JP2540484B2 - 殺虫性蛋白質をコ−ドする遺伝子 - Google Patents

殺虫性蛋白質をコ−ドする遺伝子

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は殺虫活性を有するポリペプチド(この明細書
において蛋白質とも称する)をコードする塩基配列を含
有するDNA断片、該DNA断片を含有するプラスミド、及び
該プラスミドを含有する大腸菌に関する。
(従来の技術) バシラス・チューリンジエンシス(Bacillus thurin
giensis)が生産する殺虫活性蛋白質は鱗翅目昆虫の幼
虫に毒性を示すことから、殺虫活性蛋白質を含む調製物
は選択性の高い微生物殺虫剤として市販されている。然
しながら、この殺虫活性蛋白質は生産菌の胞子形成時に
のみ産生されるので、これらの殺虫剤は化学合成殺虫剤
に比べ生産コストが高く、また鱗翅目昆虫の種によって
感受性が異なることから化学合成殺虫剤と競争すること
が困難になっている。また、従来のこのような微生物殺
虫剤は、殺虫活性蛋白質が結晶性で水に溶解しにくいた
め生産菌から該蛋白質を分離するのにコストがかかるた
め、生産菌であるバシラス・チューリンジエンシスの胞
子を含有する形で製造されており、従ってこれを使用し
た場合該細菌により環境が汚染される可能性があった。
ワング(Wong)等、J.Biol.Chem.258,1960(1983)に
は、バシラス・チューリンジエンシス亜種クルスタアキ
HD−Iダイペルの殺虫性蛋白質のアミノ末端側の一部の
DNA塩基配列が記載されているが、分子量も異なってお
り本発明によって明らかにされた亜種ソットオDNA塩基
配列とは3ケ所で異っており、アミノ酸配列もその3ケ
所で異なっている。また、公表特許公報昭58−500565に
は、亜種ソットオの殺虫活性蛋白質をコードしているDN
A断片についての記載があるが、本発明によって明らか
にされたような詳細な記載はない。また同亜種が含有す
るプラスミド及び生産する殺虫活性蛋白質の分子量も異
なる。
(発明が解決しようとする問題点) 前記のごとく、バシラス・チューリンジエンシスにお
いては、殺虫活性を有する蛋白質は胞子形成期において
のみ産生されるためその産生期間が短く、また、この蛋
白質は結晶性蛋白質として産生されるため、これを菌体
から経済的に精製することが困難である。
本発明は、バシラス・チューリンジエンシスの殺虫活
性を有する結晶性蛋白質と同等の活性を有するポリペプ
チドを、大腸菌において水溶性の形で産生せしめること
によって、殺虫活性ポリペプチドを経済的に、純粋な形
で製造するための手段を提供しようとするものである。
(問題点を解決するための手段) この問題点は、バシラス・チューリンジエンシス由来
の殺虫活性を有する結晶性蛋白質と実質上同じアミノ酸
配列を有するポリペプチド又はこれと同等の殺虫活性を
有する該ポリペプチドの部分をコードする塩基配列を含
むDNA断片をプラスミドpBR322に挿入して成るプラスミ
ドを含有し該ポリペプチド又はその部分を産生すること
ができる大腸菌を用いて殺虫活性を有するペプチドを製
造することにより解決される。
従ってこの発明は、前記の大腸菌、並びに該大腸菌中
に含有される発現プラスミド及び該プラスミドの一部を
構成するDNA断片を提供しようとするものである。
(具体的な説明) この発明においては、第3図に示すように、まずバシ
ラス・チューリンジエンシス由来の殺虫活性を有する結
晶性蛋白質と実質上同じアミノ酸配列を有するポリペプ
チドをコードする塩基配列を含むDNA断片を分離する。
このDNA断片は、バシラス・チューリンジエンシス亜種
ソットオ(Bacillus thuringiensis subsp.sotto)中に
存在しそして前記結晶性蛋白質の産生を担当するプラス
ミドpSY1(第2図)に由来する。
まず、前記の菌株からHansen及びOlesen,J.Bacterio
l.135,227−238(1978)に記載されている方法の変法に
よりプラスミドpSY1を分離した。このプラスミドは68kb
の大きさを有し、殺虫活性を有する結晶性蛋白質をコー
ドする塩基配列を含有する。
このプラスミドを制限酵素Xho Iにより切断し、この
