JP2542417B2 - 光導波路デバイス - Google Patents

光導波路デバイス

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JP2542417B2
JP2542417B2 JP9517788A JP9517788A JP2542417B2 JP 2542417 B2 JP2542417 B2 JP 2542417B2 JP 9517788 A JP9517788 A JP 9517788A JP 9517788 A JP9517788 A JP 9517788A JP 2542417 B2 JP2542417 B2 JP 2542417B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、光導波路への入射光のカツプリング(導
波)についての光導波路デバイスに関する。
従来技術 従来、光導波路中に入射光をカツプリングさせる方法
としては、プリズムカツプリング法、グレーテイン
グによるカツプリング法、端面結合法などが知られて
いる。この内、のプリズムカツプリング法が最も簡便
にして高効率で光を導波し得る方法である。
このプリズムカツプリング法の原理は第19図により簡
単に説明する。これは、例えば「光集積回路」(オーム
社発行、西原浩他著、第237頁ないし第248頁)に示され
ているものである。まず、基板1(屈折率ns)上に形成
された光導波路2上に、屈折率npのプリズム3を屈折率
ncの媒質(通常は空気)4の薄い層を挾んで接近させ
る。しかして、プリズム3底面に対して角度θで入射ビ
ーム5を入射させると、この光波とz方向の伝播定数β
は、 β=np・k・sinθ …………(1) (但し、k=2π/λ、λ:入射光の波長) となる。ここに、プリズム3の頂角を図示の如くαとす
ると、スネルの法則により、プリズム3の外部での入射
角度θ′は、 nc・sin(θ′−α)=np・sin(θ−α)………(2) となる。ここで、プリズム2と光導波路2との間のギヤ
ツプ間隔Sが大きければ、角度θがβ/k>ncなる関係を
満たす時に入射ビーム5はプリズム3底面で全反射する
が、屈折率ncの媒質4中にはエバネセント波としてしみ
出す。そこで、ギヤツプ間隔Sを狭くしていき、(1)
式に示したβの値がある導波モードの伝搬定数に等しく
なるように角度θを調整すると、光導波路2に達するエ
バネセント波と導波モードとが位相整合し、分布結合が
生ずることにより導波光が励振されるというものであ
る。
ところが、この方法による結合効率は、導波光と入射
ビーム5のz方向振幅分布を g(z)=exp(−αr・z) とすると、主としてビーム幅と1/αrの大小関係で決ま
るが、この1/ar値を数10μmすると、ギヤツプ間隔Sは
通常サブミクロン程度となり、かつ、αrはSに大きく
依存するので、ギヤツプ間隔Sについて極めて微妙な調
整を必要とするものである。
また、入射ビーム5は第19図に示すようにプリズム3
の底面の直角コーナ近くに向けて入射させず、もし、そ
れよりもかなり手前位置に向けて入射させた場合には、
一旦は完全に光導波路2中に結合した光が伝搬する際に
再びエバネセント波としてしみ出し、プリズム3から射
出されてしまうというデカツプリングを生ずるので、入
射ビーム5の照射位置についても微妙な調整を必要とす
る。
目的 本発明は、このような点に鑑みなされたもので、誘電
体層と光導波路との間のギヤツプ間隔を微妙に調整した
り、誘電体層に対する入射ビームの照射位置を厳密に調
整する必要性をなくし、効率よく光導波路へ入射ビーム
をカツプリングさせることができ、さらには、導波光を
光路変換させたり、偏光又は集光させたりし得る機能を
も併せ持つ光導波路デバイスを得ることを目的とする。
構成 本発明は、上記目的を達成するため、基本的には、光
導波路とこの光導波路より高屈折率で入射光を受ける誘
電体層との間に、誘電率の実数部が負となる物質層を設
け、この物質層中に前記誘電体層と前記光導波路との間
に位置させて一部除去した開口部を形成する。
さらには、開口部を、光路変換機能、レンズ機能又は
モードスプリツタ機能等の光学的な特定の機能を持つ特
定の形状として形成する。
以下、本発明の第一の実施例を第1図ないし第3図に
基づいて説明する。まず、基板11上にはこの基板11の屈
折率よりも高い屈折率の光導波路12が誘電性媒質により
