JP2545369C - - Google Patents

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JP2545369C
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JP
Japan
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sheet
plasma
film
thin film
plasma flow
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English (en)
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株式会社 トービ
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) この発明は、イオンプレーティング方法とその装置に関する。さらに詳しくは
シートプラズマによるイオンプレーティング方法とそのための装置に関する。 (背景技術) プラスチック、金属等のフィルムの表面に、金属、無機物、カーボン、あるい
は有機ポリマーなどの薄膜(蒸着膜)を形成したものは、導電性フィルム、絶縁
膜、表示素子、光学フィルム、電子デバイス、装飾などの多様な用途分野への応
用が期待されているもので、すでに実用化されているものも少くない。 このような薄膜を形成するための方法、装置としては、真空蒸着装置内に置い
た蒸発源からの蒸発粒子をグロー放電によってイオン化して行うものが知られて
いる。イオンプレーティングと呼ばれている技術である。 イオンプレーティングについては、ホロカソード型のものと、高周波励起型の
ものとがあることも知られている。 これらのイオンプレーティング法は薄膜形成技術として優れたものではあるが
、広幅で、かつ長尺のフィルムやシート状基板の表面等に薄膜を形成するための
技術、装置としては、依然として多くの問題が未解決の現状にある。 すなわち、広幅で、長尺のフィルムやシート状基板の表面等に薄膜を形成する
にあたっては、幅方向および長さ方向のいずれにおいても、品質が均一で、密着
性に優れた薄膜を、フィルムまたはシート状基板を連続的に移動させながら効率
的に製造することが必要になる。しかしながら、ホロカソードの場合にはカソー
ド部等の装置の汚れ、損傷が避けられず、熱的安定性に欠け、基板フィルム等の
発熱が避けられないという問題がある。このため優れた品質の薄膜を、連続して
移動するフィルム表面に均質に、かつ効率的に得ることは困難であった。 また、高周波励起型のイオンプレーティングの場合には、優れた品質の薄膜を
安定して得るためには極めて有効であるものの、長尺で広幅の大面積フィルムな
どの場合に、その薄膜を効率的に製造するための生産性の点で難点があった。 (発明の目的) この発明は、このような問題のない、長尺で広幅のフィルムの表面等に連続的
に、かつ効率的に蒸着薄膜を形成するための新しいタイプのイオンプレーティン
グ方法とその装置を提供することを目的としている。 さらに詳しくは、高速で移動するフィルム表面等に、連続的に薄膜を形成する
ためのシートプラズマ・イオンプレーティング方法とその装置を提供するもので
ある。 (発明の開示) この発明のシートプラスズマ・イオンプレーティング方法は、圧力勾配型放電
によって形成したプラズマ流をシート状に変形し、蒸発源物質の蒸発によって生
成させた粒子を該シートプラズマによりイオン化し、シートプラズマの上方を移 動するフィルム基板表面に付着させて、連続的に薄膜を形成することを特徴と
している。 圧力勾配型のプラズマ放電は、陰極と陽極との間に中間電極を介在させ、陰極
領域を1Torr前後に、そして陽極領域を10-3Torr程度に保って放電を行うもので
ある。この放電によるプラズマは、ホロカソード方式あるいは高周波励起方式の
プラズマとは相違して、プラズマ流として真空容器内を移行する。しかもこのプ
ラズマ流は、磁石手段によって流れの方向と、その形状を変化させることができ
るという特徴を有している。 この発明は、このような圧力勾配型の放電によって形成したプラズマ流の特徴
を利用するもので、磁石手段によって、偏平のシート状に変形してイオンプレー
ティングに用いるものである。 添付した図面に沿って、この発明のシートプラズマ・イオンプレーティング方
法とその装置についてさらに具体的に説明する。 図は、この発明の例を示したものである。 第1図において、真空室(1)はベルジャ(2)によって気密に保たれている
。真空室(1)は、真空ポンプによって排気する。ベルジャ(2)には、真空排
気口(3)とともに、反応ガス導入口(4)を設ける。また、ベルジャ(2)の
内部には、薄膜形成のための原料蒸発物質のハース(5)および圧力勾配型のプ
ラズマガン(6)を設ける。 また、この第1図に示した例においては、フィルムコーティングのためのフィ
ルム送り出しロール(7)およびフィルム巻取りロール(8)を、フィルムの保
持移動手段として設けている。さらに、必要に応じて、ガイドロール(9)およ
び冷却手段(10)を設ける。 この装置において、圧力勾配型のプラズマガン(6)によって形成されたプラ
ズマ流は、磁石手段(11)によってシート状に変形される。変形されたシートプラ
