JP2533416Y2 - 根菜類収穫機の夾雑物排出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は根菜類収穫機の夾雑物排出装置の改良に関す
るものである。

［従来の技術］ 根菜類収穫機は収穫作業によって根菜と共に掘取られ
た石、土砂、茎葉、雑草等の夾雑物を分離除去する夾雑
物排出装置を備える。従来の装置はいずれも土砂、茎葉
を始めに処理し、ついで、それ以外の夾雑物を処理する
方式であった。例えば、特開昭55−111721号の装置は掘
上げたものを第１コンベヤからロータリコンベヤへ移す
ときに、茎葉を茎葉コンベヤに引掛けて分離し、土塊、
石はロータリコンベヤを出てからブラシロールと選別ロ
ールによって除去する。特開平１−312915号の装置も茎
葉の除去については前記装置と同一であるが、ブラシロ
ールの代りに粉砕ロールを備え、湿潤性土塊を粉砕除去
する。

［考案が解決しようとする課題］ 従来の装置はブラシロール又は粉砕ロールを有するた
め、湿潤性ないし粘着性土壌において栽培された根菜類
の処理には適しているが、茎葉処理については十分では
なく、小茎葉が製品コンテナ中に混入していた。近年、
製品コンテナ中に混入する小茎葉が問題になってきた。
本考案はこの問題を解決するためになされたものであ
り、その目的とするところは茎葉を十分に分離除去する
ことができる装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 前記目的を達成するため、本考案が採用した手段は、
根菜類収穫機においてロータリコンベヤの出口の下に第
１及び第２逆転コンベヤと、夾雑物横送りコンベヤと、
夾雑物送りコンベヤとからなる夾雑物排出装置を設けた
ことにある。

第１逆転コンベヤは機長方向に延長して前端部が第１
製品送りコンベヤに接続し後端部は前端部よりも高く斜
めに突出し、走行は逆転すなわち上面が前端側から後端
側に進行する。

第２逆転コンベヤは第１逆転コンベヤ後端部の下にお
いて機長方向に延長し、後端部は前端部よりも高く斜め
に突出し、走行は逆転すなわち上面が前端側から後端側
へ進行する。

夾雑物横送りコンベヤは第２逆転コンベヤの前端部下
側において機長方向に直交する方向に延長し、その進行
側端部の下側から夾雑物送りコンベヤが機長方向に延長
して夾雑物タンクに至る。

第１逆転コンベヤは左右のベルトに渡された根菜逆転
コンベヤロッドからなり、その根菜逆転コンベヤロッド
は櫛状のゴム針を備え、そのゴム針の物性は根菜がのっ
ても針面は開かないが、土石がのると変形して開くよう
に設定される。

第２逆転コンベヤは左右のベルトに渡された茎葉排出
コンベヤロッドからなり、その茎葉排出ロッドも櫛状の
ゴム針を備え、そのゴム針の物性はその上に土石がのっ
ても針面が開かないように設定される。

［作用］ ロータリコンベヤの出口から夾雑物排出装置に移送さ
れた根菜には土石の外に小茎葉が混入している。これら
は第１逆転コンベヤのゴム針斜面上に落下する。そこ
で、根菜がのっても針面が開かないから、根菜は斜面上
を転動して前端側へ落下し第１製品送りコンベヤに移行
するが、土石は開いたゴム針の間にはさまれ、小茎葉は
ゴム針に引掛けられ共に後端側へ搬送される。

第１逆転コンベヤの後端部から土石と小茎葉は第２逆
転コンベヤのゴム針斜面上に落下する。そこで、土石が
のっても斜面が開かないから、土石は前端側に転動落下
して夾雑物横送りコンベヤに落ち、それから夾雑物送り
コンベヤに移され、ついで夾雑物タンクに投入される。
小茎葉は第２逆転コンベヤのゴム針に引掛けられ後端部
から機外に放出される。

