JP2535356Y2 - 可燃性ガス検知器ガスセンサ被毒防止用フィルタ - Google Patents

可燃性ガス検知器ガスセンサ被毒防止用フィルタ

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JP2535356Y2 JP8773492U JP8773492U JP2535356Y2 JP 2535356 Y2 JP2535356 Y2 JP 2535356Y2 JP 8773492 U JP8773492 U JP 8773492U JP 8773492 U JP8773492 U JP 8773492U JP 2535356 Y2 JP2535356 Y2 JP 2535356Y2
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章雄 溝口
健治 濱田
敏明 佐々木
照彰 北浦
浩文 桑村
孝二 塩井
健治 増田
数人 友保
洋 吉野
義一 森澤
忠広 前田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ボイラの焚き口近傍に
設置された可燃性ガス又は蒸気の漏洩を検知する可燃性
ガス検知器のガスセンサを、SO2ガスのような被毒性
ガスから防護するとともに、誤警報を発することを解消
した可燃性ガス検知器ガスセンサ被毒防止用フィルタに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】発電所あるいは工場等のボイラ周辺に
は、燃料の蒸気やガスが滞留、充満して爆発や火災を発
生する危険性があるので、これらの作業場においては複
数の可燃性ガス検知器が設置され、厳重な常時監視態勢
が敷かれている。そして、可燃性ガスの濃度が一定値以
上になると、警報を発するように構成されている。この
場合、可燃性ガス検知器には、自然拡散によりガスセン
サ室(チェンバ)にガスを侵入させる方式と、強制吸引
によりガスセンサ室にガスを吸引する方式のものがあ
り、それぞれの目的に応じて使い分けされている。
【0003】一方燃料の原油や重油には、産地や種類に
よって異なるが1〜3%の硫黄が含有されていて、これ
が燃焼すると、硫黄分はSO2ガスとなって燃焼ガス中
に含まれているので、ボイラの焚き口等から漏洩するガ
スには、約500ppmのSO2ガスが含まれている。
【0004】従来のこの種ガス検知器にあっては、図5
に示すように、ガスセンサは常時350℃〜500℃に
加熱されているため、着火源とならないように、防爆の
目的のためにガスセンサ素子(21)を焼結金属(8)で覆っ
ている。そして、この焼結金属(8)が目詰まりを起こさ
ないように、その周囲に、 底部に通気口(23a)を穿設し
て、 ステンレス金網のフィルタ(22)を張って設けた有底
ロート状の防塵フィルタ(23)を、 止めねじ(6)で本体に
形成した焼結金属保持枠(9)に締め付け固定して取り付
けて覆っている。
【0005】そして、可燃性ガス検知器として用いられ
ているガスセンサは、 金属酸化物半導体特にSnO2
用いた半導体式ガスセンサが用いられており、ガス感応
物質であるSnO2が常時前記SO2ガスに曝されると、
可燃性ガスに対する感度が高くなって、鋭敏化する。し
たがって、警報を発するガス濃度を一定値に設定してお
いても、SO2ガスに被毒するとその設定値以下の濃度
であっても警報を発するという、誤警報の問題が発生す
る。本考案は上記問題を解決するためになされたもので
ある。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】そして、このようなガ
スセンサにあっては、ボイラ本体から漏洩したガス成分
中に含まれるSO2ガスにセンサが被毒して劣化し、高
感度化する、という問題があった。しかしながら、従来
の可燃性ガス検知器の検知部には、このSO2ガスに対
する保護対策を施していなかったので、ガスセンサがS
