JP2534844Y2 - 抄紙用ドライヤーカンバス - Google Patents
抄紙用ドライヤーカンバスInfo
- Publication number
- JP2534844Y2 JP2534844Y2 JP1991080784U JP8078491U JP2534844Y2 JP 2534844 Y2 JP2534844 Y2 JP 2534844Y2 JP 1991080784 U JP1991080784 U JP 1991080784U JP 8078491 U JP8078491 U JP 8078491U JP 2534844 Y2 JP2534844 Y2 JP 2534844Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pmp
- dryer canvas
- heat resistance
- yarn
- papermaking
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Artificial Filaments (AREA)
- Paper (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、抄紙機のドライパート
で使用される抄紙用ドライヤーカンバスに関するもので
ある。
で使用される抄紙用ドライヤーカンバスに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、抄紙機のドライパートで使用され
るドライヤーカンバスは、通常、ポリエチレンテレフタ
レート(以下PETという)、あるいは、ポリプロピレ
ン(以下PPという)合成樹脂が使用されている。
るドライヤーカンバスは、通常、ポリエチレンテレフタ
レート(以下PETという)、あるいは、ポリプロピレ
ン(以下PPという)合成樹脂が使用されている。
【0003】PPは、耐湿熱性・耐薬品性には優れてい
るが、融点160゜cであり、耐乾熱性に劣り、そのため使
用場所が限定されることになる。
るが、融点160゜cであり、耐乾熱性に劣り、そのため使
用場所が限定されることになる。
【0004】そこで、ドライヤーカンバスには主にPE
Tが用いられている。しかし、PETは、耐乾熱性は優
れているが、耐アルカリ性並びに耐湿熱性に劣り使用条
件によっては寿命が短くなる問題があった。
Tが用いられている。しかし、PETは、耐乾熱性は優
れているが、耐アルカリ性並びに耐湿熱性に劣り使用条
件によっては寿命が短くなる問題があった。
【0005】一方、抄紙機の高速化が進み、蒸気圧も高
めに設定され、更に、高温にも耐えられるドライヤーカ
ンバスが要求されるようになってきており、一部はPP
あるいはPETでは対応できなくなってきている。
めに設定され、更に、高温にも耐えられるドライヤーカ
ンバスが要求されるようになってきており、一部はPP
あるいはPETでは対応できなくなってきている。
【0006】そのため、最近ではポリエーテルエーテル
ケトン(以下PEEKという)、ポリフェニレンサルフ
ァイド(以下PPSという)等の耐熱性合成樹脂を用い
たドライヤーカンバスも使用されるようになってきてい
る。
ケトン(以下PEEKという)、ポリフェニレンサルフ
ァイド(以下PPSという)等の耐熱性合成樹脂を用い
たドライヤーカンバスも使用されるようになってきてい
る。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】上記PEEKあるいは
PPSは、価格がPETと比べると、非常に高く、ドラ
イヤーカンバスの価格が上昇し、経済的な面で問題があ
った。
PPSは、価格がPETと比べると、非常に高く、ドラ
イヤーカンバスの価格が上昇し、経済的な面で問題があ
った。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本考案は、上記
問題を解決するために、溶融押出し可能なポリ(4−メ
チルペンテン−1)から製造した繊維を使用して製織し
た抄紙用ドライヤーカンバスを提案するものである。
問題を解決するために、溶融押出し可能なポリ(4−メ
チルペンテン−1)から製造した繊維を使用して製織し
た抄紙用ドライヤーカンバスを提案するものである。
【0009】
【作用】ポリ(4−メチルペンテン−1)は、ポリオレ
フィンの一種であって、耐湿熱性・耐乾熱性・耐薬品性
を備え、しかも、融点が約240゜c〜250゜cと高く、か
つ、溶融押出しによる紡糸が可能であることに着目し、
この繊維を用いて製織した抄紙用ドライヤーカンバス
