JP2544681Y2 - ファイル製造用ダイス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】表紙、裏表紙を一体成型するプラ
スチック製ファイルの製造用押出用ダイス。

【０００２】

【従来技術】従来のプラスチック製ファイルは着色した
裏表紙の表側に透明の表紙をミシン縫いあるいは接着剤
で接着していた。しかしこのようにすると、着色した裏
表紙と透明の表紙の縫目部の縫合せ工程が煩雑であるば
かりでなく、外観が複雑となり、ライン的な意匠感を付
与することができないという問題点を残している。

【０００３】

【解決しようとする課題】１枚のシートからなるファイ
ルを製造するとともに、表紙と裏表紙の折目を折り返し
易くすること。さらに表紙、裏表紙の閉じ代部の意匠性
を向上すること。

【０００４】

【技術的手段】本考案は上記従来のファイルのように、
表紙、と裏表紙とを別々に成形するのを止めて、表紙、
裏表紙を１つのダイス内で押出成型して一枚のシートと
してダイスより押出すようにしたものである。このよう
にして製造されたファイルＦは透明部ｔｐ１と、それよ
り幾分幅の広い着色部ｃｐ１との間には色差境界線ｂｓ
が形成されるとともに、着色プラスチックの着色部ｃｐ
１の内側に表紙、裏表紙の折目となる凹みｒｃが形成さ
れた１枚のシートからなるファイルＦが得られるもので
ある。

【０００５】

【実施例】本考案ダイスは図４に示すような表紙側を透
明樹脂ｔｐを境とした裏表紙側を着色樹脂ｃｐで作り、
かつ、色差境界線ｂｓを表紙側に設けたファイルを製造
しようとするものである。図１に本考案ダイス装置を示
している。ｃｅは着色プラスチックｃｐのダイスＤへの
入口、ｔｅは透明プラスチックｔｐのダイスＤへの入
口、ｔｏは透明プラスチックｔｐの透明プラスチックレ
シーバー部ｔｒへの中間出口、ｃｏは着色プラスチック
ｃｐの若色プラスチックレシーバー部ｃｒへの中間出
口、ｔｆｏはレシーバー部ｔｒよりの透明プラスチック
ｔｐの最終出口、ｃｆｏは着色レシーバー部ｃｒよりの
着色プラスチックｃｐの最終出口、図２においてｃｘは
レシーバー部ｔｒ，ｃｒの末広がり部、ｓｐは同じく直
線部である。着色プラスチックレシーバー部ｃｒの最終
出口ｃｆｏの幅は、透明プラスチックレシーバー部ｔｒ
の最終出口ｔｆｏの幅より大きい。したがって製造され
るファイルＦの着色部ｃｐ１は透明部ｔｐ１より幅は広
くなる。

【０００６】また図３▲ｂ▼においてｐｒはファイルＦ
に凹みｒｃをつけるためのレシーバー部ｔｒ，ｃｒの境
界壁ｂｗの上部に設けた三角柱部である。またｂｗｐは
境界壁ｂｗの先端である。本考案のダイスＤは以上のよ
うに透明プラスチックｔｐと、着色プラスチックｃｐの
入口ｔｅ，ｃｅと、透明プラスチックｔｐが押出される
レシーバー部ｔｒと着色プラスチックｃｐが押出される
レシーバー部ｃｒとからなる。

【０００７】以下その作用について説明する。プラスチ
ック入口ｔｅ，ｃｅからダイスに入った透明着色プラス
チックｔｐ_１ｃｐは中間出口ｔｏ，ｃｏからレシーバー
部ｔｒ，ｃｒに押出される。レシーバー部ｔｒ，ｃｒに
押出された透明、着色プラスチックｔｐ，ｃｐはレシー
バー部ｔｒ，ｃｒの末広がり部ｃｘ，ｃｘにおいて図２
に示すように矢印方向に末広がり状に広がり、直線部ｓ
ｐ，ｓｐに入る。そしてダイスＤからそれぞれ最終出口
ｔｆｏ，ｃｆｏから押出される。そして着色プラスチッ
クｃｐと透明プラスチックｔｐとは境界壁ｂｗの先端ｂ
ｗｐにおいて合体して、ダイスＤ外に押出され、図３に
示すような色差境界線ｂｓを形成することになる。

