JP2535603B2 - 蓄熱装置 - Google Patents

蓄熱装置

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JP2535603B2
JP2535603B2 JP63275616A JP27561688A JP2535603B2 JP 2535603 B2 JP2535603 B2 JP 2535603B2 JP 63275616 A JP63275616 A JP 63275616A JP 27561688 A JP27561688 A JP 27561688A JP 2535603 B2 JP2535603 B2 JP 2535603B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は,蓄熱材として相変化温度より低い温度で安
定した過冷却状態を保持する潜熱蓄熱材を用いた蓄熱装
置に関する。
(従来の技術) 熱エネルギを蓄熱し,この熱エネルギを必要に時に取
り出して使用できるようにした蓄熱装置には,蓄熱材と
して顕熱蓄熱材を用いたものと潜熱蓄熱材を用いたもの
とがある。潜熱蓄熱材を用いたものは,蓄熱材の相変化
に伴わせて熱エネルギを放出させるもので,顕熱蓄熱材
を用いたものに比べて蓄熱密度が3〜5倍程度高いと言
う利点を備えている。したがって,蓄熱装置全体の小型
化を図ることができる。
潜熱蓄熱材の中には,酢酸ナトリウム系の水和塩のよ
うに,相変化温度より低い温度において凝固せずに安定
な過冷却状態を保持するものがある。この潜熱蓄熱材
は,過冷却状態の解除に伴い,液相から固相に転移する
際に潜熱を放出する。したがって,過冷却状態を解除す
ることによって,任意の時点で熱エネルギを取出すこと
ができる。このようなことから,潜熱蓄熱材を用いた蓄
熱装置では,相変化温度より低い温度で安定な過冷却状
態を保持する潜熱蓄熱材を用いているものが多い。
ところで,上記のように相変化温度より低い温度で安
定した過冷却状態を保持する潜熱蓄熱材を用いた蓄熱装
置では,潜熱蓄熱材から熱エネルギを取出すときに何等
かの手段で過冷却状態を解除する必要がある。この解除
を行なう手段としては,種々考えられているが,その中
に蓄熱材の一部をその過冷却安定限界温度以下にする方
法があり,具体的には電子冷凍素子を用いて蓄熱材の一
部を過冷却安定限界温度以下に冷却することが考えられ
ている。第8図は電子冷凍素子を用いて過冷却の解除を
行なうようにした蓄熱装置を局部的に取り出して示すも
ので,潜熱蓄熱材1中に配設された熱交換パイプ2に取
付けられたフイン3に固定金具4を介して電子冷凍素子
5を固定している。電子冷凍素子5は,P形半導体6とN
形半導体7とを金属板8を介して直列に接続した構成と
なっている。そして,電子冷凍素子5は,その吸熱面9
がエポキシ系接着材を介して固定金具4に接触し,また
その放熱面10がエポキシ系接着材11を介してフイン3に
接触するように配置されている。
しかしながら,電子冷凍素子5を上記のように組込ん
だ従来の蓄熱装置にあっては,吸熱面9の温度を十分低
温にすることができず,このために使用できる蓄熱材が
制限される問題があった。すなわち,発明者らは,仕様
が真空中での放熱面温度Th=27℃一定で,△Tmax=64
℃,Qc max=1W,Imax=2A,Vmax=0.8V,素子の大きさ3.96
mm×3.96mmである電子冷凍素子を使って酢酸ナトリウム
3水塩中で実験してみた。その結果,吸熱面温度Tcは−
10℃程度にしかならなかった。この温度は,潜熱蓄熱材
として優れている酢酸ナトリウム3水塩の過冷却安定限
界温度である−15℃より高い。したがって,潜熱蓄熱材
として酢酸ナトリウム3水塩を使用できないことにな
る。
周知の如く,電子冷凍素子は,P形半導体とN形半導体
とを核にし,これに電流を流すことによって起こるペル
チェ効果を利用して高温面と低温面とを形成している。
そして,その特性は以下の式で表わされる。
Qc=(αpn・Tc・I)−(I2R)/2−L(Th−Tc) …
(1) Qh=Qc+P …(2) P=I2P+Iαpn(Th−Tc) …(3) ただし,上式において,Qc,Qhは吸熱および放熱能力,P
