JP2539224B2 - 防水型電子体温計 - Google Patents
防水型電子体温計Info
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- JP2539224B2 JP2539224B2 JP62173955A JP17395587A JP2539224B2 JP 2539224 B2 JP2539224 B2 JP 2539224B2 JP 62173955 A JP62173955 A JP 62173955A JP 17395587 A JP17395587 A JP 17395587A JP 2539224 B2 JP2539224 B2 JP 2539224B2
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- sound
- piezoelectric buzzer
- piezoelectric
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は検温の終了を知らせる警報音の放音性を改善
した防水型電子体温計に関する。
した防水型電子体温計に関する。
(従来技術) 古くから体温の測定に体温計が用いられている。最近
は体温をデジタル表示するデジタル式電子体温計が普及
しているが、従来のこの種の体温計はその先端感温部に
体を当てるときの当て方が適切でないと検温に時間がか
かったり、長い時間をかけても正確な検温ができないと
いう問題があり、短時間で正確に検温することはなかな
か困難であった。
は体温をデジタル表示するデジタル式電子体温計が普及
しているが、従来のこの種の体温計はその先端感温部に
体を当てるときの当て方が適切でないと検温に時間がか
かったり、長い時間をかけても正確な検温ができないと
いう問題があり、短時間で正確に検温することはなかな
か困難であった。
そこで最近になって検温時に感温部で検出した体温の
上昇割合が時間とともに低下してきて一定値以下になる
と警報音を発して検温が終了したことを知らせるように
したデジタル式電子体温計が開発され実用化されている
(たとえば特開昭60−36923号)。
上昇割合が時間とともに低下してきて一定値以下になる
と警報音を発して検温が終了したことを知らせるように
したデジタル式電子体温計が開発され実用化されている
(たとえば特開昭60−36923号)。
一方、病院仕様の電子体温計は消毒や感染防止のため
に消毒液で洗浄されることが普通であるため、気密シー
ル構造や防水パッキンを用いた防水構造となっている。
に消毒液で洗浄されることが普通であるため、気密シー
ル構造や防水パッキンを用いた防水構造となっている。
この種の防水型電子体温計では検温の終了を知らせる
警報音を発するのに圧電ブザーが用いられている。この
圧電ブザー式の電子体温計では金属振動板に圧電セラミ
ックスを接着して構成した圧電ブザー素子をケース内に
配設し、駆動回路から固有周波数の電圧を印加すると圧
電セラミックスが最大の振幅で共振してケースの一部を
振動させることによって音を発生している。
警報音を発するのに圧電ブザーが用いられている。この
圧電ブザー式の電子体温計では金属振動板に圧電セラミ
ックスを接着して構成した圧電ブザー素子をケース内に
配設し、駆動回路から固有周波数の電圧を印加すると圧
電セラミックスが最大の振幅で共振してケースの一部を
振動させることによって音を発生している。
ところで上記防水型の電子体温計においては、防水上
の理由から密封構造がとられているために、体温計ケー
ス内で圧電ブザーにより発生された振動によりケース全
体を振動させて警報音を発生する方式であるため変換効
率が悪く小さな警報音しか得られないという欠点があ
る。そのため駆動回路に昇圧コイルを用いて圧電ブザー
素子に印加する電圧を昇圧して圧電セラミックスの振動
エネルギーを増大させ音圧を高める方法が採用されてい
るが、昇圧コイルはコストが高く、その上回路の消費電
力が大きくなり、昇圧コイルにより発生する高調波成分
のためにICを用いた内部回路に雑音が発生したり、音響
がかたくなって耳ざわりの悪い音になるなどの問題があ
る。
の理由から密封構造がとられているために、体温計ケー
ス内で圧電ブザーにより発生された振動によりケース全
体を振動させて警報音を発生する方式であるため変換効
率が悪く小さな警報音しか得られないという欠点があ
る。そのため駆動回路に昇圧コイルを用いて圧電ブザー