【０００８】ところで、透明プラスチックｔｐの最終出
口ｔｆｏの幅より着色プラスチックｃｐの最終出口ｃｆ
ｏの幅を大きく形成してある。この結果製造されるファ
イルＦは図４のように着色部ｃｐ１の幅が透明部ｔｐ１
の幅より大きくなり色着境界線ｂｓが透明の表紙側に形
成される。

【０００９】そして本考案では図３▲ｂ▼のように境界
壁ｂｗｐの着色プラスチックの最終出口ｃｆｏ側に、三
角柱状突起ｐｒを設けておく。かくして図４のようにフ
ァイルＦの着色部ｃｐ１のファイルＦの折目となる部分
に凹みｒｃが形成される。

【００１０】

【考案の効果】本考案のファイル製造用ダイスは透明プ
ラスチックｔｐの最終出口ｔｆｏの幅より着色プラスチ
ックｃｐの最終出口ｃｆｏの幅を大きくしておき、か
つ、境界壁先端ｂｗｐの着色プラスチックｃｐの最終出
口ｃｆｏ側に三角柱状突起ｐｒを設けておく。したがっ
て製造されるファイルＦは幅の広い着色部ｃｐ１と幅の
狭い透明部ｔｐ１からなり着色部ｃｐ１の凹みｒｃによ
り折り返しができる。このようにファイルの閉じ代が着
色された折目となり、閉じ代部を隠蔽し、意匠的に安定
し、かつ表紙の透明性を損うことがない。もし、凹みｒ
ｃを透明部ｔｐ１と着色部ｃｐ１の境目に形成すると、
製造用ダイス内に形成される色差境界線ｂｓにおいて着
色プラスチックｃｐが着色部ｃｐ１から透明部ｔｐ１に
向けてにじむことになり意匠性が損なわれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案押出ダイスのレシーバー部ｃｒ，ｔｒ
を露出するように切断した斜視図、

【図２】 図１の平面図、

【図３】 ▲ａ▼図２ ３Ｆ−３Ｆ矢視図、 ▲ｂ▼境界壁ｂｗと三角柱状突部ｐｒの斜視図、

【図４】 ファイルＦの見取図、

【符号の説明】

Ｄ：ダイス、ｃｐ：着色プラスチック、ｔｐ：透明プラ
スチック、ｃｅ：着色プラスチックの入口、ｔｅ：透明
プラスチックの入口、ｃｏ：着色プラスチックの中間出
口、ｔｏ：透明プラスチックの中間出口、ｃｆｏ：着色
プラスチックの最終出口、ｔｆｏ：透明プラスチックの
最終出口、ｃｒ：着色プラスチックのレシーバー部、ｔ
ｒ：透明プラスチックのレシーバー部、ｃｘ：末広がり
状部、ｓｐ；直線部、Ｆ：ファイル、ｂｓ：色着境界
線、ｂｗ：境界壁、ｂｗｐ：境界壁先端、ｐｒ：三角柱
状突部、ｒｃ；ファイルＦの凹み（図４）、ｃｐ１：着
色部（図４）、ｔｐ１：透明部（図４）。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明プラスチックｔｐが押出され、か
   つ、最終出口ｔｆｏを有する、透明プラスチック用レシ
   ーバー部ｔｒと、 着色プラスチックｃｐが押出され、かつ透明プラスチッ
   ク用レシーバー部ｔｒの最終出口ｔｆｏより幅の広い最
   終出口ｔｆｏを有する、 着色プラスチックレシーバー部ｃｒとからなり、かつ、 前記透明、着色レシーバー部ｔｒ，ｃｒは境界壁ｂｗで
   仕切られており、かつ境界壁ｂｗの先端ｂｗｐの着色レ
   シーバー部ｃｒの内側に、製造される着色部ｃｂ１が透
   明部ｔｐ１より幅の広いファイルＦの折目となる凹みｒ
   ｃを着色部ｃｐ１に形成するための三角柱状突起ｐｒを
   設けたファイル製造用ダイス。