［実施例］ 本考案の装置を図面に示す実施例に基づいて説明す
る。

第１図及び第２図に示すように、根菜類収穫機10は掘
取刃11によって掘上げた根菜、土石、茎葉を第１コンベ
ヤ12にのせて移行コンベヤ13へ送る。移行コンベヤ13は
根菜等をロータリコンベヤ14の内側最下位置にある入口
に投入する。第１コンベヤの終端部には、茎葉処理ロー
ラ15が配置され、移行コンベヤ13に落下する茎葉をロー
ラではさみ、機外へ放出する。しかし、ローラに掛から
ない小茎葉は根菜等と共にロータリコンベヤ14に入る。
ロータリコンベヤ14の回転によって根菜等はロータリコ
ンベヤ14の内側最上位置にある出口から本考案の夾雑物
排出装置30の第１逆転コンベヤ31の上に落下する。根菜
はコンベヤ31上をその走行方向とは逆方向に転動して第
１製品送りコンベヤ16に達するが、土塊、石、小茎葉は
第１逆転コンベヤ31の走行方向に搬送され、ついで第２
逆転コンベヤ32へ渡される。土塊と石は第２逆転コンベ
ヤ32上をその走行方向とは逆方向に転動して下側の夾雑
物横送りコンベヤ33に落ちる。夾雑物横送りコンベヤ33
は土塊と石を機長方向に走行する夾雑物送りコンベヤ34
に渡し、その夾雑物送りコンベヤは土塊と石を機台中央
の夾雑物タンク26に投入する。

他方、小茎葉は第２逆転コンベヤ32によって搬送され
機外へ放出される。根菜は第１製品送りコンベヤ16によ
って第２製品送りコンベヤ17へ送られるが、その間に配
置された選別ロール18を通過するとき、混入しているハ
ネ品となる小形根菜が分離除去される。分離された石は
石送りコンベヤ19上に落下し、夾雑物タンク26へ送込ま
れる。第２製品送りコンベヤ17は根菜を製品タンク20に
送込み、その製品タンクは左右のコンテナ21に根菜を積
込む。これらの構成は、夾雑物排出装置を除き、従来の
ものと同じである。図において矢印はコンベヤの走行方
向を示す。

次に、夾雑物排出装置30を詳しく説明する。

第１及び第２逆転コンベヤ31、32、夾雑物横送りコン
ベヤ33、夾雑物送りコンベヤ34を支えるフレーム35は根
菜類収穫機10の機枠25に固定される。

第１逆転コンベヤ31はロータリコンベヤ14の出口直下
において機長方向に配置され、前端は渡りロール22を介
して第１製品送りコンベヤ16に接続し、前端よりも高い
後端はロータリコンベヤ14の背後に斜に突出する。第１
逆転コンベヤ31は第１製品コンベヤ16とは逆方向すなわ
ち上面が前端側から後端側へ走行する。第１逆転コンベ
ヤ31に続く第２逆転コンベヤ32も機長方向に配置され、
後端が前端よりも高く、上面が前端側より後端側へ走行
する。第２逆転コンベヤ32は第１逆転コンベヤの後端か
ら落下する土石等を上面の中央で受けるように配置され
る。第２逆転コンベヤ32の前端下側に夾雑物横送りコン
ベヤ33が機長方向に直交して配設され、その進行側端部
の下側に機長方向に夾雑物タンク26まで延びる夾雑物送
りコンベヤ34が配置される。

第１逆転コンベヤ31は左右のコンベヤベルトの間に等
ピッチで渡された根菜逆転コンベヤロッド36からなり、
その根菜逆転コンベヤロッドは、第３図及び第４図に示
すように、鉄製の芯37に櫛状のゴム材38を被覆して焼付
けたものである。コンベヤ上面に並ぶゴム針39のコンベ
ヤ走行方向及びそれに直交する方向のピッチは同一であ
る。ゴム針39の硬度、長さ、ピッチは、根菜が針面にの
ったときは曲らないが、土塊又は石がのると曲って針面
が開くように設定する。例えば、ゴム針39をゴム硬度Hs
50、針長55mm、ピッチ13mm（ロッドピッチは26mmとして
ロッドごとに走行方向に２本のゴム針を設ける）、針先
径3.5mm、針元径5.5mmにすると、馬鈴薯がのっても針面
は開かないが、土石がのると針面が開き、土石ははさま
れて把持される。したがって、ロータリコンベヤ14から
根菜、土石、小茎葉が第１逆転コンベヤ31の上面に落ち
ると、土塊と石はゴム針39の間にはまり、小茎葉はゴム
針39に引掛けられて後方に搬送されるが、根菜はゴム針
39の針斜面を転動して落下し、第１製品送りコンベヤ16
に達する。第２逆転コンベヤ32も左右のコンベヤベルト
の間に等ピッチで渡された茎葉排出コンベヤロッド40を
備え、その茎葉排出コンベヤロッドは、第５図及び第６
図に示すように、鉄製の芯41に櫛状のゴム材42を被覆焼
付けしたものである。ゴム針43の硬度、長さ、ピッチは
土塊と石が針面にのっても曲って開くことがないように
設定する。例えば、ゴム針43をゴム硬度Hs25、針長27m
m、ピッチ26mm、横方向千鳥配列ピッチ10mm、針径5mと
すると、土塊、石は針斜面を転動して前端から夾雑物物
横送りコンベヤ33上に落下し、夾雑物送りコンベヤ34を
経て夾雑物タンク26へ送込まれ、小茎葉はゴム針43に引
掛けられ後端から放出される。

