JP2536943B2 - 連設型運動機構 - Google Patents

連設型運動機構

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は連設型運動機構に関する。
(背景技術) スライダ等の移動体を1の平面内で任意の位置へ移動
させる2次元運動機構としては、米国特許第4,729,536
号公報や、特開昭63−191533号公報に開示されるものが
有る。また、本願出願人も特願昭63−134209号として2
次元運動機構を出願している。何れの2次元運動機構に
おいても移動体にツーリング用の工具、作業用のロボッ
トヘッド又はワークを取付け、移動体を1の平面内の適
宜な位置へ移動させて使用する。
上記の2次元運動機構では移動体が一個しか設けられ
ておらず、例えば複数の工具やロボットヘッドをそれぞ
れ互いに独立して移動させたい場合に対応できないた
め、複数の2次元運動機構を連設することが考えられ
る。
しかしながら、複数の2次元運動機構を連設しようと
する場合、単に同一の基台上に平面的に搭載するので
は、その複数の2次元運動機構を、所定の空間内に効率
良く好適に配設できないと共に、2次元運動機構の作業
の対象となるワークを多方面から取扱うことができるよ
うに配設することができないという課題がある。
そこで、本発明の目的は、複数の2次元運動機構が所
定の空間内に効率良く好適に配設されると共に、ワーク
を多方面から取扱うことが可能な連設型運動機構を提供
することにある。
(発明が解決しようとする課題) 上記課題を解決するため、本発明は次の構成を備え
る。
すなわち、本発明は、矩形枠と、該矩形枠の平行に設
けられた一対の辺に長さ方向に配された一対のX軸案内
手段と、前記矩形枠の平行に設けられた他の一対の辺に
長さ方向に配され、前記X軸案内手段とは略同一平面内
で直交する方向へ設けられた一対のY軸案内手段と、前
記一対のX軸案内手段に両端部で連繁してX軸案内手段
の長さ方向に移動可能に設けられたX軸移動体と、前記
一対のY軸案内手段に両端部で連繁してY軸案内手段の
長さ方向に移動可能に設けられたY軸移動体と、前記X
軸移動体及び前記Y軸移動体が挿通され、前記矩形枠に
囲まれた平面内で、X軸移動体上及びY軸移動体上を移
動自在に設けられた移動体とを有する少なくとも二つの
2次元運動機構が、隣設するもの同士の前記矩形枠の一
辺が合わされ、隣設される前記2次元運動機構の移動体
の移動平面が所定の角度に設けられるよう、立体的に連
結されていることを特徴とする。
(作用) 作用について説明する。
本発明によれば、矩形枠と、その矩形枠に囲まれた平
面内でX軸移動体およびY軸移動体によって移動自在に
設けられた移動体とを有する複数の2次元運動機構が、
隣設するもの同士の矩形枠の一辺を合わせて所定の角度
に設けられている。各2次元運動機構の移動体は、矩形
枠に囲まれた平面内で移動するため複数の2次元運動機
構が立体的に連結されていても、互いに干渉することな
く広範囲で移動できる。また、矩形枠が相互に他の2次
元運動機構を支持する支持部材として役割を果たし、強
度を要する支柱等を省略することができる。従って、複
数の2次元運動機構を所定の空間内に効率良く好適に配
設できる。
また、少なくとも二つの前記移動体の移動平面が所定
の角度に設けられるよう、立体的に連結されているた
め、2次元運動機構の作業の対象となるワークを多方面
から同時に取扱うことができる。
(実施例) 以下、本発明の好適な実施例について添付図面と共に
詳述する。
先ず、本発明にかかる背景技術について第1図〜第5
図に基づいて詳細に説明する。
第1図には背景技術の2連の連設型運動機構の(a)
平面図、(b)部分破断正面図を示す。
同図において、10は第1の2次元運動機構であり、12
は第2の2次元運動機構である。第1の2次元運動機構
10においては移動体であるスライダ14が矩形平面16内の
任意の位置へ移動可能になっている。一方、第2の2次
元運動機構12においては移動体であるスライダ18が矩形
平面20内の任意の位置へ移動可能になっている。
第1の2次元運動機構10と第2の2次元運動機構12は
連設されている。第1の2次元運動機構10は基台22上に
設置され、第2の2次元運動機構12は基台24上に設置さ
れている。基台22と24は矩形枠であり、この基台22と24
