JP2537735Y2 - 分岐器開通方向表示器 - Google Patents

分岐器開通方向表示器

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JP2537735Y2
JP2537735Y2 JP1989111145U JP11114589U JP2537735Y2 JP 2537735 Y2 JP2537735 Y2 JP 2537735Y2 JP 1989111145 U JP1989111145 U JP 1989111145U JP 11114589 U JP11114589 U JP 11114589U JP 2537735 Y2 JP2537735 Y2 JP 2537735Y2
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研三 徳岡
儀夫 勢木
康治 勝浦
清隆 小幡
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西日本旅客鉄道 株式会社
大和工業 株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、分岐器開通方向表示器に関し、特に保守
・工事用車両が分岐器を通過する際の、いわゆる割り出
し事故を防止するための表示器に関する。
(従来の技術) 鉄道軌道において軌道補修を行う場合、補修範囲が長
距離にわたることがあることから、保守・工事用車両を
基地から出発走行させ、軌道補修を行うのが一般的であ
るが、かかる軌道補修は昼間には一般営業用車両を走行
させているために夜間に行うことが多い。
しかるに、夜間において軌道補修を行う場合、保守・
工事用車両が基準線側軌道と分岐線側軌道との交差部で
ある分岐器を通過する際に、分岐器が進行方向に切り換
えられていないことがあり、保守・工事用車両がそのま
ま走行すると、分岐器内のトングレールを基本レール側
に押し曲げたり、破損したりし、交換しなければなら
ず、あるいは保守・工事用車両が脱線してしまうとい
う、いわゆる割り出し事故の発生が懸念される。
通常、新幹線用軌道においては、第7図及び第11図に
示されるような分岐器開通方向表示器を設けて割り出し
事故の発生を防止することが行われている。即ち、分岐
器のノーズ可動クロッシング30において基準線側31及び
分岐線側32には表示器33を各々回転自在に設け、該表示
器33に受けプレート34を取付け、転てつ棒35には表示器
駆動ロッド36をクランプし、表示器駆動ロッド36両端の
先端ピン37を受けプレート34の略U字状係合部38に係脱
可能に係合させ、転てつ棒35の移動によって受けプレー
ト34を回転させ、基準線側31及び分岐線側32の表示器33
を90°回転させて分岐器開通方向を表示する。ここで、
ノーズ可動クロッシング30とは分岐線側ウィングレール
38と基準線側ウィングレール39の交差部分にノーズレー
ル40を設け、該ノーズレール40の先端部の下面に転てつ
棒35を連結し、これを転てつ棒駆動ロッド41によってマ
クラギ長手方向にスライドさせてノーズレール40の分岐
線側ウィングレール38又は基準線側ウィングレール39に
移動密着させて分岐線側レール32と基準線側レール31と
を切り換えるようにしたものである。
しかし、かかる新幹線用分岐器開通方向表示器はノー
ズ可能クロッシング30の機構を利用して開通方向を表示
しているので、その構造上、ノーズ固定クロッシングが
採用されている在来線軌道にはそのまま適用することは
できず、汎用性がない。
他方、在来線軌道においては分岐器開通方向表示器と
称するものはないが、ごく少数使用されている特殊なも
のとして転てつ標識がある(例えば、実公昭31-12209号
公報、実公昭34-9902号公報、実開昭61-159276号公報、
参照)。
これは、原理的には第9図に示す如きもので、分岐器
ポイント部先端の軌道外に基台部50を設け、該基台部50
に表示板51の回転軸52を回転自在に支承し、該回転軸52
と分岐器ポイント部の転てつ棒とをリンク機構(図示せ
ず)で連結し、分岐器切り換え時の転てつ棒の左右移動
によって回転軸52を回動・復帰させて表示板51を90°回
転させて転てつ棒の切替えを表示しょうとするものであ
