JP2544611B2 - 極低温鋼用被覆ア−ク溶接棒 - Google Patents

極低温鋼用被覆ア−ク溶接棒

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JP2544611B2
JP2544611B2 JP62031420A JP3142087A JP2544611B2 JP 2544611 B2 JP2544611 B2 JP 2544611B2 JP 62031420 A JP62031420 A JP 62031420A JP 3142087 A JP3142087 A JP 3142087A JP 2544611 B2 JP2544611 B2 JP 2544611B2
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    • B23K35/22Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
    • B23K35/24Selection of soldering or welding materials proper
    • B23K35/30Selection of soldering or welding materials proper with the principal constituent melting at less than 1550 degrees C
    • B23K35/3033Ni as the principal constituent
    • B23K35/304Ni as the principal constituent with Cr as the next major constituent

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、主として10%以下のNiを含有している極低
温用鋼、たとえば、3.5%前後のNiを含む3.5%Ni鋼、5.
5%前後のNiを含む5.5%Ni鋼、9%前後のNiを含む9%
Ni鋼に用いられる被覆アーク溶接棒に係わり、さらに詳
しくは全姿勢溶接でブローホール、スラグインクルージ
ヨン、割れ等の欠陥がなく且つ機械的性質の良好な溶接
金属を得るインコネル系被覆アーク溶接棒に関するもの
である。
(従来の技術) 現在工業用純Ni心線を用いて被覆から合金を添加して
目的の成分系であるAWS規格のENiCrMo−6を得る溶接棒
はすでに実用化されている。この種の溶接棒は心線中に
合金を含む溶接棒と比べて心線の電気比抵抗が約1/10程
度であるため溶接時の耐棒焼け性が優れており軟鋼棒な
みの高電流の使用が可能で作業能率面で有利である。し
かし一方では、高電流を使うがゆえその耐割れ性の劣
化、合金成分を被覆から添加するがゆえの溶接金属の健
全性の劣化等が問題であつた。特に最近では、極低温用
鋼のNi基合金による溶接においても自動化が進んだため
溶接棒は上向姿製での溶接や自動化困難な個所の溶接に
使われる比率が高くなつていること。さらには溶接部の
安全性に対する要求が厳しくなり且つ溶接部の非破壊検
査技術が進歩したため溶接金属の健全性に対する要求が
一段と厳しくなつたことなどから、上向姿勢での溶接金
属に発生し易い微小ブローホールや微小スラグインクル
ージヨン等の微小欠陥までも大きな問題となつている。
全姿勢溶接における溶接金属の耐割れ性と健全性の改
善について、本発明者等は特開昭56−44709号公報にお
いて、酸素量を規制した純Ni心線に合金成分と特定した
脱酸剤を含み且つ全水分量を低く制御した被覆剤を被覆
する技術を開示しているが、前記のごとき情勢の中では
特に上向姿勢での溶接金属の耐微小欠陥性能は満足し得
ないことが明らかとなつた。
以上のごとく、最近の極低温用鋼の溶接において、厳
しい環境下でも溶接作業性が良好で、耐割れ性機械的性
