て開口させて連通せしめることにより、かかる空孔にお
ける流体供給口から噴出口までの距離を全体に亘って均
一化せしめるようにすることが考えられるが、そのよう
な空間を機械的な加工によって形成するに際しては、か
かる製品を少なくとも二分割構造としなければならない
ために、加工工程の増加等によってコストの上昇が避け
られ得ず、また形状的に極めて困難な場合もあり、効果
的な手法と言い得るものではないのである。
(解決手段) ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景とし
て為されたものであって、その目的とするところは、製
品内に埋設されたセラミックス多孔体の骨格内に形成さ
れた空孔によって、流体透過性が付与された製品におい
て、その流体透過特性を向上せしめるべく、かかるセラ
ミックス多孔体の所定の面の少なくとも一部における空
孔開口部に対して連通される流体溜りが、製品の内部に
形成されてなる流体透過性製品を、冶金的乃至は機械的
な処理を特に加えることなく、有利に製造することので
きる方法を提供することにある。
そして、かかる目的を達成するために、本発明の特徴
とするところは、多孔組織を形成する骨格自体が中空と
されて、該骨格内に空孔が形成されたセラミックス多孔
体を、所定の製品キャビティ内に配置せしめた状態下に
おいて、該製品キャビティ内に所定のマトリックス材料
を供給することにより、該セラミックス多孔体における
骨格の間隙内に該マトリックス材料を入り込ませて一体
的な構造と為す一体造形操作を実施して、該セラミック
ス多孔体の多孔構造の骨格内に形成された空孔を利用し
て、流体を透過せしめ得るようにした製品を製造するに
際して、前記セラミックス多孔体として、その骨格内に
形成された空孔を、製品中に埋設される所定の面におけ
る少なくとも一部において開口せしめると共に、該空孔
が開口された面に対して、前記一体造形操作時における
マトリックス材料との接触によって消失せず、且つその
一体造形操作後に除去可能な材料からなる流体溜り形成
部材を、該開口部を覆蓋するように固着せしめたものを
用いる一方、該一体造形操作の後に、かかる流体溜り形
成部材を除去せしめることにより、得られる製品の内部
に、前記セラミックス多孔体の骨格内に形成された空孔
に連通する流体溜りを形成せしめるようにしたことにあ
る。
(具体的構成・実施例) 以下、本発明を、更に具体的に明らかにするために、
本発明手法に従い、例えば流体透過性鋳造品を製造する
場合について、図面に示された実施例を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
先ず、第1図には、その内部に形成された相互に連通
する多数の空孔が、製品の一面(表面)において開口さ
れて、露出面を構成していると共に、かかる空孔に連通
する流体供給乃至は排出孔が、製品の壁部に形成されて
なる構造とされた、エアーフロートベースやエアー吸着
テーブルの如き鋳造製品を、本発明手法に従って製造す
る場合の一工程が示されている。
すなわち、この図において、10は、鋳型であって、上
型12と下型14とから構成されており、一般に生型砂また
は樹脂を硬化媒体に用いた自硬性鋳型砂或いはパーマネ
ント鋳型(金型)等によって製作されたものである。ま
た、かかる鋳型10内には、受湯口16、湯道18および所定
形状の鋳造キャビティ22が形成されており、所定の金属
溶湯24が、取鍋26より受湯口16、湯道18を通じて、鋳造
キャビティ22内に導かれるようになっている。そして、
この鋳造キャビティ22内の所定位置に、セラミックス多
孔体28がセットされているのである。
ここにおいて、この鋳造キャビティ22内に配置、固定
されるセラミックス多孔体28としては、多孔組織を形成
する骨格自体が中空とされて、その骨格内に空孔が形成
されたものであって、例えば、第2図に示されている如
く、エステル系ウレタン等の樹脂を発泡させた後、その
骨格の周りに残った膜状物質(発泡膜)を圧縮空気等を
用いて除去することにより得られた三次元網目構造の骨
格組織を有する合成樹脂発泡体に対し、その骨格の表面
にセラミックススラリー等のセラミックス材料を付着さ
せ、更に乾燥、焼成せしめて、かかる樹脂発泡体を焼失
せしめることにより得られる、三次元網目構造の骨格30