る。
(考案が解決しようとする課題) ところで、在来線軌道の分岐器ポイント部付近では上
りや下りの基準線側軌道や分岐線側軌道が複雑に接近し
交叉しているが、従来の転てつ標識のように、ポイント
先端部分の軌道外に表示器を設けるとポイント部先端付
近に多数の表示器があってどの表示器が現在走行中の軌
道のものかをすぐには判別できずに表示器を間違いやす
く、又分岐線又は基準線をクロッシング部側から分岐器
内に進入する場合に前方の表示器との距離が遠く、列車
をポイント部近くまで走行させないと表示を確認し難
く、割り出し事故のおそれが残っていた。
現在走行中の軌道の表示器を正確に判別するためには
軌道内(レール間内)に表示器を設けることが提案され
る。しかし、ポイント部トングレールの先端部近傍には
転てつ棒や転てつ棒駆動ロッド等の配設されていて表示
器の適当なレイアウトスペースが少ないばかりでなく、
軌道内に表示器を設けると転てつ棒と表示器が干渉して
左右トングレールの絶縁性が損なわれるおそれがある。
さらには、ポイント部先端部分は一般的に保守作業の煩
雑で、かかるポイン先端部分の軌道内に表示器を設ける
と表示器の取付けによってさらに保守作業が困難になる
おそれがある。
他方、ポイント部トングレールのレール長手方向ほぼ
中央においてはトングレールの間隔を保持する控え棒が
あるものの、表示器のレイアウトスペースを比較的確保
しやすく、しかも左右トングレールの絶縁性が表示器に
よって損なわれるおそれも少ないので、ポイント部トン
グレールのレール長手方向方向ほぼ中央の軌間内に表示
器を設ければ現在走行中の軌道の表示器を正確に判断で
き、割り出し事故を確実に防止できると考えられる。
この場合、表示器をどのように駆動するかが問題とな
る。即ち、トングレールの動きを検知して表示器を作動
させる専用の駆動源を使用するコストアップを招来し、
非常に数多い全ての分岐器に設置することが困難とな
る。そこで、トングレールのレール長手方向ほぼ中央部
に表示器の駆動ロッドを取付け、トングレール中央部の
動きを利用して表示器を駆動する方法が提案される。
しかし、分岐器は既に敷設されているものが非常に多
く、かかる既設分岐器のトングレールに駆動ロッド取付
け用の追加加工を施すことは極めて難しく、又トングレ
ールの損傷を惹起するおそれもあって好ましくなく、既
設分岐器への適用は非常に難しい。
また、トングレールのポイント部分は転てつ棒で左右
のレールが連結され、転てつ棒が鎖錠されているので、
トングレール移動量の経年変化は少ないのに対し、トン
グレールの長手方向中央部分は控え棒にて相互に連結さ
れているものの、レール自体は全くのフリーな状態であ
り、長年の列車走行等に起因してレール移動量が経年変
化し、表示器の正確な駆動が難しい。
この考案は、かかる問題点に鑑み、新幹線軌道及び在
来線軌道のいずれにも採用でき、又現在走行中の軌道の
表示器を正しく判別して分岐器割り出し事故の懸念を確
実に解消でき、しかも既設分岐器にも容易に適用でき、
さらにはレール移動量の経年変化にも容易に対応できる
ようにした分岐器開通方向表示器を提供することを課題
とする。
(課題を解決するための手段) そこで、本考案に係る分岐器開通方向表示器は、トン
グレールのレール長手方向ほぼ中央でかつレール間のほ
ぼ中央に表示板が垂直軸によって回転自在に設けられ、
垂直軸から延びるロッドの一端が駆動ロッドの一端に連
携され、駆動ロッドはほぼマクラギ長手方向に延びてそ
の他端がトングレール附属部品を利用してトングレール
に取付けられ、トングレール中央部の往動・復動によっ
て駆動ロッドが押し引きされ、表示板が90°回転・逆転
されて分岐器ポイント部の開通方向が表示されるように
してなる一方、駆動ロッド10の一端側外周にはケースが
摺動可能に外嵌され、ケースはばね部材によって駆動ロ
ッドの位置決め部に向けて付勢されて位置決め部によっ
て摺動を規制され、ケースの外側面には垂直軸から延び
るロッドの一端が回転可能に連結され、トングレールの
ほぼ中央部に所定距離以上の往動又は復動があったとき
に、垂直軸の一部がケースに当接して垂直軸の回動が阻
止され、かつばね部材が伸縮されて駆動ロッドの移動又
は復帰が許容されるようにしてなることを特徴とする。
本考案は既設分岐器のトングレールに追加加工を施す
