JP2541590Y2

JP2541590Y2 - 碍子兼用電圧センサー

Info

Publication number: JP2541590Y2
Application number: JP1989114637U
Authority: JP
Inventors: 宜行上田; 英行栗林
Original assignee: 光洋電器工業株式会社
Priority date: 1989-09-28
Filing date: 1989-09-28
Publication date: 1997-07-16
Anticipated expiration: 2004-09-28
Also published as: JPH0352672U

Description

【考案の詳細な説明】 I.考案の目的（１）産業上の利用分野本考案は、電柱に架設された電力線の電圧を測定する
ため、碍子を利用した電圧センサーに関するものであ
る。

（２）従来の技術従来、配電系統においては、変電所より分岐された各
電力線の電流、電圧を変電所内に設けた変流器や変成器
で常時確認しながら、配電線に地絡、短絡等の故障がな
いかを常時監視し、万一故障が発生した時には各種の保
護継電器を動作させて故障の発生している系統への送電
を停止させ、故障地点を作業者が巡回しながら発見し、
早急に故障を回復させている。

また、配電線路の保守点検が義務ずけられ、需要家に
良質で安定した電力を供給しなければならず、線路の各
部について作業者が電流、電圧を測定したり、機器の点
検をしたりしている。

（３）考案が解決しようとする問題点しかしながら、各配電線路に沿って巡回しながら保守
点検したり、故障地点を発見したりする作業は手数を要
するものであり、また、従来の変成器は誘導コイルやコ
ンデンサーを用いて間接的に電圧を変換測定するたため
電圧測定の簡略化ができない等の欠点があった。

本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので
あり、その目的はバリスターの様な高電圧用抵抗素子を
内蔵して避雷器として利用している碍子を、通常電圧帯
で電圧センサーとして動作するように分圧機能を付加さ
せることにより、電力線の電圧を簡易に直接測定しなが
ら、監視能力を向上させ、送配電系統の信頼度を向上さ
せ得る碍子形容電圧センサーを提供することにある。

II.考案の構成（１）問題点を解決するための手段上記目的を達成するために、本考案は、一次導体18を
締着させた碍子14と、この碍子14に内蔵され、前記一次導体18に接続されて通
常電圧が加わるときにはごく小さな微弱電流が流れ、雷
等の高電圧が加わると抵抗が減少して大電流を流すこと
ができる高電圧用抵抗素子20と、前記碍子14の下面側に
配置され、この碍子14を支持する受金具36と、前記高電
圧用抵抗素子20の下端に接合された下部電極26bと、前
記下部電極26bの上方近傍位置で前記高電圧用抵抗素子2
0に接続された分圧電極26cと、前記下部電極26bと分圧
電極26cと各々接続されて碍子14の外部へ引出された一
対の分圧リード線22と、前記下部電極26b及び前記受金
具36に接続され、高電圧が加わった時に直接アース側へ
電流を流すアースボルト40とを備え、前記下部電極26b
と前記分圧電極26cとに接続された前記分圧リード線22
は、前記受金具36と絶縁状態で外部に引出され、前記一
次導体18より高電圧抵抗素子20に加わる電圧を分圧して
取出しながら一次導体18の電圧を測定することを特徴と
する碍子兼用電圧センサー10を構成するものである。

（２）作用本考案の碍子兼用電圧センサーは、電柱の腕金に碍子
を支持した受金具を載着してアースボルトで固定し、碍
子に電力線である一次導体を結束すると共に碍子に内蔵
された高電圧用抵抗素子の上端側に電力線を接続する。
また、他の碍子に結束支持した電力線を高電圧用抵抗素
子の上端側に接続してもよい。更に、高電圧用抵抗素子
の下端に接合された下部電極と、この下部電極の上方近
傍位置で高電圧用抵抗素子に接続された分圧電極とに各
々接続されて碍子及び受金具から外部へ引出された分圧
リード線を測定器に接続する。同時に前記下部電極及び
受金具に接続されたアースボルトを固定した腕金を接地
線で地中へ接地する。そして、前記碍子を避雷器として
利用しながら、通常電圧帯で分圧リード線に誘起される
電圧で碍子に結束した電力線の電圧を測定して電力線の
監視能力を向上させ、送配電系統の信頼度を高かめるも
のである。

また、電力線に落雷した高電圧が碍子内の高電圧用抵
抗素子に加わった場合には、高電圧用抵抗素子の抵抗が
減少して高電圧をアースボルトから腕金、接地線等を介
して直接大地側へ放電でき、電力線に接続された機器類
や分圧リード線に接続した測定器類を保護できることと
なる。

