JP2541409Y2 - 貯氷庫のクラッシャー - Google Patents

貯氷庫のクラッシャー

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JP2541409Y2
JP2541409Y2 JP5533291U JP5533291U JP2541409Y2 JP 2541409 Y2 JP2541409 Y2 JP 2541409Y2 JP 5533291 U JP5533291 U JP 5533291U JP 5533291 U JP5533291 U JP 5533291U JP 2541409 Y2 JP2541409 Y2 JP 2541409Y2
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文男 石黒
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Hoshizaki Electric Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、貯氷庫の内部に画成
した氷貯留空間に堆積貯留されて大塊化した氷群を、ク
ラッシャーにより掻き崩して氷搬出空間側に放出する貯
氷庫において、前記氷群の確実な掻き崩しを達成し得る
クラッシャーの構造に関するものである。
【0002】
【従来技術】例えば漁港では、大量の薄片状の氷(以下
「フレーク氷」という)を使用して漁獲物を冷凍保存する
のが一般的であり、この使用目的に向けてフレーク氷に
は旺盛な需要がある。フレーク氷は、一般に円筒状をな
す冷凍ケーシングの内壁面に氷を層状に氷結させ、この
氷層を剥離刃により掻き削ることにより得られるもので
あって、これは貯氷庫内に大量に堆積貯留され、庫内底
部に配設したスクリュー等の氷搬出手段により、必要量
だけ庫外に搬出される。
【0003】ここでフレーク氷は、可融性固体である氷
の物理的性質として、結晶粒子が凝固して大塊化する現
象(ケーキング)を有する。また大量のフレーク氷の集積
は、貯氷庫内で架橋(アーチング)する傾向があり、この
ため貯氷庫の底部からフレーク氷をスクリューにより搬
出する間に内部でアーチングして空洞を生じ、その後の
フレーク氷の庫外への搬出を著しく困難にしている。
【0004】このように貯氷庫内でフレーク氷が大塊化
したり、アーチングしたりして、当該フレーク氷の搬出
が困難となる現象に対処する手段として、図3および図
4に示す如き構造の貯氷庫が提案されている。すなわ
ち、全体が略箱形をなす貯氷庫10の内部に、大量のフ
レーク氷を所定レベルまで堆積貯留し得る空間12が画
成される。この空間12は、後述するクラッシャー16
により氷貯留空間12aと氷搬出空間12bとに画成さ
れ、氷貯留空間12a側の底部にスラットコンベヤ15
が走行自在に配設される。また、貯氷庫10の上部に
は、フレーク氷製造機13が搭載され、ここで製造され
たフレーク氷はシュート14を介して前記氷貯留空間1
2aに落下放出される。なお貯氷庫10の側壁外面には
断熱材が被覆され、貯氷庫10の内部は冷凍ユニット
(何れも図示せず)により強制冷却されるようになってい
る。
【0005】図3に示す如く、前記スラットコンベヤ1
5の走行方向下流側の上部に、前記空間12を氷貯留空
間12aと氷搬出空間12bとに画成すると共に、氷貯
留空間12aに堆積されたフレーク氷群11を掻き崩す
べく機能するクラッシャー16が配設されている。この
クラッシャー16は、図4に示す如く、スラットコンベ
ヤ15の走行方向と交差する方向に延在する回転自在な
回転軸17に、多数の突出ピン18を適宜の配列で植設
した角形クラッシャー体19を、上下方向に所定間隔離
間して複数段配置して構成される。また、氷搬出空間1
2b側の底部にスクリューコンベヤ20が回転自在に配
設され、該空間12b内に放出されたフレーク氷を、当
該スクリューコンベヤ20により貯氷庫10の側壁に開
設した開口21を介して庫外に搬出するようになってい
る。
【0006】すなわち、前記製造機13で製造されたフ
レーク氷は、図3に示す如く、氷貯留空間12aに配置
したスラットコンベヤ15の上に放出貯留され、ここで
堆積したフレーク氷は相互に固結して大塊化するに到
る。大塊化したフレーク氷群11は、スラットコンベヤ
15の走行に伴ってクラッシャー16に向けて搬送され
る。このときクラッシャー16を構成する各角形クラッ
シャー体19を強制回転させることにより、フレーク氷
群11は走行方向下流側から順次掻き崩されて氷搬出空