質が優れた溶接金属が得られ、しかも耐微小欠陥性能も
優れた溶接金属の得られる高能率被覆アーク溶接棒が強
く望まれている。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は以上のような問題点を解決すべくなされたも
のであつて、その目的とするところは、いかなる厳しい
環境下にあつても微小ブローホールや微小スラグインク
ルージヨン等の微小欠陥でさえも発生し難く、しかも溶
接金属の耐割れ性も機械的性質も優れ且つ溶接作業性も
良好であり真に高能率溶接を可能とする極低温鋼用被覆
アーク溶接棒を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、極低温用鋼の純ni心線使用の高ni系溶
接棒による全姿勢溶接において、溶接金属の優れた耐割
れ性と機械的性質及び優れた溶接作業性を確保しなが
ら、最も欠陥の発生し易い上向姿勢での耐微小欠陥性能
を改善することを目的として鋭意検討した結果、適当量
の特定な脱酸剤と適当量の特定な酸化物を同時に被覆剤
中に含有することにより、Ni基溶融メタルの反応性と相
まつて溶接時の脱酸反応がかえつて活発になり、溶接金
属中での比較的大きな気孔の生成を防止し、同時にNi基
溶融メタルの粘性や表面張力等の物性と溶融スラグの物
性が相まつて、メタルの凝固方向と重力方向とが相反す
る上向姿勢の溶接金属においても微小な気孔や微量のス
ラグも残らず溶接金属外に排出されること。さらに金属
炭酸塩と金属弗化物の比を特定の範囲にすることによ
り、分解生成されるガスの量と組成がそして溶融スラグ
の流動性、粘性等の物性が上記効果を顕著にするのみな
らず、脱酸剤と酸化物の存在と相まつてアンダーカツト
やオーバーラツプ等の欠陥のない平らなビードが形成さ
れること等が明らかになつた。加えて、心線中の酸素量
を低くすること、被覆剤中の合金剤を種類、量共に特定
することおよび被覆剤中の全水分量を低く抑制すること
により、溶接金属の優れた耐割れ性及び機械的性質が確
保できることが明らかになつた。
本発明は以上の新たな知見に基づくものであつて、そ
の要旨とするところは、Niを98%以上含有し且つ酸素量
を0.008%以下に制御した心線に、被覆剤全重量に対し
て金属炭酸塩10〜25%、金属弗化物10〜25%を金属炭酸
塩/金属弗化物の比が0.70〜1.40となるよう含有し、且
つTi酸化物0.8%以上5%未満、Zr酸化物0.8〜7%、Fe
酸化物0.5〜6%、Mn酸化物0.5〜6%、Cr酸化物0.5〜
6.5%、Ni酸化物0.5〜6.5%の一種又は2種以上をその
合計が1.5〜8%となるよう含有し、さらに心線重量比
に換算してCr18〜30%、Mo6〜15%、Mn2〜10%を必須と
し、且つAl1.0〜3.0%、Ti0.5〜2.5%、及びSi0.5〜2.5
%の1種又は2種以上をその合計が1.5〜5.0%となるよ
う含有し、さらには全水分量を0.25%以下に制御した被
覆剤を被覆したことを特徴とする極低温鋼用被覆アーク
溶接棒にある。
なおここで言う心線重量比とは次式の関係で示される
ものを示し且つ同式中の被覆剤配合比とは被覆剤全重量
に対する添加原料の配合比を意味し、さらに被覆率とは
溶接棒全重量中の被覆剤重量の占める割合を意味する。
以下に本発明を作用と共に詳細に説明する。
(作用) 先ず、心線中のNiは、不純物の混入をなるべく少なく
し電気比抵抗の増大を抑え、耐割れ性に悪影響を及ぼす
成分を少なくするために98%以上に制限する。また心線
中の酸素は、溶接金属中の酸素量の増加による溶接金属
の耐割れ性、耐ブローホール性の劣化を防止するために
0.008%以下に規制する。
次に被覆剤組成について述べると、先ず金属炭酸塩
は、スラグに高塩基性を与え溶接金属のP,S及びSiの増
加を抑制するとともに分解生成するCO2ガスによつて水
素分圧を下げ、かつ軟鋼溶接棒と同等の高電流溶接でも
