JP2543400Y2 - メダル磨き装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本案は、遊技機のメダル磨き装置
に関するものである。以下で説明するメダルはコインも
含むものとする。

【０００２】

【従来の技術】円筒内の回転軸で下方より研磨剤とメダ
ルを撹拌しながら揚送し、メダルを分離部に排出するも
のは、実公平２−３３８１７号公報で知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】以上のものは、メダル
を研磨材とともに揚送スクリュー、撹拌部、排出スクリ
ューを有する回転軸により揚送しながら撹拌混合し、メ
ダルの汚れを研磨材に付着させることによってメダルを
磨くものであるが、回転軸の駆動装置が上方にあるので
構造的に安定性がなく、安全なものではない。したがっ
て、本案は安定性のあるメダル磨き装置をうることを目
的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本案は以上のような目的
を達成するため、次のようなメダル磨き装置を提供する
ものである。すなわち、下部フレームに固定したタンク
内に、上部フレームから下方に向かって延設させたパイ
プを臨ませ、そのタンクとパイプとを貫通する螺旋状の
スクリュー部を設けたスクリュー軸を上部フレームと下
部フレームの間に回転可能に軸架し、該スクリュー軸下
部にタンク底を形成する受皿を一体的に設け、タンクに
はメダル投入口と磨き剤の投入口を、パイプの上方には
メダルと磨き剤混合物を吐出するシュートをそれぞれ設
け、更にスクリュー軸を駆動する駆動機構と駆動源を下
部に設けてなるメダル磨き装置である。

【０００５】

【作用】タンクのメダル投入口からメダルが、又磨き剤
投入口から磨き剤が投入され、その投入されたメダルと
磨き剤はタンクの内側と、パイプの外側とにガイドされ
てタンク中に落下し、タンク内の受皿上にメダルと磨き
剤は充満し、さらにリングを越えてパイプ内のスクリュ
ー軸の下方まで充填される状態となるので、受皿上にあ
るメダルと磨き剤は、受皿と一緒に回転しようとして
も、受皿より上方にあるメダルと磨き剤は、タンク及び
パイプの壁面との接触による摩擦、メダルと磨き剤との
相互の摩擦、さらには重量等によりスクリュー軸の回転
に対して回転抵抗を生ずるから、スクリュー軸の回転に
より、この受皿内のメダルと磨き剤と、受皿より上方に
あるメダルと磨き剤との間には相対作用が生じ、これが
攪拌状態となって、メダルは磨かれ、さらにメダルと磨
き剤とは、固定されたパイプ内にあって、スクリュー軸
と、パイプとの相対作用とスクリュー部面との摩擦とに
より、磨き作用を受けながらパイプ内を上昇する。この
ように、メダルと磨き剤とは、スクリュー軸の回転によ
りスクリュー部にて撹拌された状態となるので、受皿と
パイプの下部とが少々離れていても、パイプの下部に到
達したメダルと磨き剤は、スクリュー軸と固定されたパ
イプとの相対作用とスクリュー部面の摩擦によってパイ
プ内を上昇する。しかしてパイプの内径とスクリューの
外径との間に隙間が適当に設けられており、かつ潤滑剤
の役目をする磨き剤と混合し、撹拌状態にあるメダルは
容易に移動するため、メダルがパイプの下端に当接して
も、噛み込まれたり変形することはない。しかしてスク
リュー軸のスクリュー部で持ち上げられたメダルは磨き
剤と共に固定されたパイプ中に充満するので、パイプ中
をスクリュー部に沿って上昇し、メダルは磨き剤による
磨き作用をうけながらメダルと磨き剤とは混合された状
態で上部の吐出口から排出され、シュート上を任意の所
に移動する。なお、スクリュー軸の回転は、下方の駆動
源から駆動される。

【０００６】

【実施例】以下、図面に示す実施例について説明する。
本案のものは、メダルを使用する遊戯場で使用されるも
ので、島のスロットマシーンと台間メダル貸機にメダル
を供給するが、客が投入するメダル計数機からのメダル
及びスロットマシーンから回収されるメダルを島端に設
けた本案のような磨き装置で、磨き上部に上昇させ、再
度スロットマシーンと台間メダル貸機に供給するように
なっている。図示のものは、磨き装置の切断正面図を示
すもので、下部フレーム（１）にタンク（１３）を固定
する。上部フレーム（２１）にパイプ（２０）を取付け
るとともに、このパイプ（２０）を下方に延設してタン
ク（１３）内に臨ませ、タンクカバー（１４）でガイド
させる。パイプ（２０）内には螺旋状のスクリュー部
（１９ａ）を設けたスクリュー軸（１９）を貫設し、上
部フレーム（２１）と下部フレーム（１）及び軸受台
（４）に設けた各ころがり軸受（２２）（２５）（２
６）で垂直に支持する。又、スクリュー軸（１９）はラ
ビリンス部（９）を有するボス（１０）を介してスラス
ト荷重を支えるスラスト軸受（２３）と芯出用のテーパ
ーローラ軸受（２４）を組合わせた軸受機構で回転可能
に支持する。スクリュー軸（１９）はその下方のタンク
（１３）内の位置にタンク（１３）の底を形成する受皿
（１１）を固定するとともに、その受皿（１１）の下面
にボス（１０）を固着し、タンク（１３）に設けたリン
グ（１２）に対応して受皿（１１）をスクリュー軸（１
９）と一体回転させる。