間12bに放出される。そして掻き崩されたフレーク氷
は、前記スクリューコンベヤ20により庫外に搬出され
るものである。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】前記クラッシャー16
を構成する角形クラッシャー体19は、回転軸17に多
数の突出ピン18を植設してあるため、前記貯氷庫10
からのフレーク氷の搬出運転を長時間に亘って継続する
と、図5に示すように、隣設する各突出ピン18の間に
フレーク氷が付着してしまう現象を生ずる。この場合
は、それ以後におけるフレーク氷群11の掻き崩しが行
なわれず(いわゆる「空運転」となる)、氷搬出空間12b
へのフレーク氷の放出が停止されて、スクリューコンベ
ヤ20によるフレーク氷の搬出がなされなくなってしま
う欠点があった。また、これに起因して後続のフレーク
氷群11がスラットコンベヤ15の走行によりクラッシ
ャー16に押付けられ、角形クラッシャー体19の回転
軸17が変形したり破損したりする重大な問題があっ
た。しかもこの現象は、スラットコンベヤ15の走行お
よび角形クラッシャー体19の回転の障害をも招き、該
スラットコンベヤ15やクラッシャー16の駆動モータ
(図示せず)に過大な負荷を与える難点も指摘される。
【0008】更に、前記クラッシャー16を停止した状
態においては、各角形クラッシャー体19に突設されて
軸方向に隣設する突出ピン18,18の間に、氷貯留空
間12aと氷搬出空間12bとを連通する隙間を必然的
に生ずる(図4参照)。このため、前記フレーク氷製造機
13で製造したフレーク氷を氷貯留空間12aに堆積貯
留する際に、スラットコンベヤ15上に山型に堆積した
フレーク氷の一部が前記隙間から氷搬出空間12bにな
だれ込んだり、また所要量のフレーク氷を搬出してクラ
ッシャー16を停止した以後に、氷貯留空間12aのフ
レーク氷が隙間を介して氷搬出空間12bになだれ込ん
でしまう欠点があった。
【0009】
【考案の目的】本考案は、前述した貯氷庫のクラッシャ
ーに内在する前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべ
く提案されたものであって、氷貯留空間に貯留された氷
群の確実な掻き崩しを達成し、併せてクラッシャーの停
止時における氷片や氷塊の氷搬出空間へのなだれ込みを
確実に防止し得る手段を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した課題を克服し、
所期の目的を達成するため本考案は、大量の氷片または
氷塊が堆積貯留される収納空間に配設されて、該空間を
氷貯留空間と氷搬出空間とに画成するクラッシャーを備
え、前記氷貯留空間に堆積貯留されて大塊化した氷群を
前記クラッシャーに向けて移送しつつ、該クラッシャー
により氷群を掻き崩して氷搬出空間側に放出するよう構
成した貯氷庫において、前記クラッシャーを、前記氷群
の移送方向と交差して延在する回転軸に、半径方向に突
出して軸方向の全長に亘って延在する2枚の羽根が対向
的に設けられたクラッシャー体を複数段配置することに
より構成したことを特徴とする。
【0011】
【実施例】次に、本考案に係る貯氷庫のクラッシャーに
つき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら
以下説明する。なお貯氷庫の構造は、図3〜図5に関連
して、従来技術で説明したと同一であるので、既出の同
一部材には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略
する。
【0012】図1および図2に示す如く、貯氷庫10の
内部空間12を、氷貯留空間12aと氷搬出空間12b
とに画成するクラッシャー16は、複数のクラッシャー
体22を上下方向に平行に所要間隔で段配置して構成さ
れる。このクラッシャー体22は、前記スラットコンベ
ヤ15の走行方向と交差する方向に水平に延在する回転
自在な回転軸17に、半径方向に突出して軸方向の全長
に亘って延在する山形の羽根24を、軸心を挟んで対向
的に備えている(略180°の位相で対向的に配設され
る)。各羽根24の突出寸法は、上下に位置するクラッ
シャー体22,22の対向して臨む羽根24,24が干渉
しない値に設定される。
【0013】前記羽根24の突出端縁部は、図2(b)に
示す如く、回転軸17の回転方向に所要角度で折曲さ
れ、クラッシャー体22の回転時に、この折曲端縁部2
4aによりフレーク氷群を掻き崩すよう構成されてい