は素子の消費電力,R,Lは素子の電気抵抗および温度抵
抗,Tc,Thは吸熱面温度および放熱面温度,αpnはゼーベ
ック係数,Iは電流である。
Qc,Qhは素子の吸熱面積,放熱面積Sc,Shを用いて次の
ように表わすことができる。
Qc=KcSc(Tm−Tc) …(4) Qh=KhSh(Th−Tr) …(5) ただし,上式において,Kc,Khは吸熱面側および放熱面
側の熱通過率,Tm,Trは被冷却物および放熱側の熱媒温度
である。(1)式〜(5)式より次式が導かれる。
Tc=Tm+[I2R(KhSh+L−αpnI)/2+L(KhShTr +I2R/2)−Tm{LKhSh+αpnIKhSh−(αpnI)}] /[KcSc(KhSh+αpnI)+LKhSh +αpnI(KhSh−αpnI)] …(6) この(6)式より以下のことが判かる。すなわち,KcS
cの増加は吸熱面温度Tcの上昇を招き,TcはTmに近付く。
一方、KhShの増加は放熱面温度Thを低下させる。
前述した実験に用いた仕様の電子冷凍素子は,最高温
度差が64℃であるが,これは真空下((6)式におい
て,KcSc=0)で,しかも放熱面温度Thを一定(27℃)
に保った場合に得られるものであり,この条件とは異な
る条件で用いた場合には如何なる条件においても最高温
度差は上記値より小さくなる。これは(6)式からも理
解される。したがって,従来の蓄熱装置のように,電子
冷凍素子の全体を潜熱蓄熱材に接触させる構造である
と,Kcの増加や放熱面温度Thを一定にできないことなど
が原因して,吸熱面温度Tcをそれ程下げることはできな
い。
(発明が解決しようとする課題) 上述の如く,電子冷凍素子を用いて潜熱蓄熱材の過冷
却を解除させることは,極めて特殊な環境下で素子を働
かせることになる。従来の蓄熱装置のように単に電子冷
凍素子を配置した構成では吸熱面の温度Tcを低下させる
ことが本質的に困難で,これが原因して使用できる潜熱
蓄熱材の種類が限定される問題があった。また,潜熱蓄
熱材の種類によって,上述したKcの値が大きく変化する
ため,過冷却安定限界温度が高い潜熱蓄熱材の場合であ
っても,過冷却解除を行なわせるために大きな放熱装置
(冷却器)を設ける必要がある等,実用性に乏しいばか
りか,動作の信頼性に欠ける問題があった。
そこで本発明は,簡単な構成であるにも拘らず電子冷
凍素子の吸熱面側の温度を十分に下げることができ,も
って使用できる潜熱蓄熱材の種類を拡大できるとともに
装置としての信頼性の向上を図れる蓄熱装置を提供する
ことを目的としている。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記課題を解決するために,本発明に係る蓄熱装置で
は,相変化温度より低い温度で安定な過冷却状態を保持
する潜熱蓄熱材を収容した蓄熱槽と,この蓄熱槽内に配
置された熱交換器と,前記潜熱蓄熱材の過冷却を解除す
るための電子冷凍素子とを備えたものにおいて,放熱面
を前記熱交換器に熱的に接触する関係に電子冷凍素子を
設けるとともに上記電子冷凍素子の吸熱面を覆うように
水を透過させない断熱材を設け,さらに上記吸熱面の一
部分を前記潜熱蓄熱材に接触させるための細孔を上記断
熱材に設けたことを特徴としている。
(作 用) このように構成された蓄熱装置では,電子冷凍素子の
吸熱面側の大部分が水を透過させない断熱材で覆われて
いるため,潜熱蓄熱材の種類に関係なく,吸熱面側の熱
通過率を小さい,しかも一定の値に保持できる。つま
り,前記(6)式におけるKcScの値を小さくできる。
このことを,酢酸ナトリウム3水塩の過冷却解除を例
にとって説明すると以下の通りである。前述した実験に
用いた電子冷凍素子の各種係数は,αpn=0.0042(V/
K),R=0.3326(Ω),L=0.019(W/K)である。電子冷
凍素子は,耐熱温度が120℃程度であるため,蓄熱装置
に組込むときには,通常,エポキシ系の接着材で取付け
られる。今,接着材の厚みを0.3mmとすると,Khは約1200
(W/m2K)となる。一方,酢酸ナトリウム3水塩の熱伝
導率は0.5(W/m2K)であるため,Kcは約250(W/m2K)と
