JP2532591B2 - 単結晶光ファイバの作製装置 - Google Patents

単結晶光ファイバの作製装置

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JP2532591B2 JP63162670A JP16267088A JP2532591B2 JP 2532591 B2 JP2532591 B2 JP 2532591B2 JP 63162670 A JP63162670 A JP 63162670A JP 16267088 A JP16267088 A JP 16267088A JP 2532591 B2 JP2532591 B2 JP 2532591B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は単結晶光ファイバの作製装置に関し、長尺な
単結晶光ファイバを容易に作製し得るよう工夫したもの
である。
<従来の技術> 第3図は従来技術に係る単結晶光ファイバの作製装置
を示す説明図である。同図において、31は光源部である
CO2レーザー、32はレンズ系、33はミラー33a,33bを有す
る導光機構部、34はガス雰囲気調整部、34dはガス雰囲
気調整部34の亜鉛セレン(ZnSe)窓である。
かかる作製装置においてCO2レーザー31から出射した
光は、レンズ系32によりビーム径を拡大され、導光機構
部33のミラー33a,33bにより光路を変換され、CO2レーザ
ー光を透過する亜鉛セレン窓34dを透過してガス雰囲気
調整部34に入射する。
ガス雰囲気調整部34を抽出・拡大して第4図に示す。
同図に示すように、ガス雰囲気調整部34に入射した光は
ミラー34a,34bで分離されるとともに方向を変換され、
集光ミラー34cに入射して集光され、細径結晶母材35aの
先端近傍を加熱する。このとき、細径結晶母材35aの下
端部と単結晶光ファイバ36aの先端部はガス雰囲気調整
部34の内部で上下方向に移動可能となっている結晶母材
移動保持部35とファイバ移動保持部36に夫々保持されて
おり、結晶母材移動保持部35の上方向への移動速度とフ
ァイバ移動保持部36の上方向への移動速度との比を調整
することにより所望の外径の単結晶光ファイバを作製す
るようになっている。
単結晶光ファイバの作製の際には、単結晶光ファイバ
の結晶性を良くするため必要に応じ、酸素ガス,ヘリウ
ムガス等を雰囲気として導入する。このガス導入は、ガ
ス供給管38を介して行なう。このように単結晶光ファイ
バ作製の際には、雰囲気ガスを調整する必要があるた
め、ガス雰囲気調整部34は密閉に近い状態となってい
る。
<発明が解決しようとする課題> 上述の如き作製装置においては、作製の各段階で雰囲
気ガスの成分を変化させる場合もあり、ガス雰囲気調整
部34の容積が大きい場合には時間応答が遅くなり、短時
間で雰囲気ガスを調整することができない。このためガ
ス雰囲気調整部34の内容積が限定される。
一方、上記作製装置においては、ガス雰囲気調整部34
の内部に結晶母材移動保持部35及びファイバ移動保持部
36が収納されているため、作製できる単結晶光ファイバ
の長さがガス雰囲気調整部34の内容積に制限されて短い
ものとなり、通常5cm程度が限界であった。また、上記
作製装置ではガス雰囲気調整部34の内容積によって制限
された領域内に結晶母材移動保持部35とファイバ移動保
持部36を設置しているため、単結晶光ファイバの作製に
おいて重要な細径結晶母材35aと単結晶光ファイバ36aの
精密な軸合せ機構を設けるのが難しいという問題がある
ばかりでなく、ガス雰囲気調整部34内の雰囲気ガスにつ
いても、結晶母材及びファイバ移動保持部35,36に悪影
響を与えるなどの観点からガスの種類や圧力が制限され
るという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、長尺の単結
晶光ファイバの作製及び細径結晶母材と単結晶光ファイ
バとの精密な軸合せを容易に行なうことができるととも
に雰囲気ガスの選定を自由に行なうことができる単結晶
光ファイバの作製装置を提供することを目的とする。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成する本発明の構成は、ガスが充満され
る内部空間を有するガス雰囲気調整部の内部で、光源か
らの出射光を集光して細径結晶母材の先端を加熱すると
ともに細径結晶母材の先端を保持して引き上げることに
より単結晶光ファイバを作製する作製装置において、 細径結晶母材の下端部を保持して上下方向に移動可能
となっている結晶母材移動保持部及び細径結晶母材から
引き上げた単結晶光ファイバの上端部を保持して上下方
向に移動可能となっているファイバ移動保持部をガス雰
囲気調整部の下方及び上方にこのガス雰囲気調整部を挾
んで配設したことを特徴とする。
<作用> 上記構成の本発明によれば、結晶母材移動保持部及び
ファイバ移動保持部はガス雰囲気調整部の外部で上下方
向に移動する。
<実 施 例> 以下本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
第1図は本発明の実施例に係る単結晶光ファイバの作
製装置を示す説明図である。同図において、1は光源部
であるCO2レーザー、2はレンズ系、3はミラー3a,3bを
有する導光機構部、4はガス雰囲気調整部であり、CO2
レーザー1から出射した光はレンズ系2によりビーム径
を拡大され、導光機構部3のミラー3a,3bにより光路を
変換され、CO2レーザ光を通過する亜鉛セレン窓4dを透