自体が中空とされて、全体として連続した空孔32が該骨
格30内に形成されたものなどが、用いられることとな
る。
なお、このようなセラミックス多孔体28を形成するセ
ラミックス材料としては、目的とする製品に要求される
特性に応じて、コージエライト、アルミナ、SiC、ムラ
イト或いはジルコニア等が、適宜選択、採用されるもの
である。
そして、このようなセラミックス多孔体28にあって
は、第3図に示されているように、その空孔32が、鋳造
品中に埋設されるべき少なくとも一つの面、より具体的
には製品の露出面において外部に露呈されるべき面に対
して表裏関係をなす面において開口せしめられ、更にこ
の空孔32が開口された面に対して、非消失性材料にて形
成された所定大きさの流体溜り形成材としての中子34
が、該空孔32の開口部を覆蓋するように固着せしめられ
ることとなる。
すなわち、このようなセラミックス多孔体28の骨格30
内に形成された空孔32は、通常、その外周面部において
閉塞された状態で形成されることとなるが、それらの空
孔32が、鋳造品中に埋設されて流体供給乃至は排出孔に
連通せしめられるべき一面において、研磨加工や切削加
工等によって開口せしめられるのであり、その後かかる
空孔32が開口された面に対して、それらの空孔32の開口
部を覆蓋するように中子34が固着せしめられるのであ
る。
ところで、かかる中子34の形成材料としては、鋳造に
際しての金属溶湯24に対する接触によって消失せず、そ
の形態を保持し得るものであって、且つ後述するよう
に、鋳造後における除去が可能なものであれば、何れも
採用することができるが、特に例示の如き鋳造製品にお
いては、鋳物砂が好適に用いられることとなる。
また、このような中子34をセラミックス多孔体28に固
着せしめるに際しては、適当な接着剤36が適宜用いら
れ、そしてそれら両部材間に介在される接着剤層(36)
にて、鋳造時における金属溶湯24の該両部材間への侵入
が阻止されることによって、かかるセラミックス多孔体
28における前記空孔32の開口が、有効に確保され得るの
である。なお、かかる接着剤36としても、前記中子34と
同様、鋳造に際しての金属溶湯24に対する接触によって
消失せず、その形態を保持し得るものであって、且つ後
述するように、鋳造後における除去が可能なものである
ことが必要であり、例えばポリ酢酸ビニル、石綿、メタ
ノール、酢酸エチル及び活性剤にて構成された常温速乾
性の中子接着剤の如き公知のものが好適に用いられるこ
ととなる。
そして、このようにその一面に中子34が固着せしめら
れたセラミックス多孔体28は、例えば、第1図に示され
ているように、鋳造キャビティ22内において、かかる中
子34が、該鋳造キャビティ22の内面から浮いた状態で、
ケレン等の適当な止め金具38を用いてセットされるここ
となるが、その他、特に本発明手法にあっては、第7図
に示されている如く、幅木を備えた中子40を用いること
によって、該中子40にてセラミックス多孔体28を鋳造キ
ャビティ22内の所定位置に保持することができるのであ
り、またそれによって、後述する如き、流体供給乃至は
排出孔(連通孔46)を、鋳造と同時に形成することが可
能となるのである。なお、かかる第7図においては、理
解を容易とするために、第1図に示されている実施例と
同一の構造とされた部材に対して、同一の符号を付して
おくこととする。
而して、このようにセラミックス多孔体28が所定位置
に配置せしめられた鋳造キャビティ22内に対して、製品
たる鋳造品に求められる物理特性に応じて管理された化
学成分を有する金属溶湯24が注湯せしめられる。なお、
かかる金属溶湯24としては、鋳鉄や鋳鋼が一般に用いら
れるものであるが、その他、銅合金やアルミニウム合金
等の種々なる金属製品の鋳造にも、本発明は有利に適用
され得るものであり、それ故、かかる金属溶湯24として
は、そのような製品原料に応じて適宜に選定されるもの
であることは、言うまでもないところである。
また、このように注湯される金属溶湯24は、一般に、
第1図に示されている如く、受湯口16、湯道18を通じ
て、鋳造キャビティ22内に導かれ、セラミックス多孔体
28の多孔構造の骨格30間の間隙を充満しつつ、該鋳造キ
ャビティ22内に充填せしめられることによって注湯作業
が完了する。