推定される。
これらの値より,潜熱蓄熱材および熱媒温度が5℃の
時,電子冷凍素子に通電したときの吸熱面の温度Tcは, 吸熱面が断熱材で覆われていないときには, Tc={−0.00069846 I3+0.00944882 I2−0.00457992
8 I+0.140688786}/{−0.00001764 I2+0.000062
569 I+0.000505801} となる。一方,吸熱面が断熱材で覆われているときに
は, Tc={−0.00069846 I3+0.00944882 I2+0.9944988
5}/{−0.00001764 I2+0.000079035 I+0.0003575
4} となる。
第4図は上記2つの式をグラフ化して示すものであ
り,また第5図はこれに対応する放熱面温度Thをグラフ
化して示すものである。第4図から判かるように,電子
冷凍素子の吸熱面の温度Tcは,電流の増加にしたがって
次第に低くなるが,0.7(A)0.8(A)を境にして逆
に上昇する。これは第5図から判るように,放熱面温度
Thが電流の増加とともに急激に増加するためである。し
たがって,低温度を得ると言う目的においては,最適電
流値が存在し,通常,この電流値で動作させればよいこ
とになる。吸熱面温度Tcが最低になる電流値において,
断熱材有りと,断熱材無しとを比較してみると,断熱材
無しでは酢酸ナトリウム3水塩の過冷却安定限界温度で
ある−15℃までは低下せず,このため過冷却解除はでき
ないことが判かる。一方,断熱材有りでは,−16.5℃ま
で吸熱面温度Tcが低下し,過冷却解除を行なえることが
判かる。
なお,上記説明は,市販されている1段構成の電子冷
凍素子についての検討であるが,吸熱・放熱面の単位当
りの性能が種類によらずほぼ同等であることからして,
他の種類についても同様の結果が得られる。とりわけ,
段数の多い素子ほど上述した効果が著しくなり,より低
温が得られる。しかし,従来のような構成を採用する
と,吸熱面の熱負荷の影響を受け易くなるので,段数増
加の利点を発揮できないことになる。また,吸熱面を覆
う断熱材として,水を透過させないものを使用している
理由は,断熱材に蓄熱材が浸透すると,Kcが増加するか
らである。
(実施例) 以下,図面を参照しながら実施例を説明する。
第1図には本発明の一実施例に係る蓄熱装置が示され
ている。
この蓄熱装置は,大きく別けて蓄熱槽21と,この蓄熱
槽21内に収容された潜熱蓄熱材22と,この潜熱蓄熱材22
に接触するように蓄熱槽21内に配置された熱交換器23
と,電子冷凍素子24と,この電子冷凍素子24の近傍に配
置された温度センサ25と,蓄熱槽21外に配置されて熱交
換器23への熱媒通流制御および電子冷凍素子24への通電
制御を行なう制御装置26とで構成されている。
蓄熱槽21は,外槽27と,内槽28と,内外槽間に装着さ
れた断熱材層29とで構成されている。
潜熱蓄熱材22としては,この例では相変化温度以下の
温度において安定した過冷却状態を保持する酢酸ナトリ
ウム3水塩(過冷却安定限界温度−15℃)が用いられて
いる。
熱交換器23は,蓄熱槽21内に,たとえば蛇行状態に配
設された熱交換パイプ30と,この熱交換パイプ30の外面
に複数取付けられたフイン31とで構成されている。そし
て,熱交換パイプ30の両端は,蓄熱槽21の上壁を液密に
貫通して外部へ導かれている。
電子冷凍素子24は,具体的には第2図に示すように構
成されている。すなわち,P形半導体32とN形半導体33と
を金属板34を介し直列に接続して電子冷凍素子本体35を
構成し,この電子冷凍素子本体35の放熱面36を図示しな
いエポキシ樹脂系接着材を介してフイン31に固定し,ま
た電子冷凍素子本体35の吸熱面37および側面を水を透過
させない断熱材38で液密に覆い,さらに断熱材38の外面
にキャップ状の固定治具39を当てがい,この固定治具39
をねじ40によってフイン31に固定している。そして,断
熱材38および固定治具39には,放熱面37の極狭い一部分
だけを潜熱蓄熱材22に接触させるための直径2mm程度の
細孔41が形成されている。また,電子冷凍素子本体35に