断片をクローニングベクターpKAT IのXho I部位に連結
し、大腸菌C600に形質転換し、この形質転換体をアンピ
シリン耐性、及び殺虫活性蛋白質についてのラジオイム
ノアッセイによりスクリーニングすることにより、プラ
スミドpSX8を含有するクローンを選択した。このプラス
ミドは、前記蛋白質をコードする塩基配列を含有する18
kbの挿入部を含有する。
このプラスミドを各種の制限酵素で切断し、それらの
断片を、対応する制限酵素により切断したクローニング
ベクターpBR322に連結し、これにより大腸菌HB101を形
質転換し、形質転換体を前記のようにしてスクリーニン
グし、約6.6kbのPst I断片を含む11.0kbの組換プラスミ
ドpSP801を含有するクローン〔大腸菌(E.coli)HB101
(sPS801)を得た。このクローンを大腸菌SAM0038と称
する。この大腸菌は、Escherichia coli SAM0038とし
て、工業技術院微生物工業技術研究所に微工研条寄第16
86号(FERM BP−1686)として寄託された。プラスミドp
SP801の制限酵素地図を第4図に示す。
このクローン大腸菌SAM0038により産生されるポリペ
プチドは約144キロダルトン(KD)の分子量を有し、こ
の分子量はバシラス・チューリンジエンシスによって産
生される結晶性蛋白質のそれ同等であるため、pSP801中
の約6.6kbの挿入部は、バシラス・チューリンジエンシ
スによって産生される結晶性蛋白質と同等のポリペプチ
ドのすべてのアミノ酸配列をコードする塩基配列を含有
するものと推定される。
次に、前記プラスミドpSP801を制限酵素Mlu I及びHpa
Iで切断して約2.95kbのDNA断片を得、これをフィルー
イン(fill in)し、両端にBam HIリンカーを連結し、
そしてpBR322のBam HI部位に挿入することによって組換
プラスミドpLBT291(第6図)を得た。このプラスミド
を含有するクローン大腸菌HB101(pLBT291)のスクリー
ニングは前記の方法により行った。
このクローン大腸菌HB101(pBT291)は殺虫活性を有
する約75KDのペプチドを産生する。このことから、前記
の約2.95kbのDNA断片は、バシラス・チューリンジエン
シス由来の結晶性蛋白質と同等のアミノ酸配列を有する
ポリペプチドの部分をコードすることが確認された。
この約2.95kbのDNA断片の塩基配列は第1−1図〜第
1−5図の塩基配列中第1番目の塩基から第2955番目の
塩基までに示されている。
この約2.95kbのDNA断片の塩基配列を第1−1〜第1
−5図に示す。この断片は2955塩基対(bp)から成り、
この内2802bpが934個のアミノ酸配列をコードする。こ
のDNA断片の塩基配列はWong等、前掲、に記載されてい
る塩基配列と比べて3ケ所で異り、それに対応してアミ
ノ酸配列も3ケ所で異る。
(発明の効果) この発明により提供されるプラスミドを含有する大腸
菌により殺虫活性を有するポリペプチドが水溶性の形で
得られる。従ってこのポリペプチドは常法に従って生産
菌体から容易に分離することができ、精製が容易であ
る。また、大腸菌におけるポリペプチドの産性期間はバ
シラス・チューリンジエンシスにおける場合のように特
定の短期間(胞子形成時)に限定されないから、該ポリ
ペプチドを低コストで製造することが可能である。従っ
て、この発明のプラスミドを含有する大腸菌により産生
されたポリペプチドは鱗翅目昆虫に対して特異的な安全
な殺虫剤の成分として使用することができる。
さらに、この発明の塩基配列及びプラスミドは、これ
をさらに操作して、より強力な殺虫活性を有するポリペ
プチドをコードする遺伝子を造成するための出発材料と
しても有用である。
以下本発明を実施例によって詳細に説明する。
(1) バシラス・チューリンジエンシス亜種ソットオ
からのプラスミドpSY1(第2図)の調製バシラス・チュ
ーリンジエンシス入亜種ソットオからのプラスミドpSY1
の調製はハンセ、オルセンらによってすでに発表されて
いるアルカリ処理法(Hansen and Olsen J.Bactenod.13
5,227−238(1978)を若干改良して行った。400mlのペ
