JP2542313B2 - 硬化肉盛溶接方法 - Google Patents

硬化肉盛溶接方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筋盛と言われる筋状の
硬化肉盛溶接方法に関し、特に、台金の被溶接施工面を
立てて縦方向に溶接施工を行う立て向きの筋状硬化肉盛
溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大型構造物に硬化肉盛施工をする場合、
そのハンドリング性から、立て向き溶接での施工を要求
される場合が少なくない。また、その溶接も、俗に筋盛
りと言われる筋状の溶接で施工させる場合が多い。この
ような立て向きの筋状硬化肉盛溶接には、古から硬化肉
盛溶接用被覆アーク溶接棒が使用されており、最近では
硬化肉盛溶接用フラックス入りワイヤが、その溶接作業
性および溶接能率が良いことから多用され始めた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、開先の
ない平面または平面に近い被溶接施工面を立てて縦方向
に溶接施工を行うこの種の溶接では、溶融スラグおよび
溶融金属の垂れ落ちが避けられない。そのため、1層1
パスの溶接では数mm以上の肉盛厚みを得ることが困難
であり、数mm以上の肉盛厚みを得る場合は2層以上の
多層盛溶接が必要となる。しかし、多層盛溶接では、溶
接能率が本質的に低く、しかも予熱およびパス間温度の
維持が必要となり、大型構造物では溶接コストが極端に
高いものとなる。
【0004】即ち、肉盛溶接金属は通常、耐摩耗性の面
から高硬度が要求される。従って、その組織はマルテン
サイト組織を呈するものが多い。マルテンサイト組織の
溶接金属に溶接施工を行うと、溶接熱によりそのマルテ
ンサイトが焼戻される。図3は2層の肉盛溶接部を示
し、1が台金、2aが1層目の溶接金属、2bが2層目
の溶接金属である。溶接熱による焼戻しは、溶接熱影響
部に多発し、そのため、ボイド部3より下の溶接金属2
a中に焼戻しによる硬さ低下層4を発生させる。これが
生じると、その部分で溶接金属の組織および硬さが不連
続となり、溶接金属が剥離するなどの事故を招くおそれ
が生じる。
【0005】これを回避するために、溶接金属のマルテ
ンサイト変態開始温度以上の予熱温度およびパス間温度
で、2層目以降の溶接施工が行わるわけであり、施工後
は溶接部が徐冷される。ここにおける予熱温度およびパ
ス間温度はHv600以上の溶接金属を得る場合で30
0℃以上にもなり、溶接能率および経済性の著しい悪化
を招くことになる。
【0006】このように、従来の立て向き筋状の硬化肉
盛溶接では、数mm以上の肉盛厚みを得るために多層盛
溶接が不可欠であり、多層化に伴う能率低下だけでな
く、予熱およびパス間温度の維持に伴う能率低下が避け
られず、大型構造物では溶接コストが極めて高くなる。
【0007】また、各層の溶接では、溶融スラグおよび
溶融金属の垂れ落ちを防止する上から、溶接電流が低く
抑えられ、溶接自体の能率も決して良いものとは言え
ず、高度の溶接技量も要求される。
【0008】本発明の目的は、数mm以上の肉盛厚みを
1層1パスで確保できる立て向き筋状の硬化肉盛溶接方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の硬化肉盛溶接方
法は、立て向きの筋状硬化肉盛溶接施工において、台金
の被溶接施工面上に施工方向を向けたセラミックからな
る一対の当て材を間隔をあけて並列させ、該当て材と被
溶接施工面で形成される溝内に、アーク溶接により1層
1パスで硬化肉盛を施工することを特徴とする。
【0010】
【作用】図1および図2は本発明の一実施態様を示す。
台金1の鉛直な被溶接施工面1a上に、鉛直方向を向け
た一対のセラミック当て材5,5が水平方向に間隔をあ
けて並列保持されている。そして、当て材5,5の相対
向面5a,5aと被溶接施工面1aとで形成された鉛直
方向の溝6内に、例えば下から上に向けてアーク溶接に
よる硬化肉盛が実施される。図2において、2は溶融金
属、7は溶融スラグである。
【0011】本発明の硬化肉盛溶接方法においては、硬
化肉盛溶接に伴う溶融スラグおよび溶融金属が当て材間
の溝内に生じる。このとき、当て材の極く一部がアーク
熱により溶融する。セラミックは溶融するとスラグを生
じ、このスラグが溶融金属上の溶融スラグとつながり、
溶融スラグおよび溶融金属を溝内に保持する。即ち、セ
ラミックからなる一対の当て材により、溶融スラグおよ
び溶融金属の垂れ落ちが抑制されるわけである。また、
この当て材により溶融金属の横もれが防止される。これ
らの結果、数mm以上の肉盛厚みも1層1パスで確保さ
れる。
【0012】1層1パスで肉盛溶接が施工できれば、そ
の溶接金属がマルテンサイト変態するも、最早その溶接
金属に溶接熱が与えられないので、焼戻しを受ける懸念
がない。その結果、溶接性の良い台金では予熱が省略で
き、予熱を省略できないまでもその温度を低くできる。
【0013】また、溶融スラグおよび溶融金属の垂れ落
ち抑制により、溶接電流の増大が可能となり、高度の溶
接技量も不要となる。
【0014】また、当て材による溶融金属の横もれ防止
により、溶接ビードの幅を容易かつ安定に設定できるよ
うになる。
【0015】また、セラミックからなる当て材は、銅製
の当て材に比べ比重が小さく軽量なので、被溶接施工面
への装着が容易である。
【0016】また、銅製の当て材では、アーク熱により
銅が溶接金属に溶け込み、その溶け込み量が多くなると
溶接割れをきたすが、セラミック製の当て材ではこの懸
念もない。
【0017】当て材を構成するセラミックは、当て材の
溶け落ちを防ぐためと、溶接金属の性能を損なわないた