は、耐湿熱性・耐乾熱性・耐薬品性を備え寿命が長く使
用条件及び使用場所に制約されることのないドライヤー
カンバスが提供可能である。しかも、ポリ(4−メチル
ペンテン−1)の価格は、PETと比べて少し高いだけ
で経済的にも問題がない。
フィンの一種であって、耐湿熱性・耐乾熱性・耐薬品性
を備え、しかも、融点が約240゜c〜250゜cと高く、か
つ、溶融押出しによる紡糸が可能であることに着目し、
この繊維を用いて製織した抄紙用ドライヤーカンバス
は、耐湿熱性・耐乾熱性・耐薬品性を備え寿命が長く使
用条件及び使用場所に制約されることのないドライヤー
カンバスが提供可能である。しかも、ポリ(4−メチル
ペンテン−1)の価格は、PETと比べて少し高いだけ
で経済的にも問題がない。
【0010】
【実施例】図1の(A)(B)(C)は本考案の抄紙用
ドライヤーカンバスの異なる製織例を示しており、図2
の(A)(B)は、本考案で使用する繊維の耐湿熱性試
験結果及び耐乾熱性試験結果を示すグラフである。
ドライヤーカンバスの異なる製織例を示しており、図2
の(A)(B)は、本考案で使用する繊維の耐湿熱性試
験結果及び耐乾熱性試験結果を示すグラフである。
【0011】先ず、本考案は、ポリ(4−メチルペンテ
ン−1)(以下、PMPという)が、融点が約240゜c〜
250゜cと高く、かつ、PEEKやPPSに比較して低価
格であり、さらに、溶融押出しによる紡糸が可能である
ことに着目し、この繊維を用いてドライヤーカンバスを
製織するものである。
ン−1)(以下、PMPという)が、融点が約240゜c〜
250゜cと高く、かつ、PEEKやPPSに比較して低価
格であり、さらに、溶融押出しによる紡糸が可能である
ことに着目し、この繊維を用いてドライヤーカンバスを
製織するものである。
【0012】上記PMPは、太さ0.4mmの糸として同じ
太さのPETと、1.5kg/cm2の飽和蒸気雰囲気内で耐湿
熱性試験を実施したところ、図2の(A)に示す様な結
果を得た。図2の(A)は、縦軸に強度の保持率(%)
を、横軸に処理日数(日)をとって耐湿熱性を表わした
もので、黒丸がPETであり、白丸がPMPであって、
PETは、処理日数が5日目で保持率が50%となり、8
日目では保持率が0となったが、PMPは20日間経過し
ても保持率が90%程度と高く、PETに比べて耐湿熱性
が優れていることが判明した。 また、上記PMPは、
太さ0.4mmの糸として同じ太さのPPと145゜cの雰囲気
内で耐乾熱性試験を実施したところ、図2の(B)に示
す様な結果を得た。図2の(B)は、縦軸に脆化残存本
数(本)を、横軸に処理日数(日)をとって耐乾熱性を
表わしたもので、供試本数nをn=20とした場合であっ
て、黒丸で示すPPは、処理日数が31日目までは変化な
しであったが、32日目から33日目にかけて急減し、すべ
て脆化した。これに対して白丸で示すPMPは、39日経
過しても1本も脆化がなく、PPに比べて耐乾熱性が優
れていることが判明した。
太さのPETと、1.5kg/cm2の飽和蒸気雰囲気内で耐湿
熱性試験を実施したところ、図2の(A)に示す様な結
果を得た。図2の(A)は、縦軸に強度の保持率(%)
を、横軸に処理日数(日)をとって耐湿熱性を表わした
もので、黒丸がPETであり、白丸がPMPであって、
PETは、処理日数が5日目で保持率が50%となり、8
日目では保持率が0となったが、PMPは20日間経過し
ても保持率が90%程度と高く、PETに比べて耐湿熱性
が優れていることが判明した。 また、上記PMPは、
太さ0.4mmの糸として同じ太さのPPと145゜cの雰囲気
内で耐乾熱性試験を実施したところ、図2の(B)に示
す様な結果を得た。図2の(B)は、縦軸に脆化残存本
数(本)を、横軸に処理日数(日)をとって耐乾熱性を
表わしたもので、供試本数nをn=20とした場合であっ
て、黒丸で示すPPは、処理日数が31日目までは変化な
しであったが、32日目から33日目にかけて急減し、すべ
て脆化した。これに対して白丸で示すPMPは、39日経
過しても1本も脆化がなく、PPに比べて耐乾熱性が優
れていることが判明した。
【0013】本考案は、上記PMPの繊維を使用して抄
紙用ドライヤーカンバスを製織するもので、図1の
(A)(B)(C)は、それらの異なる実施例を示して
いる。
紙用ドライヤーカンバスを製織するもので、図1の
(A)(B)(C)は、それらの異なる実施例を示して
いる。
【0014】先ず、図1の(A)は、緯三重織でタテ糸
には太さ0.4mmのPMPモノフィラメント糸を織密度84.
