JP2541770C - - Google Patents

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JP2541770C
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JP
Japan
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thin film
layer
substrate
magnetic
chromium
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インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレイション
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、水平記録用の薄膜コバルト合金磁気記録デイスク、より詳細に言え
ば、複数層に被着された下層を有し、被着磁気層の磁気的な性質を改良した磁気
記録デイスクに関する。 【0002】 【従来の技術】 通常、水平磁気記録用の薄膜コバルト合金磁気記録デイスクは、ガラス基板か
、または燐ニツケル合金(NiP)の表面被覆を有するアルミニウム−マグネシ
ウム合金(AlMg)の基板と、基板上にデポジツトされたクロム(Cr)、ま
たはクロム−バナジウム合金(CrV)のような下層と、下層上に磁気層として
被着されたコバルト・ベースの合金スパツタ層と、磁気層上に形成され、スパツ
タ被着されたアモルフアス炭素の薄膜か、または水素化炭素の薄膜のような保護
被覆とを含んでいる。 【0003】 コバルト合金磁気デイスクの保磁力(coercivity)、保磁力の直角度(square
ness)及び残留磁気の直角度(残留磁化対飽和磁化との比率)は下層の構造及び
組成により影響される。米国特許第4610911号及び同第4631202号
は、クロムの通常の単一の下層とコバルト−白金合金(Copt)の磁気層を有
する薄膜磁気デイスクを開示しており、デイスクの飽和保磁力に対するクロム下
層の影響を説明している。米国特許第4652499号は、同じ厚さのクロムの
下層よりも高い保磁力及び保磁力の直角度を与える単一のクロム−バナジウム合
金の下層を有するコバルト−白金−クロム合金(CoPtCr)の薄膜磁気デイ
スクを開示している。 【0004】 良好なデイスクは保磁力、保磁力の直角度及び残留磁気の直角度の高い値を含 むのが好ましい磁気的性質に加えて、デイスク面全体に亙つて相対的に一定の磁
気的性質を示すものでなければならない。このような磁気的性質を持たないデイ
スクの場合、読み取り信号の振幅がデイスクの周辺において変化することがあり
、その結果、読み取り信号の望ましくない低周波変調(LFM)が生じることが
1つの問題である。米国特許第4833020号において、信号の変調を減少さ
せるために2つの下層を有するコバルト合金のデイスクが開示されており、基板
側の第1の層はジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、ゲル
マニウム(Ge)、二酸化ケイ素(SiO2)が望ましく、そして、磁気層が被
着された第2の層はクロム(Cr)が望ましいことが記載されている。この米国
特許に記載されている他の実施例において、これら2つの下層はCr/Cr構造
でも良いことが記載されており、この場合の各Cr層は、異なつた条件の下でス
パツタ被着されている。 【0005】 他の刊行物は2層の下層を有するコバルト合金デイスクを記載しているが、L
FMを減少する利点を記載していない。例えば、米国特許第4828905号は
、2層の下層を有するコバルト合金デイスクを開示しており、このデイスクにお
いて、基板上に形成された第1の層は相対的に薄い酸化クロム層、または酸化チ
タニウム層のような酸化物層であり、第2の層は遥かに薄いクロム層である。1
992年6月のIBMテクニカル・デイスクロージヤ・ブレテイン第35巻第1
A号の265頁及び266頁において、クロム及び錫(Sn)の2層の下層を有
する増加された保磁力を持つコバルト−白金−クロム合金(CoPtCr)のデ
イスクが記載されており、このデイスクの第1の層はCrであり、第2の層はS
nであり、第2の層の上にCoPtCr合金の薄膜が被着されている。 【0006】 磁気的な性質を改善して低周波変調(LFM)を減少させる下層を有するコバ
