JP2539075C - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、磁気ヘッドにより記憶媒体への情報の記録及び再生を行う磁気記録
再生装置に関する。 （従来の技術） 磁気テープや磁気ディスク等を記憶媒体とする磁気記録再生装置では、記憶媒
体への記録および再生を磁気ヘッドにより行っている。この磁気ヘッドが取り付
けられたスライダ（ヘッドスライダ）の支持機構は、記憶媒体面上の記録トラッ
クをシークする際、シーク方向に高い剛性を持ち、また、ヘッドスライダと記憶
媒体面との間に生ずる摩擦力や粘性流体力に対して十分な強度を持つことが要求 される。そして同時に、ヘッドスライダが記憶媒体面に接触、もしくは微小間隔
をおいて追従できるようにヘッドスライダのローリング（記憶媒体の走行方向に
平行な軸に関する回転運動）とピッチング（記憶媒体の走行方向に直交し、かつ
記憶媒体面に平行な軸に関する回転運動）を許容し得る適度の柔軟性を持つこと
が要求される。 このような要求に応えるため、従来から第１図に例示するようなヘッドスライ
ダ支持機構が使用されている。 同図において、荷重用ビーム１は先端部が先細となり、その両縁には補強用の
フランジ２が設けられており、その他端側には弾性部３を介して、キャリッジ固
定部４が連設されている。 取付部材５は低可撓性材料からなり、その右半部にはヘッドスライダ取付部６
を挾むようにして１対の片持梁部７が設けられている。また、ヘッドスライダ取
付部６の中央部には荷重付加用突起部８が形成されている。なお、取付部材５の
左半部は荷重用ビーム固定用の基部９を形成している。ヘッドスライダ１０は、
取付部材５のヘッドスライダ取付部６に取り付けられ、また、取付部材５はその
基部９を荷重用ビーム１の先端部近傍に取り付けられる。矢印１１は記憶媒体の
走行方向を示す。 しかし、この機構ではヘッドスライダへの荷重が小さい場合、荷重用ビーム１
を支える弾性部３はバネ部長さ１を長くし、幅ｂを小さくし板厚ｈを薄くしてい
く必要がある。 このためシーク方向の剛性が低下し、ヘッドスライダと記憶媒体面との間に生
ずる摩擦力や粘性流体力に対して十分な強度を得られなくなる。さらには、軽荷
重を発生させる弾性部の製作も困難となる。 （発明が解決しようとする課題） 以上のように従来の磁気記録再生装置に用いられるヘッドスライダ支持機構で
は、ヘッドスライダの荷重が小さい場合を考慮して弾性部を設計すると、ヘッド
スライダのシーク方向の剛性が低下し、ヘッドスライダと記憶媒体面との間に生
ずる摩擦力や粘性流体力に対して十分な強度を得られなくなる。この発明は、上
記欠点を解決するためになされたもので、ヘッドスライダの負荷荷重が小さい場 合でも、シーク方向の剛性を高く保ち、ヘッドスライダと記憶媒体面との間に生
ずる摩擦力および粘性流体力に対しても十分な強度を持つヘッドスライダ支持機
構を有する磁気記録再生装置を提供するものである。 ［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するるために本発明においては、記憶媒体への情報の記録お
よび再生を行う磁気ヘッドと、この磁気ヘッドが取り付けられるヘッドスライダ
と、このヘッドスライダが取り付けられる取付部材と、この取付部材を一端に接
続する荷重用ビームと、この荷重用ビームの他端に接続され、該荷重用ビームを
介して前記ヘッドスライダに荷重を負荷するため該荷重用ビームよりも低剛性に
構成された弾性部と、この弾性部を支持するとともに、前記記憶媒体上で前記磁
気ヘッドを移動させるために設けられるキャリッジアームとを有し、前記弾性部
は、前記荷重用ビームと接続される部分近傍の少なくとも一部に曲部を有する孔
により複数に分離されていることを特徴とする磁気記録再生装置を提供する。 （作用） 軽荷重の場合、単一のバネ部のままではバネ部の長さを長くし、幅をせまくし
、板厚を薄くする必要があった。これに対して、上記した本発明の構成によれば
、ヘッドスライダへの負荷荷重を小さくすることができるとともに、ヘッドスラ
イダ支持機構のシーク方向の剛性を高く保つことができる。このため、ヘッドス
ライダと記憶媒体との間に生ずる摩擦力及び粘性流体力に対しても十分な強度を
持たせることができる。 また、弾性部の荷重用ビームと接続される部分近傍の少なくとも一部に曲部を
有する孔を設けることにより、その部分の応力集中の影響を緩和するこてができ
る。 （実施例） 以下、図面を参照してこの発明を詳細に説明する。第２図はこの発明に係る磁
気記録再生装置に用いられるヘッドスライダ支持機構の一実施例を示す。荷重用
ビーム１３は一端に一対の片持梁２０、ヘッドスライダ２２、およびヘッドスラ
