JP2533864B2 - Dl−アラニンの光学分割法 - Google Patents

Dl−アラニンの光学分割法

Info

Publication number
JP2533864B2
JP2533864B2 JP61278847A JP27884786A JP2533864B2 JP 2533864 B2 JP2533864 B2 JP 2533864B2 JP 61278847 A JP61278847 A JP 61278847A JP 27884786 A JP27884786 A JP 27884786A JP 2533864 B2 JP2533864 B2 JP 2533864B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alanine
benzenesulfonate
benzene sulfonate
optical purity
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61278847A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63132866A (ja
Inventor
博之 野平
久男 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP61278847A priority Critical patent/JP2533864B2/ja
Publication of JPS63132866A publication Critical patent/JPS63132866A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2533864B2 publication Critical patent/JP2533864B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、DL−アラニンの光学分割に関するものであ
り、さらに詳しくは、DL−アラニンまたはD−もしくは
L−いずれか一方の活性体が過剰に存在するアラニンを
ベンゼンスルホン酸塩として優先晶出する際に、強酸性
の水溶液、またはその水溶液に異種アミン酸を共存させ
た水溶液から安定した条件で晶析させることを特徴とす
るアラニンの光学活性体の製法に関するものである。
光学活性アラニンは食品添加物あるいはペプチドの合
成原料として有用なアミノ酸の1つであり、それを安価
に製造する方法が産業上強く要望されている。
〔従来の技術〕
従来、化学的合成によって得られるDL−アラニンを光
学分割することによる光学活性なアラニンの製造法とし
ては、種々の方法が提案されている。例えば、(1)DL
−アラニン・ベンゼンスルホン酸塩の優先晶出法(特開
昭42−22923)および〔千畑一郎等、エクスペリメンチ
ア(Experimentia)、24、638(1968)〕、(2)DL−
アラニン・p−クロロベンゼンスルホン酸塩の優先晶出
法(特公昭48−57915)、(3)光学活性マンデル酸を
分割剤としてアラニンを光学分割する方法(特開昭55−
57545)、および(4)光学活性なスルホン酸誘導体を
用いて光学分割する方法(特開昭59−170057)等であ
る。
〔解決しようとする問題点〕
しかしながら、(1)の方法ではDL−アラニン・ベン
ゼンスルホン酸塩が水に易溶なため、分割溶媒として水
を使用することは不適であり、溶媒としてはアルコール
類あるいはケトン類等の有機溶媒を単独あるいは水との
混合溶媒として使用しなければならなかった。また光学
分割を繰返して行う場合にはエステル化等に起因する分
割溶液の経変あるいは溶媒組成の変化があり、実用的方
法とはいえない。
また、(2)の方法においても晶出溶液の過飽和安定
性に欠ける等技術的に種々の制約を有している。
さらに、(3)、(4)の方法は光学活性な分割剤を
用いており、必ずしも工業的に有利な方法とはいいがた
い。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、このような問題点を解消し、光学活性
なアラニンを高光学純度かつ好収率で得ることができる
と同時に、工業的に実施可能な優れた光学分割方法を見
い出すべく鋭意研究した結果、アラニンをベンゼンスル
ホン酸塩として優先晶出する際に、メタンスルホン酸ま
たは硫酸のような強酸を共存させると、工業的に実施す
る上で非常に有利な水を分割溶媒として用いることがで
き、かつ分割収率が向上することを見い出し、本発明を
完成した。
本発明において、晶出溶液中に共存させるメタンスル
ホン酸または硫酸の量は特に限定するものではないが、
操作性を考慮すると3〜7.5Mの水溶液を用いるのが効果
的である。また、この晶出溶液中にセリン等の異種アミ
ノ酸を同時に共存させてもよい。
本発明は、例えば次の様な方法で実施する。DL−アラ
ニン・ベンゼンスルホン酸塩を3〜7.5Mのメタンスルホ
ン酸または硫酸水溶液に加熱溶解した後、冷却してDL−
アラニン・ベンゼンスルホン酸塩に関して過飽和とな
し、これに光学活性なアラニン・ベンゼンスルホン酸塩
の種晶を接種して、同種の活性体塩の結晶を晶出させ、
母液より分離する。次に晶出した結晶とほぼ同量のDL−
アラニン・ベンゼンスルホン酸塩をこの母液に補充して
加熱溶解し、前回接種した活性体と反対の施光性をもつ
光学活性アラニン・ベンゼンスルホン酸塩の結晶を接種
して、それと同種の活性体塩の結晶を晶出させ、固液分
離する。以下このような操作を繰り返すことにより、DL
−アラニン・ベンゼンスルホン酸塩を容易にかつ完全に
光学分割することができる。
晶出温度は0〜50℃の範囲内であれば優先晶出が可能
であり、晶出させる際に厳密な温度制御は必要ない。
このようにして得られた光学活性アラニン・ベンゼン
スルホン酸塩は、メタンスルホン酸水溶液から再結晶す
るか、またはアセトンを用いて精製することにより、さ
らに高光学純度の活性体塩とすることができる。
次に、このようにして得られた光学活性のアラニン・
ベンゼンスルホン酸塩を常法に従って中和またはイオン
交換樹脂を通す等の方法によって処理すれば光学活性ア
ラニンが得られる。
〔発明の効果〕
本発明の光学分割法は、優先晶出する溶媒として安価
な水を用いることができるので極めて経済的であり、工
業的にも非常に有利な方法と言える。また優先晶出法
は、高価な分割剤や酵素を必要とせず、また得られた光
学活性体の結晶を次回の種晶として用いることができる
ので、最初に少量の種品を用意するだけで分割が可能で
あり、また操作面でも単なる晶析操作だけであるため工
