JP2544363B2 - 可燃性熱中性子吸収要素 - Google Patents

可燃性熱中性子吸収要素

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JP2544363B2
JP2544363B2 JP62005186A JP518687A JP2544363B2 JP 2544363 B2 JP2544363 B2 JP 2544363B2 JP 62005186 A JP62005186 A JP 62005186A JP 518687 A JP518687 A JP 518687A JP 2544363 B2 JP2544363 B2 JP 2544363B2
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、軽水炉で用いられる可燃性吸収材(毒物)
に関し、特に、独立した毒物棒(即ち、燃料棒内の燃料
と混合されていない毒物棒)として軽水炉で用いられる
可燃性吸収材に関するものである。
【従来の技術】
従来、商用軽水炉は、燃料サイクルの初期により多く
235Uを存在させることによって、燃料サイクルを延ば
すために、ホウ素化合物やガドリニア(Gd2O3)のよう
な可燃性毒物を用いてきた。幾つかの従来構造では、二
酸化ウラン(UO2)およびガドリニアからなるペレット
を収容する燃料要素を形成するために、ガドリニアが二
酸化ウランに直接混入されている。他の構造において
は、燃料ペレットが、ホウ化ジルコニウム(ZrB2)のよ
うなホウ化物で被覆されている。 燃料棒が核分裂性物質と可燃性吸収材の両方を含んで
いる上記構造の他に、可燃性吸収材は冷却材に溶解され
てもよく、そして/また、独立した固定または可動の
(燃料を含まない)可燃性吸収要素に含有されてもよ
い。 例えば米国特許第3,510,398号及び第4,342,722号各明
細書に示されている可燃性吸収要素の従来構造は、ジル
コニウム合金またはステンレス鋼製の密封された管状の
棒を具備し、この棒は、可燃性吸収材としてホウケイ酸
ガラスからなる管状部材を収容している。ホウケイ酸ガ
ラスの内側には、同軸に小径のジルコニウム合金または
ステンレス鋼製の管が設けられ、ホウケイ酸ガラスを構
造的に支持している。棒内部の他の部分は、ヘリウムの
ようなガスが充填されている。 上記可燃性吸収要素を改良したものが、本出願人によ
る湿式環状可燃性吸収棒(Wet Annular Burnable Absor
ber Rodから「WABA棒」と称する。)として知られてい
る。WABA棒の構造は同軸に配置された1対のジルコニウ
ム合金製の管を備えており、燃料棒と実質的に同じ外径
と長さを有している。燃料棒と寸法が等しいので、WABA
棒は、燃料棒と同様に、整列された燃料集合体格子セル
に固定でき、或は、燃料集合体の案内シンブルの中に配
置される可動毒物要素として用いることができる。炭化
ホウ素(B4C)を含有している環状の可燃性毒物ペレッ
トは、同軸の管の間に存する狭い環状空間に配置され、
その環状空間はその両端に溶着された端栓によって密封
されている。しかし、内側の管の中空部分は塞がれてお
らず、従って、軽水炉の運転中に、水からなる冷却材
が、妨害を受けずに内側の管を通って上方に流れる。WA
BA棒の例は、米国特許第4,460,540号及び第4,474,728号
各明細書に開示されている。
【発明の概要】
従来の可燃性吸収構造を相当に改良したものが、本発
明を用いることによって得られる。本発明によって提供
された可燃性熱中性子吸収要素は、ホウ素含有物質(即
ち、ホウ素化物)と水素化ジルコニウムとを収容する細
長い封止された容器を具備している。ホウ素含有物質お
よび水素化ジルコニウムは、容器の長手方向に沿って、
所望の形で分布される。水素化ジルコニウムは、部分的
に水素化された状態にあり、ジルコニウム対水素の比即
ちジルコニウム(Zr)に対する水素(H)の比は、原子
を基準として1.0〜1.8の範囲内にあり、軽水炉の中性子
照射環境内のホウ素含有物質の中性子捕獲率を増大させ
る。 本発明の好適な実施態様において、前記容器は管であ
り、その両端には、管内に密封された空所を形成するた
めに、端栓が取り付けられている。また、この管は、水
素化ジルコニウムとホウ素含有物質とを収容する。好適
には、水素化ジルコニウムは、一方の端栓上に載置され
る円柱を形成するように、縦に積み重ねられたほぼ円柱
形のペレットの形態をとっている。
【実施例】
本発明においては、水素化ジルコニウムが、燃料を含
まない可燃性熱中性子吸収要素の中の可燃性毒物である
ホウ素含有物質と結合される。従来のWABA棒構造と比較
して、可燃性毒物がホウ素含有物質である場合に、大き
な効果が得られた。この効果は、WABA棒構造において用
いられた水と比較して相当に高い濃度の減速材、即ち水
素を含有している固体の減速材、即ち水素化ジルコニウ
ムを使用したことに起因している。この高濃度の水素に
よって、軽水炉中性子照射環境における中性子が、より
効果的に減速され、これによって、可燃性毒物、即ちホ
ウ素が中性子を捕獲する確率を大きく改良する。 第1図は、本発明に従った可燃性熱中性子吸収要素
(以下、「吸収要素」と称する。)1の一実施例を示す
垂直断面図である。この吸収要素1は、細長い容器3を
備え、この容器3は好適には円形の横断面の管5であ
り、容器3内に密封された空所11を形成するために、そ
の両端に上部端栓7と下部端栓9とが溶着されている。
管5および端栓7、9の材料は、軽水炉環境において水