ルト合金の薄膜磁気記録デイスクを必要とすることは明らかである。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は磁気的な性質を改善してLFMを減少させる下層を有するコバ ルト合金の磁気記録デイスクを提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本発明の第1の実施例の磁気デイスクにおいて、複数層の下層は2層構造を有
し、第1の薄膜はクロム(Cr)であり、第2の薄膜はクロム−バナジウム合金
(CrV)である。本発明の第2の実施例における磁気デイスクは、相対的に少
量の酸素原子を含むCrVの第1の薄膜(基板に隣接した薄膜)と、相対的に多
量の酸素原子を含むCrVの第2の薄膜とで作られた2層の下層を持つている。 【0009】 【実施例】 図1を参照すると、本発明に従つた薄膜コバルト合金磁気デイスクの断面図が
示されている。このデイスクは、非電解処理で被着された燐ニツケル合金(Ni
P)の基板面薄膜14を有するアルミニウム−マグネシウム合金(AlMg)の
デイスク基体12を持つ基板10と、基板10の上に形成された複数層の下層2
0(図示の実施例においては2つの薄膜22及び24)と、磁気層30の上に形
成された保護被覆40とを含んでいる。保護被覆40上には通常、液体潤滑剤の
層50が添加されている。 【0010】 本発明の第1の実施例において、複数層の下層20は、第1の薄膜22がCr
であり、第2の薄膜24がCr8020(クロム80%とバナジウム20%の合金
)である2層の下層を含んでいる。この2層構造はCrターゲツトからの第1の
スパツタ被着のCr層と、第2の層と同じ合金組成を有するターゲツトからのス
パツタ被着のCr8020層とによつて形成されている。 【0011】 600オングストロームのCr/600オングストロームのCr8020の2層
構造の下層と、300オングストロームの厚さのCo67Pt16Cr17の磁気層と
を有するデイスクに対する保磁力は、従来の1200オングストロームのCrの
下層を持つ同様なデイスクの1200エルステツドと比べて劇的に増加したこと
が示された。図2に示されたように、2つの薄膜の厚さの合計が一定であるこの ような2層の下層に対して、保磁力はCr及びCr8020薄膜の厚さの比率につ
いて殆ど影響を受けない。また、図2においては、本発明のCr層/CrV層の
2層構造の下層を持つデイスクの保磁力は、上述の2層構造の下層中の2つの薄
膜の合計の厚さと同じ厚さのCr8020だけの下層を持つ同じデイスクの保磁力
に比べてより大きいことが示されている。CrVのスパツタ用ターゲツトはCr
のスパツタ用ターゲツトよりも可成り高価なので、上述の発見は重要であり、そ
の結果、Crの第1の薄膜で形成されている下層の大きな部分を2層構造の下層
を使用することは、単一層構造のCrVの下層を有するデイスクよりも少ないコ
ストにより、高い保磁力のデイスクを得ることができる。保磁力の直角度S
、Cr/CrVの2層構造の下層で作られた種々のデイスクに対して0.85乃
至0.95の間で測定されたが、この値は磁気記録に対して明らかに受容できる
値である。 【0012】 本発明の第2の実施例において、2層構造の下層は第1の薄膜(デイスクの基
板上薄膜)は相対的に酸素原子の少ないCr8020で作られ、第2の薄膜は酸素
原子の多く含むCr8020で作られている。酸素原子の少ない薄膜は、約0.0
5原子パーセント以下の酸素原子濃度を有する月並な「真空室処理(vacuum cas
t−VC)」のスパツタ用ターゲツトから基板上に先ずスパツタ処理される。酸
素原子を多く含む薄膜は、「粉体加圧処理(powder-pressed−PP)」を用いて
、0.05乃至5原子パーセントの範囲の酸素原子濃度を有するCrVのターゲ
ツトから酸素原子の少ない薄膜上にスパツタされて作られるのが望ましい。代案
として、酸素原子を多く含む薄膜は、クロム原子及びバナジウム原子がデイスク
の基板上に被着されたときにCrVの薄膜が酸素原子で「ドープ」されるように
、酸素の存在の下でCrVを反応スパツタ処理することにより作ることができる
。 【0013】 下記のような5つのタイプの下層を有するコバルト合金デイスクの磁気的性質
を比較するために、インライン・パレツト型のスパツタ装置を使用して実験用の
デイスクが作られた。5つのタイプの下層は(1)PP処理による単一の層構造
のCrV下層と、(2)VC処理による単一の層構造のCrV下層と、(3)第 1薄膜として、PP処理によるCrV層及び第2薄膜として、VC処理によるC
rV層を含む2層構造の下層(PP/VC)と、(4)第1薄膜として、VC処
理によるCrV層及び第2薄膜として、PP処理によるCrV層の2層構造の下
層(VC/PP)と、(5)第1薄膜として、Cr及び第2薄膜として、PP処
理によるCrV層の2層構造の下層である。下記の表1及び表2は、上述の5つ