ことなく、駆動ロッドをトングレールに取付けるのが肝
要である。そこで、トングレール附属部品を利用して駆
動ロッドの一端部をトングレールのレール長手方向ほぼ
中央部に取付ける。具体的には控え棒のスクリュージョ
ーと連結板との連結ボルト、あるいは基本レールと当接
してトングレールを位置決め保持する止め金具の取付ボ
ルトに駆動ロッドを取付ける。駆動ロッドはほぼマクラ
ギ長手方向に延びて設けるのが望ましいが、連結ボルト
又は取付ボルトの取付状況等の都合でマクラギ長手方向
に設けるのが難しいことがある。かかる場合には取付金
具を用いて駆動ロッドをマクラギ長手方向に延びるよう
に連結ボルト又は取付ボルトに取付けるのがよい。
ロッドは垂直軸から延びるように設けるが、レール移
動量の経年変化に対応できるように垂直軸に調整可能に
連結するのが好ましい。間隔調整可能なロッドはボルト
・ナットによって垂直軸に取付けてもよいが、雄ねじ、
垂直軸に雌ねじを各々刻設して両者を螺合させるように
するのがよい。ロッドの長さを調整可能としたのは、レ
ール移動量の経年変化に対応するのが1つの目的である
が、さらにはレール及び分岐器の種類によってトングレ
ールの移動量が異なり、表示板を90°回転させるために
垂直連結ピンと垂直軸との間の距離を調整する必要があ
るからである。
表示板は従来の表示器と同様に箱型としてもよいが、
平面十字状とし、同一垂直面内半部の一方の表裏に開通
表示を、他方の表裏に非開通表示を各々設けるようにし
てもよい。
垂直軸から延びるロッドの一端と駆動ロッドの一端と
は垂直連結ピンで回転可能に連結するが、垂直連結ピン
は真直な駆動ロッドの中心軸線上に設けると、駆動ロッ
ドに移動方向によっては駆動ロッドが垂直連結ピンを突
いてしまい、円滑な動作が確保できないことがある。そ
こで、垂直連結ピンを駆動ロッドの中心軸線から径方向
に所定寸法離れて設けるのがよい。例えば、駆動ロッド
の先端部を平面略L字状に曲成し、該L字状曲成部に垂
直連結ピンを設けると、垂直連結ピンを駆動ロッドの中
心軸線から所定寸法離れて取付けることができる。
ここで表示板を90°回転させる機構を第8図を用いて
説明するが、第8図において、Aは垂直軸の中心軸線の
位置、B、Cは移動前、移動後における垂直連結ピンの
中心軸線の位置を示す。今、三角形ABCがAを頂点とす
る直角二等辺三角形であり、トングレールの移動量が45
mmであるとすると、辺BC=45mmとなり、すると辺AB=辺
AC=45mm×1/√2=31.8mmとなる。即ち、トングレール
の移動量が45mmであれば、垂直軸の中心軸線の位置と垂
直連結ピンの中心軸線の位置との間の距離を31.8mmに設
定すれば表示板は90°回転することになる。結局、トン
グレールの移動量lに対して垂直軸の中心軸線の位置と
垂直連結ピンの中心軸線の位置との間の距離tをt=l/
√2に調整すればよいことになる。なお、第8図におい
て、円弧BCが駆動ロッド先端部の軌跡となる。
また、経年変化以外にも、列車走行等に起因するレー
ル小返りによってトングレールほぼ中央部の移動量が設
定距離以上に大きくなり、駆動ロッドが曲がったり、表
示板が90°以上回動して適切な表示ができなかったり、
復帰不可能となったりするおそれがある。そこで、駆動
ロッドにケースとばね部材とを設け、ケースを駆動ロッ
ドの他端部外周に摺動可能に外嵌して位置決め部によっ
て摺動を規制し、ばね部材はケース内に内装してケース
を位置決め部に向けて付勢させ、ケースの外側面には垂
直軸から延びるロッドの一端を取付け、トングレールほ
ぼ中央部に所定距離以上の往動又は復動があったとき
に、垂直軸の一部と当接させて該垂直軸の回動を阻止
し、かつばね部材を伸縮させて駆動ロッドの移動又は復
帰を許容するように構成するのが肝要である。通常、ト
ングレール移動量のバラツキは分岐器の整備状況にもよ
るが、保守基準としても一定量のバラツキが認められて
おり、かかる状況からすると移動量のバラツキを吸収し
うる上述の構造は実用上極めて効果が大きい。
(作用及び考案の効果) 転てつ機が転てつ棒を基準線側に移動させて分岐器を
基準線側に開通させた場合、転てつ棒の移動に伴ってト
ングレールが基準線側に移動し、駆動ロッドはトングレ
ールの長手方向中央部の移動に伴ってほぼマクラギ長手