による腐食に対して優れた耐久性を有するステンレス鋼
およびジルコニウム合金から選択されるのが好ましい。
これらの材料として、商品化されている合金、即ちジル
カロイ−2またはジルカロイ−4の一方が用いられるの
が最も好ましい。 水素化ジルコニウムと可燃性毒物、即ちホウ素とが容
器3内に収容されている。水素化ジルコニウムは、実質
的に円柱を形成するために縦に積み重ねられたほぼ円柱
形のペレット13の形態をとり、ペレット13からなる円柱
における最上部のペレット13と、上部端栓7との間に配
置されたばね15または同様な手段によって、下部端栓9
に対してこの円柱が保持される。 水素化ジルコニウムからなる各ペレット13は、ジルコ
ニウムに対する水素の比即ちジルコニウム対水素の比
が、原子を基準にして約1.0〜約1.8の範囲内にあり、約
1.5〜約1.8の範囲が最も好ましい。吸収要素1における
減速材、即ち水素の濃度を最大にするために、ジルコニ
ウム対水素の比を最大にすることが望ましいが、ジルコ
ニウム対水素の比は、原子炉の使用中に水素化ジルコニ
ウムのペレット13から放出されるガス状の水素の量を制
限するために、約1.8よりも小さく抑えられるべきであ
る。その理由は、水素が容器3の材料と化合し、その機
械的特性に悪影響を与えるかもしれないからである。こ
れに関し、管5の内面上に水素拡散隔膜を有することが
好適である。管5がジルカロイから作られている場合、
その内面は水素の吸収を制限するために予め酸化される
とよい。或はまた、管5の内面を予め酸化する他に、空
所11内の雰囲気は、特開昭60−125588号公報に開示され
ているように、ヘリウムのような不活性ガスから完全に
構成されるよりもむしろ、原子炉の使用中に管5の内部
を酸化させるための酸化材を含むようにするとよい。前
記公報に開示されているように、この酸化材は、酸素、
一酸化炭素および二酸化炭素から選択され、容器3の内
面を被覆する酸化物を形成するために有効な量(例え
ば、ヘリウムの体積に対して体積比で2〜3パーセン
ト)を含むようにするとよい。 ペレット13は、水素化ジルコニウムの粉末を加圧して
焼結することによって形成される。水素化ジルコニウム
の粉末は、第1段階の材料としてジルコニウムまたはジ
ルコニウム合金(例えば、ジルカロイ−2、ジルカロイ
−4)からなる原料を用い、従来の水素化技術により形
成される。即ち、前記原料が、所要の高水素濃度に水素
化され、次いで、水素化ジルコニウムの粉末にされる。 加工前の粉末は、ペレット焼結中に失われる水素を補
償するために、最終製品であるペレットに必要とされる
水素よりも多量の水素が含まれている。 可燃性毒物は、多くの色々な方法で、吸収要素1に混
入される。例えば、水素化物の粉末を作るための原料で
あるジルコニウムやジルコニウム合金が、所要の濃度に
ホウ素と予め混合されてもよい。或は、炭化ホウ素(B4
C)のような微粒子のホウ化物即ちホウ素含有物質が水
素化ジルコニウムの粉末と混合され、その後に、水素化
ジルコニウムの母体全体にほぼ均等に分散された微粒子
のホウ化物を有するペレットを形成すべく、加圧されて
焼結されてもよい。尚、炭化ホウ素(B4C)の微粒子は
ニオブのような拡散隔膜材料で被覆されるとよい。 上述した態様において、水素化ジルコニウムとホウ素
含有物質は、或る位置と長さで容器3の長手方向に沿っ
て分布され、この位置と長さは、原子炉燃料集合体にお
ける周囲の燃料要素の濃縮燃料ペレットの位置と長さ
(±20%)にほぼ等しい。ホウ素濃度は選択事項である
が、10Bが1cmの高さに0.006g含まれるものが現在考えら
れている。更に、管5は約9.68mm(0.381インチ)の外
径で、約0.66mm(0.026インチ)の肉厚を有すると共
に、ペレット13は約8.08mm(0.318インチ)の直径で、
横断面で見た場合に、容器3をほぼ隙間なく満たす、と
いう形が考えられている。 上記の説明は、本発明の実施を通して得られる利益を
明瞭に示している。本発明の他の実施例は、上記の本発
明の説明や実施例から考えて、当業者にとり明らかであ
ろう。上記説明は例示に過ぎず、本発明の真の範囲およ
び精神は、特許請求の範囲によって示されている。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明に従った可燃性熱中性子吸収要素の一実施
例を示す垂直断面図である。 1:可燃性熱中性子吸収要素、3:容器、5:管、7:上部端
栓、9:下部端栓、11:空所、13:ペレット、15:ばね。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軽水炉の中性子照射環境において用いられ
    る可燃性熱中性子吸収要素であって、ジルコニウム合金
    製の細長い容器と、前記容器内に封止されたホウ素含有
    物質と、前記容器内に封止された水素化ジルコニウムと
    からなり、前記ホウ素含有物質および前記水素化ジルコ
    ニウムは、前記容器の長手方向に沿って分布され、前記
    水素化ジルコニウムのジルコニウム対水素の比は、原子
    を基準として1.0〜1.8の範囲内にあり、前記中性子照射
    環境内の前記ホウ素含有物質の中性子捕獲率を増大させ
    る、可燃性熱中性子吸収要素。
JP62005186A 1986-01-15 1987-01-14 可燃性熱中性子吸収要素 Expired - Lifetime JP2544363B2 (ja)

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