のタイプの下層を持つデイスクの磁気特性、保磁力Hc、保磁力の直角度S
残留磁気の直角度S及びLFMの測定結果を示す表である。都合により表1及び
表2は別々に分けられているが、表1の次に表2を連続させて元来一体の表とし
て見ることには注意を向けられたい。 【0014】 【表1】 【0015】 【表2】 【0016】 上記の表1及び表2中のデータは、Crv(PP処理)だけの下層のデイスク
に比べて、Cr/CrVの下層及びCrV(VC処理)/CrV(PP処理)の
組合わせの下層を持つデイスクの方がより高い保磁力及び保磁力の直角度S
持つていることを示している。加えて、LFMは、CrV(PP処理)の単一層
のデイスクに比べて、2層構造のいずれのデイスクも減少されている。LFMの
減少は、Cr、またはCrV(VC処理)の種層の核形成によつてCr合金の結
晶方向が変化した結果である。低い変調方向を維持するために、CrV(PP処
理)層が第1層上にエピタキシヤル成長される。 【0017】 CrV/CrV2層構造の下層中の酸素の影響をより良く理解するために、ケ
イ素(Si)基板上に形成され、下記の構造を有する薄膜構造がアウガー深さ濃
度プロフイール(Auger depth concentration profile)の対象とされて、2つ
のCr8020薄膜中に存在する酸素の量及び配分が決定された。 【0018】 上述の構造は、500ÅのVC処理のCr8020/500ÅのPP処理のCr 8020/200Åの炭素を含む構造である。 【0019】 この構造の測定結果は、VC処理による薄膜の中には酸素は検出されなかつた
が、他方、PP処理による薄膜は1.7原子パーセントの酸素が測定された。加
えて、アウガー式測定は、8つの別個のスパツタ時間の後に行なわれ、そして、
アウガー・サンプリング・ゾーンがPP処理の薄膜の中心から移動し、VC処理
の薄膜の中心で検出されなくなつたときに、酸素のピーク値が減少したことが示
された。 【0020】 上述した試料及び実験用のデイスクはSi及びAlMg/NiPの基板上に形
成されたけれども、本発明により改善されたデイスクは、特定の基板に依存せず
、ガラスなどの他の基板を使用しても同じように改善結果が得られることには注
意を払う必要がある。 【0021】 上述の説明は複数層の下層と磁気層との構造だけに関連しており、他の公知の
デイスクの構造とか、デイスクの製造方法とかに言及していないが、薄膜コバル
ト合金磁気デイスクの製造において、例えば、実質的にアモルフアスの水素化炭
素薄膜を磁気層上にスパツタ被着されたような保護被覆40(図1)を与えるこ
とは公知である。 【0022】 【発明の効果】 本発明によれば、保磁力を著しく向上させ、しかも低周波変調を減少させた薄
膜コバルト合金の磁気記録デイスクが与えられる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明を適用した磁気記録デイスクの模式的な断面図である。 【図2】 2層構造の下層で構成された2つの薄膜に対して、厚さの関数としての保磁力
を示したグラフである。 【符号の説明】 10 デイスクの基板 12 デイスク基体 14 基板表薄膜 20 下層 22 第1の薄膜 24 第2の薄膜 30 磁気層 40 保護被覆 50 潤滑剤の層

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 水平磁気記録用の磁気記録媒体において、 基板と、 上記基板上に形成され、クロムから成る第1の非磁性薄膜と、該第1の非磁性
    薄膜上に形成され、クロム−バナジウム合金から成る第2の非磁性薄膜とを含む
    、下層と、 上記下層の第2の薄膜上に形成されたコバルト−白金−クロム合金から成る磁
    性層とを含む、 磁気記録媒体。 【請求項2】 水平磁気記録用の磁気記録ディスクにおいて、 硬質の基板と、 上記基板上に形成され、酸素原子を殆ど含まないクロム−バナジウム合金から
    成る第1の非磁性薄膜と、該第1の非磁性薄膜上に形成され、酸素原子を含むク
    ロム−バナジウム合金から成る第2の非磁性薄膜とを含む、下層と、 上記下層の第2の薄膜上に形成されたコバルト−白金−クロム合金から成る磁
    性層とを含む、 磁気記録ディスク。 【請求項3】 上記基板はケイ素である、 請求項1記載の磁気記録媒体。 【請求項4】 上記基板は該基板上に形成されたニッケル・アモルフアス面の薄膜を有するア
    ルミニウム合金である、 請求項1記載の磁気記録媒体。 【請求項5】 上記磁性層上に形成された保護被覆を含む、 請求項1記載の磁気記録媒体。

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