は、連結具26を介して実質的に一体となるように、隣設
するもの同士の矩形枠の一辺を実質的に共用した状態で
連設されている。また、その連設部では、上部カバー30
とギアボックスカバー32とが、第1の2次元運動機構10
の第2の2次元運動機構12とに共用された状態で装着さ
れている。このため、第1の2次元運動機構10と第2の
2次元運動機構12とを効率良く一体化できる。また、矩
形枠の一辺の共用によって連設されているため、各スラ
イダ14、18およびそのスライダ14、18に装着されたツー
リング用の工具等は、その運動が妨げられることなく各
基台22、24内で好適に移動でき、それぞれが独立した好
適な運動ができる。
次に、第1及び第2の2次元運動機構10、12について
説明する。両者とも略同一の構成を成すので第1の2次
元運動機構10について説明し、第2の2次元運動機構12
については説明を略す。
第2図には第1の2次元運動機構10の上部カバー30、
ギアボックスカバー32を取り外した状態の平面図を示
す。
同図において、基台22は中央が抜かれた矩形枠であ
る。
34、36はX軸案内手段であるX軸ボールネジであり、
互いに平行に同一面内に配設されている。X軸ボールネ
ジ34はX軸駆動手段であるモータ38により直接駆動され
回転するようになっている。X軸ボールネジ36へは曲歯
笠歯車40、42及び伝達軸44等からなる第1の伝達機構を
介してモータ38の回転力が伝達される。なお、46はカプ
ラであり、歯車軸48とモータ軸50とを連結している。
又、52、54もカプラである。X軸ボールネジ34、36の先
端部(図面上、左端部)は適宜な支持フレーム56・・・
に枢支されている。
58、60はY軸案内手段であるY軸ボールネジであり、
互いに平行、同一面内、かつ前記X軸ボールネジ34、36
とも略同一面内で直交するよう配設されている。Y軸ボ
ールネジ58はY軸駆動手段であるモータ62により直接駆
動され回転するようになっている。Y軸ボールネジ60へ
は曲歯笠歯車64、66および伝達軸68からなる第2の伝達
機構を介してモータ62の回転力が伝達される。なお、70
はカプラであり歯車軸72とモータ74とを連結している。
又、76、78もカプラである。また、Y軸ボールネジ58、
60の先端部(図面上、下端部)も適宜な支持フレーム80
・・・に枢支されている。
82、84はX軸駆動体であり、それぞれX軸ボールネジ
34、36へ螺合され、また、後述するX軸ロッドにより回
転が阻止されているのでX軸ボールネジ34、36が同一方
向へ回転することによりX軸方向に同時に移動可能にな
っている。
86、88はY軸駆動体であり、それぞれY軸ボールネジ
58、60へ螺合され、また、後述するY軸ロッドにより回
転が阻止されているのでY軸ボールネジ58、60が同一方
向へ回転することによりY軸方向に同時に移動可能にな
っている。
90はX軸ロッドであり、Y軸に平行に配され、移動体
であるスライダ14へ貫挿され、両端はそれぞれX軸駆動
体82、84へ固定されている。(このX軸ロッド90と一対
のX軸駆動体82、84とによって、一対のX軸案内手段に
両端部で連繁してX軸案内手段の長さ方向に移動可能に
設けられたX軸移動体が構成されている。)これにより
スライダ14は、X軸ロッド90によって回動が阻止された
X軸駆動体82、84のX軸方向への移動に伴いX軸方向へ
移動する。
92はY軸ロッドであり、X軸に平行に配され、移動体
であるスライダ14へ貫挿され、両端はそれぞれX軸駆動
体86、88へ固定されている。(このY軸ロッド92と一対
のY軸駆動体86、88とによって、一対のY軸案内手段に
両端部で連繁してY軸案内手段の長さ方向に移動可能に
設けられたY軸移動体が構成されている。)従ってY軸
ロッド92はX軸ロッド90とスライダ14内部で直交する。
スライダ14は、Y軸ロッド92によって回動が阻止された
X軸駆動体86、88のY軸方向への移動に伴いY軸方向へ
移動する。このX軸方向及びY軸方向への移動の組み合
わせによりスライダ14は矩形平面16内の任意の位置に移
動が可能となる。なお、X軸ロッド90およびY軸ロッド
92は適宜な剛性と弾力性を有する金属ロッドを用いると
よい。
モータ38、62はギアボックス32の側面から外方へ突出
するよう設けられている(第1図参照)が、ギア等の連
結機構を介してギアボックス32の上方へ配設することも