は通電用のリード線42の一端側が接続されており,この
リード線42の他端側は蓄熱槽21外に導かれて制御装置26
に接続されている。
制御装置26は,外部から与えられる蓄熱指令,放熱指
令に基いて後述する関係の制御を行なう。
次に,上記のように構成された蓄熱装置の動作を第3
図を適宜参照しながら説明する。
まず,制御装置26は,蓄熱指令が与えられると,熱交
換器23に高温の熱媒を通流させる。この熱媒の通流によ
って潜熱蓄熱材22は相変化温度Tph(58℃)以上に加熱
されて液体状態となる。これによって,潜熱蓄熱材22に
蓄熱が行われる。
この状態で放置しておくと,潜熱蓄熱材22は外気によ
って冷却される。このとき,潜熱蓄熱材22は,相変化温
度Tph以下に冷却されても液体状態を保持する。すなわ
ち過冷却状態となり,外気温度Ts(たとえば,10℃)ま
で冷却される。
次に,放熱指令が与えられると,制御装置26は次のよ
うな制御を行なう。すなわち,温度センサ25の出力から
潜熱蓄熱材22の現在の温度を検出し,この温度が予め設
定されている温度Tmo(たとえば,5℃)より高いか否か
を判定する。もし,高いと判定したときには,熱交換器
23に熱媒を流し,この熱媒で顕熱分を奪って潜熱蓄熱材
22の温度をさらに低下させる。そして,設定温度Tmoま
で温度低下した時点で電子冷凍素子本体35を通電する。
また,潜熱蓄熱材22の温度が設定温度Tmoより低いとき
には熱交換器23に熱媒を通流させると同時に電子冷凍素
子本体35に通電する。
電子冷凍素子本35に電流が流れると,吸熱面37が温度
低下するが,この場合には吸熱面37のほとんどが水を透
過させない断熱材38で覆われているため,吸熱面37の温
度Tcは急速に酢酸ナトリウム3水塩の過冷却安定限界温
度である−15℃以下となる。このため,吸熱面37に接触
している細孔41内の潜熱蓄熱材は過冷却状態を解除され
る。この解除が蓄熱槽21内全体に伝わり,潜熱蓄熱材全
体の過冷却解除に進展する。なお,過冷却の解除と同時
に制御装置26は電子冷凍素子本体35への通電を停止す
る。
過冷却状態が解除されると,潜熱蓄熱材22は相変化温
度Tphまで温度上昇する。したがって,この時点から潜
熱蓄熱材22が保有していた潜熱が外部に取出されること
になり,ここに蓄熱装置としての機能が発揮されること
になる。
このように,電子冷凍素子本体35の吸熱面37の一部分
だけを潜熱蓄熱材22に接触させるようにしている。した
がって,1段構成の電子冷凍素子の場合でも,前述した理
由で吸熱面37の温度を十分に低温にすることができ,過
冷却の解除を確実に行なわせることができる。このた
め,信頼性の向上を図れるばかりか,使用できる潜熱蓄
熱材の種類を増加させることができる。また,極めて簡
単な構成で吸熱面37の温度Tcを十分に低温にすることが
できるので,全体が大型化するようなこともない。
なお,本発明は上述した実施例に限定されるものでは
ない。すなわち、細孔41の部分には水を透過させる断熱
材を充填するようにしてもよい。
また,第6図に示すように,各放熱面36がエポキシ樹
脂系の接着材を介してフイン31に熱的に接続され,各吸
熱面37が互いに対向するように2つの電子冷凍素子本体
35a,35bを設け,さらに各吸熱面37および側面を覆うよ
うに水を透過させない断熱材38aを配置し,各吸熱面37
の一部分を断熱材38a中に形成された細孔51および固定
治具52に形成された細孔53を介して潜熱蓄熱材に接触さ
せるようにしてもよい。このような構成を採用すると,1
つの電子冷凍素子本体が担う潜熱蓄熱材の量を少なくで
きるので,潜熱蓄熱材の一部を過冷却温度まで低下させ
るのに必要な時間を短縮させることができる。
以下,この理由を説明する。第7図は電子冷凍素子A
の設置の仕方を示すもので,同図(a)は従来の一般的
な(過冷却の解除用ではない)設置例を,同図(b)は
素子Aを1つだけ設置した例を,同図(c)は素子Aを
第6図に示すように2個向かい合わせに設置した例をそ
れぞれ模式的に示している。Q13,Qaは素子Aへの流出
入熱量,破線は素子Aの冷却効果が及ぶ範囲を示してい
る。なお,潜熱蓄熱材中にあるため上記範囲は狭い。比