溶接金属の耐割れ性を十分に良好たらしめるために10%
以上必要である。一方25%を超えるとスラグの剥離性及
び流動性が悪くなるので10〜25%に制限する。なお、こ
こで言う金属炭酸塩とは、石灰石、炭酸バリウム、炭酸
マグネシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸リチウム、炭
酸マンガン等を指す。
金属弗化物は、スラグの流動性を良好にしビード形状
を平らにするために10%以上必要である。一方25%を超
えるとスラグの剥離性が劣化しまたアークが不安定とな
るので10〜25%に制限する。なお、ここで言う金属弗化
物とは、螢石、氷晶石、弗化アルミニウム、弗化マグネ
シウム、弗化バリウム、弗化リチウム、弗化ソーダ等を
指す。
また、金属炭酸塩/金属弗化物の比を特定したことは
本発明の基本要件の一つであり、特定の酸化物を特定量
添加すること及び特定の脱酸剤を特定量添加することと
相まつて、溶融金属中の脱酸還元反応を活発にしかつ下
向、立向、横向姿勢のみならず上向姿勢の溶接による溶
融金属中からのガス及びスラグ放出を容易にして、微小
な気孔及び微小なスラグインクルージヨンをも防止する
ことを可能にすると同時に、全姿勢の溶接において適当
なスラグの流動性を持たせ平らなビードを形成すること
を可能にする。
この比が0.7未満ではスラグの剥離性が劣化しアーク
が不安定となり溶接金属中に微小欠陥を生じやすくな
る。一方この比が1.4を超えるとスラグの流動性が劣化
し平らなビードが形成されずまた微小欠陥も生じやすく
なる。したがつて金属炭酸塩/金属弗化物の比を0.70〜
1.40の範囲に制限する。
さらに特定の酸化物を特定量添加することも本発明の
基本要件の一つであり、前記のごとく金属炭酸塩/金属
弗化物の比を特定することと特定の脱酸剤を特定量添加
することの相乗効果により、溶接時のアーク雰囲気中、
溶接金属中、溶融スラグ中の脱酸還元反応を活発にし、
かつ溶融金属と溶融スラグの物性を溶融金属中からのガ
ス及びスラグ放出を容易ならしめるよう改善し、この種
の極低温鋼用被覆アーク溶接棒で従来得られなかつた優
れた耐微小欠陥性能を溶接作業性,耐割れ性、機械的性
質を全く損なうことなく確保することを可能にしたもの
である。このような効果を持つ酸化物の種類及び量はル
チール、イルミナイト、チタン白、チタンスラグ等のTi
酸化物0.8以上5%未満、酸化ジルコニウム等のZr酸化
物0.8〜7%、酸化鉄、ヘマタイト等のFe酸化物0.5〜6
%、二酸化マンガン、マンガンスラグ等のMn酸化物0.5
〜6%、酸化クロミウム等のCr酸化物0.5〜6.5%、酸化
ニツケル、ニツケルスラグ等のNi酸化物0.5〜6.5%であ
り、それぞれの下限に満たない添加では効果が得られ
ず、上限を超えた添加は溶接金属中の酸素量を増加させ
溶接金属の耐割れ性を劣化させると共に、スラグの流動
性を劣化させブローホールやスラグインクルージヨンの
原因となる。また、これら酸化物の1種または2種以上
の合計が1.5%未満では効果がなく、8%を超えると溶
接金属の耐割れ性が劣化すると同時にスラグの流動性が
劣化し平らなビードが形成できなくなる。したがつて、
これら酸化物の1種または2種以上の合計を1.5〜8%
に制限する。
また、本発明においては被覆剤中にCr,Mo,Mn夫々含む
ものである。
先ずCrの添加は溶接金属の高強度化と耐ブローホール
性等の健全性確保に効果がある。心線重量比に換算して
被覆剤中のCrが18%未満では効果が少なく、多ければ多
いほど効果は大であるが、30%を超えると溶接金属の衝
撃値の低下が著しくなる。したがつて被覆剤中のCrを心
線重量比に換算して18〜30%に制限する。
また、Moの添加は溶接金属の高強度化と軟鋼溶接棒な
みの高電流での溶接金属の耐割れ性を良好ならしめるた
めに非常に有効である。心線重量比に換算して被覆剤中
のMoが6%未満では効果が少なく、多いほど効果は大で
