JP2532332Y2 - 超音波プローブ - Google Patents
超音波プローブInfo
- Publication number
- JP2532332Y2 JP2532332Y2 JP1991002973U JP297391U JP2532332Y2 JP 2532332 Y2 JP2532332 Y2 JP 2532332Y2 JP 1991002973 U JP1991002973 U JP 1991002973U JP 297391 U JP297391 U JP 297391U JP 2532332 Y2 JP2532332 Y2 JP 2532332Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vibrator
- substrate
- ultrasonic probe
- ultrasonic
- thickness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
- Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば医用画像検査装
置である超音波画像検査装置に使用される、高周波数の
音波を発生する超音波プローブに関するものである。
置である超音波画像検査装置に使用される、高周波数の
音波を発生する超音波プローブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、リニア電子走査型の超音波画
像検査装置に使用されている超音波プローブとしては、
例えば図6に示すように、ジルコン酸チタン酸鉛(以
下、PZTという)等の材料から成る矩形板状の振動子
21を用いた超音波プローブが知られている。このよう
な超音波プローブでは、複数個の上記振動子21…を音
響吸収材22上にアレイ状に配列し、各振動子21…の
音響放射面には音響マッチング材23、その上に音響レ
ンズ24などが配置されており、その超音波プローブの
使用周波数が、例えば3MHzの場合、厚み 0.5mmの振動
子21がそれぞれ配列されている。このような超音波プ
ローブにおける各振動子21…の成型工程は、まず、音
響吸収材22上に分極処理済のPZT薄板(厚み 0.5m
m)を接着し、次に、このPZT薄板をダイヤモンドカ
ッターで溝25を順次入れていって分断し、このような
操作を順次平行に所定の間隔で行うことにより、 200本
程の前記のような矩形板状の振動子21をそれぞれ形成
するようになっている。
像検査装置に使用されている超音波プローブとしては、
例えば図6に示すように、ジルコン酸チタン酸鉛(以
下、PZTという)等の材料から成る矩形板状の振動子
21を用いた超音波プローブが知られている。このよう
な超音波プローブでは、複数個の上記振動子21…を音
響吸収材22上にアレイ状に配列し、各振動子21…の
音響放射面には音響マッチング材23、その上に音響レ
ンズ24などが配置されており、その超音波プローブの
使用周波数が、例えば3MHzの場合、厚み 0.5mmの振動
子21がそれぞれ配列されている。このような超音波プ
ローブにおける各振動子21…の成型工程は、まず、音
響吸収材22上に分極処理済のPZT薄板(厚み 0.5m
m)を接着し、次に、このPZT薄板をダイヤモンドカ
ッターで溝25を順次入れていって分断し、このような
操作を順次平行に所定の間隔で行うことにより、 200本
程の前記のような矩形板状の振動子21をそれぞれ形成
するようになっている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】近年、超音波画像検査
装置の分解能力を向上させるために使用周波数をさらに
高周波数化、例えば30MHzとし、そのためには、PZT
等のセラミックス材料から成る上記振動子21の厚みを
さらに薄く、例えば30MHzならば0.05mmとする必要があ
る。ところが、そのような厚さのPZT薄板を前記のよ
うに加工することは困難である。つまり、上記PZT薄
板が現在使用されている 0.5mmよりも薄くなると、溝2