形成されている。このような光導波路12上に誘電体層と
なるプリズム13が接近配設されるものであるが、本実施
例ではこれらの光導波路12とプリズム13との間に所定の
物質層となる金属を蒸着してなるクラツド層14を介在さ
せ、かつ、このクラツド層14の一部(前記光導波路12と
プリズム13の間の位置)を除去した開口部14aを形成す
るものである。
ここに、前記プリズム13は入射ビームの照射を受ける
もので、前記光導波路12よりも高屈折率とされている。
又、前記クラツド層14は誘電率の実数部が負なる性質を
持つものである。一般に、光波長領域では金属は実数部
に比べ虚数部の方が大きい複素屈折率を持つ(例えば、
Agの場合、Ag=0.065−i4.0、AlではAl=1.2−i7.0
である。なお、波長λは6328Åとする)。又、波動方程
式やその解は、直接には、複素屈折率ではなく、複素
誘電率を含んでいるので、複素屈折率を持つ媒質を
含む光導波路構造の場合、複素誘電率の実数部が光
学的性質を決定し、虚数部が伝搬損失を決定する。従つ
て、金属は一般に誘電率が負で、かつ、損失の大きい誘
電体として振る舞うことになる。
今、ある入射角度でプリズム13に入射単色光を入射さ
せると、プリズム13の底面に、クラツド層14が対応して
いる部分ではその界面で光が反射されたり、このクラツ
ド層14に吸収されたりし、光は光導波路12中には入らな
い。ところが、プリズム13の底面でこのクラツド層14中
に形成された開口部14a部分が、光導波路12よりも低い
屈折率を持つ誘電体であれば(本実施例では開口させた
だけの空気層とされる)、入射光はエバネセントとして
開口部14aにしみ出す。この時、その光が光導波路12の
導波モードと位相整合していれば、光は光導波路12中に
入り込む。また、このように光導波路12中に一旦入り込
んだ光は、クラツド層14が負の誘電率を持つため、光導
波路12中に完全に閉じ込められた状態で伝搬する。即
ち、再びエバネセント波としてしみ出し、プリズム13か
ら射出するというデカツプリングは生じない。
ここに、本実施例の場合の具体的製造ないしは構成を
第3図を参照して説明する。図中、z方向が光の伝搬方
向を示す。まず、屈折率が1.472なるパイレツクスガラ
ス(商品名)による基板11が用意される。このような基
板11上に屈折率が1.544のコーニング#7059ガラスを500
0Åの膜厚にスパツタリングして光導波路12を形成する
(第3図(a)の状態)。このような光導波路12上に例
えばAgを3000Åの膜厚で蒸着してクラツド層14を形成す
る(第3図(b))。このようなクラツド層14上にレジ
スト膜15を塗布しバーキングする(第3図(c))。こ
れを第3図(d)に示すように露光・現像した後、Agエ
ツチング、例えば硝酸系のエツチング液を用いてレジス
ト膜15に従いエツチングを行ない、第3図(e)に示す
ような開口部14aをクラツド層14に形成する。次に、残
つたレジスト膜15を除去した後、第1図に示すようにク
ラツド層14上にプリズム13を載せるものである。なお、
残つたレジスト膜15は必ずしも除去しなくてもよい。ま
た、クラツド層14ないしは開口部14aの形成方法として
は、このようにクラツド層14を蒸着形成した後、エツチ
ング処理により開口部14aを形成するものに限らず、最
初に開口部14a対応のマスクを作成してからAg等を蒸着
して開口部14a付きのクラツド層14を直接形成するよう
な方法であつてもよい。
ここに、プリズム13は屈折率が1.9141のSFS−1ガラ
スにより形成したもので、頂角αは45゜のものを用い
る。入射ビームとしては波長が6328ÅのHe−Neレーザが
使用され、TEモードを励振するように直線偏光の方向を
s偏光に合せてある。
このような光導波路12のTE0モードの等価屈折率は1.4
9438であるので、(1)(2)式に基づきプリズム13外
からプリズム13内への入射角θ′(第19図参照)を計算
すると、θ′=57.2゜となる。そこで、入射角を57.2゜
に合せてプリズム13にHe−Neレーザ光を入射させること
により、入射パワーに対して80%近い高率でTE0モード
光が光導波路12に励振されたのが確認できたものであ
る。
ここに、Ag膜によるクラツド層14の膜厚は、プリズム
13と光導波路12との間のギヤツプ間隔を結合効率が最も
高くなる入射波長の半分程度にすために3000Åとした
が、入射効率が最大となるようなギヤツプ間隔と同じ厚