あるが15%を超えると溶接金属の衝撃値の低下が著しく
なる。したがつて被覆剤中のMoを心線重量比に換算して
6〜15%に制限する。
さらにMnの添加は溶接金属の耐割れ性を良好にするの
に有効であるが、心線重量比に換算して被覆中にMnが2
%未満では効果が少なく、10%を超えるとスラグ剥離性
が悪くなる。したがつて被覆剤中のMnを心線重量比に換
算して2〜10%に制限する。
なお、本発明では上記合金に加えてさらに被覆剤中に
心線重量比に換算してNb5%以下、W5%以下の一方また
は両方を、溶接金属に要求される強度、靱性、耐割れ性
等の特性改善のため添加しても発明の効果は損なわれな
い。
次に特定の脱酸剤を特定量添加することも本発明の基
本要件の一つであり、金属炭酸塩/金属弗化物の比を特
定することと特定の酸化物を特定量添加することとの相
乗効果によつて初めて他の特性を損なうことなく全姿勢
の溶接で微小ブローホール、微小スラグインクルージヨ
ン等の微小溶接欠陥をも防止することができるものであ
る。すなわち、Al,Ti,Siの1種又は2種以上の添加は溶
接金属の耐ブローホール性を良好にするのに有効である
がAlについては心線重量比に換算して1.0%未満では効
果が少なく、3.0%を超えると溶接金属の耐割れ性、衝
撃値が低下する。したがつて被覆剤中のAlを心線重量比
に換算して1.0〜3.0%に制限する。
また、Tiについては心線重量比に換算して被覆剤中の
Tiが0.5%未満では効果が少なく、2.5%を超えると溶接
金属の耐割れ性と溶接作業性の特にスラグの剥離性が劣
化する。したがつて被覆剤中のTiを心線重量比に換算し
て0.5〜2.5%に制限する。
さらにSiについては心線重量比に換算して被覆剤中の
Siが0.5%未満では効果が少なく、2.5%を超えると溶接
金属の耐割れ性と衝撃値が劣化する。したがつて被覆剤
中のSiを心線重量比に換算して0.5〜2.5%に制限する。
かつ、Al,Ti,Siの1種又は2種以上の合計が1.5%未
満では酸化物の添加に関連して脱酸効果が不十分とな
り、特に上向姿勢や横向姿勢ではピンホールブローホー
ル等のガスによる気孔の発生を防止できない。一方合計
が5.0%を超えると溶接金属の耐割れ性と衝撃値が劣化
する。したがつて被覆剤中のAl,Ti,Siの1種又は2種以
上の合計を心線重量比に換算して1.5〜5.0%に制限す
る。
次に、被覆剤中の全水分量は0.25%以下に制御しなけ
ればならない。
一般に高Ni基の溶接材料では溶接金属中に微量の水素
を含有すると機械的性質に悪影響をおよぼすことが知ら
れている。この水素源となる被覆剤中の全水分量が0.25
%を超えると溶接金属の引張性質特に引張強さと伸びが
劣化すると同時に本発明の目的とする特性の1つ耐微小
欠陥性能も損なわれる。したがつて被覆剤中の全水分量
を0.25%以下に制限する。これは使用する原材料を特に
厳選し、また溶接棒の焼成条件、溶接前の溶接棒の再乾
燥条件等により水分を十分低くするような管理が必要で
ある。
以上のように、本発明は、低酸素の純Ni心線に、金属
炭酸塩と金属弗化物を特定比率で含有し、特定の酸化物
を特定量含有し特定の合金粉と脱酸剤を特定量含有しか
つ全水分量を低く規制した被覆剤を被覆した溶接棒を用
いることにより極低温用鋼のいかなる姿勢の溶接におい
ても微小な欠陥もない優れた機械的性質と耐割れ性を有
する溶接金属を高能率かつ容易に得ることが可能となつ
た。
本発明溶接棒の製造方法の一例について言及すると、
上記心線と被覆剤粉末を準備し、被覆剤粉末を水ガラス
(硅酸カリ水溶液+硅酸ソーダ水溶液)等の適当なバイ
ンダーで混和して心線へ被覆し約400℃で約1時間程度
乾燥焼成する。なお本発明溶接棒においては被覆剤中に
多量の合金成分を配合するため被覆外径を太くするもの
であつて心線に対する被覆剤重量の比としては0.7〜1.2
が望ましい(Ni−Cr基の心線などを使用する溶接棒は0.