可能である。つまり、モータ38、62をギアボックス32の
上方に配設して2次元運動機構の側面から外方へ突出す
る物を無くすと、一個の2次元運動機構の四方の側部に
同形式の他の2次元運動機構を連設することができる。
なお、2次元運動機構として上記図示の形式のものを
採用したのは移動体の位置決精度が非常に高いために採
用したが、上記形式の他、X軸駆動体82、84及びY軸駆
動体86、88の駆動手段としては、ボールネジではなくモ
ータ38、62により駆動されるベルトドライブ機構でもよ
い。
これらの2次元運動機構は駆動機構が相違するが、移
動体を、矩形枠の4辺で且つ略同一平面内で支持し、矩
形枠内で移動させることができる点では共通している。
このように移動体を4辺で支持できるため、移動体を安
定的に2次元運動させることができる。また、移動体は
矩形枠内(くり抜かれた空間である矩形平面16内)を移
動できるため、ツーリング用の工具等を移動体に少ない
制約条件で装着できる利点もある。すなわち、移動体の
表裏両面を利用してツーリング用の工具等の装着および
配線が容易にできる。そして、本発明では、上記の2次
元運動機構が前述したように好適に連設されているた
め、その2次元運動機構の利点が損なわれることがな
く、複数の移動体はそれぞれが独立した好適な運動をす
ることができる。
第3図及び第4図に上記の連設型運動機構を利用した
装置の例(背景技術)を挙げる。
第3図の例は第1の2次元運動機構100のスライダ102
と、第2の2次元運動機構104のスライダ106とにそれぞ
れロボットアーム108、110が取付けられている。ロボッ
トアーム108はスライダ102の移動によって部品ステージ
112上の部品114を把持して移動し、一方、ロボットアー
ム110はスライダ106の移動によって部品ステージ116の
部品118を把持して移動する。部品114、118把持したロ
ボットアーム108、110は空中又は組立ステージ120にお
いて部品114、118を組み付け、製品122を仕上げる装置
である。CCDカメラ124により製品122の組立がモニタさ
れるようになっている。この装置の場合、ロボットアー
ム108と110は互いに独立して移動可能なので、移動体で
あるスライダ102、106の高位置決精度とも相まって高度
で複雑な組立作業を行うことができる。なお、スライダ
102、106の移動、ロボットアーム108、110の動作はコン
ピュータによって制御されるのはもちろんである。
第4図に示す例は、移載装置である。支柱20の平面位
置が固定された移載機構202が設けられ、移載アーム204
はモータ206によって左右方向へ旋回可能になってい
る。移載アーム204の先端にサッカ(吸着ヘッド)208が
設けられ、不図示の真空発生装置により部品210・・・
を吸着及び解放可能になっている。第1の2次元運動機
構212のスライダ214上には予め部品210・・・が載置さ
れたパレット216が取付られている。一方、第2の2次
元運動機構218のスライダ220上には部品210・・・が載
置されるパレット222が取付けられている。移載アーム2
04は同一軌跡しか描けないので、移動体であるスライダ
214、220が移載の都度その位置を変化させながら、パレ
ット216上の部品210をサッカ208で吸着して取上げ、左
方へ旋回してパレット222上へ部品210・・・を移動させ
てサッカ208から解放して部品210をパレット222上へ移
載する。この移載装置の場合、基台224は一体に形成さ
れたものを用いている。
第1図〜第3図の例では、基台は各2次元運動機構に
ついて別々に設けられ、一体に連結されていた。第4図
の例では基台に一個設けられていた。両者とも実質的に
は一体の基台を利用しているが、基台を共通にすると、
第1及び第2の2次元運動機構(3以上の場合も同じで
ある)を同一の振動系に配置することとなり、各2次元
運動機構を別々の振動系に置いた場合と比べ、移動体の
移動におけるタイミングのずれを極力抑えることがで
き、精度の向上を図ることができる。
続いて第5図と共に背景技術の応用例について説明す
る。
第5図に示す例は、4個の2次元運動機構300、302、
304、306を連設した例であり、移動体308、310、312、3
14にそれぞれ、工具、ロボットヘッド、ワーク等を4個
取付けて独立に移動させることができる。
次に、本発明にかかる連設型運動機構の実施例を、第