（３）実施例以下、添付図面により、本考案の好適な実施例につい
て説明する。

第１図には本考案の実施例に係る碍子兼用電圧センサ
ー10が示されている。

図において、碍子兼用電圧センサー10は、周側面に溝
12を有して電力線である一次導体18を結束線で締着させ
た碍子14と、この碍子14の下面の略中心位置より上端寄
り位置へ縦方に穿設された穴16内に内蔵され、前記一次
導体18に接続されて通常電圧が加わるときにはごく小さ
な微弱電流が流れ、雷等の高電圧が加わると抵抗が減少
して大電流を流すことができる高電圧用抵抗素子20と、
前記碍子14の下面側に配置され、この碍子14を支持する
受金具36と、前記高電圧用抵抗素子20の下端に接合され
た下部電極26bと、この下部電極26bの上方近傍位置で前
記高電圧用抵抗素子20に接続された分圧電極26cと、前
記下部電極26bと分圧電極26cとに各々接続されて碍子14
の外部へ引出された一対の分圧リード線22と、前記下部
電極26bと前記受金具36に接続され、高電圧が加わった
時に直接アース側へ電流を流すアースボルト40とを備え
ている。

高電圧用抵抗素子20は、バリスター等の複数の抵抗素
子20aの積層体で形成されて穴16内の下端位置から上端
寄り位置まで挿入されている。この高電圧用抵抗素子20
の上面には上部電極26aが接合され、穴16内の上部位置
に嵌装されたコイルスプリング24の下端で上部電極26a
は下方へ付勢されている。また、高電圧用抵抗素子20の
下端側には、下部電極26bが接合され、高電圧用抵抗素
子20の下端寄り位置において最下段の抵抗素子20aと、
その上段側抵抗素子20aの相互の接合面に分圧電極26cが
挟着状に接続されている前記上部電極26aを一次導体18
に接続させるため、前記穴16の上端側から碍子14の上面
へ小孔28が連通され、上部電極26aに接続された上部リ
ード線30が小孔28内を貫通して一次導体18に接続されて
いる。この上部リード線30が貫通された小孔28をシール
するため、キャップ32が碍子14の頭部に嵌着されてい
る。

前記受金具38は、上面が開口されたコップ状に形成さ
れ、この受金具36の内底面の略中央位置に孔38が穿孔さ
れ、この受金具36の内底面から孔38を貫通して下方へア
ースボルト40が突出されている。この受金具36内に碍子
14の下端部が嵌合されて下部電極26b及び碍子14の下面
がアースボルト40のヘッドの上面に接合され、更に、碍
子14の下端部は接着剤34により受金具36内に接着固定さ
れている。

これにより、碍子14内の高電圧用抵抗素子20の下端
は、下部電極26b、アースボルト40、アースボルト40が
固定される電柱の腕金46、この腕金46に設けた図示しな
い接地線等により地中へ接地される。そして、通常の電
圧帯において一次導体18から高電圧用抵抗素子20及びア
ースボルト40側へ微弱な電流が流れ、高電圧用抵抗素子
20の下端に接合された下部電極26bと、この下部電極26b
の上方近傍位置で高電圧用抵抗素子20に接続された分圧
電極26cとに各々接続されて碍子14の外部へ引出された
一対の分圧リード線22に誘起される電圧を測定して一次
導体18の電圧を逆計算できることとなる。

一対の分圧リード線22は、前記下部電極26bに接続さ
れた分圧リード線22bと、分圧電極26cに接続された分圧
リード線22aとを有し、この分圧リード線22a、22bは、
碍子14の下端寄り位置で内部の穴16から外周面へ開孔さ
れた引出孔42と、更に受金具36の内面から外周面へ貫通
された引出孔42とを経由して碍子14及び受金具36と絶縁
状態で外部へ引出されている。

これにより、一次導体18から上部リード線30を経由し
て碍子14の外面側を漏洩する漏洩電流は、前記受金具36
からアースボルト40及び腕金46を経由して大地側へ流れ
ることとなり、碍子14の外面側を漏洩する漏洩電流が分
圧リード線22a、22bを経由して測定部へ流入することが
なく測定誤差の発生を防止できる。

次に、本考案に係る碍子兼用電圧センサー10の作用を
説明する。

図２に示す様に、碍子兼用電圧センサー10は、電柱44
に架設した腕金46に開孔した孔に受金具36の下面より突
出したアースボルト40を挿入して受金具36を腕金46に載
着して固定する。そして、例えば、３個の碍子兼用電圧
センサー10a、10b、10cを腕金46に配置し、この各碍子
兼用電圧センサー10a、10b、10cに３相３線式電力線で
ある３本の一次導体18a、18b、18cを締着する。更に、
電柱44に設置した測定器48に各碍子兼用電圧センサー10
a、10b、10cの分圧リード線22a、22bを接続させ、同時
に各碍子兼用電圧センサー10a、10b、10cの各上部リー
ド線30を各一次導体18a、18b、18cに接続させるもので
ある。また、腕金46は図示しない接地線で地中へ接地す
る。

そこで、各碍子兼用電圧センサー10の碍子14に内蔵さ
れ、バリスターの様な複数の抵抗素子20aを積層させた
高電圧用抵抗素子20には、その上部側の上部電極26aに
一次導体18の電圧が加わり、下部側の下部電極26bはア
ースボルト40、受金具36、腕金46等を介して接地されて
いるため高電圧用抵抗素子20には極く小さな微弱電流が
流れる。