【０００７】タンク（１３）のタンクカバー（１４）に
は、メダル投入口（１５）と磨き剤投入口（１６）とが
あり、パイプ（２０）の上方にメダル、磨き剤の混合物
を吐出するシュート（１８）を設ける。（１７）はセン
サーであって、タンク（１３）の上部に設けられ、メダ
ルと磨き剤の投入量を制御する。又、スクリュー軸（１
９）が回転によりリング（１２）と受皿（１１）との隙
間から磨き剤が漏れ落ちた場合に排出される孔（２）
（５）を下部フレーム（１）に設ける。そして、スクリ
ュー軸（１９）の下部において、ころがり軸受間に設け
たスプロケット（３）（７）及びチェーン（６）を介し
て軸（１９）を駆動するモータ（８）等の駆動源を下部
フレーム（１）に取り付ける。なお、駆動源とスクリュ
ー軸との駆動伝達手段は本実施例に限定せず、歯車、歯
付ベルト、平ベルト等の任意の手段を用いてもよい。シ
ュート（１８）を通ったメダルと磨き剤は図示しない分
離機を介して磨き剤を分離し、再び磨き剤投入口（１
６）に導くようになっており、受皿（１１）とリング
（１２）との隙間は極力少なくして、メダル及び磨き剤
の落下を防止する。

【０００８】さて、メダル投入口（１５）からメダル
を、磨き剤投入口（１６）から磨き剤を、適当な比率で
投入する。タンク（１３）内のメダルと磨き剤との量は
センサー（１７）で検出し、投入量を制御する。回転し
ている受皿（１１）の上に載ったメダルと磨き剤は、受
皿（１１）より上方にあるタンク（１３）内のメダルと
磨き剤との間に相対作用が生じ、これにより攪拌されな
がら、かつ磨き作用を行ないながら、固定されたパイプ
（２０）中をスクリュー軸（１９）上のスクリュー部
（１９ａ）面との摩擦により、この面に沿って上昇す
る。すなわち、受皿（１１）部分に対応するスクリュー
部分（１９ａ）は、たとえ受皿（１１）とスクリュー部
（１９ａ）とが同一回転していても、スクリュー軸（１
９）のスクリュー部（１９ａ）は受皿（１１）上のタン
ク（１３）中を充満しているメダルと磨き剤中にあっ
て、スクリュー部（１９ａ）の外周にメダルと磨き剤が
あるので、受皿（１１）の上方にあって、タンク（１
３）とパイプ（２０）との壁面との間に接触摩擦を生ず
るメダルと磨き剤は、互いの摩擦と重量も加わって、受
皿（１１）上のメダルと磨き剤との間に相対作用が生
じ、これが攪拌状態となって、固定されたパイプ（２
０）とスクリュー（１９）との相対作用とスクリュー部
（１９ａ）面との摩擦によってパイプ（２０）内に掻き
上げられるもので、掻き上げられたメダルと磨き剤は、
そのパイプ（２０）の内壁との摩擦とスクリュー部（１
９ａ）面との摩擦とで上昇する。固定されているパイプ
（２０）の下端部、すなわち入口でスクリュー軸（１
９）上を上昇するメダルがパイプ（２０）の下端部に当
接しても、パイプ（２０）の内径とスクリュー部（１９
ａ）の外径との隙間が適当に設けられており、かつ磨き
剤と混合し、攪拌状態にあるメダルは容易に移動可能な
ため噛み込まれたり、更に変形することはない。受皿の
上方パイプ（２０）内にメダルと磨き剤が充填されてい
ることにより、スクリュー軸（１９）の回転により上昇
し、メダルと磨き剤とは混合された状態でメダルは磨き
作用を受けながら上部の吐出口から吐出され、シュート
（１８）上を任意の所に移動できる。スクリュー軸（１
９）の回転は、駆動源（８）を稼働し、スプロケット
（７）（３）及びチェーン（６）を介して行なわれる
が、前記したように回転するスクリュー部（１９ａ）で
持ち上げられ、パイプ（２０）に達したメダルと磨き剤
とはパイプ（２０）の内壁との摩擦とスクリュー部（１
９ａ）の摩擦とで上昇する。メダルだけでは上昇しな
い。そして、回転している受皿上でメダルと磨き剤を混
合して攪拌することによって、又パイプ中を上昇する磨
き剤とメダル相互の摩擦によってメダルの汚れを磨き剤
が磨きとるようになっている。一方、メダルと磨き剤の
上昇に対する反作用による荷重及び自重がすべてスクリ
ュー軸（１９）に重荷重となってかかる。しかし、スラ
スト軸受（２３）とテーパローラ軸受（２４）とを組合
せた軸受構造のものとすることにより、テーパローラ軸
受（２４）によって高精度の芯出しを容易にするととも
に、重荷重のスラスト荷重はスラスト軸受（２３）を介
して支えることができる。