さにクラツド層14を形成するのが望ましい。また、この
際使用したHe−Neレーザビーム径は1mmであり、クラツ
ド層14に形成する開口部14aは第2図に示すようにこの
ようなビームと丁度同じ位の穴をあけることにより形成
してなる。もつとも、開口部14aはこのように長穴形状
に限らず、例えば真円形状でもよい。また、開口部14a
の大きさとしては、あまり大きすぎると開口部14aから
一旦光導波路12中に同波した光がデカツプリングして射
出してしまう可能性があるので、入射ビームと同程度が
少し小さめに形成するのがよい。
このように、本実施例によれば、要は光導波路12の導
波モードと位相整合するような角度にて入射ビームをプ
リズム13に入射させるだけで光導波路12中に効率よく励
振カツプリングさせることができ、光導波路12・プリズ
ム13間のギヤツプ間隔の微調整、プリズム13に対する入
射ビームの照射位置の微調整を不要とすることができ
る。
なお、金属の誘電率の虚数部は、前述した如く、導波
光の伝搬損失を決定する要素となる。従つて、前記実施
例のようにクラツド層14を光導波路12上に全面的に蒸着
形成する場合には、誘電率の虚数部がなるべく小さな金
属材料を選定するのがよい。例えば、Agの誘電率とAlの
誘電率とは波長6328Åの光に対し、Ag 2 =−15.996+i0.520Al 2 =−47.56+i16.8 となる。よつて、AgとAlとの場合、本実施例ではAgによ
りクラツド層14を形成するのがよい。
第4図は、変形例を示すもので、クラツド層14を光導
波路12上全面に形成せず、プリズム13の底面形状に合せ
て蒸着形成したものである。
また、本発明は第二の実施例を第5図により説明す
る。本実施例は、クラツド層14の開口部14aに対し例え
ば屈折率が1.49なるフオトポリマーを流し込んで低屈折
率層16を形成し、この低屈折率層16上にプリズム13を載
せるようにしたものである。
なお、クラツド層14の開口部14a内外に充填して形成
する低屈折率層16の材料は、光導波路12の屈折率よりも
低いものであればよい。また、本実施例の場合には、ク
ラツド層14の膜厚に低屈折率層16の膜圧を加えた厚さ
が、光導波路12・プリズム13間のギヤツプ間隔になるの
で、これらの加算した膜圧が最適ギヤツプ間隔となるよ
うに設定するのがよい。
次に、本発明の第三の実施例を第6図により説明す
る。前述した実施例では3層光導波路構成のものである
が、本実施例では、Si基板17上に熱酸化によりSiO2によ
るバツフア層18(屈折率が1.47で、膜厚が1μm)を形
成し、このバツフア層18上の窒化膜を光導波路19(屈折
率が1.85で、膜厚が6000Å)として形成してなる4層導
波路構造のものを使用するものである。もつとも、要は
光導波路構成になつていればこのようなものに限らず、
任意の構造の光導波路でよい。また、本実施例のプリズ
ム13としては、TiO2(ne=2.872、no=2.584)で形成し
たものであり、頂角α=40゜のものが用いられている。
もつとも、このプリズム13形状としても、要は、導波モ
ードと位相整合する入射角が存在するものであれば形状
は任意でよい。また、本実施例では、前述した実施例と
異なり、プリズム13の底面に直接Agを蒸着してクラツド
層14を形成し、第3図に示した場合と同様のフオトリソ
グラフイ法で開口部14aを形成してなる。そして、光導
波路19上に載せて固定してなる結果としては、第4図の
如き積層状態となる。
本実施例においては、入射ビームが、波長6328Åなる
He−Neレーザの偏光方向をp偏光に合せてなり、光導波
路19のTM0モードの等価屈折率1.79064に位相整合する角
度50.0゜(前述した(1)(2)式より算出される)に
入射角を合せた光をプリズム13に入射させたところ、80
%近い結合効率が得られたものである。
本発明の第四の実施例を第7図により説明する。本実
施例は、第二、三の実施例を組合せたもので、プリズム
13の底面に形成したクラツド層14の開口部14aに対して
例えば屈折率1.581なるエポキシ樹脂を充填して低屈折
率層16を形成し、光導波路19上に固定するようにしたも
のである。
更に、本発明の第五の実施例を第8図により説明す
る。本実施例は頂角αを有し板状に大きく形成されたプ
リズム20を用意し、第三の実施例の場合と同様に、この
プリズム20の底面に直接Agを蒸着してクラツド層14及び