ンアツセイブロスで培養した菌体を10.8mlの25%スクロ
ース−50mトリス・HCl−20mEDTA(pH8.0)に懸濁
し、0.8mlの10mg/mlのリゾチームを加え、37℃で1時間
保持した。プロナーゼEとSDSを各々0.5mg/ml,1%にな
るように加え1時間保持することにより菌体を完全に溶
菌させた。溶菌液に4mlの3NNaOHを加え3分間室温で保
持した後8mlの2トリス・HCl(pH7.0),4mIの20%SD
S,8mlの5NaClを各々加え、氷中で6時間保持した。
溶菌液を17,000×g、30分間遠心して上清を回収した。
上清にポリエチレングリコール6000を10%になるように
加えDNAを沈澱させた。DNAを20mlの20mトリス・HCl
−5mDETA−150mNaCl(pH7.5)に溶解し、RNase Aを
0.1mg/mlになるように加え、37℃で2時間処理した後、
フェノールでDNAを抽出し、2倍量のエタノールを加えD
NAを沈澱させた。沈澱を5mlの20mトリス・HCl−5m
EDTA−150mNaCl(pH7.5)に溶解し、バイオゲルA−
0.5mのカラムを通し、ボイドボリュームの画分を集め、
エタノールでDNAを沈澱させた。DNAはさらに、エチジュ
ウムブロマイド−塩化セシウム中での密度勾配遠心によ
って精製した。得られたプラスミドをアガロース電気泳
動で解析したところ一本のバンドが認められた。
(2) プラスミドpSY1の制限酵素地図の作成 得られたプラスミドを各種の制限酵素で処理したのち
アガロース電気泳動を行ない生じたDNA断片を解析し
た。pSY1は制限酵素Aat II、Sal I及びSma Iでは切断さ
れず、BamH I及びStu Iでは1ケ所、Bgl II及びXho Iで
は3ケ所、Mlu I及びSac Iでは4ケ所で切断された。制
限酵素Ban I,Bcl II,Cla I,EcR I,Hind III,Hpa I,Kpn
I,Pst I及びPvu IIでは多数のフラグメントを生じた。
第2図にBal II及びXho Iについての制限酵素地図を示
す。BanH I及びStu Iの切断点はBgl II−A、Xho I−A
断片上約2kb離れて存在した。制限酵素処理によって生
ずる断片の大きさを計算することによりプラスミドpSY1
の大きさは68kbであることがわかった。
(3) ラジオイムノアッセイによる形質転換体の選抜 殺虫活性蛋白質遺伝子がクローン化された大腸菌を選
抜するために、殺虫活性蛋白質の抗体を調製し、エーリ
ッヒらによって公表されたラジオイムノアッセイ法(Er
lich,et al.Cell 13,681−689,(1978))を若干改変し
た手法を用いた。バシラス・チューリンジエンシス亜種
ソットオを改変G培地(Aronson,et al.J.Bacteriol.10
6,1016−1025(1971))で3日間培養し、殺虫活性蛋白
質結晶をシャープらの方法(Sharpe et al.Appl.Microb
iol.30 1052〜1053,(1975))によって精製した。IgG
はモリソン及びベイズの手法(Marrison and Bayse Bio
chemistry ,2995−3000(1970))によって125Iで標
識した。寒天平板上の大腸菌のコロニーをクロロホルム
蒸気に30分間さらし、1mg/mlリゾチーム,10m EDTA及
び0.02%Triton X100を含む上層寒天を重層することに
より溶菌させた。アルウィンらの手法(Alwime et al.P
roc.Natl Acad.Sci.USA 74,5350−5354(1977))によ
り殺虫活性蛋白質の抗体を結合させたDBM濾紙を上記上
層寒天を重層した寒天平板の上にのせ12−15時間放置し
た。濾紙をCS−PBS(5%ウシ血清−0.15NaCl−10m
リン酸バッファ−(pH7.2)で洗い、10mトリス・HCl
−0.14NaCl−25%ウシ血清−125I標識抗体(4×106c
mp)中で5〜7時間保持した。濾紙をCS−PBSで洗い、
乾燥後、X線フィルムの上に置きオートラジオグラフィ
ーを行なった。
(4) 殺虫活性蛋白質遺伝子のクローニング 殺虫活性蛋白質遺伝子のクローニングの手法を第3図
に示した。(1)に記載したバシラス・チューリンジエ