業的に実施可能な方法である。さらに、両活性体を同等
の容易さで得られることも利点である。
実施例1 DL−アラニン・ベンゼンスルホン酸塩16.9gを5.80Mメ
タンスルホン酸水溶液10mlに加熱溶解した。この溶液を
29℃まで冷却後、同温度で攪拌しながら、L−アラニン
・ベンゼンスルホン酸塩の種晶0.05gを接種し、1時間
かかって24℃まで下げた、析出した結晶を取し、乾燥
すると、L−アラニン・ベンゼンスルホン酸塩16.2gが
得られた〔α〕435+14.5゜(c=2、99%エタノー
ル)。
得られた結晶の光学純度は、市販のL−アラニンから
合成したL−アラニン・ベンゼンスルホン酸塩の測定値
▲〔α〕25 435▼+17.0゜(c=2、99%エタノール)
から計算すると85.3%であった。
結晶を別した母液に1.60gのDL−アラニン・ベンゼ
ンスルホン酸塩を補充し、加熱溶解後冷却し、液温が29
℃になった時、D−アラニン・ベンゼンスルホン酸塩の
種晶0.05gを接種した。前回と同様に操作することによ
りD−アラニン・ベンゼンスルホン酸塩1.75gを得た。
〔α〕435−15.1゜(c=2、99%エタノール)、光学
純度88.8%であった。
以下同様な操作を繰り返し光学純度85〜90%のL−お
よびD−アラニン・ベンゼンスルホン酸塩約1.6〜2.0g
ずつを交互に得た。
このようにして得られた粗L−およびD−アラニン・
ベンゼンスルホン酸塩を同符号同志あわせて、それぞ
れ、その活性体塩1gについて2mlのアセトンを加え攪拌
しながら30分還流、20分氷冷して析出した塩を過する
と、光学純度95%以上の精製光学活性アラニン・ベンゼ
ンスルホン酸塩が収率90〜95%で得られた。
このようにして得られた光学純度96%noL−アラニン
・ベンゼンスルホン酸塩9.04gを80%メタノール水溶液6
3mlに溶解し、そこに水酸化ナトリウムを加えてpHを7
に調整した。20分程氷冷した後、過し、2.93gのL−
アラニンを得た。〔α〕+12.6゜(c=2、1N−HC
l)、光学純度90%、融点271〜275℃であった。
さらに、このL−アラニンを50%メタノール水溶液を
用いて再結晶することにより収率75%でほぼ光学純度10
0%のL−アラニンが得られた。
実施例2 低光学純度(光学純度9%)のD−アラニン・ベンゼ
ンスルホン酸塩41.9gを5.80Mメタンスルホン酸水溶液20
mlに加熱溶解した。この溶液を29℃まで冷却後、同温度
で攪拌しながらD−アラニン・ベンゼンスルホン酸塩の
種晶0.05gを接種し、1時間かかって24℃まで下げた。
析出した結晶を取し、乾燥することによりD−アラニ
ン・ベンゼンスルホン酸塩5.93gを得た。〔α〕435−1
4.5゜(c=2、99%エタノール)、光学純度85.3%。
結晶を別した母液に光学純度37.3%のL−アラニン
・ベンゼンスルホン酸塩5.92gを補充し、加熱溶解後冷
却し、液温が29℃になった時、L−アラニン・ベンゼン
スルホン酸塩の種晶0.05gを接種した。前回と同様に操
作することによりL−アラニン・ベンゼンスルホン酸塩
5.98gを得た。〔α〕435+14.5゜(c=2、99%エタノ
ール)、光学純度85.3%。
実施例3 DL−アラニン・ベンゼンスルホン酸塩19.1gとセリン
0.41gを5.80Mメタンスルホン酸水溶液10mlに加熱溶解し
た。この溶液を冷却し、29℃になった時、L−アラニン
・ベンゼンスルホン酸塩の種晶0.05gを接種し、攪拌し
ながら1時間かかって24℃まで下げた。析出した結晶を
取し、乾燥すると、L−アラニン・ベンゼンスルホン
酸塩1.70gが得られた。〔α〕435+14.5゜(c=2、99
%エタノール)、光学純度85.3%。
結晶を別した母液に、DL−アラニン・ベンゼンスル
ホン酸塩2.00gを補充し、加熱溶解した。この溶液を冷
却し、液温が29℃になった時、D−アラニン、ベンゼン
スルホン酸塩の種晶0.05gを接種し前回と同様に操作す
ることにより、D−アラニン・ベンゼンスルホン酸塩1.
93gを得た。〔α〕435−13.6゜(c=2、99%エタノー
ル)、光学純度80.0%。
以下、同様な操作を繰り返すことにより、光学純度70
〜90%の活性体塩1.7〜2.5gずつを交互に得た。
実施例4 DL−アラニン・ベンゼンスルホン酸塩21.4gを3.56M硫
酸水溶液10mlに加熱溶解後冷却し、29℃になった時、L
−アラニン・ベンゼンスルホン酸塩の種晶0.05gを接種
し、ゆっくり攪拌しながら10分間に1℃の割合で22℃ま
で溶液の温度を下げ、成長した結晶を取し乾燥する
と、L−アラニン・ベンゼンスルホン酸塩1.72gが得ら
れる。〔α〕435+15.1゜(c=2、99%エタノー
ル)、光学純度88.8%。
結晶を別した母液に、DL−アラニン・ベンゼンスル
ホン酸塩1.72gを加熱溶解し、D−アラニン・ベンゼン
スルホン酸塩を種晶として同様に操作し、D−アラニン
・ベンゼンスルホン酸塩2.23gを得た。〔α〕435−15.1
゜(c=2、99%エタノール)、光学純度88.8%。
以下、同様の操作を繰り返すことにより、光学純度85
〜90%の活性体塩2.0〜2.2gずつを交互に得た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】DL−アラニンまたはD−もしくはL−どち
    らか一方の活性体が過剰に存在するアラニンをベンゼン
    スルホン酸塩として優先晶出する際に、強酸性の水溶
    液、またはその水溶液に異種アミノ酸を共存させた水溶
    液から晶析させることを特徴とするDL−アラニンの光学
    分割法。
JP61278847A 1986-11-25 1986-11-25 Dl−アラニンの光学分割法 Expired - Lifetime JP2533864B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61278847A JP2533864B2 (ja) 1986-11-25 1986-11-25 Dl−アラニンの光学分割法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61278847A JP2533864B2 (ja) 1986-11-25 1986-11-25 Dl−アラニンの光学分割法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63132866A JPS63132866A (ja) 1988-06-04
JP2533864B2 true JP2533864B2 (ja) 1996-09-11