開口部14aを形成し、かつ、開口部14a内にはフオトポリ
マー21を流し込み、クラツド層14下面(製造上は、上
面)に窒化膜を蒸着して光導波路19を形成してなる。即
ち、本実施例によれば、プリズム20が基板を兼用する形
となり、導波路構造が極めて単純化される。
さらに、本発明の第六の実施例を第9図ないし第11図
により説明する。本実施例以降は、クラツド層に形成す
る開口部の形状に着目し、特定の形状とすることによ
り、光学的な機能をも持たせるようにしたものである。
まず、第9図に示す最も基本的な導波路構造で考え
る。即ち、この導波路は屈折率nF、誘電率εなる光導
波層31と、この光導波層31を挾む基板32(屈折率nS、誘
電率ε)とクラツド層33(屈折nC、誘電率ε)とか
らなる。ただし、誘電率はε>εSである。これ
らのεFSを導波モードの固有値方程式に代入す
ることにより、導波モードの等価屈折率が計算できる。
いま、第9図ではクラツド層33が基板32と光導波層31
とを共通とする状態でA領域とB領域とに2分され、A
領域では誘電体クラツド層33aとされ、B領域では金属
クラツド層33bとされている。ここに、誘電体にあつて
は、空気が一番誘電率が低くて1であり、A領域の等価
屈折率は誘電体クラツド33aが空気の場合に一番低くな
る。ところが、クラツド層が金属の場合には、前述した
ように、誘電率が負となるために空気の誘電率よりも低
くなり、モードの等価屈折率も空気クラツド層の場合よ
りも小さくなる。この結果、クラツド層33における誘電
体クラツド層33aと金属クラツド層33bとの境界、即ちA
領域とB領域との境界の形状を工夫することにより、光
路変換機能、集光機能又はモードスプリツト機能等の光
学的機能を持たせ得ることが理解される。
このような点を考慮しつつ、第1図に示したプリズム
カプラの構造を再考してみる。まず、プリズム13から光
が光導波路12に入る部分は金属によるクラツド層14に穴
をあけてなる開口部14aであり、空気による誘電体クラ
ツド層構造となつている。そして、開口部14aの周りが
金属クラツド層構造であり、第9図の場合に該当するこ
とになる。つまり、開口部14a内の等価屈折率がその周
囲のクラツド層14自体の等価屈折率よりも高いので、境
界形状、即ち開口部14aの形状を工夫することにより、
プリズム13を通つた光を光導波路12中に導波させ得る機
能とともに、この導波光に対し、ある光学的に機能を持
ち得るように構成し得ることになる。
また、このような開口部14a中に光導波路12より屈折
率の低い誘電体を装荷すると(第5図等参照)、空気ク
ラツド層構成の場合よりも対応する部分の等価屈折率が
上がる。かつ、プリズム13からの光も光導波路12よりは
屈折率が低いのでエバネセント波としてしみ出し、光導
波路12中に導かれる。従つて、金属によるクラツド層14
の開口部14a内に何も装荷しない場合(空気クラツド層
となる)よりも、その周囲の金属クラツド領域との等価
屈折率差は大きくなる。
そこで、第10図及び第11図に示す本実施例では、開口
部14aの形状につき、導波側端面に傾斜した境界14bを持
つ形状とすることにより、光路変換機能を持つプリズム
カプラとして構成したものである。
以下に、より詳細に説明する。まず、光の伝搬方向は
z方向とする。また、屈折率1.465なるSiO2ガラスの基
板11上に、屈折率1.700なるSiON膜をプラズマCVD法によ
り4000Åの膜厚で形成した光導波路12とする。この光導
波路12上に屈折率0.065−i4.0のAgを膜厚2000Åで蒸着
し、第11図に示すような形状にエツチングして開口部14
aを形成する。この時、境界14bはy軸に対し30゜なる傾
きを持つように形成される。換言すると、入射光(z軸
方向)と境界14bの法線とのなす角度θ130゜である。つ
いで、屈折率1.581のエポキシ樹脂を低屈折率層16とし
て開口部14a内に流し込む。その上に、屈折率1.9141のS
FS−1によるプリズム13を接着固定する。この時、プリ
ズム13底面と光導波路12上面との間隔、即ち開口部14a
における低屈折率層16の厚みは、波長の1/2程度の場合
が最も結合効率がよいことから、3000Åとする。また、
プリズム13の頂角αは50゜とされている。
このような構成において、波長6328ÅのHe−Neレーザ
光をp偏光にしてプリズム13から入射角θ=66.4゜で
入射させたところ、SiONによる光導波路12のTM0モード