素子に印加する電圧を昇圧して圧電セラミックスの振動
エネルギーを増大させ音圧を高める方法が採用されてい
るが、昇圧コイルはコストが高く、その上回路の消費電
力が大きくなり、昇圧コイルにより発生する高調波成分
のためにICを用いた内部回路に雑音が発生したり、音響
がかたくなって耳ざわりの悪い音になるなどの問題があ
る。
そこで上記問題点を解決する方法として、たとえば特
開昭61−13800号公報で提案されているように、圧電ブ
ザー素子により発生した振動を空洞共振現象を利用して
増幅し警報音を高める方式がある。
開昭61−13800号公報で提案されているように、圧電ブ
ザー素子により発生した振動を空洞共振現象を利用して
増幅し警報音を高める方式がある。
しかし上記ブザー構造を直接防水型電子体温計に適用
しようとすると、洗浄時に放音孔から共振室内に水が侵
入してしまい充分な放音特性が得られないという問題が
ある。
しようとすると、洗浄時に放音孔から共振室内に水が侵
入してしまい充分な放音特性が得られないという問題が
ある。
(発明の目的および構成) 本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、音響
特性がすぐれた空洞共振型圧電ブザー素子を用い昇圧コ
イルを用いることなく少ない消費電力で放音性を向上さ
せ且つ防水性の得られる防水型電子体温計を提供するこ
とを目的とする。この目的を達成するために、本発明に
おいては、体温計ケース本体の一部に形成した凹部に圧
電ブザー素子を気密的に固定するとともに空洞共振室を
形成し、この空洞共振室と体温計ケースの外部とを直径
が0.5〜1.7mmの放音孔で連通させたものである。
特性がすぐれた空洞共振型圧電ブザー素子を用い昇圧コ
イルを用いることなく少ない消費電力で放音性を向上さ
せ且つ防水性の得られる防水型電子体温計を提供するこ
とを目的とする。この目的を達成するために、本発明に
おいては、体温計ケース本体の一部に形成した凹部に圧
電ブザー素子を気密的に固定するとともに空洞共振室を
形成し、この空洞共振室と体温計ケースの外部とを直径
が0.5〜1.7mmの放音孔で連通させたものである。
(実施例) 以下本発明を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明による電子型体温計の一実施例の外観
を示しており、(イ)は電子体温計の表面、(ロ)は裏
面である。
を示しており、(イ)は電子体温計の表面、(ロ)は裏
面である。
体温計1は内部が中空の先細となった樹脂ケース本体
11の先端にセンサキャップ12を接着剤で固定し、後端に
はやはり樹脂製の蓋13を裏面でねじ2で固定して構成さ
れている。体温計1の表面には第1図(イ)に示すよう
に体温をデジタル表示するための窓11aが形成されると
ともに電源スイッチの位置を示すマーク11bが張り付け
られている。一方、体温計1の裏面中央には開口が形成
されていて、この開口には第1図(ロ)に示すように内
側に圧電ブザーユニットが設けられているブザーハウジ
ング14が気密的に嵌合されている。このブザーハウジン
グ14の中央よりやや前よりの位置に、本発明において重
要な放音孔14aが形成されている。
11の先端にセンサキャップ12を接着剤で固定し、後端に
はやはり樹脂製の蓋13を裏面でねじ2で固定して構成さ
れている。体温計1の表面には第1図(イ)に示すよう
に体温をデジタル表示するための窓11aが形成されると
ともに電源スイッチの位置を示すマーク11bが張り付け
られている。一方、体温計1の裏面中央には開口が形成
されていて、この開口には第1図(ロ)に示すように内
側に圧電ブザーユニットが設けられているブザーハウジ
ング14が気密的に嵌合されている。このブザーハウジン
グ14の中央よりやや前よりの位置に、本発明において重
要な放音孔14aが形成されている。
以上が電子体温計の外観であり、次に第2図を用いて
内部構造を説明する。
内部構造を説明する。
第2図は電子体温計の内部構造を示すための第1図
(イ)のA−A断面図である。
(イ)のA−A断面図である。
樹脂製のケース本体11は一体成形した先細の中空ケー
スで、上壁20と側壁は比較的肉薄であり、下壁21は比較
的肉厚である。肉薄の上壁20には体温表示窓11aが形成
されており、その上に透明な風防フィルム22が接着剤ま
たは熱圧着により張り付けられている。肉厚の下壁21に
は開口21aが形成されており、この開口21aには、放音孔
