JP2538415B2 - 冷凍ケ―ス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は冷気通路の背部区域に配置された冷却器の前
部に補助通路を形成した冷凍ケースに関する。

（ロ）従来の技術 特公昭59−8746号公報（F25D 17/08）の冷蔵ショーケ
ースには、前面開口な断熱壁にて本体を構成し、前記断
熱壁内面より適当間隔を存して区画板を配設して冷気通
路と貯蔵室とを形成し、前面開口に強制循環冷気流によ
るエアーカーテンを形成してなる冷蔵ショーケースにお
いて、冷気通路の背部に冷却器、この冷却器の前面に位
置し区画板との間に冷却器からの冷気流の一部を貯蔵室
の下部に導く上面開口な補助通路を形成する熱良導性の
仕切板、冷却器の上部に位置するよう送風機を支持し、
上端が断熱壁背壁、下端が仕切板の上端に取付けられて
前下がりに傾斜する支持板を夫々配設した構成がとられ
ている。

（ハ）発明が解決しようとする課題 上記従来の技術では、冷却器で熱交換された冷気の一
部を補助通路を通して貯蔵室下部に供給する訳である
が、かゝる構成を冷凍仕様に採用した場合には、冷気そ
のものの温度がマイナス20度程度である上、区画板の背
壁に形成された吹出孔にて冷気が絞られ、即ち減圧され
る関係上、吹出孔周縁が露点以下の温度となって着霜が
生じ、冷却運転の間、霜が徐々に成長して氷となって吹
出孔を塞ぎ、補助通路を介して冷気通路と貯蔵室とが連
通しなくなるという課題が生じた。

本発明はかゝる課題を解決することを目的とするもの
である。

（ニ）課題を解決するための手段 本発明は上記課題を解決するための手段として、前面
に開口を有した断熱壁にて構成された本体と、前記断熱
壁の内壁より適当間隔を存して区画板を配設して形成さ
れた冷凍通路及び貯蔵室と、前記冷気通路の背部区域に
区画板と間隔を存して配置された冷却器と、該冷却器の
前面において冷却器及び冷却器より上流区域の冷気通路
と冷却器より下流区域の冷気通路とを仕切るための間隔
子と、前記区画板の背壁に間隔子の下端より上方に形成
された吸込穴とを設けた冷凍ケースにおいて、前記間隔
子の下方に冷却器の除霜時に通電される電気ヒータを配
置すると共に、この電気ヒータの前面と前記背壁下部と
の間に上端が前記間隔子に接する金属製のバッフル板を
配置した構成を採用した。

（ホ）作用 上記手段によれば、冷却運転時、冷却器の温度が冷凍
温度で、且つ冷却器からの熱伝導でもって間隔子が冷却
器と略同程度の温度になっている関係上、補助通路内の
温度は貯蔵室の温度よりも低くなっているために、貯蔵
室で湿気を含んだ冷気が補助通路を通過する際、補助通
路の壁面に着霜が生じ、この霜は冷却運転中に成長して
氷となるが、この氷は除霜運転時に通電される電気ヒー
タの輻射熱でもって加熱され温度が上昇する間隔子の熱
でもって解かされることになる。

又電気ヒータの通電時にはバッフル板は区画板の背壁
の極部加熱を緩和する作用をなす。

（ヘ）実施例 以下図面に基づいて本発明の実施例を説明すると、１
は前面に開口６を有する断熱壁４にて形成され前記開口
に開閉自在な透明扉８を複数設けてなる上部の冷凍ケー
ス２と上面に開口７を有する断熱壁５にて形成される下
部の冷凍ケース３と、この上下部両冷凍ケースの両側面
に設けられる側壁９とにより本体を構成してなる低温シ
ョーケースで、前記両ケースは各々の断熱壁4,5内壁よ
り適当間隔を存して区画板10,11を配設して冷却器12,1
3、送風機14,15を設置する冷気通路16,17と貯蔵室18,19
とを形成するとともに、開口6,7両端に対向する吹出口2
0,21と吸込口22,23とを各形成し、各独立した強制循環
冷気流で前記両開口を閉塞するエアーカーテンA1,A2を
夫々形成するとともに、両貯蔵室を冷凍温度に冷却する
ものである。前記両貯蔵室は同じ又は異なった温度管理
を行なってよい。

24は前記貯蔵室18に配置された棚で、前記区画板10の
背壁部10Aに固着された縦方向に細長い左右一対の支柱2
5にて支持されている。26は前記貯蔵室18を左右に仕切
る透明な仕切板で、開扉時における圧力変化が貯蔵室18
の右側から左側、又はその逆に移行しないようにするも
のである。この仕切板26の前端は開口６の中央を左右に
仕切る縦支柱27と間隔を存しており、この間隔を通った
冷気は吸込口22に至ることになる。