5の形成工程においてセラミックスであるPZT薄板が
破損し易くなっており、よって、分解能の高い超音波プ
ローブを得ることが困難であるという問題を生じてい
る。
装置の分解能力を向上させるために使用周波数をさらに
高周波数化、例えば30MHzとし、そのためには、PZT
等のセラミックス材料から成る上記振動子21の厚みを
さらに薄く、例えば30MHzならば0.05mmとする必要があ
る。ところが、そのような厚さのPZT薄板を前記のよ
うに加工することは困難である。つまり、上記PZT薄
板が現在使用されている 0.5mmよりも薄くなると、溝2
5の形成工程においてセラミックスであるPZT薄板が
破損し易くなっており、よって、分解能の高い超音波プ
ローブを得ることが困難であるという問題を生じてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案の超音波プローブ
は、圧電素子から成る振動子基板上に溝が独立して、複
数個並んで設けられ、これらの溝を覆う音響吸収材が上
記振動子基板上に設けられ、上記各溝の底部と対向する
上記振動子基板面が研磨されて上記各溝の底部とこれに
対向する上記振動子基板面との間が振動子として設けら
れていることを特徴としている。
は、圧電素子から成る振動子基板上に溝が独立して、複
数個並んで設けられ、これらの溝を覆う音響吸収材が上
記振動子基板上に設けられ、上記各溝の底部と対向する
上記振動子基板面が研磨されて上記各溝の底部とこれに
対向する上記振動子基板面との間が振動子として設けら
れていることを特徴としている。
【0005】
【作用】上記の構成によれば、各溝の底部とこれに対向
する振動子基板面との間に電気を印加すれば、それらの
間を振動子として振動させることができ、上記底部に対
向する音響吸収材が設けられていることにより、上記振
動子基板面から超音波が放射できる。また、上記振動子
基板上に溝を独立して、複数個並べて形成し、その後、
振動子基板における溝底部対向面全体を研磨して上記振
動子基板の厚みを薄くすれば、従来のように振動子基板
を分断する際に加わる大きな力が生じないので、振動子
基板の破損が生じ難く、さらに、形成された厚みの薄い
振動子は、厚みの厚い振動子基板部分によって支持され
た構造となり、振動子が薄くともその機械的強度を保持
できるので、従来より厚みの薄い振動子が安定に得られ
る形状となっている。したがって、このような形状を備
える超音波プローブは、従来より高周波数の超音波を発
生し得る分解能に優れたものとなっている。
する振動子基板面との間に電気を印加すれば、それらの
間を振動子として振動させることができ、上記底部に対
向する音響吸収材が設けられていることにより、上記振
動子基板面から超音波が放射できる。また、上記振動子
基板上に溝を独立して、複数個並べて形成し、その後、
振動子基板における溝底部対向面全体を研磨して上記振
動子基板の厚みを薄くすれば、従来のように振動子基板
を分断する際に加わる大きな力が生じないので、振動子
基板の破損が生じ難く、さらに、形成された厚みの薄い
振動子は、厚みの厚い振動子基板部分によって支持され
た構造となり、振動子が薄くともその機械的強度を保持
できるので、従来より厚みの薄い振動子が安定に得られ
る形状となっている。したがって、このような形状を備
える超音波プローブは、従来より高周波数の超音波を発
生し得る分解能に優れたものとなっている。
【0006】
【実施例】本考案の一実施例について図1ないし図5に
基づいて説明すれば、以下の通りである。図2に示すよ
うに、略直方体形状の基板1の面上に、音響吸収材2、
圧電素子3、音響マッチング材4、音響レンズ5が順次
積層されて設けられている。基板1には、所定の強度を
備え、音響吸収材2との接合の容易な素材が選ばれて用
いられ、音響吸収材2には、圧電素子3の一面から放射
される超音波を妨害しないようにその他面から放射され
る超音波振動を吸収できる弾性体であればどのようなも
のでもよく、例えばゴムなどが使用される。音響マッチ
ング材4は、生体に面接して効率良く超音波を伝えるた