14aと共振室23と圧電ブザー素子24とにより構成される
圧電ブザーユニットが設けられたブザーハウジング14が
気密的に嵌合されている。ケース本体11内の空間には樹
脂製のモジュール枠25が挿入されており、このモジュー
ル枠25の下面にはかなりの部分にわたって回路基板26が
固定され、この回路基板26上の比較的前方の位置には測
定した体温に基づいて体温表示信号を出力するとともに
警報音を発生するための警報信号を出力する電子回路ユ
ニット27が形成され、その上方には体温をデジタル表示
する液晶表示ユニット28が固定されている。この液晶表
示ユニット28はモジュール枠25の前部に形成した開口25
aに対向する位置に設けられている。電子回路ユニット2
7および液晶表示ユニット28は従来の電子体温計に用い
られているものと同じである。
スで、上壁20と側壁は比較的肉薄であり、下壁21は比較
的肉厚である。肉薄の上壁20には体温表示窓11aが形成
されており、その上に透明な風防フィルム22が接着剤ま
たは熱圧着により張り付けられている。肉厚の下壁21に
は開口21aが形成されており、この開口21aには、放音孔
14aと共振室23と圧電ブザー素子24とにより構成される
圧電ブザーユニットが設けられたブザーハウジング14が
気密的に嵌合されている。ケース本体11内の空間には樹
脂製のモジュール枠25が挿入されており、このモジュー
ル枠25の下面にはかなりの部分にわたって回路基板26が
固定され、この回路基板26上の比較的前方の位置には測
定した体温に基づいて体温表示信号を出力するとともに
警報音を発生するための警報信号を出力する電子回路ユ
ニット27が形成され、その上方には体温をデジタル表示
する液晶表示ユニット28が固定されている。この液晶表
示ユニット28はモジュール枠25の前部に形成した開口25
aに対向する位置に設けられている。電子回路ユニット2
7および液晶表示ユニット28は従来の電子体温計に用い
られているものと同じである。
モジュール枠25のほぼ中央でケース本体11の上面に張
り付けられたマーク11bの位置には、下端に導電ゴム片2
9aを取り付けたゴム製の電源スイッチ29がモジュール枠
25を貫通して設けられている。さらに、モジュール枠25
の後部には凹部25bが形成されていて、この凹部25bに電
源としての電池30が収納されている。電池30はリード片
31を介して回路基板26上の配線パターンに電気的に接続
されている。
り付けられたマーク11bの位置には、下端に導電ゴム片2
9aを取り付けたゴム製の電源スイッチ29がモジュール枠
25を貫通して設けられている。さらに、モジュール枠25
の後部には凹部25bが形成されていて、この凹部25bに電
源としての電池30が収納されている。電池30はリード片
31を介して回路基板26上の配線パターンに電気的に接続
されている。
ケース本体11は先端に向って先細となっており、その
先端には感温素子としてのサーミスタ32が熱伝導性のよ
い接着剤33に埋め込まれ、表面は熱伝導性のよいアルミ
ニウムまたはステンレスなどの金属材料から成るセンサ
キャップ12で包まれている。サーミスタ32と回路基板26
とは細い2本のリード線34で接続されている。
先端には感温素子としてのサーミスタ32が熱伝導性のよ
い接着剤33に埋め込まれ、表面は熱伝導性のよいアルミ
ニウムまたはステンレスなどの金属材料から成るセンサ
キャップ12で包まれている。サーミスタ32と回路基板26
とは細い2本のリード線34で接続されている。
電子体温計の後端にはケース本体11に対してOリング
35を介して樹脂製の蓋13がねじ2により気密的に固定さ
れている。
35を介して樹脂製の蓋13がねじ2により気密的に固定さ
れている。
次に、本発明による電子体温計の警報音発生機構であ
る圧電ブザーユニットについて第3図により詳細に説明
する。
る圧電ブザーユニットについて第3図により詳細に説明
する。
第3図(イ)は圧電ブザーユニットの表面図、(ロ)
は(イ)のB−B断面図である。
は(イ)のB−B断面図である。
ブザーハウジング14の上面には円形の二側面を切欠い
た形状の凹部が形成されており、この凹部を覆うように
やはり円形の二側面を切欠いた形状の金属性振動板36を
その周縁で凹部の周縁に気密的に接着して共振室23を形
成している。振動板36の上には圧電セラミックス37が接
着されており、振動板36と圧電セラミックス37とで圧電