が励振されたものである。この時、低屈折率層16が充填
された開口部14a部分ではTM0モードの等価屈折率は1.63
2であり、その周囲の金属クラツド層部分ではTM0モード
の等価屈折率は1.525であつた。励振されたTM0モードは
境界14bに角度θ=30゜で入射し、角度θ=32.4゜
に屈折したものである。即ち、開口部14aでの光の伝搬
方向(z方向)に対して2.4゜だけ光路が変換されて導
波されることになる。
本実施例のように、開口部14a内に誘電体を装荷した
ほうが、何も装荷しない空気クラツド構成の場合より
も、等価屈折率が高くなり、周りのAgによる金属クラツ
ド部分との等価屈折率差が大きくなる。この場合、仮
に、開口部14a内にエポキシ樹脂を流し込まずに空気ク
ラツド層構成とした場合には、この部分での等価屈折率
は1.593となり、低屈折率層16存在時の等価屈折率1.632
より低い。
また、導波光がAg金属によるクラツド層14の領域(開
口部14a外)を通る時には、必ず、金属による吸収の影
響を受ける。ここに、伝搬損失を決定するのは、前述し
た如く、誘電率の虚数部であるので、Al(誘電率−47.5
6−i16.80)のように誘電率の虚数部分の大きな金属よ
り、本例のAg(誘電率−16.0−i0.52)のように誘電率
の虚数部分が小さい金属のほうが望ましい。
ついで、本発明の第七の実施例を第12図ないし第14図
により説明する。本実施例は、前記実施例と同様に開口
部14a形状につき、光路変換機能なる光学的機能を持つ
ように、境界14bを持つ形状に形成するとともに、z軸
方向に対しテーパ面14cを形成し、テーパ結合部を持た
せたものである。
以下に、より詳細に説明する。この場合も光の伝搬方
向はz方向とする。また、屈折率1.472なるパイレツク
スガラスの基板11上に、屈折率1.700なるSiON膜をプラ
ズマCVD法により4000Åの膜厚に形成して光導波路12と
する。この光導波路12上にAgを膜厚3000Åに蒸着し、第
12図に示すようにテーパ面14cを持たせてAgをエツチン
グすることにより境界14bを持つ開口部14aを形成する。
この時、境界14bはy軸に対し76゜なる傾きを持つよう
に形成される。換言すれば、z軸方向と境界14bの法線
とのなす角度θ=76゜となるように設定されている。
そして、プリズム13が装荷される。
ここで、本実施例の特徴をなすテーパ結合部40につい
て第14図を参照して説明する。第14図においても、光の
伝搬方向はz方向である。まず、等価屈折率nAなるA領
域と、等価屈折率nBなるB領域とが存在し、かつ、nA
nBの場合を示す。この際、等価屈折率はnAからnBへ急激
に変化するのではなく、その間のテーパ結合部40の存在
により、等価屈折率が徐々にnAからnBへ変化する。ここ
に、バルクのメデイアの境界に光が入射する時には、そ
の境界において、一部が反射し一部が透過するという現
象、即ち部分反射を生ずる。この部分反射は、境界にお
ける屈折率の急峻な変化により引き起こされる。従つ
て、導波路という二次元光学においても、仮に、テーパ
結合部40が存在せずに等価屈折率が急峻な変化を示す場
合には部分反射は起こる。しかるに、本実施例のように
テーパ結合部40を介してA領域とB領域とを結合させれ
ば、部分反射は起こらない。
いま、第14図において、境界14bの法線に対しθ
け傾いた入射角で導波光が導波した時は、θ<sin-1
(nB/nA)という条件が成立すれば、スネルの法則に従
い、入射してきた光の全てはB領域に対しθ=sin-1
(nA・sinθA/nB)という屈折角度で透過する。一方、
θ≧sin-1(nB/nA)という条件が成立する時には、入
射してきた光は全て反射させてしまう。この時、sin-1
(nB/nA)=θなる角度が臨界角と称される。
また、本実施例構成において、波長が6328ÅのHe−Ne
レーザ光をp偏光してTiO2によるプリズム13(この場合
のp偏光に対する屈折率は2.584、s偏光に対する屈折
率は2.872、頂角α=45゜である)に入射角θ=26.9
゜で入射させた場合、光導波路12にTM0モードが励振さ
れたものである。この時の開口部14a(空気クラツド
層)ではTM0モードの等価屈折率は1.594、その周りのAg
による金属クラツド層自体ではTM0モードの等価屈折率
は1.527である。従つて、臨界角は73.3゜(=sin-1(1.