ンシス亜種ソットオのプラスミドpSY1を制限酵素Xho I
で切断し、生じたDNA断片をクローニングベクターpKAT
IのXho I部位に挿入し、T4リガーゼによって連結し、大
腸菌C600を形質転換した。形質転換株はまず25μg/mlの
アンピシリンを含むLブロス寒天平板上て選択し、さら
に(3)に記載したラジオイムアツセイによって選抜し
た。この結果18kbのDNA断片が挿入された組み換えプラ
スミドpSX8を持つクローンが選抜された。pSX8を各種制
限酵素で切断し、生じたDNA断片をクローニングベクタ
ーpBR322の各々の制限酵素部位に挿入し、連結後大腸菌
HB101を形質転換した。形質転換株を上記と同様の方法
で選抜したところ、6.6kbのPst I断片を含む組み換えプ
ラスミドpSP801を持つクローン大腸菌HB101(pSP801)
が選抜された。pSP801の制限酵素地図を第4図に示す。
pSP801を制限酵素Mlu I及びHpa Iで切断し、フィルーイ
ン(fill−in)反応を行ない、BamH Iリンカーを介して
pBR322のBamH I部位に挿入することによって得られた組
換プラスミドpLBT291を持つクローンを上記ラジオイム
ノアツセイで選抜した。
(5) 殺虫活性蛋白質遺伝子の位置の決定 殺虫活性蛋白質遺伝子を含む組み換えプラスミドpSP8
01上での上記遺伝子の位置を決定するため、pSP801上の
各種制限酵素のサイトを利用して欠失プラスミドを作成
し、大腸菌HB101を形質転換した。形質転換株について
の(3)に示したラジオイムノアツセイ及び(7)に示
すバイオアツセイの結果を第5図に示す。殺虫活性蛋白
質遺伝子は第5図でMlu I部位からHpa I・2部位までの
間約2.95kbDNA断片上にあることがわかった。このMlu I
部位からHpa I・2部位までの2.95kbDNA断片を上記
(4)に示した手法によりクローニングすることによっ
て得られた組換プラスミドpLBT291を持つクローンはラ
ジオイムノアツセイ及びバイオアツセイとも陽性であっ
たので、殺虫活性蛋白質をコードがする領域が上記2.95
kbDNA断片上にあることが確認された。
(6) 大腸菌内で生産される遺伝子産物の解析 ラジオイムノアツセイ及びバイオアツセイにおいて陽
性であったクローンについて、大腸菌より抽出物を調製
した。25μg/mlのアンピシリンを含む400mlのL−ブロ
スで1夜培養した大腸菌の細胞を遠心によって集め、15
mlの150m NaCl−20mトリス・HCl(pH8.0)−5m
EDTA−2mフェニルメチルスルフォニルフルオライド−
7mメルカプトエタノールに懸濁した。0.3mlの10mg/ml
リゾチームを加え、氷水中で30分間保持した後、3分間
超音波処理することにより菌体を破砕した。その超音波
処理物を14,000×g,20分間遠心し、上清を回収して20m
リン酸バッファー(pH7.0)に一夜透析した。このよ
うにして得られた大腸菌の抽出物は電気泳動による分析
用及び(7)に記載したバイオアツセイ用とした。この
抽出物を公知の操作過程に従い、7%のSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動にかけ、電気泳動的にニトロセ
ルロースフィルターに移し、まず抗体、次にパーオキシ
ダーゼで標識した抗ラビットIgG抗体、及びパーオキシ
ダーゼの基質溶液と共に順次インキュベーションした。
ニトロセルロースフィルターへ移行したペプチドと抗体
との反応は抗ラビットIgG抗体に標識したパーオキシダ
ーゼによる発色で検出した。バシラス・チューリンジエ
ンシスの殺虫活性蛋白質は第7図に矢印で示したよう
に、主成分としての分子量144KDのポリペプチド及び少
量成分としての97KD及び76KDのポリペプチドからなって
いるが、組み換えプラスミドpSX8,pSP801を持つ大腸菌
の抽出物中(レーン7,6)には殺虫活性蛋白質と同じ電
気泳動的移動度を示す分子量144KDの抗体反応性ポリペ
プチドが認められた。
また2.95kbのMlu I−Hpa I断片を含むpLBT291を持つ
大腸菌の抽出物中(レーン1)には75KDの抗体反応性ペ
プチドが認められた。このことは殺虫活性は144KDのペ