ブザー素子24を構成している。円形共振室23のほぼ中央
には放音孔14aが貫通して形成されており、この放音孔1
4aの周縁には肉厚部38が形成されている。ブザーハウジ
ング14の上面で振動板36から外れた位置に1対の接点ば
ね39,40が設けられ、一方の接点ばね39の一端は振動板3
6に弾性的に接触し、他方の接点ばね40の一端は圧電セ
ラミックス37に弾性的に接触している。これらの接点ば
ね39,40の他端は電子回路ユニット27に接続されてい
る。
た形状の凹部が形成されており、この凹部を覆うように
やはり円形の二側面を切欠いた形状の金属性振動板36を
その周縁で凹部の周縁に気密的に接着して共振室23を形
成している。振動板36の上には圧電セラミックス37が接
着されており、振動板36と圧電セラミックス37とで圧電
ブザー素子24を構成している。円形共振室23のほぼ中央
には放音孔14aが貫通して形成されており、この放音孔1
4aの周縁には肉厚部38が形成されている。ブザーハウジ
ング14の上面で振動板36から外れた位置に1対の接点ば
ね39,40が設けられ、一方の接点ばね39の一端は振動板3
6に弾性的に接触し、他方の接点ばね40の一端は圧電セ
ラミックス37に弾性的に接触している。これらの接点ば
ね39,40の他端は電子回路ユニット27に接続されてい
る。
第4図は電子体温計の電子回路をブロック線図で示し
たものであり、ここでこの図を参照して電子体温計の電
気的な動作を概略的に説明する。
たものであり、ここでこの図を参照して電子体温計の電
気的な動作を概略的に説明する。
温度センサ41は体温計の前端に埋め込んだサーミスタ
(第2図に32で示す)で構成されており、体温計の前端
の感温部を人体の検温部位(たとえば脇下)に当てる
と、サーミスタ32の抵抗値が体温に応じて変化し、電子
回路42に温度信号として入力する。この電子回路42は第
2図に示した電子回路ユニット27に相当し、この回路42
にはICが組み込まれていて、入力した温度信号に相当す
る体温表示信号を出力するとともに温度信号の変化割合
を演算する。液晶表示ユニット43は電子回路42からの体
温表示信号に基づいて体温をデジタル値で表示する。
(第2図に32で示す)で構成されており、体温計の前端
の感温部を人体の検温部位(たとえば脇下)に当てる
と、サーミスタ32の抵抗値が体温に応じて変化し、電子
回路42に温度信号として入力する。この電子回路42は第
2図に示した電子回路ユニット27に相当し、この回路42
にはICが組み込まれていて、入力した温度信号に相当す
る体温表示信号を出力するとともに温度信号の変化割合
を演算する。液晶表示ユニット43は電子回路42からの体
温表示信号に基づいて体温をデジタル値で表示する。
一方電子回路42では演算した温度変化の割合を所定値
(たとえば、0.1℃/10sec)と比較しており、その所定
値以下に低下したとき警報信号を出力する。ブザー駆動
回路44は警報信号が入力している間所定周波数の信号を
発信し、圧電ブザーユニット45の圧電ブザー素子(第2
図に24で示す)に印加して素子を駆動し、警報音を発生
する。
(たとえば、0.1℃/10sec)と比較しており、その所定
値以下に低下したとき警報信号を出力する。ブザー駆動
回路44は警報信号が入力している間所定周波数の信号を
発信し、圧電ブザーユニット45の圧電ブザー素子(第2
図に24で示す)に印加して素子を駆動し、警報音を発生
する。
さて、本発明者らは圧電ブザーユニットのブザーハウ
ジング14に形成する放音孔14aの径をいろいろ変えて圧
電ブザーの音響特性を測定したところ第5図に示すよう
な結果が得られた。
ジング14に形成する放音孔14aの径をいろいろ変えて圧
電ブザーの音響特性を測定したところ第5図に示すよう
な結果が得られた。
第5図は放音孔14aの径を0.3mm,0.5mm,1.0mm,1.5mm,
2.0mm,2.5mmとしたときの圧電ブザー素子に印加する駆
動電圧の周波数に対して得られる圧電ブザー音の音圧の
変化を示している。放音孔の各径に対する音響特性にお
いて2つのピークが現われ、周波数の高い方に現われる
ピークAは圧電ブザー素子24の振動板36の共振周波数f
BOであり、周波数の低い方に現われるピークB1,B2,…B6
は共振室23の空洞共振周波数fCである。
2.0mm,2.5mmとしたときの圧電ブザー素子に印加する駆
動電圧の周波数に対して得られる圧電ブザー音の音圧の
変化を示している。放音孔の各径に対する音響特性にお