2ガスにより被毒し、高感度化して誤報を発し、その
都度標準ガスを用いてセンサの感度をチェックし、調節
しておかねばならなかった。
【0007】また更に、ガスセンサの被毒が進行し、感
度調節が不可能になった場合には、ガスセンサの寿命が
尽きたと判断して、新品と交換取り付けしなければなら
ないために、保守維持費が高価につくという問題があっ
た。
【0008】本考案は、このような従来の可燃性ガスセ
ンサが有していた課題を解決するために、SO2ガスに
対する対応策を施すことによって、誤警報を発すること
をなくするとともに、センサの寿命の大幅な延長を図る
ことを目的とするものである。
【0009】そして、図5に示すように従来の可燃性ガ
スセンサの検知部には、単に防塵フィルタ(23)で被うだ
けで、 SO2ガスに対する保護対策を施していなかった
のを、本考案においては、SO2ガス除去剤(4)の粒度と
層の厚さを調整して、高圧ガス取締法に基づく応答速度
に適合し、誤動作をして誤警報を発することを皆無なら
しめるとともに、防塵フィルタ(23)の必要性を解消し、
SO2ガス除去剤の詰め変え交換を簡単に行えるSO2
ス除去フィルタを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】該目的を達成するための
本考案の構成を、実施例に対応する図1乃至図4を用い
て説明すると、本考案は、ガスセンサ(21)の外側
を、多孔質の焼結金属(8)の有蓋筒状物で覆って防爆
型とし、更にその外側を、本体に形成した保持枠(9)
にフィルタを着脱自在に取り付ける止めねじ(6)を中
央に有するフィルタキヤップ(5)と、該フィルタキヤ
ップ(5)に螺合する筒状外壁を形成するフィルタケー
ス(1)からなるSOガス除去フィルタ(20)を被
せて、止めねじ(6)で本体に形成した焼結金属保持枠
(9)に締め付け固定したものである。このSOガス
除去フィルタ(20)の前記フィルタケース(1)の外
壁内側に横穴部(1a)を刔設し、該横穴部(1a)の
内側面に内側金網(2)を、外側底面に外側金網(3)
を張り、両金網(2),(3)の間にSOガス除去剤
(4)としてNa CO を担持させた多孔質担持体を
封入して形成し、さらに、筒状外壁に通気用並びにフィ
ルタの動作チエック用の開口部(7)を複数個設けたも
のである。
【0011】
【作用】本考案は、このような構造としたものであるか
ら、可燃性ガスとSO2ガスを含有する大気が、SO2
ス除去フィルタ(20)の開口部(7)から、 金網(3)を経て内
部に拡散し、SO2ガス除去剤(4)に接触するとSO2
スは除去剤(4)と反応し、SO2ガスは亜硫酸塩として固
定されるが、 可燃性ガスは間隙を通過拡散してガスセン
サ(21)に到達し、濃度に応じた電気出力が電気導線によ
って制御室等の外部へ導出される。
【0012】 SOガス除去剤(4)としてはアルカ
リ又はアルカリ土類金属の水酸化物や炭酸塩が使用可能
出あるが、これ等の化合物の中には、降雨期等の高湿状
態で潮解し、フィルタ構成部材を腐食したり、目詰まり
を起こして通気性を損なうものがあるので、使用環境に
よって選択する必要があるが、特に、Na CO を多
孔質担持体に担持したものが最も好ましい。
【0013】
【実施例】以下本考案の実施例について図面に基づいて
説明する。図中、図1乃至図4は、本考案の1実施例と
して、防爆型拡散式可燃性ガス検知器について示す図で
あって、図1は本考案のSO2ガス除去フィルタ(20)の
一部切欠断面を表した斜視図、 図2は可燃性ガス検知器
にSO2ガス除去フィルタ(20)を取り付けた断面図、 図
3はガス除去層の厚さと応答速度の対応を示す図、図4
はガスセンサの出力を試験、校正する装置の構造図であ
る。
【0014】 本実施例は、防爆型とするために、ガス
センサ(21)の外側を、多孔性の焼結金属の有蓋筒
(8)で覆い、更にその外側を螺合により取り外し容易
なフィルタキヤップ(5)と、該フィルタキヤップ
(5)に螺合する筒状外壁を形成する合成樹脂製又は金