プチド中の75KDに相当するペプチド中に存在することを
示している。対照としたpBR322及び(5)で作成した欠
失プラスミドを持つ大腸菌の内バイオアッセイ及びラジ
オイムノアッセイで陰性であったクローンの抽出物中に
は抗体反応性ペプチドの生産は認められなかった。以上
の結果はpSX8及びpSP801は殺虫活性蛋白質全体をコード
している遺伝子を含んでおり、それから得られたpLBT29
1は殺虫活性蛋白質の殺虫活性に関係するペプチド部分
をコードしている遺伝子を含んでおり、その生産物は75
KDであることを示している。
(7) 大腸菌抽出物の殺虫活性 (6)に記載した手法で調製した組換プラスミドを持
つ大腸菌の抽出物1mlを約10gのカイコ人工飼料にしみこ
ませ、5頭の5令カイコと共にプラスチック容器中で一
夜放置した後、カイコの生存率及び体重の増加量を測定
した。第1表にその結果の一例を示す。殺虫活性遺伝子
を含む組換プラスミドpSX8、pSP801、又はpLBT291を持
つ大腸菌の抽出物を摂食したカイコは5頭とも死亡し、
体重増加もほとんどなかった。これに比較してバッファ
ーあるいはプラスミドpBR322を含む大腸菌の抽出物を摂
食したカイコは、5頭とも生存しており、体重も正常に
増加した。
これまでの実験結果から組換プラスミドpSX8又はpSP8
01を含む大腸菌では、分子量、抗原性及び、生物活性の
点でバシラス・チューリンジエンシス亜種ソットオの殺
虫活性蛋白質と同等の蛋白質を産生すると見られる。ま
たpLBT291を含む大腸菌では抗原性及び生物活性ではバ
シラス・チューリンジエンシス亜種ソットオの殺虫活性
蛋白質と同等であるが分子量が小さい75KDのペプチドを
産生すると見られる。いづれの場合も生産物は遠心分離
によって上清に回収されるので、バシラス・チューリン
ジエンシス亜種ソットオの殺虫活性蛋白質が結晶性であ
るのに対して、可溶性の殺虫活性蛋白質として生産され
る。従ってこのようにして遺伝子操作された菌株は可溶
性の殺虫剤として用いられうる。
(8) 殺虫活性蛋白質遺伝子を含むDNA断片の塩基配
列の決定 殺虫活性蛋白質の活性部位をコードしている2.95kbの
Mlu I−Hpa I DNA断片の塩基配列をメッシングによって
公表されたダイデオキシ法(Messing,Method in Enzymo
logy vol 101C,p20−78)によって決定した。2.95kb DN
A断片を制限酵素Sau3A I,Hpa II,及びTaq Iで切断し、
生じたDNA断片をファージM13mp10あるいはmp11にクロー
ン化した。また2.95kb断片を制限酵素Cla I、Hind III,
及びEcoR Iで切断した断片も同様にM13mp10,mp11にクロ
ーン化した。これらのクローン化した小断片の塩基配列
を上記メッシングの手法により決定し、それらをつなぎ
合わせることにより2.95kb全断片の塩基配列を決定し
た。さらに第5図に示したMlu IサイトからPst Iサイト
までの2kbの塩基配列を上記と同様の方法で決定し、最
終的には第5図のHpa I・2サイトからPst Iサイトまで
の5kb DNA断片の全塩基配列を決定した。決定された塩
基配列を第1−1〜1−7図に示す。この5kb DNA断片
は5,002bpからなり、唯一の長いオープンリーディング
フレームは153番目の開始コドンATGから始まり3.905番
目の終止コドンTAAの前で終わる3,540bpからなるもので
あり、その他には殺虫活性蛋白質の分子量に相当する長
いオープンリーディングフレームはない。従って殺虫活
性蛋白質はこのフレームで翻訳されていると見られる。
塩基配列から導き出された殺虫活性蛋白質は1180アミノ
酸からなり、133,481ダルトンの分子量を有する。また
殺虫活性タンパク質をN末端側の約半分はC末端側に比
較してリジンとシステインをほとんど含有していないと
いう特徴を有している。
終止コドンから約100bp下流の3782番目から3824番目
には安定なステムアンドループ構造を形成する逆方向反
復塩基配列が認められ、転写時のターミネーターとして
機能していると見られる。また塩基配列の最後5002番目
から4021番目まで続く、殺虫活性とは逆向きに転写され