方向に基準線側に移動され、垂直連結ピンも基準線側に
揺動され、表示板は垂直軸の回りに90°回動させ、表示
板には基準線側の開通表示が示される。
転てつ機が転てつ棒を分岐線側に移動させて分岐器を
分岐線側に開通させた場合、上記とは逆の動作が行われ
て表示板は垂直軸の回りに90°回動復帰され、表示板に
は分岐線側の開通表示が示される。
本考案によれば、分岐器ポイント部のトングレール長
手方向中央部の移動を利用して駆動ロッドを駆動し、表
示板を回動させるようにしたので、新幹線軌道及び在来
線軌道のいずれにおいても分岐器の開通方向を表示でき
る。
しかも、トングレール長手方向の中央でかつ軌間内、
即ちレール間内に表示板を設けているので、現在走行中
の軌道の表示板を他の軌道の表示板と間違うことなく正
しく迅速に判別でき、従来のように車両が分岐器まで来
た時にその都度乗員が車両から降りて分岐器の切り換え
を確認する必要がなく、分岐器切り換えの確認が容易と
なり、確認作業の煩雑さを解消できる。その結果、割り
出し事故を確実に防止できるとともに、保守・工事用車
両の移動時間を短縮できる。
また、トングレール附属部品、例えば止め金具や控え
棒の取付けを利用して駆動ロッドをトングレールに取付
けているので、トングレールに駆動ロッド取付け用の加
工を施す必要がなく、既設分岐器にも容易に適用でき、
トングレール損傷のおそれもない。
ところで、新幹線軌道及び在来線軌道には多種多様な
レールや分岐器が採用され、あらゆるレール種別、分岐
器番数及びトングレール構造に対して同一規格の分岐器
開通方向表示器を用いることは難しいが、トングレール
附属部品を利用して駆動ロッドをトングレールに取付け
ているので、トングレール附属部品のみを標準化するこ
とによってあらゆるタイプの分岐器に同一規格の分岐器
開通方向表示器を用いることがでい、汎用性を大幅に向
上できる。
しかも、ロッドによって垂直軸と駆動ロッドとの間の
距離を調整すれば、表示板を駆動ロッドの移動・復帰に
応じて性格に90°回転・逆転させることができ、あらゆ
るレール種別、分岐器番数及びトングレール構造に対し
て適用でき、又レール移動量の経年変化にも容易に対応
できる。
さらに、経年変化以外にも、列車走行等に起因するレ
ール小返りによってトングレールほぼ中央部の移動量が
設定距離以上に大きくなると、駆動ロッドの移動時に駆
動ロッド外周のケースと垂直軸の一部とが当接して垂直
軸の回動が阻止され、ばね部材が伸縮して駆動ロッドの
移動又は復帰を許容するので、駆動ロッドが曲がった
り、表示板が90°以上回動して適切な表示ができなかっ
たり、復帰不可能となったりすることはない。
(実施例) 実施例の説明に先立つ、本考案に係る分岐器開通方向
表示器の基本的構造を説明する。
〔第1構造例〕 第1図、第2図及び第10図は本考案に係る分岐器開通
方向表示器の第1の構造例を示し、第10図の分岐器線形
図で、第1図及び第2図はその部分拡大図である。第10
図に示すように、分岐器200は基準線210と分岐線211と
の交差部に設けられ、ポイント部201、リード部202及び
クロッシング部203から構成され、ポイント部201ではト
ングレール1が転てつ棒1aによってマクラギ2の長手方
向に移動可能に設けられ、又分岐器軌道内にはトングレ
ール1のレール長手方向ほぼ中央にて分岐器開通方向表
示器6が設けられている。
トングレール1の長手方向ほぼ中央部分には第1図及
び第2図に示すように軌道外方側に基本レールと当接し
てトングレールを位置決め保持するための止め金具(ト
ングレール附属部品)3が取付ボルト4及びナット5に
よって固定されている。
ここで、分岐器開通方向表示器6は第10図に示すよう
に、垂直軸18と、表示板19と、駆動ロッド10と、垂直連
結ピン13と、間隔調整用ロッド14とを有する。
より詳細には第1図及び第2図に示すように、トング
レール1を挿通した止め金具3の取付ボルト4には取付
金具7が外挿されてナット5によって共固定され、取付
金具7の中央突起先端部にはピン8によってジョイント
9が回動自在に連結され、ジョイント9の側方取付部9a
には駆動ロッド10の一端部が挿入されて一対のナット11
によって固定されている。この駆動ロッド10はその略中