いて2つのピークが現われ、周波数の高い方に現われる
ピークAは圧電ブザー素子24の振動板36の共振周波数f
BOであり、周波数の低い方に現われるピークB1,B2,…B6
は共振室23の空洞共振周波数fCである。
次に、本発明に適用される空洞共振型圧電ブザーの共
振特性について説明する。
振特性について説明する。
圧電ブザーの発音効率を上げるためには、空気との音
響インピーダンスを整合させることが必要である。つま
り圧電ブザー素子をケースに収納して支持するととも
に、そのケースに適当な大きさの空洞や透孔を設けて共
鳴器を構成することにより音圧を向上させる方法であ
る。
響インピーダンスを整合させることが必要である。つま
り圧電ブザー素子をケースに収納して支持するととも
に、そのケースに適当な大きさの空洞や透孔を設けて共
鳴器を構成することにより音圧を向上させる方法であ
る。
一般に空洞の容量はスティフネスとして、パイプ状の
透孔は質量として表現され、これは空気回路のコンデン
サ、コイルに相当し、この組み合わせによって音響共鳴
効果が現われる。第6図に示すような構造の共鳴器の場
合は、共振周波数は次式によって近似される。
透孔は質量として表現され、これは空気回路のコンデン
サ、コイルに相当し、この組み合わせによって音響共鳴
効果が現われる。第6図に示すような構造の共鳴器の場
合は、共振周波数は次式によって近似される。
S1:透孔の断面積 S2:空洞の断面積 C:音速(344m/sec 24℃) 上式からわかるように、透孔(放音孔)の径が小さく
なるほど共振周波数が低くなるが、このことは第5図か
らもわかるとおりである。本発明のような周辺固定のブ
ザー構造においては、第5図に示すごとく、振動板の共
振周波数に対して空洞共振周波数を低く設定することに
より広帯域化および音圧周波数特性の平坦化を図るため
には、空洞共振室の断面積S2をできるだけ大きくする
か、放音孔の長さl1をできるだけ大きくすることが有利
である。しかし、本発明のような小型の電子体温計にお
いては、空洞断面積S2を大きくすることはできないた
め、放音孔の長さl1を大きくするのが好ましい。すなわ
ち、第3図(ロ)に示すように、放音孔14aの周縁に設
けられた肉厚部38は放音孔14の長さl1を大きくするため
の構造であり、空洞共振質23の内側に突出させることに
よってケース本体14の外面を平坦に保ちながら放音孔14
の長さを長くしている。
なるほど共振周波数が低くなるが、このことは第5図か
らもわかるとおりである。本発明のような周辺固定のブ
ザー構造においては、第5図に示すごとく、振動板の共
振周波数に対して空洞共振周波数を低く設定することに
より広帯域化および音圧周波数特性の平坦化を図るため
には、空洞共振室の断面積S2をできるだけ大きくする
か、放音孔の長さl1をできるだけ大きくすることが有利
である。しかし、本発明のような小型の電子体温計にお
いては、空洞断面積S2を大きくすることはできないた
め、放音孔の長さl1を大きくするのが好ましい。すなわ
ち、第3図(ロ)に示すように、放音孔14aの周縁に設
けられた肉厚部38は放音孔14の長さl1を大きくするため
の構造であり、空洞共振質23の内側に突出させることに
よってケース本体14の外面を平坦に保ちながら放音孔14
の長さを長くしている。
次に、本発明において放音孔の径を0.5mm〜1.7mmに定
めた根拠について説明する。
めた根拠について説明する。
第5図において、まず圧電ブザーの警報音としての音
響特性が得られる駆動周波数範囲をfBZ(3KHZ〜5KHZ)
とし、また、人の耳に聞こえるブザー機能として役に立
つ最低音圧レベルL0を60dBとすると、ブザーとして使用
可能な音響特性範囲は周波数fBZの範囲で且つ音圧レベ
ルL0以上の領域である。この使用範囲を考慮すると、放
音孔の径は0.5mm以上であればよいことがわかる。
響特性が得られる駆動周波数範囲をfBZ(3KHZ〜5KHZ)
とし、また、人の耳に聞こえるブザー機能として役に立
つ最低音圧レベルL0を60dBとすると、ブザーとして使用
可能な音響特性範囲は周波数fBZの範囲で且つ音圧レベ
ルL0以上の領域である。この使用範囲を考慮すると、放
音孔の径は0.5mm以上であればよいことがわかる。
一方、本発明による電子体温計は完全防水機能を有し
なければならない。
なければならない。
第2図において、体温計を構成する部品間は黒い太線
で示すように接着剤で気密に接着されているため、体温