5前後)。
以下に実施例により本発明の効果を具体的に説明す
る。
(実施例) 第1表に供試心線を示す。これらのうち記号cの心線
は酸素量が0.008%を超えて含み本発明 外のものである。また記号Dの心線はNi−Cr基のいわゆ
るインコネル系の心線で電気比抵抗が大きく本発明外の
ものである。心線寸法は径3.2mmφ、長さ400mmとした記
号Dの心線のみ径は4.0mmφとした。なお被覆外径を6.3
mmφ、被覆率を48%とし記号Dの心線のみ32%とした。
第2表にこれら心線と被覆剤との組合せによる溶接棒
組成を示す。なお被覆剤全水分量の測定はASTM A316Tに
よつた。
第3表にこれら溶接棒の溶着金属の化学成分を示す。
溶接方法はJIS Z3225「9%Ni鋼用被覆アーク溶接棒」
に準じ、溶接電流は150A交流である。
第4表にこれら溶接棒の溶接金属の機械的性質、耐割
れ性、溶接作業性及び耐微小欠陥性能を示す。
溶接金属の機械的性質については、溶接方法はJIS Z3
225に準じ、溶接電流150A交流で行い評価した。引張性
質は0.2%耐力≧37Kgf/mm2、引張強さ≧67Kgf/mm2、伸
び≧30%を満足するものを○、満足しないものを×とし
た。
衝撃靱性は2VE-196≧5.1Kgf・mを満足するものを
○、満足しないものを×とした。
溶接金属の割れ試験は、JIS Z3115により板厚20mmtの
9%Ni鋼を用い60゜Y開先、ルート間隙2mm、溶接電流
は150A交流、溶接速度は20cm/minで行い、割れ率25%以
下を○、25%超を×とした。
溶接作業性及び耐微小欠陥性能は、板厚12mmt長さ300
mmlの9%Ni鋼を用い、ルートフエイス3mm、ルートギヤ
ツプ1mmの60゜V開先とし、下向姿勢は130〜150A−15〜
20cm/min−4層/6パス、横向姿勢は120〜150A−16〜25c
m/min−4層/7パス、立向姿勢は100〜130A−6〜12cm/m
in−3層/3パス、上向姿勢は100〜130A−7〜14cm/min
−3層/4パスでそれぞれ突合せ溶接を行い評価した。
溶接作業性は、アークの安定性、スラグの流動性と剥
離性、スパツタの多少、耐棒焼け性、ビート形状等を評
価し、これら全てが良好なものを○、一つでも問題があ
るものは×とした。
耐微小欠陥性能は、最終ビード表面から1mmずつ10回
切削研磨して各面にカラーチエツクを行い欠陥数を調
べ、長さ0.5mm未満の欠陥合計数が10ケ以下のものを
○、10ケ超えのものを×とした。なお、0.5mm以上の比
較的大きな欠陥の場合は3ケ以上で×とした。
これにより、本発明の溶接棒記号No.1,2,3,5,7,8,9,1
1,13,15,16,19,20,22,23,25,27,29,30及び31は、溶着金
属の機械的性質が優れ溶接金属の耐割れ性も良好で、か
つ下向、横向、立向及び上向のいずれの姿勢においても
良好な溶接作業性を有し同時に非常に優れた耐微小欠陥
性能を有していることがわかる。
これに対し、比較例No.4及びNo.32は金属炭酸塩/金
属弗化物の比が1.40を超えており、溶接作業性と耐微小
欠陥性能に問題があり、No.32は全水分量が0.25%を超
えてもいるため引張性質にも問題があつた。
比較例No.6は金属炭酸塩/金属弗化物の比が0.70未満
であり、溶接作業性と上向姿勢での耐微小欠陥性能に問
題があつた。
比較例No.10は、Ti酸化物が5%以上でありかつ酸化
物の合計が8%を超えており、溶接作業性及び耐微小欠
陥性能に問題があるのみならず、溶接金属中の酸素の増
加による引張性能の劣化をももたらしている。
比較例No.12は脱酸成分の心線重量比換算合計が1.5%
未満であり、特に横向、上向姿勢の溶接における耐微小