Family

ID=17602974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61278847A Expired - Lifetime JP2533864B2 (ja) 1986-11-25 1986-11-25 Dl−アラニンの光学分割法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2533864B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004018407A1 (ja) * 2002-08-23 2004-03-04 Ajinomoto Co., Inc. アミノ酸エステル塩結晶およびその製法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63132866A (ja) 1988-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0127411B1 (en) Method of preparing alpha-l-aspartyl-l-phenylalanine methyl ester and its hydrochloride
FI81783B (fi) Foerfarande foer avskiljning av racemiska blandningar av bicykliska imino- -karboxylsyraestrar i komponenterna.
US4785089A (en) Novel sulfonic acid esters and their preparation
US5856579A (en) Adduct salts of novel substituted benzylamines and a process for optically resolving them
Hirotsu et al. Synthetic studies of bacitracin. IV. Synthesis of thiazoline peptides by iminoether coupling method
US2835704A (en) Pantetheine intermediates
JP2533864B2 (ja) Dl−アラニンの光学分割法
Yamada et al. Preparation of d-p-Hydroxyphenylglycine: Optical Resolution of dl-p-Hydroxyphenylglycine by Preferential Crystallization Procedure
US4390722A (en) Resolution of amino acids
EP0220435B1 (en) A method for preparing optically active half esters
US4621152A (en) Process for the enantiomeric resolution of mixtures of D and L-6-methoxy-alpha-methyl-2-naphthaleneacetic acid and resolving agent for said process
EP0070114B1 (en) A process for preparing an optically active p-hydroxyphenyl-glycine or a salt thereof
US4309362A (en) Process for the optical resolution of DL-p-hydroxy-phenylglycine
US3983162A (en) Optical resolution of alkyl esters of DL-phenylalanine
US2991307A (en) Process of resolving nu, nu-dibenzyl-dl-alpha-amino acids and products
WO1985003932A1 (en) Novel diastereomer salts of phenylalanine and n-acyl derivatives thereof and process for the separation of optically active phenylalanine and n-acyl derivatives thereof
US3598856A (en) T-alkyl pentachlorophenyl carbonate
KR950005507B1 (ko) N-(술포닐메틸)포름아미드의 제조방법
US2463939A (en) Phenylacetyl amino acid esters
EP0132373A1 (en) A neutral amino acid complex and a method for optical resolution of a DL-amino acid
US3904646A (en) Resolution of tryptophan using benzenesulfonic acid and p-phenolsulfonic acid
US4824964A (en) Method for preparing optically active N-acetylindoline-2-carboxylic acid
JPS59170057A (ja) スルホン酸誘導体及びその製法
US4285884A (en) Process for resolution of racemic DL-α-aminocarboxylic acids
CA1210014A (en) Diastereomers of 1-ethyl-2-aminomethyl pyrrolidine

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term