527/1.594))となる。ここに、本実施例の傾き角θ
=76゜は臨界角よりも大きいため、TM0モードは境界14b
で全反射する。
一方、He−Neレーザ光をs偏光にしてTiO2によるプリ
ズム13に入射角θ=12.6゜で入射させたところ、TE0
モードが励振されたものである。この時、開口部14a
(空気クラツド層)ではTE0モードの等価屈折率は1.61
7、その周りのAgによる金属クラツド層自体ではTE0モー
ドの等価屈折率は1.601である。従つて、臨界角は81.9
゜(=sin-1(1.601/1.617))となる。ここに、本実施
例の傾き角θ=76゜は臨界角よりも小さいため、TE0
モードはθ=78.5゜で透過していく。
このように、本実施例によれば、テーパ結合部40を持
つ構造とすることにより、境界14bで部分反射が起こら
ず、非常に効率よく透過させることができる。
さらに、本発明の第八の実施例を第15図及び第16図に
より説明する。本実施例は、開口部14aの形状につき、
第16図に示すようにレンズ状曲面14dを持つ形状とする
ことにより、集光機能を持つプリズムカプラとして構成
したものである。
なお、第15図においてはバツフア層18を設けた導波構
造で示しが、基板11上に直接光導波路12が存在する形式
のものでもよい。
以下に、詳細に説明する。まず、屈折率3.858−i0.01
8なるSi製の基板11上に熱酸化法により屈折率1.465、膜
厚1.0μmにSiO2によるバツフア層18を形成する。この
バツフア層18上に屈折率1.850なるSiN膜を膜層4000Åに
て形成することにより光導波路12とする。つぎに、光導
波路12上に屈折率0.065−i4.0なるAgを蒸着してクラツ
ド層14を形成する。そして、このクラツド層14を第16図
に示すようにレンズ状曲面14dを持つ形状にエツチング
して開口部14aを形成する。このレンズ状曲面14dなる形
状は、y−z平面内で y2=2f{1−(ne/ns)}z+{(ne/ns)−1}z2 で与えられる。この式はフエルマの原理に基づく球面収
差を持たないレンズの形状を与える式である。式中、ne
はレンズ部分の等価屈折率、nsはその周囲の領域の等価
屈折率、fは焦点距離である。
ついで、開口部14a内に屈折率1.581なるエポキシ樹脂
を流し込み低屈折率層16とし、その上にTiO2によるプリ
ズム13を載せ、光導波路12表面とプリズム13底面との距
離を3000Åに固定した。また、プリズム13の頂角αは45
゜とされている。
このような構成で、光導波路12のTE0モードのレンズ
領域(エポキシ樹脂クラツド部分)での等価屈折率neは
1.774、その周囲領域(Agなる金属クラツド部分)の等
価屈折率nsは1.746である。また、TM0モードのレンズ領
域では等価屈折率neは1.758、その周囲領域の等価屈折
率nsは1.656である。
このような構成において、He−Neレーザ光をs偏光に
して入射角θ=25.0゜でTiO2によるプリズム13に入射
させたところ、TE0モードを励振し、光導波路12上で焦
点距離29.9mmの位置に集光したものである。また、He−
Neレーザ光をp偏光にし入射角θ=39.5でプリズム13
に入射させた場合にはTM0モードを励振し、光導波路12
上で焦点距離7.04mmの位置に集光したものである。
この際、TE0モードとTM0モードを同時に導波させたと
しても、このようにTE0モードとTM0モードとでは焦点距
離が全く異なるので、第16図に示すレンズ状曲面14dと
して形成してなる導波型レンズをモードビームスプリツ
タ機能なる光学的機能をも持つことになる。
もつとも、第16図の場合のように、z軸に対し対称形
状のレンズ状曲面14dとして形成し、z軸について対称
な光を導波させるとTE0モードが像波している光路の途
中にTM0モードが集光することになり、分離についての
後処理が面倒である。
この点、第17図に示すように導波光をレンズ光軸から
ずらして(オフセツト)導波させればTM0モードがTE0
ードの導波路と異なる所に集光することになり、TE0
ードとTM0モードとを完全に分離できる。また、このた
めには第17図に図示するようにレンズ状曲面14dはz軸
に対称に形成されている必要はなく、半分だけで充分で
ある。
何れにしても、これらの第六ないし第八の実施例によ