従って、第4図に示されているように、かくの如き鋳
造手法に従い、その金属溶湯24が凝固することによって
得られる鋳造品42にあっては、セラミックス多孔体28の
多孔組織を形成する骨格30にて構成されるセル内に、鋳
造金属44が入り込んで、該鋳造金属44がセラミックス多
孔体28に対するマトリックスを構成してなる一体的な構
造とされる一方、かかる鋳込まれたセラミックス多孔体
28における骨格30内の空孔32に対する金属溶湯24の侵入
は、該空孔32の開口部が閉塞状態にあることから、その
空孔32は連通状態に保持されることとなる。そして更
に、かかる鋳造品42にあっては、前記中子34及び接着剤
36が、セラミックス多孔体28の一面において、その骨格
30内に形成された空孔32の開口部を覆蓋する状態で、鋳
造金属44内に埋設されてなる構造をもって形成されてい
るのである。
次いで、このような凝固の完了した鋳造品42は、通常
の鋳造作業と同様な手法によって、解枠及び冷却せしめ
られるのであり、そしてそれによって取り出された鋳造
品42に対して、流体供給乃至は排出孔としての連通孔46
が、第6図に示されている如く、その外表面から内部に
埋設された内部34にまで達するように、機械加工等によ
って穿設せしめられる。
そして、その後かかる鋳造品42に対して、ハイドロブ
ラストやショットブラスト等を用いた機械的処理や、或
いは適当な薬品を用いた化学的処理が施されることによ
り、その内部に埋設された中子34、更には接着剤36が、
連通孔46を通じて、除去乃至は溶出せしめられる。即
ち、かかる中子34、更には接着剤36の除去操作によっ
て、第5図及び第6図に示されているように、鋳造品42
の内部において、セラミックス多孔体28の骨格30内に形
成された空孔32に連通する流体溜り48が形成されること
となるのである。
また、このような鋳造品42にあっては、通常、その内
部に埋設されたセラミックス多孔体28の骨格30の露出面
(鋳造品表面)における空孔32の開口が、セラミックス
乃至は鋳造金属44によって閉塞されているために、かか
る露出面に対して切削加工や研磨加工が施されることに
よって、かかる空孔32が外部に開口せしめられると共
に、更に通常の手法に従い、スナッキングや清浄および
グラインダー仕上げ等が、必要に応じて施されることと
なり、それによって目的とする多孔性鋳造製品50が得ら
れるのである。
従って、かくして得られた多孔性鋳造製品50にあって
は、その内部において流体溜り48を有しており、該鋳造
製品50内に埋設されたセラミックス多孔体28における、
露出面51に対して背面に位置する空孔32の開口部が、そ
れぞれ、かかる流体溜り48に連通せしめられているとこ
ろから、それらの空孔32に対して連通孔46を通じて行な
われる流体の供給乃至は排出が、この流体溜り48を介し
て為されることとなるのであり、それによってそれら空
孔32の背面開口部に対して、全面に亘って均一の流体圧
が作用せしめられ得ることとなるである。
そして、それ故かかる多孔性鋳造製品50において、セ
ラミックス多孔体28の空孔32が開口される露出面51と、
該空孔32が流体溜り48内に開口される背面とが、平行面
となるように形成することによって、その露出面51に位
置する空孔32の開口部から噴出乃至は吸入される流体の
流量及び圧力を、全面に亘って均一化することが可能と
なるのである。
すなわち、本発明手法に従えば、エアーフートベース
やエアー吸着テーブル等に好適に用いられ得る、優れた
流体透過特性を備えた鋳造製品を、冶金的乃至は機械的
な加工を特に加えることなく、容易に且つ低コストにて
製造することができるのであり、更にまた本実施例にお
いて例示されている如き、三次元網目構造のセラミック
ス多孔体を用いることによって、製品の露出面51におい
て開口する空孔32の分布を、全面に亘って略均一に設定
することが極めて容易となるのであり、それ故製品にお
いて、優れた性能が安定して得られるといった利点をも
有しているのである。
ところで、前記実施例にあっては、その鋳造手法とし
て、水平鋳込法が採用されていたが、本発明は、垂直鋳
込法も良好に採用され得るものであることは勿論であ
り、第8図及び第9図において、その一適用例を示すこ
ととなる。なお、このような垂直鋳込法による鋳造に際
しても、その鋳造方法は、前記実施例と基本的に同一で