28は前記背壁部10Aに沿って縦方向に形成された複数
の吸気穴で、該穴は前記冷気通路16の冷却器12の下流区
域と連通する。29は前記冷却器12と背壁部10Aとの間に
配置された金属製の間隔子で、前記冷却器12と背壁部10
Aとの間に前記吸気穴28の１部と連通する補助通路30を
形成する。前記間隔子29は上壁31に多数の通気穴32を形
成しており、この通気穴32は補助通路30と前記冷気通路
16の冷却器12の下流区域と連通させる。33は前記間隔子
29の下壁34の下方に配置され、前記冷却器12の除霜時に
通電されるシーズヒータからなる電気ヒータで、前記冷
却器12の空気入口となる前面下部に相対するよう左右一
対の金属製固定具35に保持されている。36は前記電気ヒ
ータ33と背壁部10Aとの間に配置された金属製のバッフ
ル板で、上端の前方に直角に曲った折曲部37を前記下壁
34に取り付けて背壁部10Aと間隔を存し、この背壁部10A
に対する電気ヒータ33からの熱伝達を緩和する。

かゝる構成によれば、冷凍ケース３内を強制循環され
る冷気は第３図に示す如く吹出口20から吸込口22に至る
エアーカーテンA1を形成して冷却器12に帰還し、熱交換
されて再び吹出口20から吹き出される主流とエアーカー
テンA1の内側流から分かれて棚24の上方及び下方を後方
に向かって流れ、吸込穴28から補助通路30を通って冷気
通路16の冷却器12の下流区域に至り冷却器12で熱交換さ
れ吹出口20に至る冷気に合流する副流とからなる。

かゝる循環において、第３図及び第４図の二点鎖線の
如く扉８を開放すると、エアーカーテンA1を形成する冷
気は開放に伴なう圧力変化でもってその一部が第３図一
点鎖線矢印の如く開口６を通して外部に洩れ、一方この
洩れ冷気と同量の外気がエアーカーテンA1及びこのエア
ーカーテンA1の内側流の巻込作用によって第３図及び第
４図の白抜き矢印で示す如く貯蔵室18に進入し、この進
入外気は前記副流に含まれて吸気穴28から補助通路30を
通って冷気通路16に至ることになるが、冷却器12の温度
が−20℃以下で、且つ冷却器12からの熱伝導でもって間
隔子29が冷却器12と略同程度の温度となっている関係
上、補助通路30内の温度は貯蔵室18の温度よりも低くな
っているために、吸気穴28及び通気穴32を湿気を含んだ
冷気が通過する際、吸気穴28及び通気穴32に着霜が生
じ、この霜は冷却運転中に成長して氷となる。

この氷は除霜運転時に通電される電気ヒータ33の輻射
熱でもって加熱され温度が上昇する間隔子29の熱でもっ
て解かされることになる。

又電気ヒータ33の通電時にはバッフル板36は区画板10
の背壁10Aの極部加熱を緩和する作用をなす。

（ト）発明の効果 上述した本発明によれば、次に列挙する効果が生じ
る。

冷却運転時に補助通路の壁面に付着した氷は、除霜
運転時に通電される電気ヒータの輻射熱でもって加熱さ
れ温度が上昇する間隔子の熱でもって解かされることに
なり、この結果、氷が起因する補助通路の閉塞を回避し
て良好な冷気循環を行なうことができる。

電気ヒータの通電時にはバッフル板は区画板の背壁
の極部加熱を緩和する作用をなす関係上、背壁下部に近
接する食品の加熱を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は何れも本発明の実施例を示し、第１図は要部拡大
断面図、第２図は要部斜視図、第３図は第５図Ａ−Ａ断
面図、第４図は第５図Ｂ−Ｂ断面図、第５図は低温ショ
ーケースの全体斜視図である。 ４…断熱壁、８…扉、10…区画板、10A…背壁、12…冷
却器、14…送風機、16…冷気通路、18…貯蔵室、29…間
隔子、30…補助通路、33…電気ヒータ、36…バッフル
板。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】前面に開口を有した断熱壁にて構成された
   本体と、前記断熱壁の内壁より適当間隔を存して区画板
   を配設して形成された冷気通路及び貯蔵室と、前記冷気
   通路の背部区域に区画板と間隔を存して配置された冷却
   器と、該冷却器の前面において冷却器及び冷却器より上
   流区域の冷気通路と冷却器より下流区域の冷気通路とを
   仕切るための間隔子と、前記区画板の背壁に間隔子の下
   端より上方に形成された吸込穴とを設けた冷凍ケースに
   おいて、前記間隔子の下方に冷却器の除霜時に通電され
   る電気ヒータを配置すると共に、この電気ヒータの前面
   と前記背壁下部との間に上端が前記間隔子に接する金属
   製のバッフル板を配置してなる冷凍ケース。