過してガス雰囲気調整部4に入射するようになってい
る。
細径結晶母材5aの下端部を保持する結晶母材移動保持
部5及び単結晶光ファイバ6aの上端部を保持するファイ
バ移動保持部6はガス雰囲気調整部4の外部に配設され
ており、駆動機構7により上下方向に移動し得るように
なっている。本実施例の場合ファイバ移動保持部6は60
cm移動し得る。
第2図(a)はガス雰囲気調整部4を抽出・拡大して
示す平面図、第2図(b)はその正面縦断面図である。
両面に示すように、亜鉛セレン窓4dを通過してガス雰囲
気調整部4に入射した光(図に破線で示す)はミラー4
a,4bで分離されるとともに方向に変換されて集光ミラー
4cに入射して集光され、細径結晶母材5aの先端近傍を加
熱する。この際、ガス雰囲気調整部4の内部のガス雰囲
気は必要に応じてガス供給管8からガスを供給して調整
するようになっている。かくて、ガス雰囲気調整部4に
おいて、光の入射口は亜鉛セレン窓4dにより、また線径
測定用および監視用の側面口は側面窓4eにより閉じられ
ており、ガスの流れに関しては細径結晶母材5a,単結晶
光ファイバ6aの通る穴のみが開放口となって準密閉状態
で、かつ小容積のものとして形成してある。即ち、ガス
供給管8から供給するガスの成分および圧力を調整する
ことにより容易にガス雰囲気調整部4の内部のガス雰囲
気を所望の値に調整し、保持することができるようにな
っている。
かかる本実施例装置を用いて単結晶光ファイバを作製
する際、結晶母材移動保持部5の上方向への速度をv1
ファイバ移動保持部6の上方向への速度をv2とすると、
細径結晶母材5aの外径a1と単結晶光ファイバの外径a2
の関係は となる。本実施例の結晶母材移動保持部5,ファイバ移動
保持部6は、ガス雰囲気調整部4の外側にあるため、ガ
ス雰囲気調整部の大きさに規制されることなく、駆動機
構7の駆動距離によってのみ、結晶母材移動保持部5,フ
ァイバ移動保持部6の移動距離が定まり、従来に比べ長
尺の単結晶光ファイバ作製が可能となる。
本実施例装置を用いて、ニオブ酸リチウム単結晶光フ
ァイバを作製したところ直径100μm長さ50cmの単結晶
光ファイバを作製できた。作製した単結晶光ファイバの
外径の偏差は±3μm以内であり、結晶状態も良好であ
り、本実施例装置により良好な特性の長尺単結晶光ファ
イバを作製できることが確認された。
更に、本実施例装置を用いてガス供給管8より、雰囲
気調整用ガスを導入し、各種の雰囲気ガス及び加圧、減
圧の条件下で単結晶光ファイバの作製を実施した。たと
えば、ニオブ酸リチウムを素材とした場合、水蒸気を含
んだ酸素ガス、1気圧(常圧)の条件下で最も光学的特
性に優れた単結晶光ファイバが得られた。雰囲気ガスと
しては酸素のほか、アルゴン,ヘリウム,窒素,塩素等
が可能であり、圧力も加圧状態で9気圧まで、減圧状態
で0.1Torrまで可能であった。
また、第1図に示した本発明の装置において、結晶母
材移動保持部5はファイバ移動保持部6に、横方向(X
−Y方向)の精密移動機能を設けることにより、細径結
晶母材5aと単結晶光ファイバ6aの精密な軸合せ調整が可
能となった。こうして作製した単結晶光ファイバの場
合、真直率が極めて良く、また直径変化も少ないものが
得られた。
<発明の効果> 以上実施例とともに具体的に説明したように、本発明
においてはガス雰囲気調整部の外部に結晶母材移動保持
部とファイバ移動保持部があるため、結晶母材移動保持
部とファイバ移動保持部の保持機構,駆動機構を、ガス
雰囲気調整部の大きさに制限されずに設定できる。この
ため、単結晶光ファイバをロール状の物に巻きつけて保
持し、引っぱる構成など、目的に応じて種々の構造の結
晶母材移動保持部,ファイバ移動保持部を適用でき、長
尺の単結晶光ファイバを作製できるという利点がある。
また、雰囲気ガスの種類及び圧力を自由に選定できると
ともに、結晶母材及び光ファイバの軸合せを高精度に行
なえるため、光学的,機械的特性に優れた単結晶光ファ
イバを作製できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す説明図、第2図(a)は
そのガス雰囲気調整部を抽出・拡大して示す平面図、第
2図(b)はその正面縦断面図、第3図は従来技術を示
す説明図、第4図はそのガス雰囲気調整部を抽出・拡大
して示す縦断面図である。 図面中、 4はガス雰囲気調整部、 5は単結晶母材移動保持部、 5aは細径結晶母材、 6はファイバ移動保持部、 6aは単結晶光ファイバである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスが充満される内部空間を有するガス雰
    囲気調整部の内部で、光源からの出射光を集光して細径
    結晶母材の先端を加熱するとともに細径結晶母材の先端
    を保持して引き上げることにより単結晶光ファイバを作
    製する作製装置において、 細径結晶母材の下端部を保持して上下方向に移動可能と
    なっている結晶母材移動保持部及び細径結晶母材から引
    き上げた単結晶光ファイバの上端部を保持して上下方向
    に移動可能となっているファイバ移動保持部をガス雰囲
    気調整部の下方及び上方にこのガス雰囲気調整部を挾ん
    で配設したことを特徴とする単結晶光ファイバの作製装
    置。
JP63162670A 1988-07-01 1988-07-01 単結晶光ファイバの作製装置 Expired - Lifetime JP2532591B2 (ja)

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