そして、高電圧用抵抗素子20の分圧電極26cと下部電
極26bとに一次導体18側の電圧を分圧させた微小電圧が
誘起され、これを分圧リード線22a、22bで測定器48に入
力して測定し、この各データを有線、または無線で監視
所に送信するものである。また、各碍子兼用電圧センー
10において、碍子14の表面に一次導体18側から漏洩電流
が流れるが、これらの漏洩電流は碍子14の下端部の受金
具36からアースボルト40、腕金46を経由して大地へ放電
される。従って、碍子14の表面側を流れる漏洩電流が分
圧リード線22a、22bから測定器48へ流入することがな
く、測定器48の測定誤差の発生を防止して正確な測定が
できる。これにより、各送配電系統等の電力線に流れる
電流や電圧を、従来の様な誘導コイルやコンデンサー等
の変換機構を用いることなく、各電柱ごとに碍子兼用電
圧センサー10を設置することにより簡易に監視確認がで
き、異常事態等に対して早急な対応をなして信頼性を高
め得る。

また、電力線に落雷した時の高電圧は、上部リード線
30、高電圧用抵抗素子20、アースボルト40、腕金46、こ
の腕金46に接続した接地線等を経由して大地へと安全に
放電させることができ、電力線に接続された機器類を保
護し、焼損事故等を防止できる。この放電の後は、各碍
子兼用電圧センサー10は通常状態に直に復帰して電力線
の監視を継続できることとなる。

III.考案の効果以上説明したように、本考案に係る碍子兼用電圧セン
サーは、一次導体を締着させた碍子と、この碍子に内蔵
され、前記一次導体に接続されて通常電圧が加わるとき
にはごく小さな微弱電流が流れ、雷等の高電圧が加わる
と抵抗が減少して大電流を流すことができる高電圧用抵
抗素子と、前記碍子の下面側に配置され、この碍子を支
持する受金具と、前記高電圧用抵抗素子の下端に接合さ
れた下部電極と、前記下部電極の上方近傍位置で前記高
電圧用抵抗素子に接続された分圧電極と、前記下部電極
と分圧電極とに各々接続されて碍子の外部へ引出された
一対の分圧リード線と、前記下部電極及び前記受金具に
接続され、高電圧が加わった時に直接アース側へ電流を
流すアースボルトとを備え、前記下部電極と前記分圧電
極とに接続された前記分圧リード線は、前記受金具と絶
縁状態で外部に引出され、前記一次導体より高電圧用抵
抗素子に加わる電圧を分圧して取出しながら一次導体の
電圧を測定することにより、電柱等に設置して避雷器と
して使用しながらバリスター等の高電圧用抵抗素子に加
わる電力線の電圧を正確に分圧測定でき、碍子の表面側
を漏洩する漏洩電流を受金具及びアースボルトで直接ア
ース側へ放電させることができて分圧リード線に接続し
た測定器に碍子の表面側の漏洩電流が流入することがな
く測定誤差が発生することがない。また、変流器や変成
器等の変換機構を用いることなく送配電系統において各
電柱ごとに電力線の電圧を直接確認できて送配電系統等
の信頼度を高め、送配電線の故障等の各種情報を早急に
伝達できることとなる。また、電力線に落雷したときに
は、電力線を伝播する雷サージ電圧をバリスター等の高
電圧用抵抗素子に接続したアースボルトから直ちに大地
へ放電させ、電力線に接続された機器類を保護し、焼損
事故等を確実に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る碍子兼用電圧センサーの縦断面
図、第２図は電柱の腕金に碍子兼用電圧センサーを設置
して電力線である一次導体を締着した状態を示した斜視
図である。 10……碍子兼用電圧センサー、14……碍子、16……穴、
18……一次導体、20……高電圧用抵抗素子、22……分圧
リード線、26a……上部電極、26b……下部電極、26c…
…分圧電極、30……上部リード線、36……受金具、40…
…アースボルト

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】一次導体を締着させた碍子と、この碍子に内蔵され、前記一次導体に接続されて通常電
圧が加わるときにはごく小さな微弱電流が流れ、雷等の
高電圧が加わると抵抗が減少して大電流を流すことがで
きる高電圧用抵抗素子と、前記碍子の下面側に配置され、この碍子を支持する受金
具と、前記高電圧用抵抗素子の下端に接合された下部電極と、前記下部電極の上方近傍位置で前記高電圧用抵抗素子に
接続された分圧電極と、前記下部電極と分圧電極とに各々接続されて碍子の外部
へ引出された一対の分圧リード線と、前記下部電極及び前記受金具に接続され、高電圧が加わ
った時に直接アース側へ電流を流すアースボルトと、を備え、前記下部電極と前記分圧電極とに接続された前記分圧リ
ード線は、前記受金具と絶縁状態で外部に引出され、前記一次導体より高電圧抵抗素子に加わる電圧を分圧し
て取出しながら一次導体の電圧を測定することを特徴と
する碍子兼用電圧センサー。