あるために、図中、前記実施例に対応する部材に対し
て、同一の符号を付することにより、その詳細な説明は
省略することとする。
すなわち、これらの図に示されているように、特に本
発明手法に用いられる中子52、52を、幅木を有する形状
をもって形成し、かかる鋳造と同時に、流体供給乃至は
排出孔(連通孔46)を形成せしめるようにすることによ
って、セラミックス多孔体28における、垂直鋳型54の鋳
造キャビティ22内の所定位置への保持を、特別な止め金
具等を用いることなく、良好に行なうことができるので
ある。
なお、これら第8図及び第9図に示された、鋳型54や
中子52を用いて製造される鋳造製品にあっては、セラミ
ックス多孔体28が、鋳造金属内に完全に埋設されること
によって、製品内部に連続した空孔が形成される一方、
かかる空孔に対して流体を供給及び排出せしめる連通孔
が、該セラミックス多孔体28の表裏関係をなす両側面に
位置する空孔に対して連通された形態をもって形成され
てなる構造を有しており、フィルターや触媒等として好
適に用いられるものである。
そして、このような構造とされた鋳造製品にあって
も、前記実施例と同様に、その内部に埋設されたセラミ
ックス多孔体28の流体供給側及び排出側の面において、
それぞれの面上に位置する空孔開口部が連通せしめられ
る、所定容積の流体溜りが形成され、それらの空孔に対
する流体の供給乃至は排出が、かかる流体溜りを介して
為されることとなるところから、それらの面上に位置す
る空孔開口部に対して均一な流体圧が作用せしめられ
得、その流体透過特性が有効に向上せしめられ得るので
あり、それ故フィルターや触媒等として用いることによ
って、その性能が有利に向上され得ることとなるのであ
る。
以上、流体透過性鋳造品を製造する具体例に基づい
て、本発明を詳細に説明してきたが、本発明は、そのよ
うな具体例及びそれに関連する具体的な構成の説明にの
み限定して解釈されるものではなく、例えば例示の鋳造
品の製造以外にも、マトリックス材料として、プラスチ
ック材料、ガラス材料、更にはセラミックス材料を用
い、それらを所定のセラミックス多孔体の骨格をなす組
織間隙内に充填せしめ、またセラミックス材料にあって
は、そのような充填材料を焼結して、セラミックス多孔
体と一体的な構造と為すことにより、目的する流体透過
性製品の製造することも可能である。
また、本発明手法において用いられるセラミックス多
孔体としては、例示の如き三次元網目構造を有する樹脂
発泡体の他、樹脂等の焼結時において消失され得る材料
にて形成された、櫛状体若しくは剣山状製品等の骨格の
周りに所定のセラミックス材料を付着させ、そしてそれ
を焼成して焼結せしめることにより得られるものなど
が、何れも良好に採用されるものであり、特に本発明に
あっては、そのようなセラミックス多孔体の骨格内に形
成された空孔が、流体供給側乃至は排出側において製品
内に形成された流体溜りによって、相互に連通せしめら
れるところから、それらの空孔が、セラミックス多孔体
内において三次元的に連続している必要はないのであ
る。
さらに、前記実施例にあっては、流体溜り48が、製品
内に埋設されるセラミックス多孔体28の所定の面の全面
に亘って、そこに位置する空孔32の開口部が連通される
状態で、設けられていたが、かかる流体溜り48は、必ず
しも全面に亘って設ける必要はなく、任意の位置に任意
の形状をもって形成されるものであることが理解される
べきであり、例えば、製品内に埋設された円筒状のセラ
ミックス多孔体の内周面が露出されて、流体噴出面とさ
れた静圧流体軸受にあっては、かかる埋設されたセラミ
ックス多孔体の外周面上に、周方向に延びる複数本の流
体溜りを形成せしめることによって、その流体噴出面に
おける噴出圧および噴出量を周方向に亘って均一化せし
めることができるのである。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知
識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様
において実施され得るものであり、そのような実施態様
が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも本