る。また、羽根24と回転軸17との連設部は、回転軸
17の外周面から羽根24の外表面に滑らかに移行する
よう設定され、クラッシャー体22の外表面に大きな凸
凹を生じないよう構成されている。これにより、クラッ
シャー体22の外表面にフレーク氷が付着するのを有効
に防止し得るものである。なおクラッシャー体22の羽
根24,24は、2枚の板材で回転軸17を挟持するこ
とにより形成するようにしてもよい。
【0014】前記クラッシャー16を構成する各クラッ
シャー体22は、図1に示す如く、チェン・スプロケッ
ト等の駆動伝達手段26を介して相互に接続されてい
る。また、最下部に配設されたクラッシャー体22の回
転軸17には、貯氷庫10の外部に突出する端部にスプ
ロケット28が配設され、該スプロケット28と、駆動
モータにより回転駆動されるスプロケット(何れも図示
せず)との間にチェン30が巻掛けられている。すなわ
ち、駆動モータを駆動することにより、クラッシャー1
6を構成する各クラッシャー体22は同一方向に回転駆
動され、該クラッシャー体22で掻き崩されたフレーク
氷は、各クラッシャー体22,22の間から前記氷搬出
空間12b側に放出される。
【0015】前記スプロケット28が配設される回転軸
17の軸端に、該回転軸17と一体的に回転する円盤3
2が配設されると共に、この円盤32の周方向の所定位
置に、近接スイッチ等の検知手段34により検出可能な
被検出片36が配設されている。検知手段34は、氷放
出停止ボタン(図示せず)の操作以後において、円盤32
に配設した被検出片36を検出したことを条件として、
前記クラッシャー16の駆動を停止するべく機能する。
また被検出片36は、検知手段34が該被検出片36を
検出したことによりクラッシャー16が停止した際に、
前記各クラシャー体22の羽根24,24が縦方向に整
列して、前記氷貯留空間12aと氷搬出空間12bとを
遮蔽する位置に設けられている。更に、このとき上側に
臨むクラッシャー体22における下方を指向する羽根2
4の折曲端縁部24aは、図2(a)に示す如く、下側に
臨むクラッシャー体24における上方を指向する羽根2
4の折曲端縁部24aよりも氷貯留空間12a側に臨む
よう設定されている。この結果、氷貯留空間12aのフ
レーク氷が、各クラッシャー体22,22の間から氷搬
出空間12bへなだれ込むのを確実に防止することがで
きるものである。
【0016】
【実施例の作用】次に、本考案に係る貯氷庫のクラッシ
ャーの作用につき説明する。貯氷庫10において、フレ
ーク氷製造機13で製造されたフレーク氷は、前記シュ
ート14を介して氷貯留空間12aに堆積貯留される。
このとき貯氷庫10内は、前述した如く図示しない冷凍
ユニットにより冷却保持され、前記スラットコンベヤ1
5,クラッシャー16およびスクリューコンベヤ20は
駆動を停止して待機状態にある。またクラッシャー16
の各クラッシャー体22は、図2(a)に示す如く、羽根
24,24が縦方向に整列した状態で待機し、氷貯留空
間12aと氷搬出空間12bとを遮蔽している。
【0017】前記氷貯留空間12aに放出されたフレー
ク氷は、該空間12a内で所定レベルまで貯留される過
程で、前述の如く大塊化するに到る。なお、フレーク氷
の貯留過程で、氷貯留空間12a側から氷搬出空間12
b側へのフレーク氷のなだれ込みは、クラッシャー16
により確実に防止される。
【0018】次いで、貯氷庫10内に貯留されたフレー
ク氷を取り出す場合は、氷放出ボタン(図示せず)の操作
により前記スラットコンベヤ15,クラッシャー16お
よびスクリューコンベヤ20を始動させる。これにより
前記氷貯留空間12aに貯留されているフレーク氷群1
1は、スラットコンベヤ15の走行に伴いゆっくりと前
進し、その前端部がクラッシャー16に当接するに到
る。このときクラッシャー16は回転しているので、図
2(b)に示す如く、各クラッシャー体22に突設した羽
根24,24によりフレーク氷群11は掻き崩されて、
氷搬出空間12bに放出される。
【0019】前記クラッシャー体22の羽根24は、回
転軸17の軸方向全長に亘って延在しているので、スラ
ットコンベヤ15で搬送されるフレーク氷群11の下流
側面は、その長手方向の略全体に亘って掻き崩されるこ
とになる。また、クラッシャー体22の外表面には凹凸
がないので、フレーク氷が外表面に付着するのを有効に
防止し得る。すなわち、クラッシャー体22が「空運転」
されることがないのでクラッシャー16にフレーク氷群
11が押付けられることがなく、前記回転軸17が折れ