6本/2.54cmで、ヨコ糸は、表層が太さ0.5mmのPMPモ
ノフィラメント糸を、中層が6番手8本撚りのPMPス
パン糸を、裏層が太さ0.5mmのPMPモノフィラメント
糸を、これらヨコ糸の織密度を14.9本×3/2.54cmで配
したものである。
には太さ0.4mmのPMPモノフィラメント糸を織密度84.
6本/2.54cmで、ヨコ糸は、表層が太さ0.5mmのPMPモ
ノフィラメント糸を、中層が6番手8本撚りのPMPス
パン糸を、裏層が太さ0.5mmのPMPモノフィラメント
糸を、これらヨコ糸の織密度を14.9本×3/2.54cmで配
したものである。
【0015】図1の(B)は、緯三重織でタテ糸には太
さ0.4mmのPMPモノフィラメント糸を織密度88.0本/
2.54cmで、ヨコ糸は、表層が20番手24本撚りのPMP
スパン糸を、中層と裏層とには太さ0.5mmのPMPモノ
フィラメント糸に、太さ1500D/1本のPMPマルチフ
ィラメント糸2本をカバーリングしたものを、これらヨ
コ糸の織密度を13.3本×3/2.54cmで配したものであ
る。
さ0.4mmのPMPモノフィラメント糸を織密度88.0本/
2.54cmで、ヨコ糸は、表層が20番手24本撚りのPMP
スパン糸を、中層と裏層とには太さ0.5mmのPMPモノ
フィラメント糸に、太さ1500D/1本のPMPマルチフ
ィラメント糸2本をカバーリングしたものを、これらヨ
コ糸の織密度を13.3本×3/2.54cmで配したものであ
る。
【0016】図1の(C)は、緯二重織でタテ糸には0.