め剛性の低い音響レンズ5と、超音波を効率良く発生さ
せるため剛性の高いPZT素子3との音響インピーダン
スが大きく異なるため、それら両者の中間程度の音響イ
ンピーダンスや音速を備える素材が選択され、それら両
者を損失を少なく結合している。さらに、音響マッチン
グ材4は、伝達損失を少なくするため、順次音響インピ
ーダンスを変化させた多層構造としてもよい。音響レン
ズ5には、生じた振動による超音波を所定の方向に指向
性よく放射するために、通常その形状は前面が湾曲した
かまぼこ形に成型されると共に、生体に接触して使用さ
れることから、生体に似た音響インピーダンスや音速を
備える材料が選択される。
基づいて説明すれば、以下の通りである。図2に示すよ
うに、略直方体形状の基板1の面上に、音響吸収材2、
圧電素子3、音響マッチング材4、音響レンズ5が順次
積層されて設けられている。基板1には、所定の強度を
備え、音響吸収材2との接合の容易な素材が選ばれて用
いられ、音響吸収材2には、圧電素子3の一面から放射
される超音波を妨害しないようにその他面から放射され
る超音波振動を吸収できる弾性体であればどのようなも
のでもよく、例えばゴムなどが使用される。音響マッチ
ング材4は、生体に面接して効率良く超音波を伝えるた
め剛性の低い音響レンズ5と、超音波を効率良く発生さ
せるため剛性の高いPZT素子3との音響インピーダン
スが大きく異なるため、それら両者の中間程度の音響イ
ンピーダンスや音速を備える素材が選択され、それら両
者を損失を少なく結合している。さらに、音響マッチン
グ材4は、伝達損失を少なくするため、順次音響インピ
ーダンスを変化させた多層構造としてもよい。音響レン
ズ5には、生じた振動による超音波を所定の方向に指向
性よく放射するために、通常その形状は前面が湾曲した
かまぼこ形に成型されると共に、生体に接触して使用さ
れることから、生体に似た音響インピーダンスや音速を
備える材料が選択される。
【0007】そして、圧電素子3には、圧電感度等を考
慮してジルコン酸チタン酸鉛系セラミックスが使用され
ている(以下、圧電素子3をPZT素子3という)。こ
のPZT素子3は次に説明する製造工程を経て成型され
る。まず、図3に示すように、ジルコン酸チタン酸鉛系
セラミックス粉末が加圧成型後、焼成されて例えば長さ
100mm、幅10mm、厚み1mmの緻密な圧電セラミックス板
11に成型され、両面に無電解ニッケルメッキ(厚み約
1ミクロン)を施す。次に、高電圧(20KV/cm)を上記両
面に印加して分極する。続いて、分極された上記圧電セ
ラミックス板11の一面に、図4に示すように、長さ8
mm、幅 0.3mm、深さ 0.9mmの断面略長方形状の溝7を、
その底面がこの底面に対向する圧電セラミックス板11
面と平行に形成する。このような溝7は 256本というよ
うに2の倍数個形成され、相互に平行に所定の間隔で超
音波加工により研削して形成される。この後、上記圧電
セラミックス板11における上記各溝7…の形成されて
いない平面全体を研磨して、上記圧電セラミックス板1
1の厚みを0.95mmにする。この研磨面は、後述するよう
に超音波放射面9となっている。次に、厚みが薄くなっ
た上記圧電セラミックス板11の両面に、再度無電解ニ
ッケルメッキ(厚み約1ミクロン)を施し、さらに銅メ
ッキ(厚み約1ミクロン)を施してメッキ層をそれぞれ
形成する。その後、図5に示すように、上記圧電セラミ
ックス板11における各溝7…間に形成される各ランド
部13…面上のメッキ層と、超音波放射面9上のメッキ
層の一部を研磨により除去して、各溝7…の壁面上の第
1メッキ層14と、各溝7…底面に対向する超音波放射
面9上の第2メッキ層15…と、これら第2メッキ層1
5…を超音波放射面9の幅方向一端部において連結する
第3メッキ層17と形成する。続いて、メッキされた各
溝7…の底面を挟んだ両側にある各壁面のどちらか一方
の各第1メッキ層14…面にハンダによりリード線16
をそれぞれ接続し、一方、第3メッキ層17の長さ方向
一端部面に上記と同様にハンダによりリード線16を接
続する。このようにして、長さ8mm、幅 0.3mm、厚さ0.