計内部と外部が連通するのは放音孔14aのみである。そ
こで本発明者らはこの放音孔14aの大きさとこの放音孔1
4aからの水の侵入との関係を調べるために次の防水実験
を行った。
で示すように接着剤で気密に接着されているため、体温
計内部と外部が連通するのは放音孔14aのみである。そ
こで本発明者らはこの放音孔14aの大きさとこの放音孔1
4aからの水の侵入との関係を調べるために次の防水実験
を行った。
実験は放音孔14aからの水の侵入の有無と共振室23へ
の水の侵入による警報音の音圧レベルの低下の両面から
行った。
の水の侵入による警報音の音圧レベルの低下の両面から
行った。
まず放音孔の直径を1.0mm,1.5mm,2.0mmの3種類とし
た体温計を水中に浸漬させたところ、直径が1.0mmと1.5
mmの体温計については共振室に水が侵入しなかったが、
直径が2.0mmの体温計については共振室に水が入り警報
音の音圧レベルが低下することが確認された。
た体温計を水中に浸漬させたところ、直径が1.0mmと1.5
mmの体温計については共振室に水が侵入しなかったが、
直径が2.0mmの体温計については共振室に水が入り警報
音の音圧レベルが低下することが確認された。
そこで次に、水の侵入の可能性がある直径を1.5mmか
ら2.0mmまでに絞り、次の6種類の直径の放音孔を有す
る体温計を製作し、12時間水中に浸漬させたところ次の
ような結果が得られた。
ら2.0mmまでに絞り、次の6種類の直径の放音孔を有す
る体温計を製作し、12時間水中に浸漬させたところ次の
ような結果が得られた。
以上の結果から、放音孔の直径は1.7mm以下であれば
防水上問題がないことが判明した。上記のように、放音
孔の直径を0.5mm〜1.7mmにすることにより充分な音響特
性が得られるとともに防水機能を満足したブザー構造が
提供できた。
防水上問題がないことが判明した。上記のように、放音
孔の直径を0.5mm〜1.7mmにすることにより充分な音響特
性が得られるとともに防水機能を満足したブザー構造が
提供できた。
第7図、第8図、第9図は圧電ブザーユニットの他の
実施例を示しており、これらの図において、第2図と同
じ参照数字は同じ構成部分を示す。
実施例を示しており、これらの図において、第2図と同
じ参照数字は同じ構成部分を示す。
第7図の実施例は第2図の実施例と異なり、ケース本
体11の下壁21に開口21aを形成する代りに凹部21bを形成
し、この凹部21bの途中に形成した段部21cに振動板36の
圧電セラミック37とから成る圧電ブザー素子24を固定
し、振動板36の下に共振室23を形成し、この共振室23の
中央に外部と連通する放音孔14aを形成したものであ
る。このようにすれば第2図の実施例で用いたブザーハ
ウジング14のような部品が不要となり、この部分での水
の侵入のおそれがないという利点がある。
体11の下壁21に開口21aを形成する代りに凹部21bを形成
し、この凹部21bの途中に形成した段部21cに振動板36の
圧電セラミック37とから成る圧電ブザー素子24を固定
し、振動板36の下に共振室23を形成し、この共振室23の
中央に外部と連通する放音孔14aを形成したものであ
る。このようにすれば第2図の実施例で用いたブザーハ
ウジング14のような部品が不要となり、この部分での水
の侵入のおそれがないという利点がある。
次に第8図の実施例は体温計のケース本体11の下壁21
に設けた開口21a内に第6図と同様の圧電ブザー部品を
配置し開口21aの底面を円形またはほぼ円形の共振室カ
バー50で気密的に塞いだものである。
に設けた開口21a内に第6図と同様の圧電ブザー部品を
配置し開口21aの底面を円形またはほぼ円形の共振室カ
バー50で気密的に塞いだものである。
第9図の実施例は第8図の実施例と類似しており、異
なる点はケース本体11の下壁21に設けた開口21aが外側
に向って拡開しており、それにより段部21cが外側に向
って形成されている点と共振室カバー50の形状である。
このようにすれば、圧電ブザー素子24をケース本体の外
側から段部21cに容易に接着できるので製作が容易にな
る。また、共振室カバー50をこのような形状にすれば、
圧電ブザー素子24を段部21cに接着したとき接着部に流
れ出る余分な接着剤を利用して共振室カバー50が接着で
きるという利点もある。
なる点はケース本体11の下壁21に設けた開口21aが外側
に向って拡開しており、それにより段部21cが外側に向