央で下方段部が形成され、その先端部は平面略L字状に
曲成され、該L字状曲成部12には垂直連結ピン13によっ
て間隔調整用ロッド14が回動自在に連結され、間隔調整
用ロッド14の外周面には雄ねじ15が刻設されている。
他方、トングレール1のレール長手方向ほぼ中央に位
置するマクラギ2には左右トングレール1間のほぼ中間
部にてベース部16がスクリュウスパイキ17によって固定
され、ベース部16には垂直軸18が回転自在に立設され、
垂直軸18には一対の平面L字状の表示板19がボルト・ナ
ットによって平面十字状になるように固定され、表示板
19には同一垂直面内の一方の半部20表裏に開通表示が、
他方の半部21表裏に非開通表示が設けられている。
また、垂直軸18には雌ばねが形成され、雌ねじには間
隔調整用ロッド14の雄ねじ15が螺合され、垂直軸18と垂
直連結ピン13との間の間隔は間隔調整用ロッド14と垂直
軸18との螺合位置を調整してトングレール1の移動によ
って表示板19が90°回動する寸法(t=l/√2、lは駆
動ロッド10取付部分のトングレール1の移動量)に設定
されている。
なお、駆動ロッド10及び表示板19等の構成部品を全て
マクラギ2より上方に設けるようにしたので、道床バラ
スト等を移動させる必要がなく、表示器の取付け作業を
非常に容易にできる。
次に動作について説明する。第10図は基準線側が開通
された状態を示す。トングレール1は基準線210側であ
る第10図上方に移動され、駆動ロッド10は第1図及び第
2図の左方に移動されている。この状態では、車両が基
準線210側軌道を背向側又は正向側から走行してきた場
合、左側又は右側に、即ち分岐線211側軌道に対して基
準線210側に表示板19の開通表示が見えるので、基準線2
10側軌道上の車両乗員は基準線210側が開通されている
ことが分かる。また、車両が分岐線211側軌道を背向側
から走行してきた場合、右側に、即ち基準線210側軌道
に対して分岐線211側に表示板19の非開通表示が見える
ので、分岐線211側軌道上の車両乗員は分岐線211側が開
通されていないことが分かり、割り出し事故が防止され
る。
車両が正向側から走行してきて分岐線211側に入る場
合、今度は表示板19の開通表示が右側に、非開通表示が
左側に見えるので、基準線210側が開通し、分岐線211側
が開通されてないことが分かり、そのまま進行して良い
かどうかが車上から判断できる。
かかる状態において、転てつ機が転てつ棒1aを分岐線
211側である第10図下方に移動させた場合、トングレー
ル1は分岐線211側に移動されて基準線210側を非開通と
し、分岐線211側を開通させる。
その際、トングレール1の移動によって駆動ロッド10
はピン8の回りに回動しながら第1図及び第2図の右方
に移動して垂直軸18を図示矢印A方向に回動させ、トン
グレール1の長手方向中央部である。止め金具3の設け
られた部位が所定距離移動すると、垂直軸18は丁度90°
回動し、表示板19は上記とは逆の表示を行うこととな
る。
すると、今度は基準線210側軌道の背向側から走行し
てきた車両の乗員には表示板19の非開通表示が左側に見
え、又分岐線211側軌道の背向側から走行してきた車両
の乗員には表示板19の開通表示が右側に見えるので、基
準線210側が開通されておらず、分岐線211側が開通され
ていることが分かる。また、正向側から走行してきた車
両の乗員には表示板19の開通表示が左側に、非開通表示
が右側に見えるので、分岐線211側が開通し、基準線210
側は開通されていないことが分かる。
〔変形例〕
第3図は第1構造例の取付変形例を示す。本例では、
止め金具3はトングレール1のマクラギ2上の部位に取
付けられており、ジョイント9はピン8の回りに回動し
て取付金具7に対して傾斜され、駆動ロッド10は、マク
ラギ2の長手方向に対して傾斜した状態に設定されてい
る。このように駆動ロッド10はマクラギ2の長手方向に
対して若干傾斜していてもよい。
〔第2構造例〕 第4図及び第5図は第2の構造例を示し、第1図及び
第2図と同一符号は同一又は相当部分を示す。トングレ
ール1のレール長手方向ほぼ中央部には控え棒(トング
レール附属部品)22の連結板23がボルト・ナットで固定
され、連結板23にはスクリュージョー24が連結ボルト25