曲がったり破損する等の事故の発生を未然に防止し得
る。また、スラットコンベヤ15やクラッシャー16の
駆動モータに過大な負荷が加わることもない。
【0020】前記氷搬出空間12bに放出されたフレー
ク氷は、前記スクリューコンベヤ20の回転により開口
21を介して庫外に搬出される。また、氷搬出空間12
bにはフレーク氷が確実に放出されるので、貯氷庫10
からのフレーク氷の確実かつ安定した搬出が達成され
る。
【0021】必要量のフレーク氷が搬出された後、氷放
出停止ボタン(図示せず)の操作によりスラットコンベヤ
15やクラッシャー16およびスクリューコンベヤ20
を停止させる。このときクラッシャー16は、前記円盤
32に配設した被検出片36を検知手段34が検出する
まで作動を継続し、該検知手段34が被検出片36を検
出した時点で、クラッシャー体22の回転を停止させ
る。これにより、クラッシャー体22の羽根24,24
は、図2(a)に示す如く、縦方向に整列した状態で停止
し、氷貯留空間12aと氷搬出空間12bとを遮蔽して
フレーク氷の氷搬出空間12bへのなだれ込みを確実に
防止する。
【0022】なお、実施例では貯氷庫に貯留するものと
してフレーク氷を挙げて説明したが、本考案はこれに限
られるものでなく、例えば大型製氷機で製造した板氷を
クラッシャーにより破砕して得られる砕氷塊であっても
よい。
【0023】
【考案の効果】以上述べたように、本考案に係る貯氷庫
のクラッシャーによれば、氷貯留空間に堆積して大塊化
した氷群の円滑かつ確実な掻き崩しを達成することがで
きる。従って、氷群がクラッシャーに押付けられて、該
クラッシャーの軸等が破損する等の事故を未然に防止し
得る。また、クラッシャーの停止時には、該クラッシャ
ーを構成するクラッシャー体の羽根が縦方向に整列する
ので、氷貯留空間から氷搬出空間への氷片または氷塊の
なだれ込みを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例に係るクラッシャーの要部概略
斜視図である。
【図2】クラッシャーの動作説明図である。
【図3】従来技術に係るクラッシャーを採用した貯氷庫
の縦断側面図である。
【図4】図3に示す貯氷庫の縦断正面図である。
【図5】角形クラッシャー体の外表面にフレーク氷が付
着した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
11 フレーク氷群 12 空間 12a 氷貯留空間 12b 氷搬出空間 16 クラッシャー 22 クラッシャー体 24 羽根 34 検知手段

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大量の氷片または氷塊が堆積貯留される
    収納空間(12)に配設されて、該空間(12)を氷貯留空間(1
    2a)と氷搬出空間(12b)とに画成するクラッシャー(16)を
    備え、前記氷貯留空間(12a)に堆積貯留されて大塊化し
    た氷群(11)を前記クラッシャー(16)に向けて移送しつ
    つ、該クラッシャー(16)により氷群(11)を掻き崩して氷
    搬出空間(12b)側に放出するよう構成した貯氷庫(10)に
    おいて、前記クラッシャー(16)を、前記氷群(11)の移送
    方向と交差して延在する回転軸(17)に、半径方向に突出
    して軸方向の全長に亘って延在する2枚の羽根(24,24)
    が対向的に設けられたクラッシャー体(22)を複数段配置
    することにより構成したことを特徴とする貯氷庫のクラ
    ッシャー。
  2. 【請求項2】 前記クラッシャー(16)は、前記クラッシ
    ャー体(22)に設けた羽根(24,24)の位置を監視する検知
    手段(34)を備え、この検知手段(34)が、前記各クラッシ
    ャー体(22)の羽根(24,24)が縦方向に整列したことを検
    出したことを条件として、当該クラッシャー(16)の駆動
    を停止させるよう構成した請求項1記載の貯氷庫のクラ
    ッシャー。
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JPS57187388U (ja) * 1981-05-25 1982-11-27
JPS5855184U (ja) * 1981-10-09 1983-04-14 新日軽株式会社 襖の框取付装置

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