［考案の効果］ 上記のとおり、本考案の装置は、従来の第１コンベヤ
の終端部に配置した茎葉処理ローラのみで茎葉を分離除
去していたために小茎葉の分離除去が不十分であった装
置とは異なり、茎葉処理ローラで除去できなかった小茎
葉をロータリコンベヤの出口直下に設けた第１逆転コン
ベヤで根菜から土石と小茎葉を分離し、ついで第２逆転
コンベヤで土石と小茎葉を分離し、土石は夾雑物タンク
へ、小茎葉は機外へ放出するので、製品タンク中の根菜
に混入する茎葉は非常に少ないという優れた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の装置を備えた根菜類収穫機
の側面図、 第２図は第１図の収穫機の各コンベヤを略図的に示す平
面図、 第３図及び第４図は第１逆転コンベヤの根菜逆転ロッド
の正面図及び側面図、 第５図及び第６図は第２逆転コンベヤの茎葉排出ロッド
の平面図及び側面図である。 図において、10は根菜類収穫機、11は掘取刃、12は第１
コンベヤ、25は機枠、14はロータリコンベヤ、15は茎葉
処理ローラ、16は第１製品送りコンベヤ、26は夾雑物タ
ンク、30は夾雑物排出装置、31は第１逆転コンベヤ、32
は第２逆転コンベヤ、33は夾雑物横送りコンベヤ、34は
夾雑物送りコンベヤ、36は根菜逆転コンベヤロッド、39
はゴム針、40は茎葉排出コンベヤロッド、43はゴム針を
それぞれ示す。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】根菜類を掘上げる掘取刃（11）と、前記掘
   取刃の掘上げた根菜類をロータリコンベヤ（14）の入口
   へ搬送する第１コンベヤ（12）と、前記ロータリコンベ
   ヤの出口から根菜類を受け取る第１製品送りコンベヤ
   （16）とを備えた収穫機（10）において、前記収穫機の
   機枠（25）に第１及び第２逆転コンベヤ（31、32）と夾
   雑物（土石）横送りコンベヤ（33）と夾雑物（土石）送
   りコンベヤ（34）とからなる夾雑物排出装置（30）が設
   けられ、前記第１逆転コンベヤは前記ロータリコンベヤ
   出口の下側において、機長方向に延びて前端部は前記第
   １製品コンベヤに接続し、後端部は前端部よりも高く斜
   めに突出し、前記第２逆転コンベヤは前記第１逆転コン
   ベヤ後端部の下側において機長方向に延びてその後端部
   は前端部よりも高く斜めに突出し、前記夾雑物（土石）
   横送りコンベヤは前記第２逆転コンベヤの前端部の下側
   において機長方向に直交する方向に延長し、前記夾雑物
   （土石）送りコンベヤは前記夾雑物（土石）横送りコン
   ベヤの一端部から機長方向に夾雑物（土石）タンクまで
   延長し、前記第１逆転コンベヤは左右のベルトに等ピッ
   チで渡されて上面が前端側から後端側へ走行する根菜逆
   転コンベヤロッド（36）からなり、前記根菜逆転コンベ
   ヤロッドは櫛状のゴム針（39）を備えそのゴム針の針面
   は根菜がのっても開かないが、土石がのると開いてはま
   り込むように設定され、前記第２逆転コンベヤは左右の
   ベルトに等ピッチに渡されて上面が前端側から後端側へ
   走行する茎葉排出コンベヤロッド（40）からなり、前記
   茎葉排出コンベヤロッドは櫛状のゴム針（43）を備えそ
   のゴム針の針面は土石がのっても開かないように設定さ
   れたことを特徴としてなる根菜類収穫機の夾雑物排出装
   置。