属製のフィルタケース(1)からなるSOガス除去フ
ィルタ(20)を被せて、着脱自在に取り付ける止めね
じ(6)で本体に形成した焼結金属保持枠(9)に締め
付けて密閉してある。このSOガス除去フィルタ(2
0)は、本体に形成した保持枠(9)にフィルタを着脱
自在に取り付ける止めねじ(6)を中央に有するフィル
タキヤップ(5)と、該フィルタキヤップ(5)に螺合
する筒状外壁を形成するフィルタケース(1)からな
り、前記フィルタケース(1)の外壁内側に横穴部(1
a)を刔設し、筒状外壁に通気用及びガス導入用並びに
フィルタの動作チエック用の開口部(7)を複数個穿設
し、前記横穴部(1a)の内側に内側ステンレス金網
(2)を、外側に外側ステンレス金網(3)を張り、両
金網(2),(3)の間にSOガス除去剤(4)とし
Na CO を担持させと10〜30メッシュの粒度
の多孔質担持体を封入して形成してある。
【0015】しかるときは、可燃性ガスとSO2ガスを
含有する大気が、SO2ガス除去フィルタ(20)の開口部
(7)から、 外側ステンレス製金網(3)を経て内部に拡散
し、SO2ガス除去剤(4)に接触するとSO2ガスは除去
剤(4)と反応し、SO2ガスは亜硫酸塩として固定される
が、 可燃性ガスは間隙を通過拡散してガスセンサ(21)に
到達し、濃度に応じた電気出力が電気導線によって外部
へ導出される。
【0016】図4に示す点線部分は、ガスセンサ(21)の
出力を校正する装置であって、 該フィルタ(20)の外部を
密閉する有蓋筒状の校正キャップ(14)で覆い、 標準ガス
を採取したガスバッグ(13)を、 スプレ(12)、流量安定器
(11)を経て前記校正キャップ(14)内に送り込んで、 ガス
センサ(21)の出力が正常であるか、 否かを試験すること
ができる。 また同時に、 校正キャップ(14)内にガスを送
り込み、 ガスセンサ(21)の出力が所定値を示すまでの時
間、 すなわち応答速度を確認することができる。 もし応
答速度が30秒以上のときは、前記の止めねじ(6)を緩
めることによって容易に取り外しができ、フィルタキャ
ップ(5)を回して螺合を外すことにより簡単にキャップ
(5)が外れるので、 SO2ガス除去剤(4)を新品と詰め替
えて、再度標準ガスを用いて校正する。
【0017】SO2ガス除去剤(4)の粒度を10〜30メ
ッシュに調整し、充填層の厚さを0〜15mmに変え、
イソブタン濃度320ppmのガスを吹きかけ、警報濃
度を200ppmとして、警報を発するまでの時間を測
定した。その結果、応答速度を30秒以内に設定するに
は、SO2ガス除去剤(4)の層の厚さを9mm以下とすれ
ばよいことが分かった。それ等の測定結果を図3に示
す。しかし、SO2ガス除去剤(4)の層を薄くすれば、応
答速度は速くなるが、寿命が短くなって、SO2ガス除
去剤(4)の交換頻度が増すことになる。また、SO2ガス
除去剤(4)の粒度を大きくすると、 応答速度は早くなる
が、 SO2ガス除去効率は悪くなり、小さいときは応答
速度は遅くなる。
【0018】以上本考案の代表的と思われる実施例につ
いて説明したが、本考案は必ずしもこれらの実施例構造
のみに限定されるものではなく、本考案にいう前記の構
成要件を備え、かつ、本考案にいう目的を達成し、以下
にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施す
ることができるものである。
【0019】
【考案の効果】以上の説明から既に明らかなように、本
考案実施例は、SOガス除去剤(4)として、Na
CO を担持させた10〜30メッシュの粒度の多孔質
担体を用いたものであるから、可燃性ガスとSOガス
を含有する大気が、SOガス除去フィルタ(20)の
開口部(7)から、外側のステンレス製金網(3)を経
て内部に拡散し、SOガス除去剤(4)に接触すると
SOガスは除去剤(4)と反応し、SOガスは亜硫
酸塩として固定されるが可燃性ガスは間隙を通過拡散し