って形成されている点と共振室カバー50の形状である。
このようにすれば、圧電ブザー素子24をケース本体の外
側から段部21cに容易に接着できるので製作が容易にな
る。また、共振室カバー50をこのような形状にすれば、
圧電ブザー素子24を段部21cに接着したとき接着部に流
れ出る余分な接着剤を利用して共振室カバー50が接着で
きるという利点もある。
上記実施例では放音孔はすべて円形として説明した
が、本発明では円形に限らず直径が0.5〜1.7mmの円形に
相当する面積の楕円または正方形のような他の形状の放
音孔でもよいことはもちろんである。
が、本発明では円形に限らず直径が0.5〜1.7mmの円形に
相当する面積の楕円または正方形のような他の形状の放
音孔でもよいことはもちろんである。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば、体温計ケース
本体の一部に形成した凹部に圧電ブザー素子を気密的に
固定するとともに空洞共振室を形成し、この空洞共振室
と体温計ケースの外部とを直径が0.5〜1.7mmの放音孔で
連通させたので、外部から空洞共振室への水の侵入を防
止する防水機能を有するとともに圧電ブザー素子により
発生される警報音の放音性が向上する。このため、従来
の電子体温計のように、放音性を向上させるため圧電ブ
ザー駆動回路に昇圧用コイルを用いる必要がなくなり、
コスト的にも消費電力の点からも有利になる。また昇圧
コイルにより発生する雑音の問題も解消される。
本体の一部に形成した凹部に圧電ブザー素子を気密的に
固定するとともに空洞共振室を形成し、この空洞共振室
と体温計ケースの外部とを直径が0.5〜1.7mmの放音孔で
連通させたので、外部から空洞共振室への水の侵入を防
止する防水機能を有するとともに圧電ブザー素子により
発生される警報音の放音性が向上する。このため、従来
の電子体温計のように、放音性を向上させるため圧電ブ
ザー駆動回路に昇圧用コイルを用いる必要がなくなり、
コスト的にも消費電力の点からも有利になる。また昇圧
コイルにより発生する雑音の問題も解消される。
第1図(イ)は本発明による電子体温計の一実施例の表
面、(ロ)は同電子体温計の裏面、第2図は第1図に示
した実施例の内部構造を示す第1図(イ)のA−A断面
図、第3図(イ)は第2図に示した電子体温計の圧電ブ
ザーユニットの平面図、(ロ)は同圧電ブザーユニット
のB−B断面図、第4図は電子体温計の電気回路のブロ
ック線図、第5図は本発明による電子体温計の圧電ブザ
ーユニットの音響特性図、第6図は圧電ブザー素子を収
納するケースの音響特性を説明するための共鳴器の概略
図、第7図、第8図、第9図は本発明による電子体温計
の圧電ブザーユニットの他の実施例の部分断面図であ
る。 1……電子体温計、11……ケース本体、12……センサキ
ャップ、13……蓋、14……ブザーハウジング、14a……
放音孔、20……ケース上壁、21……ケース下壁、23……
共振室、24……圧電ブザー素子、25……モジュール枠、
26……回路基板、27……電子回路ユニット、28……液晶
表示ユニット、29……電源スイッチ、30……電池、32…
…サーミスタ、36……振動板、37……圧電サラミック
ス、50……共振室カバー
面、(ロ)は同電子体温計の裏面、第2図は第1図に示
した実施例の内部構造を示す第1図(イ)のA−A断面
図、第3図(イ)は第2図に示した電子体温計の圧電ブ
ザーユニットの平面図、(ロ)は同圧電ブザーユニット
のB−B断面図、第4図は電子体温計の電気回路のブロ
ック線図、第5図は本発明による電子体温計の圧電ブザ
ーユニットの音響特性図、第6図は圧電ブザー素子を収
納するケースの音響特性を説明するための共鳴器の概略
図、第7図、第8図、第9図は本発明による電子体温計
の圧電ブザーユニットの他の実施例の部分断面図であ
る。 1……電子体温計、11……ケース本体、12……センサキ
ャップ、13……蓋、14……ブザーハウジング、14a……
放音孔、20……ケース上壁、21……ケース下壁、23……
共振室、24……圧電ブザー素子、25……モジュール枠、
26……回路基板、27……電子回路ユニット、28……液晶
表示ユニット、29……電源スイッチ、30……電池、32…
…サーミスタ、36……振動板、37……圧電サラミック
ス、50……共振室カバー
Claims (2)
- 【請求項1】感温センサと、圧電ブザーユニットと、体