るオーブンリーディングフレームも認められる。
【図面の簡単な説明】
第1−1図〜第1−7図はpLBT291中の2.95kb挿入断片
中の塩基配列及びこれに含まれるコード配列に対応する
アミノ酸配列を示し、第2図はプラスミドpSY1の制限酵
素地図を示し、第3図はこの発明の各プラスミドの造成
系統図であり、第4図はpSP801の制限酵素地図を示し、
第5図はプラスミドpSP801中の6.6kbの挿入DNA断片中の
殺虫活性ペプチドをコードする領域を決定する方法を示
す模式図であり、ここで最右列の「バイオアッセイ」の
列において、「+」はカイコが死亡したことを示し、
「±」はカイコは死亡しなかったが餌の摂食が妨害さ
れ、体重増加が生じなかったことを示し、第6図はプラ
スミドpLBT291の2.95kb挿入DNA断片の制限酵素地図であ
りそして第7図は各種プラスミドによる殺虫活性ペプチ
ドの発現を示す電気泳動図である。第7図中レーン1は
pLBT291レーン2はpKB5、レーン3はpKA2、レーン4はp
MR4、レーン5はpHP1、レーン6はpSP801、レーン7はp
SX8、そしてレーン8はpBR322により形質転換された大
腸菌の培養菌体抽出物中の活性ペプチドを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉栖 肇 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1 号 サントリー株式会社応用微生物研究 所内 (56)参考文献 特表 昭58−500565(JP,A) Proc.Natl.Acad.Sc i.USA[78](1981)P.2893− 2897

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下に示すアミノ酸配列(I)において、1
    位のMetをN−末端とし、723位のGlyから934位のArgま
    でのアミノ酸の内のいずれかのアミノ酸をC−末端とす
    るアミノ酸配列から成る殺虫性ポリペプチドをコードす
    るDNA:
  2. 【請求項2】下に示す塩基配列(II)において、1位の
    アミノ酸のコドンATGの第1塩基Aを5′−末端とし、7
    23位のアミノ酸のコドンGGTの第3塩基Tから934位のア
    ミノ酸のコドンCGCの第3塩基Cまでの塩基の内いずれ
    かの塩基を3′−末端とする塩基配列から成る特許請求
    の範囲第1項に記載のDNA:
  3. 【請求項3】下に示すアミノ酸配列(I)において、1
    位のMetをN−末端とし、723位のGlyから934位のArgま
    でのアミノ酸の内のいずれかのアミノ酸をC−末端とす
    るアミノ酸配列から成る殺虫性ポリペプチドをコードす
    るDNAを含んで成るプラスミド。
  4. 【請求項4】下に示す塩基配列(II)において、1位の
    アミノ酸のコドンATGの第1塩基Aを5′−末端とし、7
    23位のアミノ酸のコドンGGTの第3塩基Tから934位のア
    ミノ酸のコドンCGCの第3塩基Cまでの塩基の内いずれ
    かの塩基を3′−末端とする塩基配列から成るDNAを含
    んで成る特許請求の範囲第3項に記載のプラスミド:
  5. 【請求項5】下に示すアミノ酸配列において、1位のMe
    tをN−末端とし、723位のGlyから934位のArgまでのア
    ミノ酸の内のいずれかのアミノ酸をC−末端とするアミ
    ノ酸配列から成る殺虫性ポリペプチドをコードするDNA
    を含んで成るプラスミドにより形質転換された大腸菌:
  6. 【請求項6】下に示す塩基配列において、1位のアミノ
    酸のコドンATGの第1塩基Aを5′−末端とし、723位の
    アミノ酸のコドンGGTの第3塩基Tから934位のアミノ酸
    のコドンCGCの第3塩基Cまでの塩基の内いずれかの塩
    基を3′−末端とする塩基配列から成るDNAを含んで成
    るプラスミドにより形質転換された特許請求の範囲第5
    項に記載の大腸菌:
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