【０００９】

【考案の効果】本考案によれば、スクリュー軸と受皿と
が一体的に回転するようになっているので、軸受内に磨
き剤やその粉末が入り込まない。又、スクリュー軸の下
部はメダルと磨き剤が充満したタンク中の受皿上にあっ
て、スクリュー部の外周にはメダルと磨き剤があるの
で、パイプの下端が受皿から離れていて受皿とスクリュ
ー軸が一体回転してもパイプが固定されているので、受
皿上にあるメダルと磨き剤は、受皿と一緒に回転しよう
としても、受皿より上方にあるメダルと磨き剤は、タン
ク及びパイプの壁面との接触による摩擦、メダルと磨き
剤との相互の摩擦、さらには重量等によりスクリュー軸
の回転に対して回転抵抗を生ずるから、スクリュー軸の
回転により、この受皿内のメダルと磨き剤と、受皿より
上方にあるメダルと磨き剤との間には相対作用が生じ、
これが攪拌状態となって、メダルは磨かれて、メダルと
磨き剤とは、固定されたパイプ内にあって、回転するス
クリュー軸とパイプとの間の相対作用とスクリュー部面
との摩擦により、パイプ内を上昇する。このように、メ
ダルと磨き剤とは、スクリュー軸の回転によりスクリュ
ー部にて攪拌された状態となるので、受皿とパイプの下
部とが少々離れていても、スクリュー軸のスクリュー部
に沿ってパイプ内を上昇する。スクリュー軸のスクリュ
ー部で持ち上げられるメダルは、磨き剤の潤滑性によっ
て、固定しているパイプから受ける摩擦力が小さくな
り、メダルの変形を防止する。タンク内のメダル及び磨
き剤は、回転する受皿の上に載っていて、常に動いてい
るから順次スクリューに載って持ち上げられるメダルは
動き易く、したがって特にパイプの入口で固定している
パイプとの間でメダルが受ける摩擦力は小さく、噛み込
みによるメダルの変形が防止される。又、受皿がスクリ
ュー軸と同一回転することにより、タンクの内壁との摩
擦でメダルと磨き剤の混合が促進される。メダルと磨き
剤のタンクへの投入は、構造上、定位置になる。かつメ
ダルと磨き剤は速かに混合されることが望ましいが、受
皿が回転しているので攪拌効果がよく混合が促進され
る。更に、駆動源が下部に位置しているので、上部に位
置するものに比べて構造的に安定し、かつ安定性が増
す。重量物である駆動源を上部に位置させることは、枠
体も強固にしなければならないが、駆動源が下部にある
ので強固な枠体は必要とせず、更に下部に位置している
ので、駆動部の補修、点検がやり易い。

【図面の簡単な説明】

【図１】図は本案装置の切断正面図である。

【符号の説明】

１ 下部フレーム ２ 孔 ３ スプロケット ４ 軸受台 ５ 孔 ６ チェーン ７ スプロケット ８ 駆動源 ９ ラビリンス部 １０ ボス １１ 受皿 １２ リング １３ タンク １４ タンクカバー １５ メダル投入口 １６ 磨き剤投入口 １７ センサー １８ シュート １９ スクリュー軸 １９ａスクリュー部 ２０ パイプ ２１ 上部フレーム ２２ ころがり軸受 ２３ スラスト軸受 ２４ テーパローラ軸受 ２５ ころがり軸受 ２６ ころがり軸受

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下部フレームに固定したタンク内に、上
   部フレームから下方に向かって延設させたパイプを臨ま
   せ、そのタンクとパイプとを貫通する螺旋状のスクリュ
   ー部を設けたスクリュー軸を上部フレームと下部フレー
   ムの間に回転可能に軸架し、該スクリュー軸下部にタン
   クの底を形成する受皿を一体的に設け、タンクにはメダ
   ル投入口と磨き剤投入口を設け、パイプの上方にはメダ
   ル、磨き剤の混合物を吐出するシュートをそれぞれ設
   け、更にスクリュー軸を駆動する駆動機構と駆動源を下
   部に設けてなるメダル磨き装置。