05mmの振動子8を多数有し、それぞれを個別に制御でき
るPZT素子3が得られる。このようなPZT素子3
は、図1に示すように、音響吸収材2上に各溝7…の開
口部を音響吸収材2に向けて配置されて超音波プローブ
として使用される。なお、上記における振動子8の厚み
は、使用する超音波の周波数に応じて振動子8の厚みと
密度とにより決まる共振周波数となるように変えること
ができる。
慮してジルコン酸チタン酸鉛系セラミックスが使用され
ている(以下、圧電素子3をPZT素子3という)。こ
のPZT素子3は次に説明する製造工程を経て成型され
る。まず、図3に示すように、ジルコン酸チタン酸鉛系
セラミックス粉末が加圧成型後、焼成されて例えば長さ
100mm、幅10mm、厚み1mmの緻密な圧電セラミックス板
11に成型され、両面に無電解ニッケルメッキ(厚み約
1ミクロン)を施す。次に、高電圧(20KV/cm)を上記両
面に印加して分極する。続いて、分極された上記圧電セ
ラミックス板11の一面に、図4に示すように、長さ8
mm、幅 0.3mm、深さ 0.9mmの断面略長方形状の溝7を、
その底面がこの底面に対向する圧電セラミックス板11
面と平行に形成する。このような溝7は 256本というよ
うに2の倍数個形成され、相互に平行に所定の間隔で超
音波加工により研削して形成される。この後、上記圧電
セラミックス板11における上記各溝7…の形成されて
いない平面全体を研磨して、上記圧電セラミックス板1
1の厚みを0.95mmにする。この研磨面は、後述するよう
に超音波放射面9となっている。次に、厚みが薄くなっ
た上記圧電セラミックス板11の両面に、再度無電解ニ
ッケルメッキ(厚み約1ミクロン)を施し、さらに銅メ
ッキ(厚み約1ミクロン)を施してメッキ層をそれぞれ
形成する。その後、図5に示すように、上記圧電セラミ
ックス板11における各溝7…間に形成される各ランド
部13…面上のメッキ層と、超音波放射面9上のメッキ
層の一部を研磨により除去して、各溝7…の壁面上の第
1メッキ層14と、各溝7…底面に対向する超音波放射
面9上の第2メッキ層15…と、これら第2メッキ層1
5…を超音波放射面9の幅方向一端部において連結する
第3メッキ層17と形成する。続いて、メッキされた各
溝7…の底面を挟んだ両側にある各壁面のどちらか一方
の各第1メッキ層14…面にハンダによりリード線16
をそれぞれ接続し、一方、第3メッキ層17の長さ方向
一端部面に上記と同様にハンダによりリード線16を接
続する。このようにして、長さ8mm、幅 0.3mm、厚さ0.
05mmの振動子8を多数有し、それぞれを個別に制御でき
るPZT素子3が得られる。このようなPZT素子3
は、図1に示すように、音響吸収材2上に各溝7…の開
口部を音響吸収材2に向けて配置されて超音波プローブ
として使用される。なお、上記における振動子8の厚み
は、使用する超音波の周波数に応じて振動子8の厚みと
密度とにより決まる共振周波数となるように変えること
ができる。
【0008】このような超音波プローブでは、個々の振
動子8…において第1メッキ層14と第2メッキ層15
とに、各リード線16・16と第3メッキ層17とを通
して使用する周波数に応じた交流を印加して使用する。
このとき、上記振動子8が振動し、第2メッキ層15側
にある超音波放射面9から放射される超音波は、音響マ
ッチング材4を通して音響レンズ5に伝達され、この音
響レンズ5の表面は生体に面接して所定のビーム形状で
生体内に放射される。なお、第1メッキ層14側から放
射される超音波は音響吸収材2で吸収されて外部には漏
れない。
動子8…において第1メッキ層14と第2メッキ層15
とに、各リード線16・16と第3メッキ層17とを通
して使用する周波数に応じた交流を印加して使用する。
このとき、上記振動子8が振動し、第2メッキ層15側
にある超音波放射面9から放射される超音波は、音響マ
ッチング材4を通して音響レンズ5に伝達され、この音
響レンズ5の表面は生体に面接して所定のビーム形状で
生体内に放射される。なお、第1メッキ層14側から放
射される超音波は音響吸収材2で吸収されて外部には漏
れない。
【0009】ところで、従来では、上記のような厚みの
振動子を得る場合、厚さ0.05mmの振動子基板をダイヤモ
ンドカッター等で分断しており、その分断過程で振動子
基板が薄いため、破損し易く、上記のように薄い振動子