欠陥性能と溶接金属の引張性質に問題があつた。
比較例No.14は、Ti酸化物及びZr酸化物量が0.8%未満
であり同時に酸化物合計量が1.5%未満であるため、特
に横向と上向姿勢における耐微小欠陥性能に問題があつ
た。
比較例No.17はAl量が3.0%を超えており、溶接作業性
と上向姿勢での耐微小欠陥性能さらには衝撃靱性と耐割
れ性にも問題があつた。
比較例No.18及びNo.28は脱酸成分の合計が5.0%を超
えており、溶接作業性と耐微小欠陥性能及び耐割れ性に
問題があつた。
比較例No.21は全水分量が0.25%を超えており、引張
性質と耐割れ性のみならず横向、上向姿勢における耐微
小欠陥性能にも問題があつた。
比較例No.24はCr量が30%を超え、同時に脱酸成分の
心線重量比換算合計が1.5%未満であるため、溶接金属
の衝撃靱性と耐割れ性に問題があるのみならず、横向と
上向姿勢における耐微小欠陥性能にも問題があつた。
比較例No.26はMo量が6%未満かつTi量が2.5%を超え
ており、溶接金属の引張性質と耐割れ性に問題があるば
かりでなく、溶接作業性にも問題があつた。
比較例No.33及びNo.34は酸素量の多い本発明外の心線
を使用しているため、溶接金属の引張性質及び横向と上
向姿勢における耐微小欠陥性能に問題があつた。
比較例No.35は心線として本発明外のNi−Cr基のいわ
ゆるインコネル系を使用したため、溶接作業性に根本的
な問題があつた。
(発明の効果) 以上のように本発明は、低酸素の純Ni心線に主要な合
金成分と脱酸剤及び酸化物を含有しかつ金属炭酸塩/金
属弗化物の比を限定しさらに全水分量を規制した被覆剤
を被覆することにより、溶接時のアーク、溶融スラグ、
溶融メタル中の反応を活発にし、いかなる姿勢において
も極めて微小な欠陥をも防止し非常に健全でかつ優れた
機械的性質と耐割れ性を有する溶接金属を容易に得るこ
とができるようにし、このことによつてこの種の溶接棒
を真に高能率たらしめることを可能にしたものであつ
て、極低温用鋼の溶接の作業能率向上に大きく貢献する
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−128696(JP,A) 特開 昭59−107789(JP,A) 特公 昭54−41029(JP,B2) 特公 昭63−58078(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Niを98%以上含有し、且つ酸素量を0.008
    %以下に制御した心線に、被覆剤全重量に対して金属炭
    酸塩10〜25%、金属弗化物10〜25%を金属炭酸塩/金属
    弗化物の比が0.70〜1.40となるよう含有し、且つTi酸化
    物0.8%以上5%未満、Zr酸化物0.8〜7%、Fe酸化物0.
    5〜6%、Mn酸化物0.5〜6%、Cr酸化物0.5〜6.5%及び
    Ni酸化物0.5〜6.5%の一種又は2種以上をその合計が1.
    5〜8%となるよう含有し、さらに心線重量比に換算し
    てCr18〜30%、Mo6〜15%、Mn2〜10%を必須とし且つAl
    1.0〜3.0%、Ti0.5〜2.5%及びSi0.5〜2.5%の1種又は
    2種以上をその合計が1.5〜5.0%となるよう含有し、さ
    らに全水分量を0.25%以下に制御した被覆剤が被覆され
    ていることを特徴とする極低温鋼用被覆アーク溶接棒。
JP62031420A 1987-02-16 1987-02-16 極低温鋼用被覆ア−ク溶接棒 Expired - Lifetime JP2544611B2 (ja)

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