ズマ(12)は、フィルムの表面に平行して進行し、圧力勾配型プラズマガン(6)
に対向する部位に設けた収束用磁石手段(13)に収束する。シートプラズマ(12)は
、原料蒸発源物質には収束せず、該物質の蒸発には関与しない。 原料蒸発源物質は、ハース(5)を抵抗加熱または高周波誘導加熱等によって 加熱して、または電子ビーム照射によって蒸発させる。蒸発した原料物質粒子は
、上方へ移行し、シートプラズマ流(12)に入射する。このプラズマ領域において
粒子はイオン化され、シートプラズマ(12)の上方を移動するフィルム基板表面に
付着する。 この第1図に示したように、プラスチック等のフィルムを基板として用いる場
合には、ロール(8)(9)の回転駆動手段を適宜に設ける。冷却手段(10)は、
水冷、空冷のいずれの方式としてもよい。 ベルジャの構造に格別の限定がないことは当然のことである。ベルジャ側壁を
開閉自在として、ハース部あるいはロール部を横方向に出し入れ自在としてもよ
い。 また、ロール部は、必ずしもベルジャ内部に設ける必要はない。ベルジャ側壁
にスリットを形成してフィルムを出し入れし、薄膜形成部に連設したプラズマ・
ボンバード処理部などを設けてもよい。 薄膜が形成されるフィルム表面の反対側の上面に負電圧を印加する手段を設け
ることもできる。 第2図は、第1図に示した装置のA−A′の断面より見たものである。プラズ
マ流(12)はシート状に偏平化され、フィルム基板(14)の幅方向に大きく広がって
いる。このため、大面積、広幅フィルムの効率的イオンプレーティングが可能に
なる。蒸発源物質を蒸発させるめのハースも、この幅に合わせておくのが好まし
い。 このような装置例を用いて行うことのできるこの発明のシートプラズマ・イオ
ンプレーティング方法は、基板は、例に示したようなフィルムであり、特に大
面積フィルムに対してこの方法は極めて有効である。 高速で移動するフィルムについては、たとえばポリエステル、ポリサルフォン
、ポリアミド、ポリイミド、金属、セラミックス、もしくはそれらの複合フィル
ムなどの耐熱性のものが使用できる、移動速度は、たとえば、30m/分程度の速度
まで可能であり、フイルムの幅も、100mm〜500mm 程度までの広幅のものとする
ことができる。 薄膜形成物質、蒸発源物質も適宜に選択することができる。ITO、酸化インジ ウム、酸化スズ膜を形成して導電膜とすることもできる。また、酸化アルミニウ
ム、酸化チタン等の他の金属の酸化物を用いることもできる。あるいは窒化物の
生成も可能である。 反応圧力は1×10-4〜1×10-2Torr程度とし、アルゴン、ヘリウム、水素、酸
素、窒素、有機モノマーなどの不活性ガスもしくは反応性ガスを用いることがで
きる。また、放電電圧はたとえば、50〜100V程度とすることができる。 プラズマ流の変形、収束用の磁石手段としては電磁石、永久磁石いずれも使用
できるが、プラズマ流を制御するためには電磁石が有効である。 以下、実施例を示す。もちろん、この発明はこの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例 第1図および第2図に示した装置を用いて、フィルム幅250mm のPET フィルム
に透明膜を形成した。 蒸発源物質としてアルミニウムを用いた。抵抗加熱により蒸発させた。 ハースとフィルムとの距離は約42cm程度として。また、フィルムの移動速度は
、30m/分とした。 放電電圧250A/70V、アルゴン圧力7×10-4Torr、酸素圧力 1.6×10-3Torrとし
た。 膜厚1350Åで、550nm の平行光線透過率87%(PET ブランク 88%)の透明フ
ィルムを得た。
【図面の簡単な説明】 第1図は、この発明の装置の一例を示している。第2図は、この第1図のA−
A′断面を示したものである。図中の番号は次のものを示している。 1……真空室、2……ベルジャ 3……排気口、4……反応ガス導入口 5……ハース、6……プラズマガン 7,8 ……ロール、9……ガイドロール 10…冷却手段、11……磁石 12……シートプラズマ流、13……収束用磁石 14……フィルム基板

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1) 圧力勾配型放電によって形成したプラズマ流をシート状に変形し、蒸発
    源物質の蒸発によって生成させた粒子を該シートプラズマによりイオン化し、シ
    ートプラズマの上方を移動するフィルム基板表面に付着させて、連続的に薄膜
    を形成することを特徴とするシートプラズマ・イオンプレーティング方法。 (2) 真空室と、排気系と、ガス導入系と、薄膜形成材料の蒸発源と、蒸発源
    の蒸発手段と、圧力勾配型のプラズマガンと、該プラズマガンより発射されたプ
    ラズマ流をシート状に変形する磁石手段と、該シート状のプラズマ流を収束させ
    る磁石手段と、フィルム基板を保持しつつ、シート状プラズマ流の上方で移動さ
    せるフィルム基板の保持移動手段とからなり、シート状プラズマ流を、蒸発源物
    質に収束させることなく、フィルム基板表面に対して平行となるように形成させ
    、シート状プラズマ流の上方を移動するフィルム基板の表面に連続的に薄膜を形
    成することを特徴とするシートプラズマ・イオンプレーティング装置。

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