が安定に得られなかった。しかしながら、上記のような
PZT素子3の形状では、最終的な振動子8の厚みがP
ZT素子3における上記各溝7…の形成されていない超
音波放射面9全体を研磨して得られることから、従来の
ように成型時の大きな力がPZT素子3に加わることが
なく、薄い厚みの各振動子8…が安定に得られる。
振動子を得る場合、厚さ0.05mmの振動子基板をダイヤモ
ンドカッター等で分断しており、その分断過程で振動子
基板が薄いため、破損し易く、上記のように薄い振動子
が安定に得られなかった。しかしながら、上記のような
PZT素子3の形状では、最終的な振動子8の厚みがP
ZT素子3における上記各溝7…の形成されていない超
音波放射面9全体を研磨して得られることから、従来の
ように成型時の大きな力がPZT素子3に加わることが
なく、薄い厚みの各振動子8…が安定に得られる。
【0010】このようなPZT素子3を前述した超音波
プローブに用いると、振動子の厚みが従来より安定確実
に薄くできることから、より高周波数が発生できる分解
能に優れた超音波プローブを精度よく作製できる。ま
た、上記の方法では、超音波加工を用いているので、よ
り厚みが薄い振動子が容易に得られ、さらに、薄い振動
子8が、その両側から支持している厚みの厚いPZT素
子3部分によって支持されているため、振動子8が薄く
ともその機械的強度は保持されている。なお、このこと
より、取付作業中にPZT素子3を破損することも低減
されている。また、PZT素子3へのハンダ付けは、P
ZT素子3の厚い部分、つまり振動子8部分以外の部位
にハンダ付けを行うため、熱衝撃で各振動子8…が破壊
されたり、熱のために圧電性能( 200℃以上になると、
分極により配向された結晶状態がもとのランダムな状態
になる)が消失したりすることはない。また、このよう
に高周波数の超音波を発生できる超音波プローブは、例
えば産婦人科では胎内の様子や、眼科における眼内病変
などを診断するとき使用されるリニア電子走査型の医用
超音波画像検査装置、一方、機械などの構成部位中の傷
などを非破壊的に検査する超音波探傷装置などに利用さ
れる。
プローブに用いると、振動子の厚みが従来より安定確実
に薄くできることから、より高周波数が発生できる分解
能に優れた超音波プローブを精度よく作製できる。ま
た、上記の方法では、超音波加工を用いているので、よ
り厚みが薄い振動子が容易に得られ、さらに、薄い振動
子8が、その両側から支持している厚みの厚いPZT素
子3部分によって支持されているため、振動子8が薄く
ともその機械的強度は保持されている。なお、このこと
より、取付作業中にPZT素子3を破損することも低減
されている。また、PZT素子3へのハンダ付けは、P
ZT素子3の厚い部分、つまり振動子8部分以外の部位
にハンダ付けを行うため、熱衝撃で各振動子8…が破壊
されたり、熱のために圧電性能( 200℃以上になると、
分極により配向された結晶状態がもとのランダムな状態
になる)が消失したりすることはない。また、このよう
に高周波数の超音波を発生できる超音波プローブは、例
えば産婦人科では胎内の様子や、眼科における眼内病変
などを診断するとき使用されるリニア電子走査型の医用
超音波画像検査装置、一方、機械などの構成部位中の傷
などを非破壊的に検査する超音波探傷装置などに利用さ
れる。
【0011】
【考案の効果】本考案の超音波プローブは、圧電素子か
ら成る振動子基板上に溝が独立して、複数個並んで設け
られ、これらの溝を覆う音響吸収材が上記振動子基板上
に設けられ、上記各溝の底部と対向する上記振動子基板
面が研磨されて上記各溝の底部とこれに対向する上記振
動子基板面との間が振動子として設けられている構成で
ある。それゆえ、上記振動子基板上に各溝を独立して、
複数個並べて形成し、その後、振動子基板における溝底
部対向面全体を研磨して上記振動子基板の厚みを薄くす
れば、従来のように振動子基板を分断する際に加わる大
きな力が生じないので、振動子基板の破損が生じ難く、
さらに、形成された厚みの薄い振動子は、厚みの厚い振
動子基板部分によって支持された構造となり、振動子が
薄くともその機械的強度を保持できるので、従来より厚
みの薄い振動子が安定に得られる形状となっている。し
たがって、このような形状を備える超音波プローブは、
従来より高周波数の超音波を発生し得るものとなってい
る。この結果、分解能の高いという優れた特性を備える