温測定回路と、体温表示ユニットと、電池とを同一の体
温計ケース内に気密的に収納して成る防水型電子体温計
において、前記圧電ブザーユニットが、圧電素子を固定
した振動板と、該振動板を前記体温計ケースの一部に形
成された凹部に気密的に固定することにより形成された
空洞共振室と、該空洞共振室と体温計ケース外部とを連
通する直径が0.5〜1.7mmの円形またはそれに相当する面
積を有する形状の1つの放音孔とを有することを特徴と
する防水型電子体温計。 - 【請求項2】前記圧電ブザーユニットの駆動信号周波数
が3KHz〜5KHzである特許請求の範囲第1項に記載の防水
型電子体温計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62173955A JP2539224B2 (ja) | 1987-07-14 | 1987-07-14 | 防水型電子体温計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62173955A JP2539224B2 (ja) | 1987-07-14 | 1987-07-14 | 防水型電子体温計 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6418031A JPS6418031A (en) | 1989-01-20 |
JP2539224B2 true JP2539224B2 (ja) | 1996-10-02 |
Family
ID=15970150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62173955A Expired - Fee Related JP2539224B2 (ja) | 1987-07-14 | 1987-07-14 | 防水型電子体温計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2539224B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1371959A2 (en) | 2002-06-13 | 2003-12-17 | Omron Corporation | Electronic clinical thermometer |
JP2007309786A (ja) * | 2006-05-18 | 2007-11-29 | Omron Healthcare Co Ltd | 電子体温計 |
WO2021182289A1 (ja) * | 2020-03-11 | 2021-09-16 | オムロンヘルスケア株式会社 | 生体情報測定装置および血圧計 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100390513C (zh) * | 2003-05-06 | 2008-05-28 | 陈三莲 | 带鸣音的电子体温计 |
EP1669731A4 (en) * | 2003-09-30 | 2006-09-20 | Citizen Watch Co Ltd | CLINICAL THERMOMETER |
JP5497494B2 (ja) * | 2010-03-11 | 2014-05-21 | テルモ株式会社 | 電子体温計 |
-
1987
- 1987-07-14 JP JP62173955A patent/JP2539224B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1371959A2 (en) | 2002-06-13 | 2003-12-17 | Omron Corporation | Electronic clinical thermometer |
JP2007309786A (ja) * | 2006-05-18 | 2007-11-29 | Omron Healthcare Co Ltd | 電子体温計 |
WO2021182289A1 (ja) * | 2020-03-11 | 2021-09-16 | オムロンヘルスケア株式会社 | 生体情報測定装置および血圧計 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6418031A (en) | 1989-01-20 |
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