6図及び第7図と共に説明する。
第6図及び第7図(両図において移動体駆動用のモー
タは図示せず)は複数の2次元運動機構を立体的に組合
わせたものである。本実施例にかかる2次元運動機構の
構成は、前述した背景技術の説明の中で詳述しているの
で省略する。
第6図の例では2個の2次元運動機構400、402を直角
に(L字状に)組合わせた例であり、例えば両2次元運
動機構400、402の間に位置させたワーク(不図示)を2
方向からツーリング可能になっている。なお、両2次元
運動機構400と402の間の角度θは必ずしも直角に限られ
ない。
第7図の例では3個の2次元運動機構500、502、504
をそれぞれ互いに直角に組合わせた例である。例えば3
個の2次元運動機構500、502、504の間に位置させたワ
ーク(不図示)を3方向からツーリング可能になってい
る。なお、第6図及び第7図の例の応用とすれば、2次
元運動機構をさらに多数組合わせることも可能である。
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本
発明は上述の実施例に限定されるのではなく、発明の精
神を逸脱しない範囲で多くの改変を施し得るのはもちろ
んである。
(発明の効果) 本発明によれば、矩形枠と、その矩形枠に囲まれた平
面内でX軸移動体およびY軸移動体によって移動自在に
設けられた移動体とを有する複数の2次元運動機構が、
隣設するもの同士の矩形枠の一辺を合わせて所定の角度
に設けられている。各2次元運動機構の移動体は、矩形
枠に囲まれた平面内で移動するため複数の2次元運動機
構が立体的に連結されていても、互いに干渉することな
く広範囲で移動できる。また、矩形枠が相互に他の2次
元運動機構を支持する支持部材として役割を果たし、強
度を要する支柱等を省略することができる。従って、複
数の2次元運動機構を所定の空間内に効率良く好適に配
設できる。
また、少なくとも二つの前記移動体の移動平面が所定
の角度に設けられるよう、立体的に連結されているた
め、2次元運動機構の作業の対象となるワークを多方面
から同時に取扱うことができる。
すなわち、本発明によれば、複数の2次元運動機構を
所定の空間内に効率良く好適に配設できると共に、ワー
クを多方面から同時に取扱うことができるため、複雑な
ワークに関する作業等を、より小さな空間で経済効率よ
く好適に行うことができるという著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る連設型運動機構の背景技術を示す
(a)平面図、(b)部分破断正面図、第2図は背景技
術の一方の2次元運動機構の構造を示した平面図、第3
図及び第4図は背景技術の連設型運動機構を利用した装
置の正面図、第5図は背景技術の他の例を示す平面図、
第6図及び第7図は本発明に係る実施例を示した斜視
図。 10……第1の2次元運動機構、12……第2の2次元運動
機構、14……スライダ、16……矩形平面、18……スライ
ダ、20……矩形平面、400、402……2次元運動機構、50
0、502、504……2次元運動機構。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】矩形枠と、 該矩形枠の平行に設けられた一対の辺に長さ方向に配さ
    れた一対のX軸案内手段と、 前記矩形枠の平行に設けられた他の一対の辺に長さ方向
    に配され、前記X軸案内手段とは略同一平面内で直交す
    る方向へ設けられた一対のY軸案内手段と、 前記一対のX軸案内手段に両端部で連繁してX軸案内手
    段の長さ方向に移動可能に設けられたX軸移動体と、 前記一対のY軸案内手段に両端部で連繁してY軸案内手
    段の長さ方向に移動可能に設けられたY軸移動体と、 前記X軸移動体及び前記Y軸移動体が挿通され、前記矩
    形枠に囲まれた平面内で、X軸移動体上及びY軸移動体
    上を移動自在に設けられた移動体とを有する少なくとも
    二つの2次元運動機構が、 隣設するもの同士の前記矩形枠の一辺が合わされ、隣設
    される前記2次元運動機構の移動体の移動平面が所定の
    角度に設けられるよう、立体的に連結されていることを
    特徴とする連設型運動機構。」
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