ことができるという効果を奏する。
ら成る振動子基板上に溝が独立して、複数個並んで設け
られ、これらの溝を覆う音響吸収材が上記振動子基板上
に設けられ、上記各溝の底部と対向する上記振動子基板
面が研磨されて上記各溝の底部とこれに対向する上記振
動子基板面との間が振動子として設けられている構成で
ある。それゆえ、上記振動子基板上に各溝を独立して、
複数個並べて形成し、その後、振動子基板における溝底
部対向面全体を研磨して上記振動子基板の厚みを薄くす
れば、従来のように振動子基板を分断する際に加わる大
きな力が生じないので、振動子基板の破損が生じ難く、
さらに、形成された厚みの薄い振動子は、厚みの厚い振
動子基板部分によって支持された構造となり、振動子が
薄くともその機械的強度を保持できるので、従来より厚
みの薄い振動子が安定に得られる形状となっている。し
たがって、このような形状を備える超音波プローブは、
従来より高周波数の超音波を発生し得るものとなってい
る。この結果、分解能の高いという優れた特性を備える
ことができるという効果を奏する。
【図1】本考案の超音波プローブの要部断面図である。
【図2】上記超音波プローブの要部斜視図である。
【図3】上記超音波プローブにおける原材料である圧電
セラミックス板の一部斜視図である。
セラミックス板の一部斜視図である。
【図4】溝の形成された上記圧電セラミックス板の一部
斜視図である。
斜視図である。
【図5】各メッキ層にリード線がそれぞれハンダ付けさ
れた上記圧電セラミックス板の要部断面図である。
れた上記圧電セラミックス板の要部断面図である。
【図6】従来の超音波プローブを上部から階段状に除去
して、超音波プローブの構造を示す要部斜視図である。
して、超音波プローブの構造を示す要部斜視図である。
2 音響吸収材 3 PZT素子(振動子基板) 7 溝 8 振動子
Claims (1)
- 【請求項1】圧電素子から成る振動子基板上に溝が独立
して、複数個並んで設けられ、これらの溝を覆う音響吸
収材が上記振動子基板上に設けられ、上記各溝の底部と
対向する上記振動子基板面が研磨されて上記各溝の底部
とこれに対向する上記振動子基板面との間が振動子とし
て設けられていることを特徴とする超音波プローブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991002973U JP2532332Y2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 超音波プローブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991002973U JP2532332Y2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 超音波プローブ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04102398U JPH04102398U (ja) | 1992-09-03 |
JP2532332Y2 true JP2532332Y2 (ja) | 1997-04-16 |
Family
ID=31731513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991002973U Expired - Lifetime JP2532332Y2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 超音波プローブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2532332Y2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62232299A (ja) * | 1986-04-02 | 1987-10-12 | Toshiba Corp | 圧電振動子 |
-
1991
- 1991-01-31 JP JP1991002973U patent/JP2532332Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04102398U (ja) | 1992-09-03 |
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