イダ取付部２１を有し、他端に弾性部１５が形成されている。また、弾性部１５ はキャリッジ固定部１６を介してキャリッジアーム１７に連接されている。 ここで、弾性部１５は荷重用ビーム１３と一体的に形成されているが、実質的
なバネ作用部としての機能は、フランジ１４により分離されている。即ち、フラ
ンジ１４を設けることにより、荷重用ビーム１３の剛性を高め、ヘッドスライダ
をシークする際の無用の振動を防止し、磁気ヘッドの位置決め精度並びに応答特
性を向上させることが可能となる。弾性部１５は、図中の２３の部分が孔となっ
ているため、この部分がある単一の板バネに比べバネ定数が弱くなる。従ってバ
ネ定数を一定とした場合バネ部長さを短くすることができ、シーク方向および走
行方向の剛性を高めることができる。また、スライダ取付部およびこれを支える
一対の片持梁は低可撓性材料からなり、走行する記憶媒体面の動きに応じてピッ
チングおよびローリング運動を行うことができる。 特に走行方向に対する板バネの剛性は、荷重用ヘッドビーム１３のヘッドスラ
イダ２２等を有する一端と、弾性部１５を有する他端とを結んだ長手方向に関す
る中心軸回りの弾性部１５のモーメント分布によって決定される。本発明の磁気
記録再生装置に用いられるヘッド支持機構であると、モーメントの作用が最も小
さい弾性部１５のほぼ中央に孔２３を設け、弾性部を分離させているので、全体
の剛性にほとんど影響を与えない。モーメントが大きく作用する弾性部１５の端
部付近が残されていれば従来とほぼ同様の剛性を得ることができる。 また、上記した孔２３は、弾性部１５の荷重用ビーム１３と接続される部分近
傍の少なくとも一部に曲部を有するような形状とすることが望ましい。かかる形
状によれば、その部分の応力集中の影響を緩和することができ、弾性部１５の無
用な変形を防止することが可能となる。 第３図は、弾性部１５と荷重用ビーム１３の間に高剛性のハリ部材２８を固着
した場合の本発明に関する参考例である。 （発明の効果） 以上述べたように本発明の磁気記録再生装置に用いられるヘッドスライダ支持
機構によれば、弾性部の荷重用ビームの幅方向に関してほぼ中央に孔を設けるこ
とにより、荷重が小さくても弾性部のバネ部長さを長くし、幅、厚さを小さくす
る必要がなく、シーク方向の剛性を高く保つことができる。このため、ヘッドス ライダと記憶媒体面との間に生ずる摩擦力および粘性流体力に対しても十分な強
度を持つことができる。 また、弾性部の荷重用ビームと接続される部分近傍の少なくとも一部に曲部を
有する孔を設けることにより、その部分の応力集中を緩和することができ、弾性
部の無用な変形を防止することが可能となる。

【図面の簡単な説明】 第１図は従来の磁気記録再生装置に用いられるヘッドスライダ支持機構を示す
もので、同図（ａ）は平面図、同図（ｂ）は取付部材とヘッドスライダとの取付
状態を示す平面図、第２図はこの発明に係る磁気記録再生装置に用いられるヘッ
ドスライダ支持機構の一例を示す平面図、第３図はこの発明に関する参考例を示
す平面図である。 １，１３…荷重用ビーム ２，１４…フランジ ３，１５…弾性部 ４，１６…キャリッジ固定部 ５，１９…取付部材 ６，２１…ヘッドスライダ取付部 ７，２０…片持梁 ８…荷重付加用突起 ９…基部 １０，２２…ヘッドスライダ １１，２９…走行方向 １７…キャリッジアーム １８…ねじ ２３…孔 ２８…ハリ部材

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 (1) 記憶媒体への情報の記録および再生を行う磁気ヘッドと、この磁気ヘッド
   が取り付けられるヘッドスライダと、このヘッドスライダが取り付けられる取付
   部材と、この取付部材を一端に接続する荷重用ビームと、この荷重用ビームの他
   端に接続され、該荷重用ビームを介して前記ヘッドスライダに荷重を負荷するた
   め該荷重用ビームよりも低剛性に構成された弾性部と、この弾性部を支持すると
   ともに、前記記憶媒体上で前記磁気ヘッドを移動させるために設けられるキャリ
   ッジアームとを有し、前記弾性部は、前記荷重用ビームと接続される部分近傍の
   少なくとも一部に曲部を有する孔により複数に分離されていることを特徴とする
   磁気記録再生装置。 (2) 前記孔は、前記荷重用ビームの前記一端と前記他端とを結ぶ長手方向と略
   垂直な方向に関してほぼ中央に設けられていることを特徴とする請求項１記載の
   磁気記録再生装置。 (3) 前記荷重用ビームと前記弾性部とは、一体的に形成されていることを特徴
   とする請求項１または請求項２のいずれかに記載の磁気記録再生装置。