めとにより、高融点のものが望ましい。セラミックの融
点は、その組成から一義的に決まるものでなく、原料の
粒度、製法等による影響を受けるが、組成面ではSiO
2 :40〜55wt%,Al2 3 :30〜55wt
%,MgO:10〜20wt%を含むものが望ましい。
【0018】当て材の間隔は要求される溶接金属のビー
ド形状によって決められる。ただし、5mm未満では溶
接作業上好ましくなく、50mmを超えると当て材によ
る垂れ落ち抑制効果が低下するので、5〜50mmが望
ましい。
【0019】台金への当て材の装着は、例えばアルミニ
ウムの両面テープにより行うことができる。溶接後も当
て材は溶接金属に固着せず、台金から簡単に取り外すこ
とができる。
【0020】台金は、通常、炭素鋼または低合金鋼であ
り、溶接ボンド部および熱影響部の特性が、その部材の
性能に支障を来さないものであれば良い。例えば、一般
構造用圧延鋼材、溶接構造用圧延鋼材などを適用でき
る。
【0021】溶接材料については、被覆アーク溶接棒
は、立て向き溶接では溶接電流が低く抑えられるため、
溶接能率が良いとは言えない。これに比べ、チタニアな
どのスラグ形成剤を内包するフラックス入りワイヤは、
溶着速度が大きく溶着効率も高いので、溶接能率を格段
に高くできる。また、溶接金属の合金組成を内包フラッ
クスの成分調整で比較的容易に調整できる。また、自動
機を用いた自動溶接ができ、安定した溶接施工が可能と
なる。従って、フラックス入りワイヤが良い。
【0022】ワイヤ径は、立て向き溶接を対象としてい
るので、1.6mm,1.2mmのような細い寸法が適して
いる。
【0023】溶接材料の成分組成は、耐摩耗性などの溶
接金属に要求される諸性能から適宜決められる。
【0024】アーク溶接は、溶接作業性、能率および自
動溶接への対応等の点から、ガスシールドアーク溶接が
好ましく、そのシールドガスとしてはCO2 ガス、CO
2 とArの混合ガスなどを使用できる。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0026】JIS G3101 SS400からなる
幅100mm×長さ300mm×板厚32mmの台金を
立て、その表面に一対のセラミック当て材を図1のよう
に装着した。そして、一対の当て材に挟まれた台金表面
上に、JIS Z3326YF3B−Cに規定された1.
6mm径の3種類の硬化肉盛溶接用フラックス入りワイ
ヤを用いて、ウィービングを行ないながら下から上へ1
層1パスの立て向き肉盛溶接を実施した。セラミック当
て材の組成、寸法および間隔を表1に、溶接条件を表2
にそれぞれ示す。
【0027】溶接の結果、いずれのワイヤを用いた場合
も、厚さが約6mm、幅が約17mmの硬化肉盛溶接金
属が得られた。それぞれの溶接金属の組成および硬さを
表3に示す。硬さは肉盛溶接ビード表面から1mm切削
してその表面硬さを測定した値である。いずれの溶接金
属もHv600以上を示し、染色浸透探傷試験でも溶接
欠陥は何等認められなかった。また、1層1パスで施工
され施工後に溶接熱が与えられていないので、一様なマ
ルテンサイト組織を呈する。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】比較のため、当て材なしで同様の硬化肉盛
溶接金属を得ようとしたが、肉盛厚さは3〜4mmと小
さかった。5mmを超える肉盛厚さを確保するには図3
に示す2層2パスの溶接が必要となり、その場合も予熱
なしでは1層目の溶接金属に焼戻しによる硬さ低下層が
生じるので、300〜350℃の予熱およびパス間温度
が必要となり、能率の著しい低下を招いた。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の硬化肉盛溶接方法は、立て向きの1層1パス溶接であ
りながら、溶融スラグおよび溶融金属の垂れ落ちを一対
のセラミック当て材により抑制することにより、数mm
以上の肉盛厚さを確保し、1層1パス化とこれに伴う予
熱の排除乃至はその低温化により溶接能率を著しく改善
する。また、溶融スラグおよび溶融金属の垂れ落ち抑制
により、溶接電流の増大や溶接作業の簡略化が可能とな
り、これらの面からも溶接能率を向上させ得る。従っ
て、大型構造物の場合も極めて経済的に肉盛溶接を施工
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】当て材の装着状態を示す斜視図である。
【図2】溶接状態を示す図1のA−A線矢視図である。
【図3】従来法により施工された溶接部の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 台金 2 溶接金属 5 当て材 6 溝

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立て向きの筋状硬化肉盛溶接施工におい
    て、台金の被溶接施工面上に施工方向を向けたセラミッ
    クからなる一対の当て材を間隔をあけて並列させ、該当
    て材と被溶接施工面で形成される溝内に、アーク溶接に
    より1層1パスで硬化肉盛を施工することを特徴とする
    硬化肉盛溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記台金が炭素鋼または低合金鋼からな
    ることを特徴とする請求項1に記載の硬化肉盛溶接方
    法。
  3. 【請求項3】 前記アーク溶接が、フラックス入りワイ
    ヤを用いたガスシールドアーク溶接であることを特徴と
    する請求項1に記載の硬化肉盛溶接方法。
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