・ナット26によって連結され、スクリュージョー24に控
え棒22の一端が連結されている。控え棒22の他端は同様
の構造で他方のトングレール1に連結されており、左右
のトングレール1間の間隔はスクリュージョー24の操作
によって調整されかつその間隔が保持されるようになっ
ている。また、連結ボルト25には分岐器開通方向表示器
6の駆動ロッド10の取付金具7が共固定されており、こ
のように分岐器内控え棒22の連結板23とスクリュージョ
ー24との連結ボルト25を利用して駆動ロッド10を取付け
るようにしてもよい。
なお、本例の動作及び作用は第1の構造例と同様であ
るので、その詳細な説明は省略する。
〔第3構造例〕 第6図は第3の構造例を示す。本例では控え棒22の連
結板23とスクリュージョー24との連結が第4図及び第5
図に示す実施例と異なり、連結ボルト25とナット26とが
水平方向になるように設けられている。
〔実施例〕
次に、本考案の実施例を説明する。第12図及び第13図
は本考案の実施例を示す。なお、基本的構造は上述の構
造が採用されている。駆動ロッド10の先端部外周にはリ
ング上の位置決め部100が点溶接等によって固定される
とともに、円筒状のケース101が外嵌され、ケース101両
端部には駆動ロッド10との間にブッシュ102が介在さ
れ、ケース101は摺動自在に設けられるとともに、位置
決め部100によって駆動ロッド10に対する第12図及び第1
3図の左方への摺動が制限されている。
駆動ロッド10の先端には抜け止め用のナット103が螺
合され、ケース101内にはケース101の位置決め部100側
と反対側のブッシュ102間に位置しかつ駆動ロッド10の
外周に外装してばね部材104が縮装され、ばね部材104は
ケース101を位置決め部100に向けて付勢するようになっ
ている。さらに、ケース101の端部外側面には垂直ピン1
3によって間隔調整用ロッド14の端部が回転可能に連結
されており、こうしてトングレール1のレール長手方向
ほぼ中央部が移動方向又は復帰方向に所定距離以上移動
されたとき、ケース101が垂直軸18の取付部105と当接し
て表示器19の回動を阻止し、その状態でばね部材104が
収縮することによって駆動ロッド10の移動を許容するよ
うになっている。
また、ジョイント9の側方取付部9aと駆動ロッド10と
の間には回り止め座金106が介設されている。
上記構造例に示す分岐器開通方向表示器においては、
駆動ロッド10と表示器19とを剛締結しているが、かかる
場合、最初の組立時にトングレール1を右側及び左側へ
転換させ、そのストローク限度に見合うだけ間隔調整用
ロッド14の調整を行うので、列車が走行しない状態では
何ら問題はない。
しかし、何らかの原因で駆動ロッド10が限度以上に移
動又は復帰された場合には連結構造が剛連結であること
から、表示器19の回転限度が調整限からほとんど余裕が
ないと、駆動ロッド10に曲がり等の損傷を引き起こすこ
とが懸念される。
実際の分岐器敷設現場では、基本レールとトングレー
ル1間の密着には4〜5mm程度の隙間が許容されてお
り、敷設後の列車走行で徐々に軌道狂いが生じてその隙
間が拡大する可能性があり、さらにその軌道上を列車が
走行することによる横圧によってレール1の小返り等、
トングレール1が外側に押し出され、これが原因となっ
て駆動ロッド10が限度以上に移動・復帰されることが考
えられる。
そこで、本実施例では、上述の懸念を解消すべく、限
度以上の動作量に追従できるように連結機構内にケース
101と伸縮可能なばね部材104とを組み込んでおり、駆動
ロッド10が限度以上に移動した場合(第12図及び第13図
の矢印参照)、ケース101の先端部外表面が垂直軸18の
取付部105に接触し、これによって表示器19の余分な回
転が阻止され、その後ケース101内のばね部材104が収縮
して駆動ロッド10の移動を許容され、全体として連結機
構が伸びることになる。その結果、駆動ロッド10の変形
及び表示器19の過大な変位を防止して、信頼性及び耐久
性を確保できる。
なお、列車通過時、駆動ロッド10はトングレール1と
基本レール間の隙間+α分だけ余分に引っ張られるが、
ケース101内のばね部材104が作用して、列車通過後はば