れば、開口部14aの形状を工夫するだけで、光路変換機
能、集光機能、モードスプリツタ機能等をも併せ持つこ
とができ、別個の光路変換部材、集光素子等を装荷させ
る必要がなくなる。
ところで、上述した各実施例では、いずれも第18図
(a)に示すように基板32等(例えば、第1図では11が
相当)の上に形成された光導波層30等(例えば、第1図
では12が相当)の上に、金属によるクラツド層33等を直
接装荷させてなる。このような構造による場合、誘電率
の虚数部εiの小さなAGのような金属によりクラツド層
33を形成しても、金属による吸収の影響をまともに受け
てしまうことがある。このような金属による吸収の影響
が、非常に問題となる場合には、第18図(b)に示すよ
うに光導波層32と金属によるクラツド層33との間に誘電
体バツフア層34を介在させるのがよい。即ち、誘電体バ
ツフア層34を介在させることにより、導波モードの等価
屈折率が金属クラツド層33の影響によつて下がるという
効果は多少減じるものの、クラツド層33による吸収とい
う損失も低減される。従つて、誘電体バツフア層34の厚
さは、クラツド層33の等価屈折率を下げるという効果が
残る程度に薄くすればよい。誘電体バツフア層34の材質
としては、使用する入射光の波長に対して吸収のないも
ので屈折率が光導波層31の屈折率よりも低いものであれ
ばよい。いずれにしても、このように誘電体バツフア層
34を必要に応じて介在させることは、前述した全ての実
施例に適用し得る。
効果 本発明は、上述したように光導波路とこの光導波路よ
り高屈折率で入射光を受ける誘電体層との間に、誘電率
の実数部が負となる物質層を設け、この物質層中に誘電
体層・光導波路間に位置させて一部除去した開口部を形
成したので、光導波路の導波モードと位相整合するよう
な角度で誘電体層に対して入射ビームを入射させるだけ
で、入射ビームを効率よく光導波路にカツプリングさせ
ることができ、よつて、誘電体層・光導波路間のギヤツ
プ間隔の微調整や誘電体層に対する入射ビームの入射位
置の微調整を不要にすることができ、また、このような
開口部についてその形状を光路変換機能等の光学的な特
定の機能を持つ特定の形状としたので、開口部形状を工
夫するだけで上記導波機能に併せて光路変換機能、集光
機能或いはモードスプリツタ機能等を同時に持たせるこ
とができ、デバイスを構成する上で別個にこれらの機能
を持つ光学部材の装荷を不要にできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第一の実施例を示す断面図、第2図は
平面図、第3図は製造方法を示す工程図、第4図は変形
例を示す断面図、第5図は本発明の第二の実施例を示す
断面図、第6図は本発明の第三の実施例を示す断面図、
第7図は本発明の第四の実施例を示す断面図、第8図は
本発明の第五の実施例を示す断面図、第9図はクラツド
層の光学機能についての説明図、第10図は本発明の第六
の実施例を示す断面図、第11図はその平面図、第12図は
本発明の第七の実施例を示す断面図、第13図はその平面
図、第14図はテーパ係合部の作用を示す平面図、第15図
は本発明の第八の実施例を示す断面図、第16図はその平
面図、第17図は変形例を示す平面図、第18図は光導波路
構造の変形例を示す断面図、第19図は従来例を示す断面
図である。 12……光導波路、13……誘電体層、14……物質層、14a
……開口部、14b,14d……特定形状、19……光導波路、2
0……誘電体層

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光導波路とこの光導波路より高屈折率で入
    射光を受ける誘電体層との間に、誘電率の実数部が負と
    なる物質層を設け、この物質層中に前記誘導体層と前記
    光導波路との間に位置させて一部除去した開口部を形成
    したことを特徴とする光導波路デバイス。
  2. 【請求項2】開口部を、光路変換機能、レンズ機能又は
    モードスプリツタ機能等の光学的な特定の機能を持つ特
    定の形状としたことを特徴とする請求項1記載の光導波
    路デバイス。
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