てガスセンサ(21)に到達し、濃度に応じた電気出力
を電気導線から外部へ導出できる。したがって、ガスセ
ンサ(21)がSOガスにより劣化し、高感度化して
誤動作をすることが解消し、防塵フィルタ(23)の必
要性が解消し、焼結金属(8)の目詰まりを起こすこと
なく、また、SOガス除去剤(4)の詰め替え交換も
容易になり、作業の合理化に貢献するという実用上にお
ける顕著な効果を期待することが出来るに至ったのであ
る。
【0020】また、本考案は、上述のような構造とした
ものであるから、ボイラ本体から漏洩したガス成分中の
SO2ガスによってセンサ(21)が被毒して劣化する、と
いう問題も解消できて、 著しくセンサ(21)の寿命の延長
を図ることができるという効果を期待することができる
に至ったのである。
【0021】又、本考案においては、SO2ガス除去剤
(4)の粒度を調整し、 層の厚さを調整することにより、
SO2ガスに対するセンサ(21)の応答速度を30秒以内
に設定することが可能となり、高圧ガス取締法に基づく
応答速度(30秒以内)に適合し、単にSO2ガス除去
剤(4)を新品と詰め替え交換することにより、 長期間に
わたって、 安定に可燃性ガス検知器を作動させることが
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のSO2ガス除去フィルタの一部切欠断
面を表した斜視図。
【図2】可燃性ガス検知器に本考案のSO2ガス除去フ
ィルタを取り付けた断面図。
【図3】除去層の厚さと応答速度の対応を示す図。
【図4】ガスセンサの出力を試験、校正する装置の構造
図。
【図5】従来例を示す一部断面図。
【符号の説明】
(1) フィルタケース (1a) 横穴部 (2) 内側金網 (3) 外側金網 (4) SO2ガス除去剤 (5) フィルタキャップ (6) 止めねじ (7) 開口部 (8) 焼結金属 (9) 保持枠 (11) 流量安定器 (12) スプレ (13) ガスバッグ (14) 校正キャップ (20) ガス除去フィルタ (21) ガスセンサ (23) 防塵フィルタ
フロントページの続き (72)考案者 濱田 健治 兵庫県赤穂郡上郡町高田台5−6−18 (72)考案者 佐々木 敏明 兵庫県揖保郡太子町老原314 (72)考案者 北浦 照彰 兵庫県赤穂市塩屋239−12 (72)考案者 桑村 浩文 兵庫県赤穂市御崎1768御崎社宅B−6 (72)考案者 塩井 孝二 兵庫県赤穂市中広262−6中広社宅203 (72)考案者 増田 健治 兵庫県高砂市梅井1丁目9番A−202 (72)考案者 友保 数人 兵庫県赤穂市御崎1656 御崎寮 (72)考案者 吉野 洋 兵庫県姫路市飾磨区妻鹿1183−1 (72)考案者 森澤 義一 兵庫県揖保郡太子町広坂310 (72)考案者 前田 忠広 大阪府大阪市淀川区三津屋中2丁目5番 4号 新コスモス電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−8652(JP,A)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体に形成した保持枠(9)にフィルタ
    を着脱自在に取り付ける止めねじ(6)を中央に有する
    フィルタキヤップ(5)と、該フィルタキヤップ(5)
    に螺合する筒状外壁を形成するフィルタケース(1)か
    らなり、前記フィルタケース(1)の外壁内側に横穴部
    (1a)を刔設し、該横穴部(1a)に内側金網
    (2)、外側金網(3)を張つて設け、両金網(2),
    (3)の間にSOガス除去剤(4)としてNa CO
    を担持させた多孔質担持体を封入して形成し、筒状外
    壁に通気用並びにフィルタの動作チエック用の開口部
    (7)を複数個設けた可燃性ガス検知器ガスセンサ被毒
    防止用フィルタ。
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