ね作用で元の状態で復帰することとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る分岐器開通方向表示器の第1の基
本的構造例を示す平面図、第2図は上記構造例の側面
図、第3図は上記構造例の取付変形例を示す平面図、第
4図は第2の構造例を示す平面図、第5図は上記構造例
の側面図、第6図は第3の構造例を示す平面図、第7図
は従来の新幹線用分岐器開通方向表示器を示す平面図、
第8図は本考案の課題を解決するための手段を説明する
ための図、第9図は従来の在来線用転てつ標識を示す側
面図、第10図は第1図の分岐器開通方向表示器を示す線
形図、第11図は第7図の分岐器開通方向表示器を有する
新幹線軌道におけるノーズ可動クロッシングを説明する
ための図、第12図は本考案の一実施例による分岐器開通
方向表示器を示す平面図、第13図は上記分岐器開通方向
表示器を示す側面図である。 1……トングレール、1a……転てつ棒、2……マクラ
ギ、3……止め金具(トングレール附属部品)、4……
取付ボルト、5……ナット、6……分岐器開通方向表示
器、7……取付金具、8……ピン、9……ジョイント、
9a……側方取付部、10……駆動ロッド、11……ナット、
12……L字状曲成部、13……垂直ピン、14……間隔調整
用ロッド、15……雄ねじ、16……ベース部、17……スク
リュウスパイキ、18……垂直軸、19……表示板、20、21
……半部、22……控え棒(トングレール附属部品)、23
……連結板、24……スクリュージョー、25……連結ボル
ト、26……ナット、100……リング状位置決め部、101…
…ケース、102……ブッシュ、103……抜け止め用ナッ
ト、104……ばね部材、105……垂直軸取付部、200……
分岐器、201……ポイント部、202……リード部、203…
…クロッシング部、210……基準線、211……分岐線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 勢木 儀夫 兵庫県姫路市大津区吉美380番地 大和 工業株式会社内 (72)考案者 勝浦 康治 兵庫県姫路市大津区吉美380番地 大和 工業株式会社内 (72)考案者 小幡 清隆 兵庫県姫路市大津区吉美380番地 大和 工業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭61−159276(JP,U) 実公 昭31−12209(JP,Y1) 実公 昭34−9902(JP,Y1)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】トングレール1のレール長手方向ほぼ中央
    でかつレール間のほぼ中央に表示板19が垂直軸18によっ
    て回転自在に設けられ、垂直軸18から延びるロッド14の
    一端が駆動ロッド10の一端に連携され、駆動ロッド10は
    ほぼマクラギ長手方向に延びてその他端がトングレール
    附属部品を利用してトングレール1に取付けられ、トン
    グレール1中央部の往動・復動によって駆動ロッド10が
    押し引きされ、表示板19が90°回転・逆転されて分岐器
    ポイント部の開通方向が表示されるようにしてなる一
    方、 駆動ロッド10の一端側外周にはケース101が摺動可能に
    外嵌され、ケース101はばね部材104によって駆動ロッド
    10の位置決め部100に向けて付勢されて位置決め部100に
    よって摺動を規制され、ケース101の外側面には垂直軸1
    8から延びるロッド14の一端が回転可能に連結され、ト
    ングレール1のほぼ中央部に所定距離以上の往動又は復
    動があったときに、垂直軸18の一部がケース101に当接
    して垂直軸18の回動が阻止され、かつばね部材104が伸
    縮されて駆動ロッド10の移動又は復帰が許容されるよう
    にしてなることを特徴とする分岐器開通方向表示器。
JP1989111145U 1989-04-07 1989-09-22 分岐器開通方向表示器 Expired - Lifetime JP2537735Y2 (ja)

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