発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでも
ないところである。
(発明の効果) このような本発明に従えば、製品内に埋設されたセラ
ミックス多孔体の少なくとも一面における空孔の開口部
に対して連通される流体溜りが、かかる製品の造形操作
と同時に、冶金的乃至は機械的な処理を特に加えること
なく、形成され得ることとなるところから、そのような
流体溜りを備えた流体透過性製品を、良好なる製造性を
もって有利に製造することができるのである。
そして、かくの如き本発明手法に従って得られた流体
透過性製品においては、流体供給乃至は排出孔を、その
流体溜りに連通する形態をもって設けることにより、該
流体溜りに開口する全ての空孔に対して、均一な流体圧
を作用せしめることができるであり、それによってかか
る流体透過性製品における流体透過特性が極めて効果的
に向上され得るのである。
従って、例えば、その内部に埋設されたセラミックス
多孔体の空孔が製品の一面において開口されて、流体噴
出面が構成されてなる製品にあっては、かかるセラミッ
クス多孔体の背部における空孔の開口部が、該流体噴出
面と平行な面上において連通される流体溜りを形成せし
めることにより、かかる空孔における流体供給口から噴
出口までの距離を全体に亘って均一化せしめるようにす
ることができるのであり、それによって噴出面における
流体の噴出圧及び噴出量を、全面に亘って均一化せしめ
ることが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明手法の一工程を示す断面説明図であり、
第2図はそこにおいて用いられるセラミックス多孔体を
示す要部拡大断面図であり、第3図はかかるセラミック
ス多孔体に対して流体溜り形成部材たる中子を固着せし
めた状態を説明するための要部拡大断面図であり、第4
図はかかる製造法にて得られる鋳造品を示す断面説明図
であり、第5図はかかる鋳造品に対して仕上げ加工を施
すことによって得られる鋳造製品を示す断面説明図であ
り、第6図はかかる鋳造製品の要部を拡大して示す断面
説明図である。また、第7図は幅木を備えた中子を用い
てセラミックス多孔体を鋳造キャビティ内の所定位置に
配置せしめた状態を示す、第1図に相当する断面説明図
であり、更に第8図は本発明手法に従う他の実施例を示
す、第1図に相当する断面説明図であり、第9図は第8
図におけるIX−IX断面図である。 10,54:鋳型、22:鋳造キャビティ 24:金属溶湯、28:セラミックス多孔体 30:骨格、32:空孔 34,40,52:中子 36:接着剤、42:鋳造品 44:鋳造金属、46:連通孔 48:流体溜り、50:多孔性鋳造製品

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔組織を形成する骨格自体が中空とされ
    て、該骨格内に空孔が形成されたセラミックス多孔体
    を、所定の製品キャビティ内に配置せしめた状態下にお
    いて、該製品キャビティ内に所定のマトリックス材料を
    供給することにより、該セラミックス多孔体における骨
    格の間隙内に該マトリックス材料を入り込ませて一体的
    な構造と為す一体造形操作を実施して、該セラミックス
    多孔体の多孔構造の骨格内に形成された空孔を利用し
    て、流体を透過せしめ得るようにした製品を製造するに
    際して、 前記セラミックス多孔体として、その骨格内に形成され
    た空孔を、製品中に埋設される所定の面における少なく
    とも一部において開口せしめると共に、該空孔が開口さ
    れた面に対して、前記一体造形操作時におけるマトリッ
    クス材料との接触によって消失せず、且つその一体造形
    操作後に除去可能な材料からなる流体溜り形成部材を、
    該開口部を覆蓋するように固着せしめたものを用いる一
    方、該一体造形操作の後に、かかる流体溜り形成部材を
    除去せしめることにより、得られる製品の内部に、前記
    セラミックス多孔体の骨格内に形成された空孔に連通す
    る流体溜りを形成せしめるようにしたことを特徴とする
    流体透過性製品の製造方法。
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