熱をCp,質量をmとすると,各場合におけるエネルギバ
ランスは次のようになる。
第7図(a)の場合 Cpm・dT/dt=Q1+2Q2′−Qa 第7図(b)の場合 Cpm・dT/dt=Q1+2Q2−Qa 第7図(c)の場合 Cpm・dT/dt=2Q3′−2Qa ここで,(a)の場合と(b)の場合とを比較してみ
ると,Q2′<Q2であるから, Q1+2Q2′−Qa<Q1+2Q2−Qa おなり,(a)の場合方が(b)の場合より速く温度が
下がることになる。
一方,(c)の場合と(a)の場合とを比較してみる
と,Q1>Q3′であるから, Q1−Qa>Q3′−Qa,また,2Q2′≧0≧Q3′−Qa,(Q3′−
Qa≦0でなければ潜熱蓄熱材は冷えない。)となり, Q1+2Q2′−Qa>2(Q3′−Qa) となる。したがって,(c)の場合の方が(a)の場合
より速く冷えることになる。特に,素子Aの吸熱面間の
距離を短くする程,潜熱蓄熱材を速く冷やすことができ
る。したがって,第6図に示す構成を採用すると,通電
開始時点から過冷却が解除されるまでに要する時間の短
縮化を図ることができる。なお,この例の場合,細孔5
1,53内に水を透過させる断熱材を充填するようにしても
よい。その他,本発明の要しを逸脱しない範囲で種々変
更することができることは勿論である。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば,簡単な構成である
にも拘らず,電子冷凍素子の吸熱面温度を大幅に低下さ
せることができ,確実に過冷却解除動作を行なわせるこ
とができる。したがって,構成の複雑化や大型化を招く
ことなく,使用できる潜熱蓄熱材の種類を自由に選択で
き,しかも装置としての信頼性も向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る蓄熱装置の概略構成
図,第2図は同装置に組込まれた電子冷凍素子の構成
図,第3図は同装置の動作を説明するための図,第4図
および第5図は同装置に組込まれた電子冷凍素子の作用
を説明するための図,第6図は電子冷凍素子の変形例を
説明するための図,第7図は同素子の作用を説明するた
めの図,第8図は従来の蓄熱装置に組込まれた電子冷凍
素子の構成説明図である。 21……蓄熱槽,22……潜熱蓄熱材,23……熱交換器,24,24
a……電子冷凍素子,25……温度センサ,26……制御装置,
30……熱交換パイプ,31……フイン,32……P形半導体,3
3……N形半導体,34……金属板、35,35a,35b……電子冷
凍素子本体,36……放熱面,37……吸熱面,38,38a……水
を透過させない断熱材,41,51,53……細孔。
フロントページの続き (72)発明者 三谷 明男 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所家電技術研究所 内 (56)参考文献 特開 昭61−271861(JP,A) 特開 昭63−189786(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相変化温度より低い温度で安定な過冷却状
    態を保持する潜熱蓄熱材を収容した蓄熱槽と,この蓄熱
    槽内に配置された熱交換器と,前記潜熱蓄熱材中に配置
    されて上記潜熱蓄熱材の過冷却を解除するための電子冷
    凍素子とを備えた蓄熱装置において,放熱面を前記熱交
    換器に熱的に接触させて設けられた電子冷凍素子本体
    と,この電子冷凍素子本体の吸熱面を覆うように設けら
    れた水を透過させない断熱材と,この断熱材に設けられ
    前記吸熱面の一部分を前記潜熱蓄熱材に接触させる細孔
    とを具備してなることを特徴とする蓄熱装置。
  2. 【請求項2】前記電子冷凍素子本体は,吸熱面を向かい
    合わせにして2個設けてあり,各素子本体の吸熱面の一
    部分が前記断熱材に形成された細孔を共通に介して前記
    潜熱蓄熱材に接触している請求項1に記載の蓄熱装置。
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