3×0.56mmの断面扁平なPMPモノフィラメント扁平糸
を織密度54.7/2.54cmで、ヨコ糸は、表層及び裏層とも
に太さ0.8mmのPMPモノフィラメント糸を織密度15.6
本×2/2.54cmで配したものである。
3×0.56mmの断面扁平なPMPモノフィラメント扁平糸
を織密度54.7/2.54cmで、ヨコ糸は、表層及び裏層とも
に太さ0.8mmのPMPモノフィラメント糸を織密度15.6
本×2/2.54cmで配したものである。
【0017】本実施例ではPMPを用いた単一繊維を使
用して製織した場合を示したが、PMPと他の合成樹脂
とを混合した複合繊維を使用して製織することも可能で
ある。また、使用するPMPモノフィラメント糸の太さ
の範囲は、抄紙用ドライヤーカンバスのモノフィラメン
ト糸として一般的な太さを適用することができ、例え
ば、円形断面のものは、直径が、0.1〜2.0mm
で、扁平断面のものは、長径が、0.3〜1.3mm
で、短径:長径の比率が1:1.4〜1:4の範囲にあ
るものが望ましい。さらに、各実施例で製織したものの
片面又は両面にウェブをニードリングすることにより、
ニードルカンバスとすることができる。
用して製織した場合を示したが、PMPと他の合成樹脂
とを混合した複合繊維を使用して製織することも可能で
ある。また、使用するPMPモノフィラメント糸の太さ
の範囲は、抄紙用ドライヤーカンバスのモノフィラメン
ト糸として一般的な太さを適用することができ、例え
ば、円形断面のものは、直径が、0.1〜2.0mm
で、扁平断面のものは、長径が、0.3〜1.3mm
で、短径:長径の比率が1:1.4〜1:4の範囲にあ
るものが望ましい。さらに、各実施例で製織したものの
片面又は両面にウェブをニードリングすることにより、
ニードルカンバスとすることができる。
【0018】本考案によれば、耐湿熱性・耐乾熱性・耐
薬品性に優れ、寿命が長く、使用条件及び使用場所に制
約されることのない抄紙用ドライヤーカンバスを提供す
ることができ、しかも、価格がPETと比べて少し高い
だけで経済的にも問題がない等の利点がある。
薬品性に優れ、寿命が長く、使用条件及び使用場所に制
約されることのない抄紙用ドライヤーカンバスを提供す
ることができ、しかも、価格がPETと比べて少し高い
だけで経済的にも問題がない等の利点がある。
【図1】(A)(B)(C)は本考案に係る抄紙用ドラ
イヤーカンバスの異なる実施例を示す組織構成図であっ
て、(A)はモノフラメント糸・スパン糸の例、(B)
はモノフイラメント糸・マルチフイラメント糸・スパン
糸の例、(C)は偏平モノフイラメント糸・モノフイラ
メント糸の例を示す。
イヤーカンバスの異なる実施例を示す組織構成図であっ
て、(A)はモノフラメント糸・スパン糸の例、(B)
はモノフイラメント糸・マルチフイラメント糸・スパン
糸の例、(C)は偏平モノフイラメント糸・モノフイラ
メント糸の例を示す。
【図2】(A)は本考案で使用する繊維PMPと従来の
PETとの耐湿熱性試験の比較表であり、(B)は同じ
くPMPと従来のPPとの耐乾熱性試験の比較表であ
る。
PETとの耐湿熱性試験の比較表であり、(B)は同じ
くPMPと従来のPPとの耐乾熱性試験の比較表であ
る。
PMP ポリ(4−メチルペンテン−1) PET ポリエチレンテレフタレート PP ポリプロピレン
Claims (1)
- 【請求項1】 抄紙用ドライヤーカンバスにおいて、溶
融押出し可能なポリ(4−メチルペンテン−1)から製
造した繊維を使用して製織したことを特徴とする抄紙用
ドライヤーカンバス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991080784U JP2534844Y2 (ja) | 1991-10-04 | 1991-10-04 | 抄紙用ドライヤーカンバス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991080784U JP2534844Y2 (ja) | 1991-10-04 | 1991-10-04 | 抄紙用ドライヤーカンバス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0535898U JPH0535898U (ja) | 1993-05-14 |
JP2534844Y2 true JP2534844Y2 (ja) | 1997-05-07 |
Family
ID=13728075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991080784U Expired - Lifetime JP2534844Y2 (ja) | 1991-10-04 | 1991-10-04 | 抄紙用ドライヤーカンバス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2534844Y2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6139409A (ja) * | 1984-07-31 | 1986-02-25 | 日立電線株式会社 | 防蟻電線・ケ−ブル |
GB8827789D0 (en) * | 1988-11-28 | 1988-12-29 | Albany Research Uk | Paper machine felts |
-
1991
- 1991-10-04 JP JP1991080784U patent/JP2534844Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0535898U (ja) | 1993-05-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
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EXPY | Cancellation because of completion of term |